花・伊太利

日々の生活に関する備忘録です。

仁和寺

2015-04-21 20:15:22 | Weblog
 先日、京都・奈良を旅行しました。その時の雑感を綴ってみます。先ずは京都の仁和寺から。
 仁和寺と言えば徒然草を思い出します。仁和寺のお坊さんが石清水八幡宮にお参りに行きますが、途中にある神社を石清水八幡宮だと勘違いして、その先に続く石清水八幡宮へ通じる山道を登っていく大勢の人たちを見て、みんな山の上に何しに行くんだろうと訝しがりながらも、「山に登るのではなく石清水八幡宮に参るのが目的だから」とそこで引き返す話とか、料理を盛る器をかぶって踊ったら、大受けに受けたまでは良かったものの、その器が抜けなくなって大騒動となり、力いっぱい器を引っ張った挙句耳と鼻がちぎれてしまったお坊さんの話とか。そんな間抜けなお坊さんの話に、仁和寺に対して何とはなしに滑稽なイメージを抱いていましたが、実際に訪れた仁和寺は、さっさと見て回っても1時間は掛かりそうな広い境内に、金堂や五重の塔をはじめ数々のお堂が立ち並ぶ大寺でありました。滑稽さなど微塵も感じられない、真言宗御室派の総本山に相応しいお寺でした。そもそもは宇多天皇が興したお寺だそうですから、権門の寺院だったのでしょう。兼好法師が仁和寺のお坊さんを面白おかしく取り上げたのは、仁和寺が力のあるお寺だからこそ、あえて権力を揶揄しようとするシニカルな気持ちがあったからかも、と思いました。