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賃貸不動産管理業の適正化へ、社整審民間賃貸住宅部会が最終とりまとめ

2009年12月17日 | 最新情報
社会資本整備審議会住宅宅地分科会民間賃貸住宅部会(部会長:浅見泰司東京大学空間情報科学研究センター教授)は14日、10度目の会合を開き、「最終とりまとめ(案)」について審議した。

 同部会は、民間賃貸住宅を巡る紛争の未然防止、紛争の円滑な解決、家賃滞納・明渡しを巡る紛争、市場機能を通じた民間賃貸住宅ストックの質の向上などについて議論がなされてきた。最終とりまとめにあたっては、社会的問題となっている賃貸借契約を巡る商慣習やルール(敷金、礼金、更新料、原状回復)の見直し、また家賃債務保証会社への規制、弁済履歴情報の共有(データベース化)の是非が、大きくクローズアップされた。

 最終とりまとめ(案)では、家賃債務保証会社の行為規制や登録制に言及した。しかし、原状回復ガイドラインの見直しについては「一層の具体化を図ることを検討する必要がある」とする一方、更新料等各種一時金の有効性については「裁判所において、額の妥当性や対価性、賃借人の理解の状況等のさまざまな要素を考慮して個別のケースごとに判断されているところであり、今後の裁判の状況等も見極めつつ、考え方を整理していくことが必要」と述べるにとどまった。

 さらに、弁済履歴情報の共有については、「賃貸人が安心して民間賃貸住宅を市場に供給できる環境を整備するという観点からは有効な方法」としながら、「その正確性と家賃債務保証業務の適正な実施の確保という観点から、必要な規制を行なっていくべき」「共有して利用できる情報を、反復継続的に滞納を行なう賃借人等の一定の範囲のものに限定するという考え方もある」など、個人情報保護や住宅困窮者救済の観点から、データベース化に慎重論を唱える声に配慮した記述がなされている。

 最終とりまとめにあたって、参加した各委員からは「賃貸不動産管理業の適正化は、同業界の法制化以外あり得ない」「賃貸人は事業者であり、滞納や空室というリスクを負うべき」「データベース化は賛成だが、その運用にあたっては第三者機関のチェックが必要」「賃貸借契約や商慣習について、最低限の全国基準を設けるべき」などの意見が出された。

 同部会では、これらの意見をもとに加筆・修正を部会長に一任。また、国土交通省は今後、最終とりまとめに盛り込まれた諸課題につき、具体的な対策に乗り出す。

(不動産最新ニュース 12月15日)

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