yoshのブログ

日々の発見や所感を述べます。

楓橋夜泊 張継

2022-06-29 06:32:41 | 文学
張継は盛唐の詩人で襄州の人、官職は嗣部員外郎。張継作の「楓橋夜泊」という漢詩は殊に有名です。

楓橋夜泊

月落烏啼霜満天
江楓漁歌對愁眠
姑蘇城外寒山寺
夜半鐘聲到客船


月落チ烏啼イテ霜天ニ満ツ
江楓ノ漁歌愁眠ニ對ス
姑蘇城外ノ寒山寺
夜半ノ鐘聲客船ニ到ル

 「訳」

月が沈み、烏が啼いて、霜の気が天に満ちわたる。岸の楓と漁火(いさりび)が、うつらうつらとする旅愁の目に映る。そこへ、蘇州郊外の寒山寺から夜半を告げる鐘の音が、わが乗る小舟に聞こえてきた。

鑑賞
第1句には色彩はまったくないが、第2句で岸の楓と漁火の赤が点じられる。黒の中に赤という視覚的、そして響く鐘の音は旅人の想いをつのらせる。旅愁をうたった傑作です。

    石川忠久 「NHK漢詩紀行」 日本放送出版協会


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