山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

冬の旅

2007-12-08 07:02:08 | くるま旅くらしの話

冬という季節は旅にとってはなかなか魅力ある季節なのだが、今のところ旅をするのは封印してある。その最大の理由は安全が保障されないと思い込んでいるからである。安全を保障するためのコストがかなりかかるというのも大きいのかもしれない。とにかく寒いというのは、暑いのよりもいろいろな面で危険とコストを伴うようだ。雪が降ったり、路面が凍ったりすれば、たとえチエーンを付けたとしても、平気で車を運転する自信は自分にはないし、相棒はもっと恐怖感を抱くに違いない。又暖房の費用もバカにならない。凍てつくエリアに行ったならば、わが車のFFヒーターは、使い方によっては5kg入りのLPガスを2日くらいで空にしてしまうに違いない。いや、もっと早くなくなるかもしれない。

それならば、寒い所へ行かずに暖かい所へ行けばいいのではないかと考えるのが普通だと思う。それで、冬の間は鹿児島や沖縄などへ向かわれる方もおられるのだが、自分としてはそのような地方での中途半端な冬を味わうのにはあまり関心がないのである。沖縄ならば少し違うと思うが、コストがかかり過ぎるし、今のところ行って何をするのかのテーマも見出していない。

というような理由(わけ)で、冬の間はせいぜい2、3日で近場の温泉に入る程度の外出にとどまっている。もともと冬のスポーツ、たとえばスキーやスケートなどの類は全く関心がなく、冬といえば秩父辺りの雪山を歩いて遭難しかけて、それ以降は山行もやめてしまったというようないい加減な人間なのである。

しかし冬の旅には魅力を感じている。それは次第に膨らんでくるような予感がするのである。特に冬の北国へのくるま旅には憧れを持っている。空も大地も判別できない雪の世界、真っ青な空と真っ白な大地の対比の世界。その中にいる自分を思い浮かべるだけで、ワクワクとした思いに駆られるのである。

何年か前、車ではなく航空機で札幌に行き、1週間ほど知人宅にお世話になって雪祭りの雪像作りを見に通ったことがある。雪祭りの完成された雪像も素晴らしいが、それらがどのようにして作られているかにも関心があった。その時は、日中は足を滑らしながら市内各所やスキージャンプ場などを歩いて覗き廻り、夜になると雪像作りの現場を訪ねたのだったが、そこは建設現場の雰囲気があって、大勢の人たちが汗を流しながら、シャーベット状にした雪を練り固めていたのが印象的だった。雪祭りの本番が始まる前には家に戻ったのだったが、あの1週間は今でも懐かしい思い出として残っている。

しかし札幌は大都市であり、本当の雪国の世界は東北の黒石や北海道の別海など、今年もお世話になった地方の中にあるように思っている。白銀に埋まる家々や豪雪吹きまくるハザードの世界は、恐らく想像を遙かに超えた荘厳で厳しい世界だと思うが、そこを車で旅する手立てがあるものなのか、見当がつかない。我が旅車では到底不可能だと思っている。

先日TASの集まりに参加させて頂いたが、Trail  dventure  Spirits というのは、このような厳しい冬の季節でも野山に旅する精神を汲んだものなのであろうか。冒険する意欲が途絶えることには不安があるが、この頃無謀に対する警戒心が強くなって来ているのは、老化現象の始まりなのかもしれない。間もなくやってくる雪のない、ただ殺風景なだけのこの地の冬を、今年もどのように料理するか、いろいろ思いを巡らしているところである。

コメント
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