新・遊歩道

日常の中で気づいたこと、感じたこと、心を打ったこと、旅の記録などを写真入りで書く日記です。

毛利さんの熱い涙!

2007年02月12日 | ドキュメンタリー

NHKで、12日朝、「 南極観測50年 毛利衛 氷の大陸を行く」という大変興味深い番組が放映されました。NHKの南極キッズのホームページは楽しいですよ。

幼いころ白黒映画で南極越冬隊のニュースを見てから50年・・・。感慨深いものがあります。今年は世界の科学者が南極と北極の調査を行う「国際極年」の始まりとか。

この日は、宇宙飛行士の毛利衛さん、立松和平さん、今井通子さんが昭和基地に降り立ちました。「宇宙だと8分で成層圏に着き、1時間半もすれば軌道に乗ります。」と、米軍の飛行機などを乗り継いで、5日がかりでやっと氷の大地に立った毛利さんは感慨深そうでした。

マイクを向けられた毛利さんはすぐには言葉が出ず、しっかり結んだ口元がゆがみ、日よけの真っ黒いサングラスで目は隠れていましたが、明らかに涙がこぼれていました。

しばらくの沈黙の後、「今回いろいろな国の飛行機のお世話になってここまで来ましたが、日の丸をつけたヘリコプターが昭和基地から迎えに来たときは嬉しかった。宇宙ではアメリカとロシアのロケットのお世話になったが、それが南極では、こうして日の丸を掲げたヘリコプターが出迎えに来てくれた。南極でしっかりしたいい仕事をし、国際的にもすばらしい貢献をしている。日本もついにここまで来たのかと思うと感無量でした。」という感想が大変印象的で、見ているほうも熱いものがこみ上げてきました。

分野は違えども、研究と責任と使命の重圧を受けた科学者たちの、真の喜びを垣間見た思いです。宇宙やマイナス40~80度の超極限の世界で、閉じ込められた状態で探求を続ける孤独な科学者たちに、無言のうちに通じる魂の言葉だったと思います。

観測隊はオゾンホールの発見のきっかけをつくったり、3000メートルも掘削した氷から、周期的な気候変動の発見をしたり、それが人類の移動と広がりを読み解くことにつながるなど、貴重な成果を挙げています。掘削したときに、3000メートルの氷の下にある大地の5ミリのかけらも混じっていて、今後の分析と研究が待ち遠しく思われます。

「南極観測が地球環境の過去、現在、そして未来の姿を見つめる大切な窓口になる」と、住吉アナウンサーはまとめましたが、重たい、しかし希望ある言葉でした。

毛利さんのペンギンを見る時の目。やさしいですね~。科学者の万物に対する愛情を見たようで、科学者の姿勢についても考えさせられました。この写真はNHKからお借りしました。

 

 

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