東京多摩借地借家人組合

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多摩借組が借地借家の相続問題で学習会開催

2022年08月05日 | 相続と遺言、遺産分割
 多摩借組は3年ぶりに対面による学習会を7月16日午前10時から立川市女性総合センター会議室で開催しました。学習会には21名の組合員が参加し、新型コロナ感染症が急拡大する中で予想以上の参加者が集まり、大変盛況でした。
 斎藤組合長が開会挨拶を行い、細谷事務局長の司会で進行しました。学習会の講師は三多摩法律事務所の小口明菜弁護士が担当し、①相続制度の概要、②借地借家の相続、③遺言書作成のポイントについて約1時間にわたり、講演がされました。 
正当な理由なく相続しないと罰則が

 相続の手続きとして遺言書がある場合とない場合で手続きが異なり、遺言書がない場合には相続人全員と話し合って合意する必要があり、話し合いがまとまれば遺産分割協議書を作成し、合意できなければ調停手続きを行い、最終的には家庭裁判所の審判で誰が何を相続するかが確定する。相続には期限がないが、相続税の申告は10カ月以内、相続の登記は相続制度が変わり、2024年4月以降は3年以内に行うことが必要で、相続を知って正当な理由もなく相続の登記を申請しないと罰則として、10万円以下の過料が課せられるので注意が必要です。
 借地借家の相続では、相続によって借地権も借家権もなくならないし、地主や大家に相続に関する承諾を得る必要はなく、名義変更料など支払う必要がないことが強調されました。
 同居している配偶者や子供がいる場合には、確実に借地を相続するために、遺言書を作成しておくことが必要であり、法定相続分の2分の1の遺留分があり、注意が必要である。また、2020年4月以降に発生した相続から「配偶者居住権」が新たに認められ、妻には住まいの権利を引き継ぐとともに、預貯金も子供と半分ずつ引き継ぐことができるようになったことが指摘されました。
 次に、遺言書を作成して円満な相続を行う方法と遺言書の作成の仕方など分かりやすい説明がありました。遺言がとくに必要なケースとして、子供がいない夫婦、内縁関係にある方、再婚等により相続が複雑な方、相続人がいない方など遺言書を作成しないとトラブルになる恐れがあるので注意が必要です。最後に、資料として参加者に配った三多摩法律事務所オリジナルの「エンディングノート」が紹介されました。

借地権の売買等など活発な質問が

 休憩後、参加者との質疑応答では、「借地上の建物使わなくなったときに、地主が借地権を買い取らないと言われたらどうしたらよいか」、「借地を返す場合に土地を更地にする必要があるのか」、「遺言について争いがあるとどうなるのか」、「借地人が死亡した場合、息子は相続したくないと言っている。どうしたらよいか」、「配偶者居住権は登記する必要があるのか」等々活発な質問がだされ、小口弁護士より丁寧に回答がありました。最後に、細谷事務局長より個別の相談は毎月組合で行っている法律相談に参加されることをお願いして閉会となりました。組合では今後とも組合員に役に立つ法律の学習会を計画していきます。

(東京多摩借組ニュース8月号より)

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東京多摩借地借家人組合

電話 042(526)1094

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