山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

サイババの死に思う

2011-04-29 04:15:31 | その他

  私がいきなりサイババなどと言っても、何の事かと思われる方が殆どだと思います。しかし人はみかけによらぬもので、私も時として不思議な世界を垣間見たくなって、思いを巡らすこともあったのです。もうかなり昔ということになりますが、この世に生まれた人間の中で、人間の限界を超えた力を持つ人のことをあれこれ思ったことがありました。人間の歴史上に名をとどめる人の殆どは、ある意味で普通ではなく、人間の持つ力の限界をはるかに超える力を発揮した人だと思うのです。その中でも、心の働きをもってこの世とあの世(=神霊の世界)をつないで、未来を予測し、人々を悩みや苦しみから解放させる力を発揮する人のことを霊能者と呼んでいるのではないかと思っています。歴史上の人物でいえば、釈迦、イエスキリスト、マホメットなどという方々がそうではないかと思っています。宗教というのは、その始まり即ち教祖と言われる人たちに遡ると、皆同じようなことが言えるように思います。現代でも世界各地に様々な霊能者がいると思いますが、その中で最も著名なお一人にインドの霊能者サティ・サイババという方がおられたのでした。

霊能者についてのコンセプトというのは、人によって多少の違いがあると思いますが、私の場合は本物の霊能者というのは、人々の悩みに対して直感で真実を言い当て、その解決を教示する力を持つ人と思っています。人には誰にでもこのような力の一部が備わっているように思いますが、この力の飛びぬけて大きい保有者を霊能者とか超能力者とか呼ぶのではないかと思っています。

霊能者の持つ力というのには、我々が考えている普通の理屈(=科学)では説明できないものが多く含まれており、それゆえに神秘的で懐疑的なものと言えるかもしれません。特に解決の仕方が、ある種の物品などを介したり、形式的所作のようなものを用いた場合、現代文明に馴れた者には疑いが膨らむのは避けられないように思います。しかし、実際にそれらの所作などによって多くの人々が苦悩から解放されている姿を目の当たりにすると、その不思議な力をあながち否定できないようにも思えるのです。

世の中にはこのような霊能者や超能力者と呼ばれる人が引き起こした、真偽の判別の難しい出来事が無数にあるようですが、本物かインチキかの判別の決定的な決め手は、代償を求めるか否かにあるように思います。霊能者を名乗る者の力が問題を解決してくれない場合は、最初からインチキなのは歴然としていますが、効果や成果が曖昧な状態で代償(=お金・物品など何らかの貨幣価値のあるものを求める)を求めるのも本物ではないと断定して良いと思います。

今の世には、似非の霊能者が溢れているのかもしれません。詐欺師が横行している世の中です。他人を騙して己だけを利することを職業としているような輩がはびこっているのは周知の通りですが、人の持つ弱みに付け込んで、巧みな嘘を以って人の心を操るようなのは、霊能者などではなく只の極悪人です。本物の霊能者は人を救うのに代償を求めるなどということを決してしないと思います。それは恐らくどんな時代でも、どこの国においても不変のことだったと思うのです。現存する世界宗教の教祖と言われる人たちは、人を救うのに代償を求めるなどということは夢にも思わなかった筈です。心底その苦悩を抱える人のためにアドバイス(=予言?)を行い、身を以って相手を救おうと努められたのだと思うのです。それが通じて、相手が苦悩から解放され、その結果代償ではなく、何がしかのお礼の気持ちが物や貨幣に替えられて届けられたということは考えられることです。教祖がそれを受け取ったのかどうかは判りませんが、断じて要求などはしなかったと思います。己の霊能力をビジネスとして使って行こうなどというのは、教祖本人の考えではなく、それを取り巻く別の種類の知恵者によるものであり、本来の霊能者の力とは別の世界の話だと思っています。

最初から脱線していますが、サイババという方の話を聞いたのは、20年ほど前だったように思います。ある人の講演会を聴きに行った時に、インドにサイババという超人がいるということを知ったのでした。とてつもないスケールの大きい霊能者で、その活動はインドだけではなく全世界に及んでいるということでした。早速関係ある本などを何冊か集めました。それらの多くはサイババと会った時の体験を記しており、その感動とその後の振り返りのような内容が殆どでしたが、とにかく初めて会ったのにサイババという人は、世界中のどこから行っても、まるですべてお見通しのアドバイスをされるらしく、驚きでした。その中に青山圭秀という方の書かれた「理性の揺らぎ」というのがあり、これは青山氏が初めてインドでサイババに会った時の印象というか経験をベースに、現代科学ともう一つの真理・真実についての不思議について書かれていました。青山氏は理学博士であり医学博士でもある紛れもない科学者ですから、そのご本人が本気で書かれた内容には迫力があり、決して霊能者に追従するというようなものではないなと感じました。

これに刺激されてインド文明の奥の深さに少しでも触れて見たいと考え、アーユルヴェーダのことを知りたく思って本を買ったのですが、難しすぎてさっぱり前進せず、そのままになっています。インドの哲学というか宗教というのか、その思考の深さは古代文明の中では独特の位置を占めているのではないかと思います。私は上っ面のことしか知りませんので、とても知ったかぶりなど出来ないのですが、その文明に対する畏敬の気持ちは大きいのです。まさに人智も及ばぬ世界をインドの文明は探って来ている感じがするのです。西洋の植民地化された時代以降は、それらの文明は恰も時代遅れの様に取り扱われているようですが、現代科学とは違う別の真理を今でも追及しているのかもしれません。サイババという方は、その代表者であり、真理の体現者であったのかもしれません。

サイババ氏には一時良からぬ噂もあったようですが、世界中に1千万人以上もの信者というか信奉者がおり、しかもその中には各国のそれなりの有識者や著名人が多いというのですから、決してこの人がインチキだったとは言えないと思います。不思議というのは、自らが体験して初めて実感するものであり、他人の話や書いたものを通しての知識・情報では、その真偽を確かめることはできないと思います。しかし、サイババという方は、自分をを信奉する人たちから集まった莫大な資産を私するのではなく、社会に還元する働きをし続けてきたということですから、私はこの人は本物だと思っています。

そのサイババ氏が亡くなられたことを先日のネットニュースで知り驚いています。享年84歳とか。ご本人の予告では90代で死亡し、その数年後に生まれ変わるとのことでしたが、少しばかりあの世に行くタイミングが早まってしまったということなのでしょうか。100%正確な予言などというものは、ハイレベルの霊能者を以てしてもあり得ないということなのでしょうか。大自然の宇宙規模の時間発想からは、10年やそこらの誤差など大したことではないのだと、サイババ氏は自らそれを証明して見せたのかもしれません。彼がこの世にいる間に、多くの人々を救ったということは紛れもない事実だったことを信ずると共に、再びより早く生まれ変わり頂いて、引き続き混乱・混迷の続くこの世を救って欲しいと思います。

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