yoshのブログ

日々の発見や所感を述べます。

山中 諸生ニ示ス 王守仁

2016-11-29 09:21:37 | 文学
明の学者、王守仁(号は陽明、陽明学の祖)の五言絶句を紹介します。王陽明の陽明学は、「知行合一」を説き、江戸時代の日本人に大きい影響を与えました。

山中示諸生活

渓辺座流水
水流心共閑
不知山月上
松影落衣斑

渓辺流水ニ座ス
水流レテ心共ニ閑ナリ
知ラズ山月ノ上ルヲ
松影衣ニ落チテ斑(まだら)ナリ

「訳」
 谷川の流れのほとりに腰をおろすと、谷川の流れは、わが心と同じようにのどかだ。そのまましばらく谷川の流れと対するうちに、時が経って夕暮れとなり、いつのまにか、月が山
の端にかかっている。ふと見ると松の影が、わが衣服にまだらに映っていた。

この詩は王維の「竹里館」の漢詩を思わせ、幽玄の世界そのものであり、陽明先生が門人に示した典型的な叙景詩です。「竹里館」を次に示します。

    独座ス幽篁ノ裏(うち)
    弾琴復タ長嘯
    深林人知ラズ
明月来ツテ相照ラス


「吟剣詩舞道漢詩集 続 絶句編」 日本吟剣詩舞振興会
「漢詩」阿部吉雄著 学灯社


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