yoshのブログ

日々の発見や所感を述べます。

無用の用

2013-10-13 05:13:07 | 文学
「無用の用」は「荘子 内篇・人間世(じんかんせい)」にある言葉で、「人は皆、有用の用を知りて無用の用を知ることなし」とあります。役に立つ物は分かりやすいのですが、直ぐには役に立たない物にも色々と意味があることを言っています。兼好法師も「良い住居は、家の中に、役に立たない無駄と思われる空間があり、それが住む人にうるおいを与える効果がある」と、書いています。ナノスケールの空隙を利用した新機能材料(例えば保温剤・衣料品などとして)役に立っています。
また、インドで発見された「零という概念と数字」は数学の発展に著しい貢献をしました。難解な数学の研究成果が、どこに役立つのかは直ぐには分かりにくいのですが、物理学の発展に大きく寄与しているようです。(例えば、リーマン幾何学、群論など)

ところで、巨人軍で成績が振わなかった外国人選手「トマソン」の名をとった「トマソン」という、一見、何の役にも立たない建造物の付属品が、現代の優れた超芸術といわれています。
さて、職場での「朝の挨拶」や、「休憩時間の雑談」。そして、儀礼的となっていると批判
されることもある「年賀状の交換」なども、思えば味わい深いものと言えましょう。これらも「無用の用」の一例ではないでしょうか。
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