花・伊太利

日々の生活に関する備忘録です。

帰宅困難

2012-02-04 10:03:47 | Weblog
 3日、東京では災害時に帰宅出来なくなった人を想定した訓練が行なわれたそうです。東日本大震災後に進めてきた災害対策の確認をしようということなのでしょう。そのニュースを新聞で読んでいて、そこに出ている「帰宅困難者」の文字を目にした時、極めて不謹慎ながら、かつてバブル時代に遅くまで飲んでいて、タクシーが拾えず、なかなか家へ帰れなかったことが思い出されました。当時、金曜の夜(土曜の未明?)や雨の日などは、繁華街では全然タクシーがつかまりませんでした。「賃走」また「回送」の車ばかりで、「空車」を見つけることは至難でした。よしんば「空車」を見つけても、停まってくれるとは限らず、センターライン寄りの車線を非情にも走り去っていくのを恨めしげに見ていたものでした。そんな時には、道路へ飛び出してほとんど当たり屋まがいに無理矢理車を停めたり、また、運良く車を停めた人を見つけると、「俺たちが先だ」と言って押しのけ、車に乗込んだりしたこともありました。タクシーを停めるのが難しいので、1台確保すると、一緒に飲んでいた全然帰る方向の違う仲間が乗り合って、西へ東へと随分ロスのある走り方をしていたので、最後の人(年齢の上の順から回るのが常だったので、必然的に一番若い人)が車を降りる頃にはすっかり夜が明けていました。また、はなから車を拾うことをあきらめ、コンビニで酒や肴を買い込んで、新宿の花園神社の境内で始発までコートを着たまま飲み続けたこともありました。ただ、今日はそんなくだらない昔話がしたい訳ではありません。自分たちが好きで飲んで家に帰れないのと、災害時の帰宅困難者を同列に見るつもりは全くありませんが、家へ帰れない苦労を震災の時に初めて味わった人と、少なからず経験の鎧を磨いた人とでは、実際に困難に見舞われた時の心の持ちように違うのではないかと思いました。「家へ帰れない、大変だ、どうしよう」と思うよりも、「1日くらい家に帰らなくても、どってことないさ」と思う方が、平静を保って事に当たれるのではないでしょうか。その意味では、この日、東京で行なわれた訓練も回数を重ねていけば、「どってことないさ」派が増え、万が一の際の冷静な対応につながると思います。