閑猫堂

hima-neko-dou ときどきのお知らせと猫の話など

ならべる

2011-09-17 13:35:17 | 日々

桜の秋は早い。
春に、いきなりあんなたくさんの花を咲かせるのだから、
それだけ疲れが出るのも早いのかもしれない。
まだ8月のうちから、ちらほらと色づいた葉が落ち始めている。

例によって、見ると拾いたくなり、
拾うと並べたくなる。
きりがない。
なんでしょうか、これは。

 

オーストラリア北部の森の中には
ハバシニワシドリ(歯嘴庭師鳥?)という鳥がいて、
地面をきれいにお掃除して、木の葉を並べる。
特定の種類の大きめの葉を、茎から噛み切って持ってきて、
白っぽい裏のほうを上に向けて一面に並べる。

これが、ただでたらめに並べるのではない。
重ならないよう、等間隔を保ち、風で位置がずれると元に戻す。
葉っぱがしおれて丸まってくると新しいのに取り替え、
他の枯れ葉やごみがまぎれこむと取り除く。

鳥は木の葉で何をしているかというと、
トランプ占いを・・ではなくて・・
これは「お嫁さん募集中」のディスプレイなのですね。
薄暗いジャングルの中で、空き地に並べた白っぽい葉は
木の上から見ると、けっこう目立つ、らしい。
ハバシニワシドリのお嬢さんは、それを目にすると、
お気に入りブランドのロゴマークにひかれるごとく
ぱたぱたと舞い降りてくる、らしい。

この鳥のくちばしは、ふちがぎざぎざのノコギリ状で、
葉っぱを噛み切りやすいようにできている。
不思議な習性、不思議な進化である。
しかし、目的は別として、ひとりでせっせと並べているときの
鳥の気持ちは、なんとなくわからないでもない。
いや、とてもよくわかる・・ような気がします。

 

コメント
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