花・伊太利

日々の生活に関する備忘録です。

佐賀 (つづき)

2007-02-28 22:03:44 | Weblog
 今回の佐賀訪問で、佐賀の地に足の着いた実力を感じたことをもうひとつ。それは、武雄温泉にある旅館「扇屋」の料理です。知る人ぞ知るの宿だそうで、美味しい懐石料理に舌鼓を打つことが出来ました。そこはそれ、佐賀ですので、「どうだぁー」みたいな料理が出てくる訳ではもちろんありません(もっとも、懐石で「どうだぁー」もないでしょうが)。厳選された美味しい素材を使い、素材の持つ旨味を十二分に引き立てる味付け、そして料理を前にして背筋をぴしっと伸ばしたくなるような盛りつけと品のある器。目で楽しみ、歯ごたえを楽しみ、当然ながら舌で楽しむ料理の数々が、早過ぎもせず遅すぎもしない、絶妙のタイミングで出てきました。ひとつひとつの料理がそれだけでちゃんと存在感を示しながら、全体のバランスを崩すこともなく、ひと品食べ終わるたびにその余韻を味わいつつも、次への期待で急かれる思いが沸いてきます。海の幸山の幸と言いますが、扇屋の懐石料理を味わって、その日食べたそれぞれが、本当に海や山からの恵みという意味で幸であることが良くわかり、また、それらが本来持つ美味しさが料理人の味付けによってより鮮明に実感出来る、そんな味覚と出会えた幸を感じました。佐賀はいいところです。あなどれない、なかなかのところです。