山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

尊敬される公務員

2011-04-05 06:07:09 | その他

 

 被災地における公務員の皆さまのお働きを(たた)え、心からエールを送ります。本当にお疲れ様です。

私は今までどちらかといえば公務員と呼ばれる方たちに対してはあまり好意的な考え方を持っていなかったと思います。勿論これはお互いが個々人として役所業務にどうかかわり、触れ合うかという問題であり、一括して良いの悪いのなどという話でないことは当然です。それにも拘らずあまり好意的でないという偏見が生まれていたのは、たとえば旅をしていると、小さな村や町でも立派な庁舎が目立ち、貧しい農漁村に何故こんな立派すぎる建物が出来上がっているのだという疑問が頭をかすめていたからなのでした。冷房設備の整った立派な建物の中で涼しい顔をしながら、猛暑の中で懸命に働いている市民・町民・村民のためにどれほどの仕事をしているのかが良く見えず、訪ねてゆけば細かい手続きばかりを強要するといったような構図がイメージされていたのです。

しかし、今回の大震災においては、私のそのような安易な見方は一挙に吹っ飛びました。自らも被災され、家族を失い、住まいを失いながらも、まさに寝食を忘れて市民・町民・村民のために、ご自身の生命維持の限界近い状況の中でも、懸命に公務を果たしておられるのを聞く度に、そのご尽力に敬意を表さずには居られません。滅私奉公とは公務員に課せられた使命であることは解っていても、このような極限状態ともいえる中でそれを実践するというのは、並大抵のことではないと思います。

いざという時にこそ人間の真価が(あらわ)れるというのが私の考え方ですが、今回の大地震の被災はまさに寝耳に水の突然の出来事でした。逃げるのが精一杯の極限状況の中で、逃げるというそのことも忘れて多くの人たちの命を救った消防・防災に係わる人たち、警察の人たち、或いは地域の中で防災に係わってきた人たち、そして被災後の住民の安全と健康の維持に懸命の努力を払って今日までそれぞれの役割を果たし、努めてこられた役所の皆さまの働きは、見事にその真価を発揮し証明されていると思います。

そして願うのは、現場から遠い個所で、より高い位置から被災状況を見ている高級官僚や政治家といわれる同じ公務員の方たちの働きです。この方たちが公務員であることを忘れていないのならば、現場・現地の状況・情報を逸早く生かした、的確でスピーディな対応を望みます。現場第一線で死に物狂いで働いておられる公務員の方たちの努力を見殺しにするようなことが絶対あってはならないと思います。高級公務員と呼ばれる、その証を示して欲しいと思います。高い立場からは大局は見渡せるはずであり、次に打つ手が何なのかも自ずと見えるはずです。そしてその判断と決断にはスピードが不可欠です。非常時にスピードを欠くような対応は許されないことを肝に銘ずべきと思います。今までの印象としては残念ながら遅いと言わざるをえません。具体的に誰がどこで判断や決断のスピードを遮っているのか判りませんが、現場第一線での公務員の皆様の働きを無駄にしないようにして欲しいものです。

今回の大事件で、発生以来の報道の主な情報を集めていますが、そのストックはトレイ一杯を埋めるほどになっています。その中で高級公務員と呼ばれる方たちの働きぶりを示すものは殆んど見当たりません。内閣等の特定の役割の人たちの報道ばかりが目立つのは当然としても、それ以外の人たちの動きはさっぱり判りません。ま、報道とはそのようなものであり、目立たない個所には光を当てない不公平さを常に内包するという宿命を抱えたものなのでありましょう。無いもの強請(ねだ)(せん)ないん。は、現地・現場懸命公務員っかてい無名もいえ高級官僚政治家というす。

尊敬される公務員とは、自分の立身出世とか名誉とかのために働くのではなく、世の中人のために本気で役立とうと我を忘れて働く人なのだと思います。今回の大震災で、そのようなお人が数多くおられることに感動し、被災地の、この国の復興は必ず成るに違いないと確信しています。

コメント (1)
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