春にちなんだ漢詩を二つ紹介します。
尋胡隠君 高啓
渡水復渡水
看花還看花
春風江上路
不覚到君家
胡隠君を尋ぬ
水を渡り 復た水を渡り
花を看(み)還た花を看る
春風江上の路
覚えず 君が家に到る
作者の高啓(1332-1370、こうけい)は明朝の詩人です。「詩は唐風あり」と、いわれ、明朝第一の評価を得ていました。
「春風の吹く川辺の路、知らず知らずにあなたの家に着きました。」こういう尋ねかたの中に隠者の雰囲気が出ています。
絶句 杜甫
杜甫(712―770)は盛唐の詩人、「詩聖」といわれました。
安禄山の乱の後、地方暮らしとなりました。
江碧鳥逾白
山青花欲然
今春看又過
何日是帰年
江碧(みどり)にして鳥逾(いよいよ)白く
山青くして花然(も)えんと欲す
今春看(みすみす)又過ぐ
何(いず)れの日か是れ帰年
蜀の川は深緑に澄み、飛ぶ水鳥はますます白く見える。
山は青々と茂り、花は燃えたつように赤く咲いている。
今年の春も、たちまち過ぎようとしている。
帰郷できるのはいつの日であろうか。
この詩の詩眼は「看」。この一字に千鈞の重みがあります。
石川忠久 「漢詩のこころ」 時事通信社
尋胡隠君 高啓
渡水復渡水
看花還看花
春風江上路
不覚到君家
胡隠君を尋ぬ
水を渡り 復た水を渡り
花を看(み)還た花を看る
春風江上の路
覚えず 君が家に到る
作者の高啓(1332-1370、こうけい)は明朝の詩人です。「詩は唐風あり」と、いわれ、明朝第一の評価を得ていました。
「春風の吹く川辺の路、知らず知らずにあなたの家に着きました。」こういう尋ねかたの中に隠者の雰囲気が出ています。
絶句 杜甫
杜甫(712―770)は盛唐の詩人、「詩聖」といわれました。
安禄山の乱の後、地方暮らしとなりました。
江碧鳥逾白
山青花欲然
今春看又過
何日是帰年
江碧(みどり)にして鳥逾(いよいよ)白く
山青くして花然(も)えんと欲す
今春看(みすみす)又過ぐ
何(いず)れの日か是れ帰年
蜀の川は深緑に澄み、飛ぶ水鳥はますます白く見える。
山は青々と茂り、花は燃えたつように赤く咲いている。
今年の春も、たちまち過ぎようとしている。
帰郷できるのはいつの日であろうか。
この詩の詩眼は「看」。この一字に千鈞の重みがあります。
石川忠久 「漢詩のこころ」 時事通信社
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