山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

‘12年 北海道くるま旅くらしレポート <第16回>

2012-07-16 22:34:40 | くるま旅くらしの話

【昨日(7月16日)のレポート】    

≪行程≫

終日別海町ふれあいキャンプ場に滞在(町中に買い物で往復)  <3km>

≪レポート≫

 別海に来て4日目を迎えたのだが、この間暑さを感じたのは2日目の短い日中だけで、それ以外の時間は暑さなどとは全く無縁の状況が続いている。九州や青森では前線の活発な動きの影響を受けて大雨が降り続いており、何とも恐ろしき大自然の所作が恨めしい気分だ。雨の被害を蒙らないエリアでは、酷暑が続いているようで、35℃をはるかに超えるエリアが多発している様である。そのような狂奔の夏の始まりを聞くたびに、この地がいかに厳しい北の大地であるか、あったかというのを実感している。確かに避暑ということからは涼に恵まれた地だとは思うけど、別海を含む道東エリアはそこに暮らす人たちにとっては、その開拓の開始以来寒冷な気候に翻弄され続けて来たに違いなと思うのである。牧草くらいしか育たない土地での暮らしの始まりは、想像を絶する厳しさがあったのではないかと思う。特に朝夕海から押し寄せる霧は冷たくで、相棒などは完全に冬の服装で過ごしているという状況なのだ。

 今日はその冷たい朝霧の中を初めて2時間ほどの早朝散策を行った。別海町の役場のある中心街の周辺をぐるっと歩くのは昨年までの日課だったのだけど、今年はその開始が少し遅れて、今日からとなってしまった。この歩きの楽しみの中には、いろいろなものが含まれているのだが、その中の一番は道端などに生えている野草たちの観察である。昨年と比べて見られる花が少なくなっているのが気になっている。実は一番の目的だった霧多布の散布のハクサンチドリは、開花時期を勘違いしていて昨年は6月20日頃だったのを、どういうわけか7月10日頃と思い込んでおり、昨日相棒にそれを指摘されて、とんだドジをしたものと諦めたのだったが、そのことは措くとしても今年の野草たちの花の少なさにはやはり異常を覚えずにはいられない。

 今日は図書館が休みなので、特に書くこともないため、散策で出会った野草の花たちのことを紹介することにしたい。今後も、時々別海町近郊の野草の花などのことを紹介したいと思っている。

○エゾスカシユリ

    

橙色の花びらが美しい、北海道の各地にみられる野草。ユリ科の植物だけど、「スカシ」というのは「透かし」という意味らしく、花びらと花びらの間に隙間があり、その特徴が名前の由来となっているとのこと。小清水町の原生花園などに行けば、今頃は一面のこの花の群れ咲く世界を見ることができるのではないか。別海の散策路の脇には数本しか見ることができなかった。

○ミソガワソウ

   

本当にこの花がミソガワソウなのか自信はないのだけど、図鑑を見る限りでは、これしかない感じがするので、そう呼ぶことにしている。別海の散策路の中ではこの時期一番目立つ花の一つである。鮮やかな紫のたたずまいは、野草の存在を通り越して気高く品位あるものに見えるのである。初めて見た時は、栽培種が野に逃げ出したのかと思ったけど、どうやらそうではなく、北海道の原野に最初から自生していたような気がする。牧場の脇溝の様な所に目立つ花である。

○ホサキシモツケ

      

漢字で書けば、穂先下野となる。下野というのは、栃木県の旧国名であるけど、そこの地で最初に見つけられた野草につけられたのがこのシモツケという名なのである。今は栽培種のものもあり、シモツケの花は、繊細な小さな花の集まった集合花であり、見た目も美しいが拡大鏡で覗くと実に神秘的な世界を窺い知ることができる。ホサキシモツケは、灌木の仲間であり、その名の通り穂先がシモツケと同じような美しいピンクの花を咲かせるのである。別海町では至る所に見られる花で、キャンプ場の片隅にも何株かが花を咲かせているのだけど、どういうわけか今年は未ださっぱりである。開花時期が遅れているのかもしれない。たくさんあるとありふれた感じとなるのだけど、少ないとやっぱり心配になってしまう。

○ナンテンハギ

    

クサフジに似た赤紫の花を咲かせる。名前はナンテン(=楠天)ハギ(=ハギ)で、楠天のような葉に萩の様な花をつけるという所からきているのかもしれない。それは花だけを見ていては気付かない特徴だと思うけど、この野草全体のつくりを見ていると何となくその名づけの由来が判る気がするのが不思議である。

○ノコギリソウ

    

北海道ではどこにでも見かける野草の一つであろう。別海の町にも道端ややぶの中など至る所に自生している。ノコギリソウの由来は、葉がのこぎりのように切目が入っているからだと思う。花は白の他にピンク色のもあって、それらをよく観察すると、なかなか美しくて、家に持ち帰って庭に植えたくなってしまうほどだ。内地では栽培種のものが販売されていたように記憶しているが、北の大地のや野生美には遠く及ばないように思う。

 【今日(7/17の予定】 

終日別海町ふれあいキャンプ場に滞在

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‘12年 北海道くるま旅くらしレポート <第15回>

2012-07-16 04:56:15 | くるま旅くらしの話

昨日(7月15日)のレポート】    

≪行程≫

終日別海町ふれあいキャンプ場に滞在(自転車で図書館行)  <0km>

≪レポート≫

 別海入りしてから3日目を迎え、少し余裕が出て来た感じがする。昨日も一昨日も結構ヒマだったのだが、細かいことをちょこちょこやっている内に時間が経ち、図書館へ出向く気分にはなれなかったのである。今日は先ず朝一番で丘の上にある郊楽苑という宿泊温泉施設の早朝入浴に出向く。今年も朝の6時から8時半まで早朝割引の料金で入浴できるサービスが開始されているというので、早速それにあやかったという次第。100円の割引で500円の料金は、さほどに安いとも思えないけど、近くにはここしかないので仕方ないことではある。先の鹿児島県などの温泉では殆どが300円くらいだったので、それを思い出しては、比べても仕方のない愚痴を思ったりもした。ここの温泉もモール系でお湯は薄茶色である。100%源泉かけ流しであり、温度は40℃前後で少し温(ぬる)いのだが、じっくり入っていると汗がにじみ出てきて、身体が良く温まりいい湯なのだと思う。1時間ほどかけて体を解きほぐし車に戻る。

 今のシーズン、キャンプ場は毎週土曜日が来訪者のピークのようで、昨夜は結構賑やかだったけど、今朝はいつの間にかほとんどの車が消え去っていた。長期滞在かと思われた旅車の何台かは他のエリアに向かわれるようで、今のところキャブコンの残留組は3台しかいなくなっていた。明日は祝日なので、これからまた新たな来訪者があるのであろう。あまり多いのも戸惑うけど少なすぎるのもさびしい。常に5台くらいは仲間が一緒であって欲しいと願うのが人情というものであろう。

 さて、昨日訪ねた図書館の話では、パソコンも持ち込みもOKとのことなので、今日は実際どんな具合なのか行ってみることにした。今月は先の九州行で拾った幾つかのテーマを元にエッセーをまとめてみたいと考えている。九州行の際の資料や地図なども持参しており、いつまでも放っておくと記憶が朧になって忘れてしまう恐れがある。老人には特にこの傾向が強い。持参したリュックに地図やパソコンなどを詰めてみたが、入り切れない。困った。やむを得ず荷物を二つに分け、その一部は自転車の荷台に括り付けて運び、もう一方は背負って行くことにした。三角形のリュックしか持参しなかったのは失敗だった。

 少し空模様が怪しげな中を出発。相棒も何かを始めるらしく、自分にはあまり早く戻ってきて欲しくないような素振りだった。確かに毎日TVを眺めているばかりでは、脳みそも軟化してしまうだろうし、身体も鈍ってしまう。動物というのは、動くことによって生命を維持している存在なのだと思う。そんなことを考えながら、図書館に向かう。昨日の話では、柱にあるコンセントの位置から見ると延長コードが必要になるかも知れないと思い、ホームセンターに寄りテーブルタップを買う。ところが、図書館に行ってみると、柱の所にあるコンセントには何と、電気が来ていなかったのだった。受付に話して、別の柱もチエックしてみたが、やはり通電されていない。電源盤のスイッチが切ってあるのかもしれない。困ったなと思っていたら、机の下の方に別途コンセントが用意されていたのだった。受付嬢はそのことに今まで気付かなかったらしい。こちらにはちゃんと電気が通っており、やれやれと安堵したのだった。

 それから3時間ほどパソコンに向かい、休憩しようと外を見たらなんと雨降りの天気となっていた。大した降り方ではないけど、濡れては具合の悪いものを持参しているので、長居をし過ぎると困る事態になるかも知れないと思い、少し早いけど退却することにした。図書館は静かで物書きには快適な環境である。時々おしゃべり好きな来客がやって来て受付嬢と話し込んだりするのが耳障りだけど、気にしないで済むレベルなので困りはしない。この分だと思ったよりも捗るかもしれない。明日は休館日なので、明後日から力を入れて取り組んでゆくことにする。

 14時過ぎ車に戻る。相棒は何やら熱心にノートに向かっていた。家計データの整理なのか、それとも旅のメモのチエックなのか、内容は判らないけど、あまり話しかけてはならない状況だった。空腹気味だけどご飯を炊くほどでもないので、浸し豆をつまみながらホットウイスキーを一杯やってしばし午睡をとることにした。このように書くとちょっぴり上品のように見えるけど、その実態は飲んではいけない酒類を禁を破って体内に取り入れ、グータラな惰眠を貪るというだけの愚行に過ぎない。ま、しかし、この愚行こそが時には生きていることを実感できる時間だと思い込んでいるのだから、どうしようもない。目覚めたら17時を過ぎていた。寒くて薄暗い外の様子である。歩きにと思っていたけど、何だかその気が起こらず、明日に先送りすることにした。このところ先送りばかりが続いている。

 夜になって、相棒は大河ドラマに集中している。自分の方は平清盛という人物は、吉川英治の新平家物語に描かれている方を大切にしているので、見たいとは思わない。それでもしばらくつられて見ていたのだが、丁度源氏の総大将の義朝が騙し討ちに会い自害する場面と、頼朝が捕縛されて流刑の処置を受ける件の場面が放映されていた。やはり自分の解釈とはかなり違うなと思った。同時になるほどなと思う場面もあって、やはり歴史の真実というのは、一つではなさそうだなと思った。事実は一つであっても後世の歴史の評価というのは、評価者の立場や切り口によって大きく変わってくるものだからである。とにかく再び眠気を覚えて来たので、寝床に潜り込む。

【今日(7/65の予定】 

終日別海町ふれあいキャンプ場に滞在

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