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金文

2014-08-11 04:59:40 | 文化
金文は青銅器の表面に鋳込まれた、または、刻まれた文字のことで、中国の殷、周(紀元前17世紀頃以後)の時代のものが有名です。これより古いもので、亀の甲羅や、牛・鹿の肩胛骨に彫られた文字に甲骨文があります。また、石に彫られた文字を石文といい、金文と石文をあわせて金石文と呼びます。
青銅器に文字を鋳込む技術は門外不出とされ、現在でも、製法の詳細が解明できていないそうです。また、史記などの書物は後世に書かれたのに対して、金文を鋳込んだ、青銅器は完全な同時代資料なので、資料価値が極めて高いと言われており、殷・周の歴史の研究に役立っています。

台北の故宮博物院が所蔵する散氏盤という青銅器(下 写真)の文字も代表的な金文です。

金文には、某部族が散氏の田邑を攻撃破壊した賠償として散氏に土地を割譲するという契約
の言葉が記述されているという事です。紀元前1000年も前に、既に領地と、その授受や契約という概念があり、その経緯を文字で記録していたという高度な文明の存在に驚きます。
 有名なロゼッタ・ストーンも石文の一つですが、これでも、成立は僅か紀元前約200年であり、中国の金石文の古さには及びません。西安の碑林博物館には、1万点以上もの石碑が
集められており、書道愛好家にとってここは聖地のような所なのではないでしょうか。

          白川静 「金文の世界」東洋文庫



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