新・遊歩道

日常の中で気づいたこと、感じたこと、心を打ったこと、旅の記録などを写真入りで書く日記です。

産直 大間のまぐろ大トロ

2017年08月26日 | 食・レシピ

「青森に来ているので、大間のマグロを送ろうかと思って」と息子から電話がありました。大間と聞いて、本人はマグロの値段を知っているのかしらと不安になり「ホタテか漬物でいいけど」と遠慮がちに言うと、「そんなことを言うとテンションが下がる。折角だから九州では食べられないものを送りたい」という事で、素直に息子の行為に甘えることにしました。



送られてきたのは奥村商店の「腹上一番」の金色のシールが付いたまぐろ200g。「腹かみ」とは部位を示すもので大トロのことだそうです。さっそくHPで調べると予想以上の価格にビックリ!びっくり!

築地市場で年明けに行われるマグロの初セリがあります。今年は確か7400万円位ですしチェーン店の社長さんが競り落としたとニュースになりました。そのマグロがやっぱり大間産のまぐろでした。
数年前には初セリで二つのすし店が競り合って1億5000万円で落札されたと大評判になりました。大間のマグロは私には全く次元の違う話題でした。

冷凍で送られてきたので、肝心の解凍処理にもプレッシャーがかかります。息子は大間で食べたマグロステーキがものすごく美味しかったと言ったのですが、せっかくの大トロに火を通すのはためらわれました。
冷凍マグロの失敗しない上手な解凍方法が同封されており、注意深く時計を見ながら手順を踏んで解凍しました。
解凍したトロは言葉にできないくらい美しく、優しい色合いで、ほどよく油がのっています。生ものが苦手な夫もそれを見た途端に「刺身で食べる」と言って、本当においしくいただきました。中トロは食べたことがあったのですが、大トロは降って湧いた初体験でした。折角だからと、とっておきのラインガウ産の白ワインを開けて乾杯しました。



とろけるような甘さと旨味に大満足。「これが大間のマグロ大トロ」と二人で感服しあいました。明日は酢飯にして丼の上に乗っけようか・・・。解凍後3日以内に食べるように指示があります。

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壮絶、「政次」の最後

2017年08月23日 | 本・新聞小説

今、「政次」と聞けば、書けば、すぐ「小野但馬守政次」だとわかります。大河「直虎」に出てくる井伊家の家老です。

主人公の直虎をしのぐ人気の高橋一生さんが「小野但馬守政次」を演じました。「高橋一生」でなく丸ごと「政次」一色に染まってしまう、いや政次になってしまう程の好演でした。

大河が始まる前に2冊の本を読みました。「直虎」自体が本当に存在したのか、男ではなかったか、との疑問もあるようですし、登場するのもあまり知られていない地味な人物ばかりです。
 
                

2冊とも小説としてではなく、古文書や地図などの資料を解き明かしながら書かれています。あんまり面白くはない、退屈しがちな内容・・・・です。だから1年間のドラマがどういう風に展開するのか想像がつきませんでした。
ところがテレビでは、高橋一生が登場するたびに、政次の存在が深みを増し、なくてはならない大きな人物になってきました。週を追うごとに視聴率はぐんぐん上がっていきます。さすが脚本家です。

史実は小野但馬守政次は、井伊家の家老でありながら今川と結び井伊を乗っ取った裏切り者で、攻めて来た徳川家康によって滅ぼされます。だから、政次の初期の頃の冷たい表情に憎らしささえ覚え適役だと思っていました。
が、途中から、一生氏の表情の巧みさの中に「えっ?ひょっとしたら井伊家を守ってるの?いい人?」「どんな展開になるの?」と混乱してきました。

自由奔放な女城主直虎を陰ながら支え、厳しく叱り、つき放ち、優しさと冷たさの織り交ざった好演でマスコミの話題をさらっていましたが、ついに20日放映の磔場面で大河から去っていきました。

クールさを失わない熱演で「直虎」の番組を引っ張ってきただけに、ネットでは「政次ロス」の言葉さえ出てきています。

政次の本心が周りの人々によって少しづつ理解され、口にされて、視聴者もやっと政次の本当の人物像がわかってきました。政次の口からは「今川への忠誠を装いながら、実際は井伊家存続に奔走している」という台詞はひと言も出てきませんでした。
今川の敵、徳川に弓を引いたという濡れ衣を着せられて、最後ははりつけにされます。井伊を存続させるためには自分は直虎の敵だと周知させること、それこそ「このために自分は生まれてきたのだ」と重たい台詞を吐きます。

直虎は政次を助けたい気持ちを封印して、政次の深い心を理解し、お互いの胸の内を分かり合ったうえで、はり付けの政次に自ら穂先鋭い槍を向けたのでした。

二人の心がひとつになった場面、政次の死は壮絶でした。裏切り者を演じながら、ほのかな恋心を寄せながら、井伊を守るための同士でもあったのです。
さて来週からはどんな展開になるでしょう。まだ4か月もあります。菅田将暉が演じる井伊直政が楽しみです。。

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「お休み、ロジャー」、ラジオで、新聞で、テレビで、たびたび目にしたので買ってしまいました。何といっても「たった10分で、寝かしつけ!」の魅力的な言葉からです。


内容は、眠れないうさぎのロジャーが、親切な魔法使いのあくびおじさんの家に会いに行くというストーリーです。途中何人かの友達にも会います。眠りおじさんに眠たくなるという薬を振りかけてもらい、家に帰ってきて眠るという、メリハリのないシンプルな話です。

読み方に抑揚をつけたり、強調したり、指摘された場面で読み手があくびをしたりします。繰り返しの言葉が多いし、ストーリーも面白くないので緊張して聞かなくてもいいし、体が弛緩してくる感じはします。
10分、孫二人ともまだ寝ません。13分、一人から寝息が聞こえだしました。30分、眠りかけています。読む方もウトウトしてきて、文字とは関係ない言葉を発してはっと目が覚めました。35分、やっと寝ました・・・。
35分か・・・・、これくらいの時間をかけると大体眠るのでは・・・?

二回目はもっと早く眠りにつきました。寝つきの悪い孫二人には、確かに早めに眠気が来た気がします。

この本はスウェーデンの研究者が、心理学的要素を入れ込み、科学的な効果を狙って書いたものだそうです。繰り返しの言葉で、自分がその状態にあるという暗示の効果を高めるし、一種の催眠術でもありリラックス効果で安眠に繋がるという事です。

試した結果はこれでした。10分とはいきませんでしたが、少しは効果があった・・・と思うようにしました。

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手を抜いている庭だけど・・・

2017年08月19日 | ガーデニング

夏の庭は手を抜いて殺風景ですが、良心の痛むことも無し・・・。春の庭のイメージがある娘は「花が少ないのね」とひとこと。


狭い庭に余りにはびこりすぎたので、枝を切り落として根元だけが3度目の引っ越しをしたノウゼンカズラの2年目。もうこんなに伸びています。枝はブロック塀を隠すために誘導しています。
伸びる枝の先には必ず花が咲きます。薄ピンクの清楚な花なのに、意外なほどエネルギッシュに伸びて自由を謳歌しています。

 
鉢植えのハツユキカズラ。季節にミスマッチな名前・・・? 名前の由来が、最初はピンクなのが初雪の名の通りすぐに白色に染まるからだとか。
ツルが鉢の中をぐるぐる巻いて、あまりに伸びすぎて困るので処分しようかと迷っていた時に、園芸店で同じ大きさのハツユキカズラの値段を見てビックリ!それから大切にしています。


全部こぼれダネのトレニア。間引くのがもったいなくて密集したままなので小さく育っています。数カ所に植え直したものは大きく育ちました。
草取りの時に雑草かなと思いましたが、よく見ると園芸種はやはり出自が違う・・・、小さな芽でも自己主張があります。


綿の花と実。数カ所に種を埋めていましたが、忘れた頃に芽が出ていつの間にか清楚な花が咲いていました。
大河の「直虎」で、井伊谷でワタの栽培を奨励して農民の生活を助ける下りがあります。小4の孫が歴史に興味を持っているので、そのワタがこれだと説明してやりました。
初めてその青い実を目にしたこと、丸い実の中に綿の繊維が入っていることに「すっげー!」と歓声を上げました。
実が枯れてパチンとはじけて、中から白い繊維が出てきたらどんなに驚くことでしょう。リアクションが楽しみです。


それまで何事もなかったのに、2,3日雨が続いてふと気づいたらピンクの花がわ~っと咲いていました。「いきなり」というのがいつもの実感です。
調べてやっとわかった名前が「ゼフィランサス カリナタ」と小難しい名前。「サフランモドキ」ともいうそうな。どこでもよく見かける花です。
ピンクのボンボンは心を惹く花。なぜか子供時代を思い出させます。センニチコウの勢いがよすぎて足元のマツバボタンが大きくなれないでいます。

余りの日差しの強さに北側に移動させた植木鉢。11時ごろまでは日が当たります。華やかだった春のマーガレットとゼラニウムは枯れたのか・・・生きているのか・・・。葉の緑もこんなに色が抜けてしまいました。涼しくなるまで待ってみます。

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孫の夏休み

2017年08月17日 | くらし

我が家に10日間も滞在していた孫たちの夏休みが終わりました。これでも予定を1日繰り上げたのはリビングのエアコンが不調になったからです。それぞれの居室にエアコンはついているものの、皆が集まり、テレビがあり、食事もするリビングが猛暑の部屋となると皆は音を上げてしまいました。


夏休み中に1泊旅行を予約していましたが、大型台風直撃という予報に娘の方からキャンセルにしてほしいと連絡がありました。
孫たちも納得のキャンセルなので、今年の旅行は無し…という事になりましたが、ホテルのランチバイキングや大好きなスイス料理のフォンデュを食べるとやっと納得できたようでした。

ホテルのプールの予定が庭のビニールプールに。いつの世も子供は水遊びが大好きです。空気を入れるのに手動だったので大変でしたが・・・。



ホースを霧状にして小さな虹を作っては大喜びです。こんな光景を見ていると、自分の子供の頃の夏休みのわくわく感がよみがえります。後始末のプールの空気を抜くのが大変でした。

台所の窓辺のゴーヤのカーテンがまだ実をつけています。今年はことのほか葉の緑が美しく下葉も枯れていません。料理中の暑さでも、目に入る青葉に心が安らぎます。


ゴーヤの実は短いのですが、二人にはちょうどいい量です。客用の買いだめの野菜が中途半端に残り、トマトも完熟し過ぎ・・・。そこでラタトゥイユなら大丈夫と作ったら、熟したトマトの効果でとっても美味しくできました。


黒豆ご飯は、こんなきれいな色が出ます。鶏もも肉を塩こしょうして弱火で30分じっくり焼き上げると、皮がパリパリに焼けて口当たりがよくなります。

トラブルのエアコンは基板取り寄せ中で修理が完成していません。基板は完全に壊れているわけではないので、スイッチを入れるとたまに気まぐれに動きます。

でも一度スイッチオフにしてしまうと、次が動かなくなります。だからうまく稼働し始めたら就寝までそのままにしておきます。

猛暑日から少ししのぎやすくなっていたのがせめてもの慰めです。

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椎木正和感謝コンサート

2017年08月01日 | 音楽

このコンサートは、九州大学100周年記念事業として椎木正和氏(三洋信販株式会社創業者)の寄付により建設された「椎木講堂」で開催されました。直径100mの円筒形、3000人収容という、とにかく目を見張る大きさ広さです。(左からの写真2枚は大学のHPからお借りしたものです)

   

その椎木氏は昨年亡くなられましたが、他に学術、医療、芸術関係にと多大の貢献をされており、その功績と厚情に感謝するために8団体が合同で催したコンサートでした。その招待券をもらったので、移転して新しくなった伊都キャンパスに出かけました。


演目は先ず、伊藤京子氏のショパン/バラード1番。別府アルゲリッチ音楽祭総合プロデューサーとしても活躍されています。
初めにドーンとくる低音がこれからの旋律を期待させます。そして
最後の劇的な指の運びと荒れ狂うメロディに、これがショパンなのだと満足させてくれて終わりになります。

次は、九州交響楽団 ドヴォルザーク/交響曲第9番「新世界」。指揮は小泉和裕氏。
チェコからアメリカに渡ったドヴォルザークは、この曲を「アメリカ大陸から故郷の人たちに送る印象記」と言っているそうです。ホルン、フルート、クラリネットの澄んだ音に、彼の故郷を思う心が切なく美しく重なり胸を打ちます。
第3楽章で、トライアングルが天に抜けるように澄んだ音を出し始めた時には本当に感動しました。CDで聴くのと違い視覚的にも楽器の存在感が増します。このトライアングルの音がなかったら「新世界」が少し違ったものになるかも…とは素人の感想ですが。

平成元年までは社業一辺倒だった椎木氏は、お世話になった地域に何かお返しを…と考えたときに、クラシックが浮かんだそうです。
20代の大半を結核病棟のベッドで過ごした椎木氏は、ある時ラジオから流れてきた力強い音楽に衝撃を覚え、絶望と不安な気持ちを癒され生きる力を与えられました。それがベートーベンの「運命」だったのです。
『クラシックに縁もゆかりもない方々にも聴いてもらい、楽しんでもらい、生活の一部に感じてもらえるようなコンサートを提供しよう』と、それからが音楽普及活動の始まりです。
九州交響楽団の無料ロビーコンサートは220回にもなりました。
週末の保養先の別府で、「地方からクラシック音楽で世界に芸術文化を発信したい」と切望する伊藤京子氏と出会い、椎木氏はその思いに共感し、アルゲリッチ芸術振興財団の理事として活動を支援されました。
この音楽祭の誕生が世界の音楽界にセンセーションを巻き起こしたのをよく覚えています。

今回の感謝コンサートも、クラシック音楽が生命力をかきたてる泉であるという椎木氏の心を大切に守っているものでした。


莫大な資産を、世の中のためにと使われた高邁な思想に、心からの敬意と感謝と拍手を送りたいと思いました。

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