山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

‘12年 北海道くるま旅くらしレポート <20回>

2012-07-21 05:03:00 | くるま旅くらしの話

【昨日(7月20日)のレポート】    

≪行程≫

終日別海町ふれあいキャンプ場に滞在(自転車で図書館往復)    <0km>

≪レポート≫

 昨日の寒さは特別だったようである。今日の朝になってそれも少し和らいだようで、車の外の寒暖計を見たら19℃となっていた。空には相変わらずの雲が立ち込め、細かな霧雨が降っているけど、今日は少しは夏に近づいてくれるのかもしれない。このような天気でも毎朝の散歩は欠かさぬようにしている。ブログの記載があるので、その日によって歩く時間が異なってしまうのが残念だけど、これは仕方のないことである。

 散歩のコースはいろいろあって、時には新しいコースをつくりだすのが楽しみなのだけど、何しろ別海町というのは、市街地が狭くて、そこ以外は殆どが広大な牧場のため、のびのびとしたコース作りが難しいのである。一旦牧場の方へ足を向けてしまうと、次の角までが2km位はあるため、そこを曲がって一回りすると、それだけでもう10km位を稼ぐことになってしまう。2時間半かかることなど普通のことなのだ。8時からはいつもの朝ドラを見たいので、牧場のコースを歩くときには、ブログの記載を5時頃までに終えていなければならない。それよりも遅い出発の時は、市街地のコースを歩くことになる。毎年同じようにこの町を歩いているので、もしかしたら、あまり歩くのが好きでない町の人よりも自分の方が市街地の概要を知っているかもしれない。ま、そんなことはどうでもいいのだけど、歩くことには自分の健康維持のための大きな務めが懸っているので、おろそかにすることはできない。

 さて、今日も書くことは殆どない。それで、ちょっとウグイスのことを書いてみたい。歩きながらの楽しみの一つに本来ならばバードウオッチングなるものを付け加えるべきだと思ったりするのだけど、どうも鳥や虫などの生き物は面倒くさくて未だその気になれないでいる。何しろ植物と違って、彼らは動き回るし、できる限り人間という恐ろしい生き物の目に触れないようにしようと努めているので、なかなかその正体をつかめないのである。虫などよりも鳥の方がより親近感を覚えるのだけど、幾ら当方が親愛の思いを込めても、鳥たちの方は常に一定の距離を設けているので、いくら双眼鏡を使ってもしっかりその姿を目に収めるのは困難である。

 そのような鳥たちの中にウグイスも入っている。ウグイスといえば、ホーホケキョという鳴き声が当たり前と思われている向きが多いと思う。まさか、まだ一度も本物のウグイスの鳴き声を聞いたことが無いなどと言う人はおられないと思うけど、もしおられたとしたら、それは真に不幸な自然環境にお住まいですねとお悔やみ申し上げたい。というのも少し自然の残っている所なら、ウグイス君は意外と多く囀っているからである。散歩の途中で聴くウグイスの鳴き声は、何だか地球がまだ大丈夫だということを告げてくれているような気がするのである。しかし、そのウグイス君の正体を目で確認できることは滅多にない。大声を上げている割には、姿を見せてくれないというのは、やはり人間に対しては相当に警戒しているということなのであろう。そう受け止めている。

 北の大地の北海道にもウグイスはたくさん住んでいるようだ。毎朝の別海町の散歩でも、近くにウグイスの声を聞かないという日はない。必ずこちらを見張っていたかのように、いつもの場所を通りかかると、ホーホケキョと声をかけてくれる。機嫌の悪い時には、さっさと通り過ぎろ!といわんばかりに、ケキョ、ケキョと姦しい限りである。いわゆる谷渡りという奴であるが、あれはどうやら極端に何かを警戒している時の叫び声らしい。何かの本で読んだことがある。歓迎されているなどと思ったらとんだ間違いだ。

ところで、ウグイス君たちは皆同じようにホーホケキョと鳴くのだろうか?答えはノーだ。地方というか彼らが住んでいる場所によってはいろいろと鳴き声に変化があるのである。そのようなことに気付いたのは、どこの散歩の場所でもウグイス君たちが声をかけてくれるからで、一番先にホーホケキョだけじゃないぞと気づかせてくれたのは、茨城県の守谷市に引っ越してきた時だった。いつもの散歩のコースを歩いていると、泣いているウグイス君の鳴き方がどうも違うのである。ホーホケキョではなく、ホーホケキョケ⤴とお尻の「ケ」の所が高い声になるのだった。何度聴いてもホケキョケ、ホケキョケと鳴くので、これはこの辺りのウグイスたちの訛りではないかと思った。茨城県の南部には語尾にケを付けて上向きの声で発声する訛りの様なものがある。例えば、「そうかい」というのを「そうケ?」という風に話すのである。もしかしたら、ウグイス君たちもそれに染まって「法華経ケ?」と発声しているのかもしれない。これはまあ、ウグイス君に訊いてみなければ分からない。

何年か前に奈良県の御所(ごせ)という所で開かれたあるクラブの大会に参加した時に、そこのウグイス君たちは、ホーホケキョではなく、ホーホケキキョと鳴いているのに気付いた。ホケキョのキの前にもう一つキが加わった発声となっているのだった。なぜそう鳴くのかはもちろん解らない。御所は大和の民族の中でも、古い伝統を持つ鴨や巨勢、葛城などの名族の住んでいたところであり、大和朝廷の成り立ちには深い関係を持つ所と聞いている。もしかしたらこのウグイス君たちは、その昔の大和朝廷からの伝統的な鳴き方を継承しているのかもしれない。その真偽など勿論解るはずもない。とにかく印象的な鳴き方だったのを覚えている。

さて、北海道のウグイス君たちだが、一度だけ鳴いているその姿を見たことがある。道南の恵山という町(今は合併して函館市となっている)の早朝散歩のときに電線にとまって鳴いているのに気が付き急いでカメラのシャッターを切ったのだった。最初は声はすれども姿は見えずで、実は姿に気付かなかっただけなのだが、まさかと思った電線にとまっている鳥がウグイス君だったのである。少し高い所だったので、ウグイス色には見えずただの黒っぽい鳥の姿にしか見えなかった。確かにホーホケキョと鳴いていたのだから、あれは間違いなくウグイスだったのだと思う。北海道のウグイス君たちは、内地の歪んだ伝統や訛りなどには少しも染まっていない様で、明確にホーホケキョと鳴いてくれている。

特に別海町のウグイス君たちは毎朝元気がいい。どのウグイス君も大きな声で明確に「ホーホケキョ」と呼びかけてくれる。姿は見たことはないけど、自分が近づくと声をかけてくれているので、これは気合の入った挨拶なのだと受け止めている。まだ谷渡りの鳴き声には出会ったことが無いので、格別警戒されてはいな様である。ま、彼らにしてみれば、警戒などするよりも通りかかったジサマに一発気合を入れてやろうというくらいの気分であるのであろう。嬉しいことである。

【今日(7/21)の予定】 

終日別海町ふれあいキャンプ場に滞在

コメント
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