東京多摩借地借家人組合

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契約時に説明なしの定期借家契約は有効なのか

2009年12月01日 | 定期借家制度
(質問) 転勤で1Kの賃貸マンション(家具付)を家賃月額7万円・礼金4ヶ月を支払うことで賃貸借契約を結びました。契約期間は364日です。12月に期間が満了しますが、定期建物賃貸借契約期間満了および貸主変更の通知が送られてきました。

 貸主は管理会社で、賃貸条件として家賃月額8万2千円(近隣相場を基準に算定)、光熱費1万3千円も今度は入居者負担とされています。契約書には、定期建物賃貸借契約書と書いてありますが、期間満了で終了することも書いておらず、事前に何の説明も受けておりません。家賃の値上げを認めないとマンションを出なければならないのでしょうか。

(回答) 最近は、インターネットなどで格安物件と称して、ネットのサイトには定期借家契約であることを全く知らせずに、騙して契約させる事例が増えています。

 定期建物賃貸借契約は、期間が満了すると更新されず、借主は無条件で建物を明渡さなければならない契約です。

 定期建物賃貸借契約は借主に大変不利な契約であるために、契約が成立するためには次の3つの要件が必要です。
 ①口頭ではなく書面で契約する。
 ②定期建物賃貸借契約書には、契約の更新がないことが明記されていなければならない。
 ③定期建物賃貸借契約を結ぶに当っては、貸主は借主に、契約の更新がないことが記載された書面を渡して説明しなければならない。
 以上3つの要件の内一つでも欠けると定期建物賃貸借契約は成立せず、普通建物賃貸借契約となります(※)。

 相談者のケースは2つの要件が欠けていますので普通借家契約となります。従って、貸主の契約条件に従う必要はなく勿論そのためにマンションを立退かされる理由はありません。組合と相談しながら頑張って交渉して下さい。


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