山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

‘12年 北海道くるま旅くらしレポート <第8回>

2012-07-09 07:21:05 | くるま旅くらしの話

【昨日(7月8日)のレポート】      

≪行程≫

北広島市内知人宅 →(R36)→ 道の駅:花ロードえにわ → 恵庭市内知人宅(泊)<12km>

≪レポート≫

 北海道上陸後4回目の朝を迎える。今日も暑くなりそうな予感がする曇天が広がっていた。今日はお世話になったここを離れて、隣の恵庭市にお住いのAさん宅を訪問する予定である。午後からお邪魔するので、朝食の後はしばらくTさんと歓談する。話のタネは尽きない。そうそう、昨日感動したことの中で、書くのを忘れていたことがあった。何かといえば、風呂の話である。昨日相棒がTさんが石風呂を据えられているというので、とっさに春の九州行で人吉市内の民芸品製作の方の庭の脇にあった、石風呂を思い出したのだった。その石風呂は、丸い大きな石をくり抜いて、作ってあり、五右衛門風呂の様に下で薪などを燃やして沸かすものだったが、時間が無くて入れなかった。それと同じようなものを作られたのかなと思ったのだったが、行ってみるとそれは温泉の露天風呂の様な岩風呂だった。工夫されており、薪ストーブと兼用の煙突を使って、竈で薪を燃やして沸かすのである。Tさんの話では、年に1~2回ほどしか使っていないとのこと。入りますかとのTさんの言葉に、是非入ってみたいとお願いして、入らせて頂いたのである。いやあ、それが実に味わい深いお湯だった。そこいら辺によくある温泉もどきの風呂なんぞの足元にも及ばない、柔らかいお湯で、浸かっていると体の芯から心身の疲れが溶きほぐされてゆくのが実感できるのである。薪で時間をかけて沸かす間に、お湯が力を蓄えて造られているような気がした。相棒もその後入らせて頂いて、同様の感想を述べていた。このことを伝えておきたい。

 11時近くになって、Tさんにお礼を申し上げ、出発となる。今日訪ねる恵庭市内在住のAさんのお宅は、ここからだと10Kmそこいらしかないのだと思う。先ずは恵庭の道の駅、花ロードえにわに行き、時間調整を兼ねて先ほどまでの暮らしの整理をすることにした。恵庭の道の駅には花だけではなく、新鮮で魅力的な季節の野菜が溢れており、自分たちのお気に入りの場所である。その野菜売り場を覗いて、ジャガイモなどこれからの暮らしに必要なものを少し買い入れた。明日もう一度寄ることにしている。構内を歩いていたら、旧知の旅の知人のKさんとMさんにお会いした。お二人それぞれ奥さんと一緒に奥尻の島を訪ねて来たのだと話されていた。どこかでの再会を果たしましょうと挨拶して車に戻り、一休みしようとしたら、Aさんに電話をしていた相棒が、Aさんから道の駅にいるのならこちらに来て休んで、とのご案内を頂いたと、急遽予定を変更して直ぐにお邪魔することとなった。Aさんのお宅は、道の駅から車で1分ほどの距離なのである。

 お邪魔すると、今日は日曜日なのでご主人も在宅されており、ベランダに椅子を並べて迎えてくださった。いやあ、1年ぶりの再会である。いや、ご主人には昨年はお会いできなかったような気がするので、2年ぶりなのかも知れない。奥さんは相棒の大切な知人であり、二人は手を取り合って再会を喜んでいた。Aさんご夫妻はお二人とも九州北部の出身であり、我々も九州で7年を過ごし福岡に持ち家も残っていることもあって、何だか昔からの知り合いの様な親近感を覚えるのである。先日の九州の旅では、奥さんには旅先の我々にまで気を使って頂き、ご親戚の方に頼んで、泊まっていた道の駅まで地元の名物や産物を届けてくださった。恐縮するとあわせて、ありがたくも嬉しいことだった。

3年前に馬追名水と呼ばれている湧水を汲みに行ったときに奥さんから声を掛けられ、近くにある、ご主人がコツコツと手作りで建てた山小屋風別荘に案内され、そこの畑で作ったジャガイモをごちそうになり、それが生涯最高のジャガイモの味だったというのが出会いの始まりなのである。そのような出会いから始まって、次第に心が近づきあって来たように思う。1年に1~2回ほどしか会えないのに、なぜか時々どうしておられるのかなあと、相棒との話のやり取りの中にお顔が浮かんでくる人たちなのである。昨年は術後の相棒が奥さんのまめまめしい献身的配慮を頂きながら、3日ほど別荘でご一緒させて頂き、相当に元気を頂戴したのだった。

 ずいぶんとお待ちいただいたのがよっくわかるご夫妻のおもてなしだった。それからの時間はもう書くのがもったいないというか、酒に酔って興奮した自分が恥ずかしいほどの過ごしぶりだった。同居されている息子さんも加わって、ベランダでの炭火焼の夕餉の宴は、北海道の醍醐味を味わえる嬉しいものだった。我々のためにわざわざ奥さんの実家の呼子から取り寄せられたというイカの一夜干しと味りん干しは、特に美味だった。地元産のシイタケも驚くほどの肉厚で、それぞれにご夫妻の思いが込められているのを感じながら、これ又わざわざご用意頂いた銘酒八海山は、気分を高揚させてくれないわけがない。饒舌となるのは当然のことだと思った。相棒も自分以上に賑やかにしていたのは言を俟たない。

 少し寒くなって来たかなと思ったら、雨粒が落ちてきた。もうすっかり暗くなっていたらしい。話に夢中になってしまっていたようで、気づくのが遅れ過ぎた感じだった。その後家の中に入って、更に歓談は続き、気が付けば22時半を回ろうとしていた、楽しい話ばかりではなく、悩ましく耐えがたいような問題を内包する話題もあったけど、人間である以上喜怒哀楽は甘んじて受け入れ存分にそれを味わうしかない。悟りには筋道もわからないほど遠い存在だけど、老化を実感するようになったこの頃は、人生というものを自分はそのように考えるようになっている。Aさんご夫妻と相棒も一緒の様々な話題の中から、改めて大切なことの幾つかをを学んだような気がした。(具体的なことは書かない)

 車に戻ろうと玄関を出たら、本降りの雨になっていた。雨音も気にならず、その後はあっという間の眠り突入だった。

 【今日(7/9の予定】 

恵庭市内知人宅 → (行程は未定)→ 道の駅:士幌温泉 (泊)

コメント
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