二村さんは十数年前に家主から老朽化による賃貸借契約解除通知を受けました。しかし、その後も家主は家賃を受け取り、明け渡しの話しは家主から出ず、何の問題もなく過ごしてきました。また、建物は古いですが台風や地震でも雨漏り等も起こっていませんでした。
昨年暮れに突然京都市の職員が二村さんを訪れ、「勧告書」を手渡しました。「勧告書」は家主にも届けられました。
「勧告書」には、所有されている建築物は、大きな傾きがあり、倒壊する危険性が高いので「早急に建築物の修繕、除却等その他必要な措置を講じるよう、勧告します」と書かれていました。
家主は、10数年何も言ってこなかったにもかかわらず「勧告書」を見て直ぐに弁護士を通じて明渡しを請求してきました。
家主は、修繕をすることなく建物を解体するより方法がないと決めつけ、京都市の勧告書で正当事由が満たされたと契約解除を正当化しています。しかし、京都市に根拠を尋ねても明確な回答はありません。
二村さんは、高齢のためこの地を離れることはできないと裁判も辞さない決意です。京借連は、京都市の「勧告書」が明け渡しの引き金になっていることから京都市が指導・勧告している件数や勧告後の措置をどのようにしているのかなどを調査して京都市への働きかけを行っていく予定です。(全国借地借家人新聞8月号より)
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