花・伊太利

日々の生活に関する備忘録です。

ガリア戦記

2012-06-24 23:51:49 | Book
 日曜日の午後、用事があって出掛けたママと子どもの帰る頃に合わせて、外で待ち合わせることになりました。待ち合わせに少し時間があったので、オープンカフェで生ビールを飲みながらカエサルの「ガリア戦記」を読んでいました。「戦記」なので当然のことながら、どの頁も攻めたり、攻められたり、策を弄したり、寝返りがあったりの繰り返しで、生ビール2杯を飲む間に、いったいどれだけの人が死んだことでしょうか。ローマ人もガリア人もゲルマン人も、いっつも戦争をしているんだなぁ、と少し呆れるほどでした。そう言えば、昔、司馬遼太郎の何かの本に、「ヨーロッパ人は血の気が多いので、キリスト教のような厳格な宗教で縛る必要があった」みたいなことが書いてあったような気がします。「ガリア戦記」を読むと、あまりに好戦的な部族ばかりで、それもうなずけます。正面から正々堂々と白兵戦を挑み、勇敢に敵を撃破することを「戦争の西洋的流儀」と呼ぶそうですが、こういった言葉があることもヨーロッパ人の好戦性を示すにほかならず、要はヨーロッパの人々の中には戦いに勝つことを是とする価値観が脈々と続いているということです。
 話は少しズレますが、「ガリア戦記」の中でカエサルは卑怯な手を使う敵に対して、「武勇で鳴らしてきた者がローマの支配下に置かれて屈辱感を味わっているのだから、ローマに造反するのも当然だ」みたいなことを言っており、一旦カエサルの軍門に降ったガリアの部族の造反にあって怒り心頭に発すとならずに、冷静に分析しているところは流石に万軍の将だと感心しました。