今日の朝日新聞朝刊に出ていた記事です。自民党の若手議員による「文化芸術懇話会」の会合で、「マスコミを懲らしめるには広告料収入がなくなるのが一番。経団連に働きかけて欲しい」、「悪影響を与えている番組を発表し、そのスポンサーを列挙すればいい」など、政権に批判的なメディアに規制をかけるべきだとの意見が出たそうです。「懲らしめる」とはどういうことでしょうか。「政権に批判的なのはけしからん」ということでしょうが、考えの違うヤツは「悪」だ、懲罰を加えねばと思っているなら、信じられないくらいレベルの低い議員がいたものです。「私はあなたの意見には反対だ、だがあなたがそれを主張する権利は命をかけて守る」と言ったヴォルテール、すなわち民主主義を支える言論の自由を守る立場の完全なる否定です。自分の考えと近いか遠いか、あるいは自分の右側にいるか左側にいるかで善悪を判断していけば、一番右端にいる人から見ると、みんなを懲らしめなくてはならなくなります。経団連が「文化芸術懇話会」の声に耳を傾けることはないと思いますが、万が一耳を傾けるようなことがあれば、考えが違う相手の口を塞ごうとする人間が幅を利かすようになり、ある日気がつけば、経団連の中から懲らしめられる人が出ないとも限りません。