東京多摩借地借家人組合

アパート・賃貸マンション、店舗、事務所等の賃貸のトラブルのご相談を受付けます。

敷金トラブル、昨年度1万件超 借り主は知識を

2008年05月02日 | 敷金と原状回復
5月2日11時29分配信 産経新聞



建ち並ぶ賃貸マンション。引っ越しの多い春は敷金のトラブルも発生する。

 春の引っ越しシーズンにしばしば起きるのが、賃貸住宅・マンションで敷金が返還されないといったトラブルだ。「高額の『敷き引き』に納得できない」など国民生活センター(東京都港区)が全国集計した平成19年度の相談件数は11832件に上る。「原状回復」をめぐる誤解などから起きるケースが目立ち、借り主はしっかりとした知識を身につけておきたい。(柳原一哉)


 3月下旬、関東圏の20代男性は、学生時代4年間を過ごしたアパートを引き払うことになったが、不動産業者から思わぬ出費を突きつけられた。「クロスを全面張り替える修理代、クローゼットの扉のゆがみの修理代、部屋のクリーニング代として計20万円を敷金から差し引く」というのだ。

 「家賃5万円なのに…」と腑に落ちない男性は国民生活センターに相談。センターからは、国土交通省が16年にまとめた「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(改訂版)」に沿った助言があった。

 それによると、自己負担はクロスの棄損部分だけでよい▽クローゼットの扉は通常の使い方をしてゆがんだのなら修理費は負担しなくてよい▽契約時に借り主が清掃代を負担するとの特約がなければ支払いは不要-というものだ。また、20万円の明細書を入手することをアドバイスされた。

 センターに寄せられる敷金を巡るトラブル相談は特に4、5月に集中する。センターによると、常識の範囲内で部屋を使い通常の摩耗や損傷、劣化、畳の日焼けなどを原状通りに回復させる義務は借り主にはなく、ガイドラインにも盛り込まれている。だが、ガイドラインが浸透しているとはいえない。借り主の無知につけ込み、高額の敷き引きを借り主に要求するケースは後を絶たない。

 センター相談部の安藤健介さんは「新築マンションに10年間住んだ借り主に対し、退去の際、新築当時に原状回復するようリフォーム代を求めた事例もあった」と話す。また、「根拠を示さず部屋の清掃代を求めるケースも頻発し、相談も多い」と指摘する。

 敷金はもともと、借り主が家賃を滞納したり、不注意や故意で部屋を壊したり汚したりした場合のための担保。万が一の際、滞納分や修繕費を敷金から差し引いて埋め合わせる。電池の液漏れでフローリングに直径約30センチの汚れをつけた▽風呂をよく掃除しなかったためカビがびっしりついた-などは、「借り主側に原状回復の義務が出てくる」(センター)。

 また、契約書に、退去時には清掃代を敷金から差し引くとの特約があれば、借り主は従う必要がある。間取りが気に入った部屋であっても、契約内容は事前にしっかりと確かめたい。さらに、敷金の代わりに「管理費」「会員費」などの名目で支払う必要があるものもある。一方、入居前にすでに部屋に損傷などがあれば、自分には責任がないことを家主とともに確認しておけば、退去時のトラブルを避けることができる。



 ■国土交通省のガイドラインのポイント

・原状回復とは、借り主が居住して発生した建物価値の減少のうち、借り主が故意、過失、通常を超えるような使用による損耗、棄損を復旧すること

・敷金とは、契約時に借り主が賃貸人に家賃の不払いなどに備えて一定の金額を預けること

・ガイドラインには法的な拘束力はなく、原状回復義務を判断する際の参考資料だが、判例をベースに作成されている

・物件全体のハウスクリーニングは、賃貸人が次の入居者を確保するための手段で、賃貸人の負担になる。ただし、借り主が拭き掃除など通常の清掃を行っていることが前提

(犬塚浩著『“賃貸住宅の原状回復ガイドライン”の解説と判断例』をもとに作成。ガイドラインの概要は国交通のホームページで見ることができる)



敷金と原状回復トラブルのご相談は

実績のある東京多摩借地借家人組合まで  042(526)1094

5月3日~6日まで相談はお休みします。ご相談は5月7日以降ご連絡を。

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借地借家問題市民セミナー 5月31日立川で開催

2008年05月02日 | 借地借家問題セミナーと相談会
──こんな問題で悩んでいませんか──

■借地の契約更新で高額な更新料を請求されそうだ!
■地震で危険と建替えを理由に立退きを請求された!
■物価が上がったからと賃料の値上げを請求された!
■借地上の建物を増改築したいが地主が許可しない!
■借家の退去後に高額なリフォーム費用請求された!
■借地権を相続したら名義変更料を請求された!
■借地権を売却したいがどうしたらよいか! 

  この他にも、皆さんの悩みにズバリお答え致します。

◎日時 5月31日(土)午後1時30分開会

◎会場 アミュー立川(市民会館)・第4会議室  地図

◎講師 東京多摩借地借家人組合 事務局長 細谷紫朗氏


◎講演 「借主の知らないと損する借地借家の法律知識」

   参加無料 講演終了後、質問・相談を受付けます。

  
◎主催 東京多摩借地借家人組合

立川市柴崎町4-5-3いわなビル1階   042(526)1094 

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非情な管理会社 家賃滞納で借主を着の身着のままアパートから追い出す!

2008年05月02日 | 明渡しと地上げ問題
 埼玉県富士見市でアパートに住んでいたSさんは、病気で仕事ができず家賃を5ヶ月滞納してしまいました。昨年の夏、管理会社のF社の社員2人がSさんを訪ね、家賃を滞納したという理由だけで「今すぐ出て行け」と着の身着のままの状態で貸室から追い出されてしまいました。

Sさんの話では、怖くてとても抵抗できなかったそうです。鍵も取られ、その日からネットカフェ暮らしで日雇いの仕事で生活する毎日でした。部屋には貯金通帳や保険証もあり、返してもらおうと管理会社に電話すると、「もう処分した。処分代を支払え」と逆に脅される始末。Sさんは、現在は生活保護が受けられ、アパートも借りられたそうですが、自分の大切にしていた財産全て失ってしまいました。

 組合には電話で管理会社を訴えられるかということでした。組合では東借連の常任弁護団の弁護士を紹介し、対応を相談するようアドバイスしました。最近、あきるの市でも家賃滞納で強制退去されそうだという相談が寄せられ、人権を侵害するようなトラブルが続出しています。


借地借家の賃貸トラブルのご相談は

東京多摩借地借家人組合

一人で悩まず  042(526)1094

5月3日から6日まで相談はお休みします。
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20年の借地契約の途中で堅固建物へ建替えたが契約期間は30年に自動的に延長されるのか

2008年05月02日 | 契約更新と更新料
(問) 昭和63年に父名義で借地の更新をした。その3年後に父が亡くなり、私が借地権を相続した。建物が老朽化していたので、平成5年に立替承諾料290万円を支払って木造2階建てから鉄骨4階建てへ立替えた。だが、借地契約書は父名義・存続期間20年のままで、存続期間30年の契約へ書換えずにいた。 地主は20年経ったので借地の更新だと言って坪5万円の更新料を請求してきた。堅固建物を建てたのだから契約書を取交わさなくても、存続期間30年の契約に自動的に延長されるのではないか。

 (答) 借地借家法は平成4年8月1日から施行されている。それ以前に設定された借地権については「建物の滅失後の建物築造による借地権の期間の延長に関してはなお、従前の例による。」(借地借家法附則7条)とされている。この場合には借地法が適用される。

 借地法7条は借主が残存期間を超える耐用年数のある建物を再築することに対して貸主が遅滞ない異議を述べなかった場合、借地権は建物滅失の日から、堅固な建物については30年間、その他の建物については20年間存続する。但し、残存期間がこれよりも長い時はその期間による。このように建物再築による期間延長を規定する。即ち再築による法定更新を定めている。

 ここでの「滅失」は「建物滅失の原因が自然的であると人工的であると、借地権者の任意の取壊しであると否とを問わず、建物が滅失した一切の場合を含む」(最高裁昭和38年5月21日判決)。即ち、火事による建物の焼失や地震・台風による建物の倒潰の他に借主が再築のために建物を取壊す場合も含まれる。

 借地法7条にある貸主の異議申立てには存続期間の延長を妨げるだけのものであるから、貸主に正当事由は必要がない。貸主が異議を述べても借主は建物を取り壊す必要はない。従来の存続期間が満了した時は、借地法6条による更新の規定が適用される(最高裁昭和47年2月22日判決)とされているので、借主は法定更新を主張できる。勿論、借地法4条の更新請求による法定更新も主張できる。

 なお、借地法4条、6条による法定更新の場合は朽廃による借地権の消滅が問題になるが、7条による法定更新の場合は期間の途中で朽廃があっても借地権は消滅しない点に違いがある。

結論、相談者の場合は、平成5年に貸主が堅固建物への建替えを承諾しているから、貸主の異議申立は問題にならない。従って、借地法7条の規定から建物取壊しの日から存続期間30年の借地契約が法定される。

 参考として、借地法7条の条文上は存続期間の起算点は「建物滅失の日」となっている。しかし、20年以上も時間が経過すると滅失日が確定できない場合もある。そこで「建物保存登記日」を存続期間の起算点とした例もある(東京地裁昭和48年7月25日判決)。

 また、立替承諾の許可の裁判確定の時を存続期間の起算点とした例もある(千葉地裁昭和43年7月11日判決)。

 借地借家法では「借地権は、承諾があった日又は建物が築造された日のいずれか早い日から20年間存続する。」となっている。


参考法令 (借地法)
第7条 借地権ノ消滅前建物カ滅失シタル場合ニ於テ残存期間ヲ超エテ存続スヘキ建物ノ築造ニ対シ土地所有者カ遅滞ナク異議ヲ述ヘサリシトキハ借地権ハ建物滅失ノ日ヨリ起算シ堅固ノ建物ニ付テハ30年間、其ノ他ノ建物ニ付テハ20年間存続ス
但シ残存期間之ヨリ長キトキハ其ノ期間ニ依ル




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