山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

せせらぎの小路のこと

2008-02-09 00:53:50 | 宵宵妄話

  今日は散歩に絡むお話。このところ写真の入れ方も少し解りかけてきて、その練習という気分で書いている。写真入の文章は短くて済む。その分だけいい加減になってしまいそうな気がして、要注意である。

 守谷に住んでから3年半くらいが経過した。来た時は、同じ茨城県の町なのに、常磐道の守谷SAの名前くらいしか知らなかったのだが、今は市内各域を略歩きつくして、次第にその良さを感じてきている。財政的には問題のある市だが、歩くための自然環境については、かなり恵まれた場所だと思っている。

 市内各地の歩きの中で、幾つかの気に入った場所がある中で、最も好きな箇所の一つに「せせらぎの小路」というのがある。今日はその話である。

 せせらぎの小路は、自宅から500mほど離れた、つくばみらい市との境界に沿って造られた1kmほどの人工の小さな流れに沿った散歩道である。その小さな流れは、太陽光発電で動くポンプで汲み上げられ、鋼鉄製のポンプ小屋の中にある湧出口から滾々(こんこん)と湧き出でるようになっている。その湧き出し口から出た水は、木立に囲まれた散歩道の中を、途中につくられた小さな池を経由して、メイン県道の所まで1kmほどを流れて、どこかへ消えてゆくように造られている。

         

   短い距離だけど、カツラ、コブシ、コナラ、マテバシイ、ケヤキ、ハナミズキ、サザンカ、ビヨウヤナギ、ユキヤナギなど何種類かの樹木が植えられ、それらの木々が四季の変化を伝え、楽しませてくれる。何箇所かベンチなどが置かれてあり、ちょっと一服の場所も用意されている。

       

  3年前来た時は、素晴らしいと感動した。せせらぎというには少し水の量が少ないけど、それでも地下から汲み上げられた水は清冽で、それらが木々の間を流れてゆく空間は、何ともいえないホッとするものなのであった。最初の頃は殆ど毎日ここを通るコースを選んで歩いたのであった。

 それが3年経った頃から、心配な場所となりだしたのである。何が心配かといえば、ポンプが故障して水が湧出しなくなったままになっているのだ。どのような仕掛けになっているのか全くわからないけど、もはや太陽光発電装置は稼動しないものとなってしまったらしい。予算が無いのか、いつ修理されるのかもわからない。そのような状態がかなり長く続いている。

 自慢のはずのせせらぎは消え失せ、落葉が溝を埋めている。所々僅かに残る水は雨水である。途中の小さな池にいた鯉たちは何処へ行ったのだろうか、消え果てしまったようだ。住みついていた昆虫たちも、これでは生きてはゆけないのではないか。元気なのは樹木たちだけである。

                 

  冬の景色は寂しい。せせらぎはそのような風景に音をもたらし、ちょっぴり自然の豊かさを伝えてくれていたのだが、水の無い風景は冬の寂しさを一層際立たせるように思う。せせらぎの代わりに、時々舞う風に落ち葉の立てる音を聞きながら歩く時は、人間というものたちの身勝手というか、中途半端さを感ぜずにはいられない。行政の動きの遅さなどの対応を批判する気にもなれず、今日もせせらぎの代わりに落ち葉の埋まった小路を歩いたのだった。

 空を仰いだら、透明な青空だった。その美しさに感動した。本当のせせらぎはあの中にあるかもしれない。思わず1枚その青空を写してしまった。

     

 

<ご案内> 拙著「くるま旅くらし心得帖」をお求めの方には、1300円(定価1,580円)にてお分けします。在庫は50冊限りです。お求めの方は、メールにてお申し込み下さい。送料込みです。お支払いは到着後に郵便振込みでお願いします。メールアドレスは、vacotsu8855@mail.goo.ne.jp です。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする