前日下調べをしたパリ・リヨン駅から、念願のフォンテーヌブローに向かいます。サイトで調べると、駅は混雑しているので必ず「イル・ド・フランス」の窓口でチケットを求めことがアドバイスされていました。列車の止まるホールと番線は出発15分前ぐらいにしか電光掲示板に出ません。
それを確認して、チケットを刻印機で印字して乗り込み、また「ひとつクリア!」とホッと一息。約40分でフォンテーヌブロー・アヴォン駅に到着します。そこから宮殿までのバスに積み残されて、やっと見つけたタクシーに乗りこみました。
往きはパリ・ガレ・リヨン駅が始発なので出発まで少し時間があります。列車内は地下鉄のように混雑しておらず二階座席もかなり空席が。「ここならスリの心配はまずなし」とカメラのデータの整理をしていると、一人の男性が近づいてきました。手には四つ折りにした新聞とその上にサインらしきものがずらりと書かれたA4サイズの紙が乗っています。
その男性はボールペンを差し出してフランス語で「書いて」というしぐさをしますが、こんなところで署名する道理はなく「ノン」というと、それでもしつこく紙を押し付けて懇願するように頼んできます。「non」と何度かやり取りするうちにふと気づくと、バッグのファスナーが10センチほど空いているのが見えました。「おーっ!ノン!」と大声を出すと、夫も同時に「あっ!」叫んだので、その男性は両腕を開いて失敗したという仕草をして去っていきました。
バッグを新聞紙で覆い、サインしている間に、下に隠した手で財布を取ろうとしたのでしょう。
左はこういう状況だったという写真。右はスリ対策として、手芸店で買ったフックの付いた皮ベルトで、ファスナーの金具とショルダーの部分を固定するように工夫したもの。「防衛」のパフォーマンスを見せつけるために。チープなバッグもスリ対策 o(^-^)o
混雑した地下鉄ではないからと、この時は「防衛」を解除していました。前回に続いてまたもや寸でのところでスリを回避できましたが、危なかったー・・・。あんなに気をつけていたはずなのに、狙われたというだけで気分は低調に・・・。あのサインをした人の数だけ、スリの被害にあったのかしら???
★ フォンテーヌブロー宮殿
この宮殿は今回ぜひ行きたかったところです。11世紀以来フランス歴代の王たちが愛したフォンテーヌブローの森。現在の宮殿は歴代王の築城の結実ですが、16世紀ここにフランソワ1世がフランスで初めての本格的なルネサンス様式の宮殿を建築しました。あのレオナルド・ダ・ビンチを招へいし、父と息子のように信頼し合った二人です。
宮殿の歴史はナポレオン3世の時代まで続きます。ナポレオン皇帝はここを自分の権威の象徴にしようと大きく足跡を残しました。しかし彼が流刑地エルバへと旅立つときに、別れの儀式が行われたのもこの馬蹄形の階段でした。
イタリアの芸術家を招きフランス風に解釈しなおしたものが「フォンテーヌブロー派」。これがフランス絵画の基盤を形成したと聞いていたので、今回は是非この目で確かめたかったのです。
舞踏の間では、ちょうどピアノのコンサートが行われていました。約1時間近く、ラッキー!
豪華さではヴェルサイユ宮殿に劣るが、優美さや洗練という点ではフランス随一という評価もあるようです。ヴェルサイユより観光客が少ないので落ち着きました。
フランスでもっとも大きな宮殿と言われるほどの広さを見て回り、疲れて外に出ると、美しい庭園が広がっていました。
パリジェンヌはどこにいても絵になります。
カトリーヌ・ド・メディシスが作らせたディアヌの庭園。小便小僧ならぬ「小便犬」がユーモラス。
宮殿は6時に閉館しますが、庭園は自由のようです。一日中をここで遊びました。ラッキーだったのは、フェスティバルということで入場料は「フリー」、日本語のイヤホンガイドも「フリー」。出店がたくさんあって、マカロン、アイスクリームをたっぷり食べました!
夕食をしてホテルに帰り着いたのが11時前。夜の9時半でも明るいのでつい時間の観念が狂ってしまいます。たっぷり12時間以上も観光・・・。まだ観光2日目なのに4,5日も居た感じで、得した気分です。