花・伊太利

日々の生活に関する備忘録です。

風の谷のナウシカは幸せか?

2010-06-12 10:25:53 | Weblog
 6月10日の朝日新聞夕刊の一面に、宮崎駿監督の代表作「風の谷のナウシカ」のブルーレイディスクが、7月14日に発売されることを知らせる広告が載っていました。天気予報欄を見ていたら、その下にあるナウシカの広告が目に入り、何とはなしに、昔見た映画の場面などが思い出されました。この映画の構図の中心には、自然と共存しながらひっそりと暮らしているナウシカたちと、強力な破壊力を持つ兵器によって自らの版図を拡げようとする帝国の戦いがありました(AVATARも似てますね)。自然に対してローインパクトなナウシカと、そのナウシカたちを武力でなぎ倒そうする帝国の間の、旗色の対比が鮮明で、どちらが善玉でどちらが悪玉か一目瞭然です。ところで、新聞広告をつらつら眺めながら思ったのは、次のようなことでした。帝国軍はナウシカ側に比べて圧倒的に戦闘員の数が多く、それは翻って考えれば、相当数の人間を抱えるキャパシティを帝国が持っていることを意味しています。一方、ナウシカ陣営は集落規模の人数しかいません。これは、自然に寄り添った生産様式では、養える人間に限界があることを表わしているのでしょう。「風の谷のナウシカ」はアニメなので、敵味方の白黒の区別がはっきりしていて、それはそれで構いませんが、この対立軸を環境保護派対開発推進派になぞらえてみた場合、ナウシカ対帝国の単純な構図として見ていては、そこには見落としているものがあり、第3の道の模索が必要なのは明らかなように思えました。しかしながら、明らかに思えたのはそこまでで、「じゃぁ、どうする?」と自問してみても、明らかな解答は浮かんできませんでした。