山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

慈悲の花 

2011-04-14 00:00:13 | ホト発句

                                                         

 

               

 

     被災地の 民にも届け 慈悲の花      

     群れて咲く 枝より愛し 幹の花

 

コメント:

 

今日は風もなく暖かい穏やかな天気で、花見には絶好の日和だった。しかし、この季節は花粉の飛散量の最盛期でもあり、毎度花見はマスクとメガネ必携の大冒険ということになるのだけど、やはり花は見ておきたい。ということで、今年も近くのつくばみらい市の小貝川にある福岡堰の桜並木を訪ねた。

 小貝川をせき止めた福岡堰の歴史は古く、寛永2年に灌漑用として造られたというから、ざっと380年以上が経っている。この間大補修があり今日に至っているけど、灌漑用に作られた導水の築堤に沿って1.5kmほどの桜並木がある。ソメイヨシノが数百本植えられており、なかなかの桜の名所となっている。

 毎年お邪魔しているけど、今年はいつも行われているお祭りのイベントが中止されたようで、訪問者もいつもの半分ほどの静かな花見となっていた。花は今が丁度満開を迎えており、中には早や散り初めという樹もあった。桜の花のトンネルは見事なものだけど、気を惹かれるのは、群れ咲く花よりも忘れられたように大樹の幹にふと見かける花の方だ。小さく可憐でも疑いもなく大樹の花の一つなのである。身近に見られるだけ、その可憐な花の眼差しに愛おしさを覚えるのである。

 東北被災地では桜はどうなっているのだろうか。咲いていてくれれば、それは人々の悲しみを癒す慈悲の花に違いないと思った。幹に咲く小さな花の心が、遠い被災地の方々の慰めに、ほんのわずかでもいいから届けばいいなと思った。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする