群馬県桐生市の不適切な生活保護費の運用をめぐり、問題となった分割支給が少なくとも2003年ごろからすでに行われていたこと
が新たに明らかになりました。
これは、21日開かれた第三者委員会の会合で市職員による調査チームが明らかにしたものです。市では、生活保護費をめぐる問題を
受け、書類や職員への聞き取りなどによる内部調査をことし2月以降に進め、その結果を報告しました。
それによりますと、保護費を月ごとの満額支給せず窓口で手渡しによる分割支給を行っていたケースは、少なくとも2003年ごろに
は行われるようになり、去年、市が公表するまでのおよそ20年間続いていたということです。
また、福祉課内に保管された印鑑の数は1948本に上ることが分かりました。この印鑑の預かりは、1989年ごろにはすでに行わ
れていたことも確認され、中には受給者の同意を得たとして職員側が自腹で購入したケースもあったということです。
受給者に代わり押印する不適切な行為が続いてきた背景について、「受給者の利便性向上と職員の負担軽減を図る目的で、問題と感じ
る職員も半数以上いたが先輩職員から処理方法を教えられ代々引き継いできたもの」と内部調査チームは結論付けています。
第三者委員会の委員長を務める吉野晶弁護士は、「本来公務員は勤勉でこのような規則に外れたことは行わないはずで、『事務処理の
慣例』だけが原因にあったのかを含め今後、背景について調査したい」と述べました。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます