山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

08年 四国八十八ヶ所巡りの旅 (第3日):その1

2009-01-05 00:13:53 | くるま旅くらしの話

第3日 <10月4日() 

道の駅:藍ランドうだつ→第10番:切幡寺→第11番:藤井寺→第12番:焼山寺→道の駅:温泉の里神山(徳島県神山町)→第13番:大日寺→第14番:常楽寺→第15番:国分寺→第16番:観音寺→ 第17番:井戸寺→第18番:恩山寺→第19番:立江寺→道の駅:阿南市那賀川(徳島県阿南市)(泊) <137km

朝4時ごろ人の話し声で目を覚ます。何だろうと外を見たら、ご老人らしき数人がトイレ近くの街灯のある椅子に腰を下ろして、何やら世間話をしているようだった。早朝散歩に出かけて来たのか。それにしては早過ぎると思うけど、如何に早く目覚めてしまうといえども、群れを成しての談笑は止めて貰いたいなと思った。道の駅は集会所として使いやすいのかもしれない。

昨夜徳島に在住のYさんから電話があり、帰りに寄るようにとのお話があった。今回は誰にも分らない様にと一切連絡などしなかったのだが、ブログで旅の行程程度は紹介しようと投稿していたものだから、それをご覧になってのお電話だった。ありがたいことだと思った。そのときのお話の中で、これも旅の知人のFさんが、しまなみ海道のウォーキングのイベントに参加すべく四国に来られていて、追突事故に遭われて、車を大破されたという話があった。停車中に大型のトラックにやられたのだという。幸い怪我の方はなかったというので、安心したのだが、明日は我が身となるやも知れず、要注意である。

さて、今日はどこまで回れるか、先ずは昨日途中で諦めた切幡寺に向う。ところが初っ端(ぱな)から昨日の道の入口を間違えてしまい、到着に少し手間取ってしまった。幽山渓谷の趣のある境内をしばし歩いて参詣する。なかなか風格のあるお寺だった。

その後は、吉野川の橋を渡って、四国山脈側にある第11番札所の藤井寺(ふじいでら)へ。ここから先が難所となる。藤井寺の参詣を終えた後は、今日最大の難所といえる第12番札所の焼山寺(しょうざんじ)へ。急な坂道を1時間以上登り下って、ようやく山の向こう側と思(おぼ)しき所へ出た。そこからお寺までは、再び細い山道を行かなければならない。SUN号で行けるのかどうか心配だったが、入口の所でバスの運転手の方に聞いたら、マイクロバスも行っているからで大丈夫だということだった。片道8kmもあるので歩くと大事(おおごと)になる。それを聞いてホッとしたのだが、行ってみるとその先の道行きは、運転者にとってはハラハラの連続だった。参詣のことよりも先ずは運転に集中しなければならない。到着した焼山寺は、数百年を経た杉の大木に囲まれた、古刹十分の趣があるお寺だった。

  

焼山寺山門への急な石段。鬱蒼と茂る杉の大木に囲まれて本堂や大師堂が鎮座している

歩いての巡礼の方も多く見受けられ、ご苦労の甲斐あって辿り着いた人には、心からありがたさを感じられる雰囲気があるお寺であろうなと思った。

  

焼山寺境内を行くお遍路の二人連れ。ここまで来るにはかなりのきつい山道を登ってこられたのであろう。本当にお疲れ様です。

来た道を戻って、更に鮎喰川に沿って神山町の道の駅に寄り、ここで昼食とする。難所を終えて一先ずはホッとした気分である。

昼食の後、再びお寺回りを開始。これからは山の方から少しずつ徳島の街中に入ることになる。先ずは第13番札所の大日寺(だいにちじ)へ。このお寺は一宮の大日寺とも呼ばれており、道路を挟んだ直ぐ向かい側に阿波一宮神社がある。その昔に一宮が立てられた時に、その別当寺となったとか。別当寺とは、神仏習合説に基づいて神社に設けられた神宮寺の一つである、と広辞苑にある。神仏習合説とは、要するに神様と仏様を一緒にして扱うという信仰であり、これは明治初年の神仏分離令によって分けられたのである。ここはその代表的な例に該当する場所ということ。15年前自転車で回った時、この近くの巡礼宿に泊まったことを思い出し、その宿を覗いてみたが、昔と少しも変っていない様子を見て少し嬉しくなった。

第14番の常楽寺(じょうらくじ)以降は、第15番国分寺(こくぶんじ)、第16番観音寺(かんおんじ)、第17番井戸寺(いどじ)と人家の多い中にあって、狭い道路や駐車場に苦労しながらの参詣だった。特に常楽寺と観音寺への道は細く、狭い駐車場も満車状態で、動きの遅いSUN号には厳しい状況だった。どうにか参詣を済ますことが出来た。

第18番恩山寺(おんざんじ)からは徳島市を離れて小松島市の方に入ることになる。恩山寺は弘法大師の御母上様ゆかりのお寺だとか。16時を過ぎて少し暗くなり出していた。次の第19番立江寺(たつえじ)まで行くことにして先を急ぐ。立江寺に着いたのは17時少し前だった。所定の駐車場に入れようと思ったら、そこは有料で何と1000円もするのである。機械での管理なので、この車だと先ず普通車扱いにはならないだろうと判断して、入れるのをやめ引き返して、お寺の近くに公民館の駐車場があったので、ちょっとの間そこへ停めさせて頂くことにした。街中の狭い中に設けられた駐車場でも無料だったのに、どうしてこのお寺だけ高額の駐車料を要求するのか良く分らない。お布施代りなのであろうか。お寺は古刹の趣に溢れた立派なものだったけど。

立江寺で今日の時間切れとなる。今夜の宿は、何度も泊まっている道の駅:公方の郷なかがわ(現在は阿南市に合併して、阿南市那賀川という呼び名に変更されていた)にすることにして向う。着く頃にはすっかり日が暮れて辺りは薄い暗闇の中だった。売店も終って、ひっそりとした感じだった。今日は難所の焼山寺を含めて9ヶ所のお寺を回り、邦子どのはかなり疲れたようだ。お寺巡りにもいろいろあるが、巡礼のスタイルとなると、のんびりゆっくりというのは難しい。此処が終われば、直ぐ次へと、どうしてもなってしまう。彼女はそのことに気づかなかったのだと思う。とにかく夕食を済ませ、早めの就寝となる。

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08年 四国八十八ヶ所巡りの旅 (第3日):その2

2009-01-05 00:12:54 | くるま旅くらしの話

◇観自在菩薩とは(1)

さて、今夜からこのお経に書かれていることについて、自分の思いを綴ってみたい。先ずは、このお経の主役である「観自在菩薩」という存在についてである。「観自在菩薩」とは何なのだろうか?誰を指すのだろうか。仏教という宗教の創設者が釈迦というのであれば、本来このお経の主役もお釈迦様であって不思議はないと思うのだが、何故か観自在菩薩となっている。どうやら観自在菩薩というのは、我々が慣れ親しんで呼んでいる観音様のことらしい。違う説もあるということだけど、自分としては観音様と同じと考える方がわかりやすい。

ところで、観音様というのはどのような仏様なのであろうか。仏にも位というのがあって、如来とか菩薩とか詳しいことは解らないけど、観音様は菩薩の位だという。如来と菩薩がどう違うかなどということには関心がない。どうせお釈迦様の感知しない世界で、後世の人間どもが現世の治世のしくみを真似て作ったに違いないからである。私は、仏教は一切の差別をしない宗教だと思っている。宗教戦争を起こさないのが仏教だと思っている。少なくともわが国の国内においては、宗教戦争はなかったと思っている。本物の平和主義は仏教の考え方の中にあると思っている。それが誤解であっても構わないと思っている。

観音様の考えは、観音経というお経に書かれていると思っているが、これまた難しくてよく解らない。随分昔、京都の清水寺の貫主だった大西良慶師の話を聞いたことがあるが、その中で師は観音経について、そのエッセンスは①施無畏(せむい)と②即時観其音声、皆得解脱(そくじかんごおんじょう、かいとくげだつ)であるとおっしゃったのを思い出す。①の施無畏とは、恐れのない心を施すという意味とのこと。恐怖や心配事で悩み苦しむことを無くして下さるという意味であり、又もう一つの②の即時観其音声、皆得解脱というのは、(困ったリ悩んでいる人が、観音様に向って)どうぞお助けください!という願いに対して、即座にどんな悩みや困ったことでも解決して下さるという意味である、ということをお話しされたのだった。

人間大衆にとって、これほど便利で都合の良い仏様はいないのではないか。大小様々な悩みごとを抱えて生きている衆生(しゅじょう)にとっては、お願いすれば直ちにそれを解決してくれるというのは、こんなありがたいことはない。そして観音様は様々な姿に変身して衆生の悩みを解決して下さるという。時には馬の姿になって、衆生の悩みを馬が草を食むようにバクバクと食べてくださるという。これは馬頭観音と呼ばれている。衆生の無数の悩みを救うために、千の手を差し伸べている姿は、千手観音であるというように、観音様は全ての人間を、様々な恐れ(=畏れ)から救って下さる優しい仏様なのである。変身の数が33もあり、それゆえに観音巡りの数は33が基本となっているとも聞く。

ところで、観音様というのは本当に存在するのであろうか。存在するとすれば、何処におわすのであろうか。眠れぬ夜は、いろいろと想いがさ迷う。

   

 我が家の仏壇の聖観音菩薩像。小さな木彫りの仏像だけど、そのご利益(りやく)はとてつもなく大きい。

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