先日、子どもとハムレットを観に行きました。観終わってから感想を聞くと、「面白かったよ」。事前に子ども向けのダイジェスト版を読ませていたので、「本で読んだそのままの台詞があったし、あらすじも分かった」とも言っていました。「ローゼンクランツとギルデンスターンはハムレットの代わりにイギリスで殺されて可哀そうだったね」などと、帰りの道すがら登場人物について話しました。当然、話はハムレットにも及びますが、定番とも言える質問を投げかけてみました。「どうしてハムレットは、『このままでいいのか、いけないのか。それが問題だ』と言うばかりで、父親殺しの復讐をしなかったのだろう?」「レアティーズはお父さんのポローニアスが殺された時、フランスからすっ飛んで帰って来てハムレットを殺そうとしたのに、ハムレットは悩んでばかりだったよね」、子どももハムレットとレアティーズのふたりの若者の行動が対照的だったと思っているようでした。結局、ふたりが出した結論は、「ハムレットがレアティーズのような性格なら劇は2時間もたず、30分くらいで終わってしまうだろう。劇を面白くするためにハムレットは悩んでいなければならなかった」でした。私たち親子は文学的素養に欠けているらしく、身も蓋もない結論に至りました。