弁理士の日々

特許事務所で働く弁理士が、日常を語ります。

東京大学「異星の踏査」展

2007-12-18 21:13:13 | サイエンス・パソコン
東京大学総合研究博物館「異星の踏査~アポロからはやぶさへ」

12月26日までの期間で、東京大学(本郷)にある総合研究博物館で、標記展示が行われています。入場無料です。
私は12月15日に見てきました。

展示スペースとしてはごくささやかな展示です。
目玉展示品は、アメリカのアポロ宇宙船(有人月面踏査)で月から宇宙飛行士が持ち帰った「月の石」と、「ビルト第二彗星のダスト」で、NASAのスターダスト計画によって昨年取得されたものです。もっとも、月の石は3センチ角程度の大きさで、ピラミッド型の透明アクリル樹脂に埋め込まれて展示されています。また彗星のダストも、顕微鏡でなければ見えないようなわずかな塵に過ぎません。

見たところは何の変哲もない石ころと塵ですから、これだけ見ても胸が高鳴ると言うことはありませんが。
月の石周辺のセキュリティーが厳重であることは印象的です。

展示として、いくつかの映像を見ることができます。
入り口の近くで映していた映像は、先日の月周回衛星「かぐや」打ち上げ風景、あるいは1970年代のアポロ有人宇宙船打ち上げ風景などでした。
「かぐや」打ち上げについては、私もネット配信映像をライブで観ました。打ち上げから程なくして、ロケット先端が綿帽子をかぶったように広がったことをそのときも報告しました。その綿帽子が消える瞬間、ロケットの先端付近がピカッと光ったようにそのとき思いました。今回、大きな画面で打ち上げ状況を再度見た結果、確かにロケット先端がピカッと光り、その直後に綿帽子が消えたことを確認しました。

次の映像は、アメリカによる火星探査の紹介です。火星到着から科学探査までを再現映像で紹介しています。
火星の大気圏に突入した探査機は、まずパラシュートで減速し、最後は探査機のまわりのたくさんのゴム風船を膨らまして着地します。次いで探査機を保護する外壁が外側に開き、探査機が現れます。探査機が火星の大地を走り回り、岩石表面を削って科学解析を行う状況までが紹介されます。なかなか印象的な映像でした。

唯一日本が行っている探査である「はやぶさ」については、おとなしい展示があるのみでした。はやぶさ物語の中から、「はやぶさ」の冒険を描いた「祈り」の映像を常時流すようにしたら視覚的に「はやぶさ」を捉えられるだろうに、と残念ではありました。


ところで同じ総合研究博物館の半分以上のスペースは、常設展示である「標本は語る。」展を行っています。
主に動物の骨格標本を見て回りました。
入り口正面に、約350万年前の化石人骨「ルーシー」の骨格標本が飾られています。レプリカだと思うのですが、説明はありませんでした。ルーシーは、身長1.1m、体重29kgと文献では読んでいたのですが、「こんなに小さかったんだ」というのはやはり実物を見て実感しました。
たまたま、犬塚則久著「「退化」の進化学」を読んだところだったので、そちらの内容との対比ができ、興味深かったです。
ニホンザルやオランウータンなどの類人猿の骨格とルーシーの骨格とを対比して、「やはり骨盤の形状がすっかり変わっているな」「足の5本指が、ルーシーではまとまっているけれど類人猿では親指が確かに離れているな」という点をこの目で確認することができ、有意義でした。
「退化」の進化学」についてはまた別に紹介します。
コメント
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