新・遊歩道

日常の中で気づいたこと、感じたこと、心を打ったこと、旅の記録などを写真入りで書く日記です。

プラハ放送交響楽団 & 三浦文彰

2024年07月08日 | 音楽
待望のプラハ放送交響楽団のオール・チェコ・プログラムです。
フルートとクラリネットで始まる「モルダウ」。こんなに美しい出だしの「モルダウ」があったのか!と最初から感動で胸が熱くなりました。 
演奏者と楽器が見える生きている音。CDとはまるで違います。これだからコンサートはたまりません。

プラハ放送交響楽団はチェコを代表するオーケストラのひとつ。音楽監督も兼ねる指揮者ペトル・ポペルカはスケール感たっぷの素晴らしい指揮者で、来年からはウィーン交響楽団の首席指揮者にも決まり、ヨーロッパで旋風を巻き起こしている有望株だとか。マエストロ、まだ若いのです。

男性の演奏者が全員燕尾服というのも驚きました。椅子からツバメのしっぽが垂れ下がる威厳と品格から演奏者の音楽に対する姿勢がしのばれました。
最も心に残る素晴らしい楽団のひとつです。指揮者と楽団に出会えたことに感謝しました。

もうひとつの「プラハ交響楽団」は以前に聴いたことがあります。チェコはいい!
チェコの街並みは旅行者もすんなり受け入れてくれる温かさがあり「また来れたらいいね」でした。
もう行くことはなくても、こうしてチェコと出会えることは嬉しいことです。

三浦さんのヴァイオリンも風格が備わって実力者の位置は不動。ドヴォルザークのヴァイオリン協奏曲は体力を必要とするようでしたが、そこはベテランという感じでした。

圧巻の「新世界」。親しみのある曲だけに、それを最高の音で聴けた聴衆のどよめきと歓声が全てを表していました。
妹と一緒でしたが、言わずとも2人とも感動を共有しているのがわかりました。

もしまたプラハ放送交響楽団を聴く機会があったら絶対に見逃しません。
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坂本美雨 と「 タタン風アップルケーキ」

2024年07月01日 | 音楽
こぬか雨の降る梅雨に、数日間門から出ない生活になっています。録画を消化するのにはぴったりです。

「日曜美術館」のオルセー美術館案内役が坂本美雨さんでした。
優しい語り口、温かいハート、また言葉のテンポが程よくて、心にしみる説明に聞きほれました。こんなに成長されたのだと感慨を深くしました。

26~7年前、ラジオから流れる透明感のあるフレッシュな歌声は、まさに天使。
娘に買ってきてもらったのが「Ryuichi Sakamoto featuring Sister M The Other Side of Love」8㎝のミニCD
「Sister M」を巡っていろいろ取り沙汰されましたが、坂本龍一さんの16歳の娘・.坂本美雨さんであることが判明しました。
1普通バージョン、2アコースティック バージョン、3インストゥルメンタルと合わせて15分。何度も聞き直しました。なんか梅雨に合ってる感じ。

おやつは「タタン風リンゴケーキ」です。
連日の雨でスィーツが切れてしまいました。どうしても甘いものが欲しくなり、リンゴがあったので簡単にできるリンゴケーキを。
30分の夫のお昼寝タイムの間に焼ける、ごくごく簡単ケーキです。
カラメルのほろ苦さにリンゴが絡まって、急場あつらえとは思えない美味しさになりました。粉はホットケーキミックスを使いました。

CDを聴きながら食べるとちょっと満足感が増しました。


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《チョ・ソンジン》 ピアノリサイタル

2024年06月06日 | 音楽
チョ・ソンジンの名前を知ったのは、2015年ショパンコンクールの優勝で。韓国の音楽水準は高いと言われていましたが、やはり優勝者が出ました。

それより前の2000年のコンクールでは優勝者が中国のユンディ・リ。18歳という若さ、過去10年ぶりに優勝者が出たこと、アルゲリッチの絶讚、で話題は世界を駆け巡りました。日本でも「ピアノ界のキムタク」として盛り上がりました。
私もその風に乗って、翌年のソロ・リサイタルを福岡の地で聴いています。

今回のチケットは4ヶ月前に購入していましたが、その後でソンジンさんが、ベルリン・フィルの「アーティスト・イン・レジデンス(常駐音楽家)」になったことを知りました

アジア人で初めてベルリン・フィルの常駐音楽家になったのは内田光子さん。それに続く史上2人目がソンジンさん。それほど大変なことのようです。《ちなみに、2025年にHIMARIさん(12歳)がヴァイオリンで定期公演出演。指揮者・山田和樹さんの客演は、佐渡さん以来の14年ぶりとか》

ソンジンさんは、それほど難しいベルリン・フィルとの共演の条件を満たしているのです。
リサイタルの期待と楽しみが膨らみました。
プログラムはオールラヴェル。ラヴェルは難曲が多いです。
YouTube で務川慧悟さんや亀井聖矢さんのラヴェルを聴き馴染んではいましたが、ライブのソンジンさんのピアノの美しさは何と表現していいか・・・。16分音符や装飾音府の連続音が、1音1音歌うように美しい!

プログラムは「グロテスクなセレナード」「蛾」「絞首台」「クープランの墓」と、何となくおどろおどろしいのですが、私が聴きながらイメージするときに浮かんでくるのは、ドイツでなくやはりフランスでした。不協和音もどことなく洒落た感じがします。
どれも難曲中の難曲といわれるだけに、これが弾ける年齢は限られてくるのでは・・・と思ってしまいました。

若い男性も多く、スタンディングオベイションがすごかった!
アンコール曲は「亡き王女のためのパヴァーヌ」。
テレビでもよく流れる美しいメロディーです。最後は観客へのサービスかな。

会場に入ってドサッと手渡されたチラシの中に、ブーニンさんのリサイタルが入っていました。これは取れにくくなると思って、ずっと先の12月だけど、その場でチケットゲット!

帰りのバスの中でも、あの美しいピアノのタッチが、耳にしっかりこびりついていました。素敵な夜でした。




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佐渡裕 & 角野隼斗

2024年05月22日 | 音楽
チケットは昨年10月末に取得し、7か月も温めていたものです。

かつてNHKで、バーンスタインの愛弟子・佐渡さんが師を語る4回の講座があり、佐渡さんの目が潤む場面がありました。
恩師への信頼と愛の深さと音楽性に感じ入り、以来佐渡さんの指揮を聴くのが夢でした。その公演がやっと巡ってきました。
新日フィルの音楽監督2年目の佐渡さんが選んだのはオール・チャイコフスキー・プログラム。全国11ヵ所を巡回するスタートが福岡でした。(全公演がチケット完売だとか。私の場合も発売日の翌日には終了していました)
そしてなんとソリストは、サントリーホールでの共演で意気投合したという角野隼斗さん。

その共演のために、佐渡さんが選んだのが王道といわれる「ピアノ協奏曲第1番」。難曲と言われています。
ホルンの壮大なメロディーに続くピアノの力強い和音の伴奏、聴きなれた旋律で始まりました。
ピアノはオクターブの連続、速いパッセージでも正確で美しい。(佐渡さんの解説でも、すごい速さ弾くけどミスがないんだよねぇ)
角野さんのエネルギーを注ぎ込んだダイナミックなカデンツァに聴き入りました。

角野さんの現在はジャンルを超えて色んな音楽に取り組まれていますが、やはりクラシックがよく似合う、そしてコンチェルトがいい・・・とは私見です。
指揮棒の先の新日フィルとピアノの、終盤の壮大なクライマックスが見事でした。

後半は、チャイコフスキー「交響曲第5番」
クラリネットの沈んだメロディで始まり、だんだん過熱していきます。
ロシアの大地から涌き出る地響きのような咆哮のような・・・。
それが終盤に明るさをとり戻し、地に足をつけた、未来を感じるような歓喜の旋律を全楽器でまとめ上げて終わりました。

演奏直前、佐渡さんの10分ほどの解説がありました。
交響曲第5は「落ち込んだ時に最高。暗いモチーフを追いかけてみてほしい。勇気が湧いてくる」と。確かに終盤の音を聞きながら、その解説に納得しました。

音源を通してチャイコフスキーの美しいバレエ音楽を聞くことが多かったので、圧倒的な存在感のある交響楽のライブには度胆を抜かれました。やはりクラシックは生で!という思いを再確認しました。

🥀 🥀 🥀 🥀 🥀 🥀 
ニゲラは開花後、種に移行するスピードが意外と速いのです。

番号順に、種になるために風船のようなふくらみに変わっていきます。
赤い筋が出て完了。枯れてきたら、面白いドライフラワーになります。


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「太田弦 & 亀井聖矢 若き才能の共鳴」2024.04.12

2024年04月12日 | 音楽
九州交響楽団が太田さんの首席指揮者就任を発表したのは1年半前。30歳、若い!若手指揮者の中で屈指の実力を誇ると称されている指揮者の登場は地元にも明るい話題をもたらしました。
地元のフィルとなると何よりも価格が安い!それに異例の連続2日間の開催で、企画にも若々しいエネルギーを感じます。

開演前の太田さんと亀井さんのプレトークによると、このデビューコンサートにぜひ亀井さんをと切望して、このコンサートの実現になったようです。

4か月前に入手したチケットはピアノの両手がよく見える席でした。妹と2ヶ月ぶりのコンサートです。
ショスタコーヴィッチ「祝典序曲」は、デビューにピッタリの選曲で、管楽器のファンファーレで始まりました。

来年のショパンコンクールを狙っている亀井さんのコンチェルトは「ショパン:ピアノ協奏曲第1番」。
掬い上げるような左手のコントロールはアートのようです。ピアノのソロ部分の音も繊細で、ショパンコンクールではファイナルでぜひこの曲を弾いてもらいたいです。

最後のショスタコーヴィチ「交響曲第5」は「革命」とも呼ばれ、若き指揮者の進む道を暗示しているような圧巻の指揮と演奏でした。

太田さんは、100人が会ったら100人が好きになるような笑顔と気さくさ、そして芸術的とも思える、手と腕と体の動きとリズムにすっかり魅了されました。とにかく手も腕も体も「キレ」が美しいのです。ショスタコーヴィチがよく似合う!!!

(若さ+若さ)✕才能=とんでもなく素晴らしいコンサート

3階まで満席、ブラボーと拍手とスタンディングオベイションに観客の感激と満足を感じました。これからは九響が面白い!

桜の名残を残す天神の春は、熱く、そしてうららかでした。

寝る前に、反田さんのショパンコンクール・ファイナルの協奏曲第1番を聞いてみると、やはり素晴らしかった!心に響く音、歌うように、物語のように、このように美しい協奏曲第1を弾ける人が出てくるのかなぁ~。


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川口成彦 & プレイエル1843 & 18世紀オーケストラ

2024年03月14日 | 音楽
川口成彦さんを知ったのは「第1回ショパン国際ピリオド楽器コンクール」で2位のニュースからでした。もう5年前のこと。ピリオド楽器というのもその頃から耳に馴染むようになりました。

川口さんの演奏は録画して聴いていますが、一度は生で聴いてみたい!
それがなんとオーケストラつきで実現しました。同コンクール1位のトマシュ・リッテルさん、それに第16回ショパン国際ピアノコンクール1位のユリアンナさんも出演されるのです。
何といっても使用ピアノが1843年製のピリオドピアノ「プレイエル1843」というのが特別なのです。プレイエルピアノは歌うような音色が大きな特徴だといいます。
ピリオド楽器とは、作品が書かれた当時の楽器のことで、現代の楽器とはいろいろな点で違いがあるということです。

ショパンもこのピアノで作曲したのです。だから曲のイメージもこの音色が近いのだと思います。
ショパンが愛用したプレイエルのピアノでショパンの曲が聴ける!これってレア物です!
 
ショパンとドラクロワの友情を書いた平野啓一郎『葬送』に、度々出てきたのがプレイエル社。そのピアノが目の前にある・・・何だか夢のようでした

◎モーツァルト:交響曲第40番
18世紀オーケストラは指揮者が居ません・・・。何かが足りない感じ・・・。コンサートマスターの合図で始まりました。
指揮者なしでどんな風に曲を作り上げていくのか不安でしたが、年間17回も世界演奏をこなすからには、特別の練習があるのでしょうか。
30数名の演奏者が全員立ったままで演奏するのはとても新鮮に感じました。

◎川口成彦(ピアノ)
藤倉大作曲の第2回ショパン国際ピリオド楽器コンクール委嘱作品から。たっぷりと流れる河のきらめきを思わせる様な感じで、ライン川を思い出しました。
ショパン:ポーランド民謡による大幻想曲。 
この2曲ともオーケストラ付きのピアノ曲でした。コンチェルトではありません。
1曲目の繊細に、2曲目の激しく、華やかに、とピアノの技巧が展開しました。

◎トマシュ・リッテル(ピアノ)
ショパン:クラコヴィアクはオーケストラ付きピアノ作品。
トマシュさんにはポーランドの舞曲が生まれたときから体に染みついているような、ピアノと一心同体と感じてしまいました。さすがポーランド生まれの優勝者です。

後半は、ピリオドピアノによるショパン:ピアノ協奏曲第1番はユリアンナ・アヴデーエワ演奏。
オーケストラの音が大きいので、現代ピアノとの区別がよくわかりませんでした。でも、2楽章のノクターン風の場面はピリオドピアノの美しさがよく出ていました。特に高音部が。
ショパンコンクール優勝から13年のユリアンナさん。この「1番」はどれ程演奏してきたかというくらい納得の演奏でした。40分の長~いコンチェルトは相当体力を消耗することでしょう。

ピアノソリストが3人となると、演奏時間もいつもより長くなりました。
「第1」の技巧を凝らしたコーダで曲が閉じるや否や、拍手の間に会場を飛び出しました。アンコールが気になったのですが、10時過ぎには家に帰り着きたいので。

比較的穏やかな一日だった13日はコンサート日和でもありました。これでまた思い出が増えました。








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日本フィル & 下野竜也 & 小山実稚恵

2024年02月13日 | 音楽
3連休のデパートはコロナの影響は影を潜め、来館者の顔にはマスクはありません。若い世代の活気ある光景には日常が戻った安堵感があります。
でも「高齢者」自体が弱者。私はまだまだマスクが放せません。4年間の習慣は怖いもので、マスクがすっかり皮膚の一部になった感があります。
今日のコンサートは久しぶりに妹と一緒です。

始まる前のプレトークは下野さん。プログラムの簡単な説明の後に大学での挿話。
今の学生は言葉を省略形で話しベートーヴェンの第九→ベト9。ドヴォルザークの第九→ドヴォ9。
「それではモーツァルトの第九は?」と問いかけ、ボソッと「モツ2」と呟いてさっと舞台を去られました。
観客の頭が「モツ2」を「もつ煮」に変換して笑いが起きた時には、下野氏の後ろ姿は舞台袖でした。福岡は「もつ鍋」「もつ煮」の街。おおいに受けました!チャーミングな方なんですね。そんな楽しい空気に包まれてコンサートは開演しました。

開場したらなるべく早く席に着くと、こうしたプレトークのサービスに出会います。

小山さんはモーツァルト:ピアノ協奏曲第20番。美しい澄んだ音。カデンツァのソロも見事。第3楽章の迫力ある演奏は、指と腕と体の動きが2階席からよーく見えました。さすが大ベテランのきらめく音色でした。今回で4度目の感動です。
ショパンコンクール第4位の快挙も、昭和の終わり頃は今ほど大騒ぎではありませんでしたが、往年の根強いファンはたくさんいます。特に白髪男性がめだち、青春の中の貴重な1ページだったのがわかります。
(アンコールのカメラはOK。#をつけて発信してとのことでした)
ドヴォルザーク交響曲第8番。フルートが鳴り出して、やはりドヴォルザークの世界だと実感しました。
第9番よりは馴染みが少ないのですが、指揮者の熱が伝わり、ドヴォルザークのボヘミア世界が少し広がりました。

日フィルの福岡公演は49回目だそうで、楽団側の挨拶にも親密さが感じられ、来年の公演も決まっています。




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アンドレイ・ボレイコ指揮&ワルシャワ・フィル、そしてブルース・リウ

2024年02月05日 | 音楽
福岡までは無理かな・・・と思っていたコンサートが実現しました!

'19年に一度聴いていおり(ワルシャワ・フィル&アンドレイ・ボレイコ&反田恭平)、次に聴くチャンスはもうないと思っていたワルシャワ・フィル&アンドレイ・ボレイコ指揮。しかもピアノは先のショパンコンクール優勝者ブルース・リウです。三者はコンクール以来の旧知の仲、信頼感と親密さが感じられました。

少し前、アクロスからプログラム変更のメールが届いていました。ショパン:〈ポーランド民謡による大幻想曲〉→ルトスワフスキ-:〈小組曲〉
リウさんのピアノを少しでも長く聴きたい人には残念でしょうが、〈小組曲〉は日本では演奏回数が少ないらしく私は歓迎でした。

リウさんのピアノコンチェルトも「第1」でなく「第2」。「第1」はショパコン以来多くの人が演奏していたので、「第2」が新鮮でした。前半はオールポーランドでした。

前半のアンコールが素晴らしかった!先ず「これぞリウさんだ!」と超絶技巧の〈子犬のワルツ〉。
そしてショパン(サラサーテ編):〈ノクターン第2〉。
ピアノとコンマスのバイオリンのデュオが素晴らしく、聴衆を魅了しました。天に飛翔するようなヴァイオリンのソロ部分で、突然リウさんがピアノから体を90度回転させて足を組みました。向きを変えて自分もひとりの聴衆として聴く、ソリストに敬意を払ってというところでしょう。意表ついた動作が自然にかっこ良くできるところに人間性の広がりが垣間見られました。足を組んだポーズに、フランス生まれのエスプリかな・・・とは私の感想。
ヴァイオリンが入ると、ピアノだけのノクターンより深く情緒的になり違う世界になりました。ヴァイオリンってすごい!

後半はベートーヴェン:交響曲第7。
各楽章のモチーフが分かりやすく、各楽器がパートごとに活躍して、モチーフを繰り返しながら重厚な世界に。やっぱりベートーヴェンはいいなぁ、これぞ交響楽!

ピアノやヴァイオリンのソロリサイタルもいいけど、やっぱりオーケストラは特別です。できる限り聴きたいのですが、帰宅が10時を過ぎるのが不安なところです。



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阪田知樹 & 鈴木優人

2024年01月27日 | 音楽
丁度1年前、新聞で若手男性ピアニストの記事が載りました。
突出しているのが藤田真央、反田恭平、角野隼斗。続いて亀井聖矢、三浦謙司、務川慧悟、阪田知樹、牛田智大の名前が挙げられていました。
その中でまだ生で聴いたことがないのが、三浦さん、務川さん、阪田さん。三浦さんも務川さんも拠点が海外でなかなか地方では聴けません。そんな時に阪田さんのコンサートのチケットを手に入れました。

「モーツァルトをあなたに」というお昼のクラシックにピッタリの趣向。指揮者もピッタリの鈴木優人さんです。そして今日27日はモーツァルトの誕生日という粋な計らいです。
10年前にも同じ会場で同じ日に、モーツァルトの指揮をしたというトークで盛り上がりました。

だからモーツァルト一色。阪田さんはピアノ協奏曲第20番。リスト国際ピアノコンクールの優勝者です。身長が高く安定した姿勢での打鍵にはゆとりも感じられました。
テレビではテンポの速い難曲を聴いていたので、モーツアルトの澄んだメロディーが新鮮に聞こえました。
アンコール:アーン(阪田知樹編曲)/「クロリスに」は初めて聴く曲でした。最近のピアニストは作曲、編曲と多才です。

後半は、演奏回数は少ないというモーツァルト/セレナード第9番。ここでポストホルンという珍しい楽器が出てきました。

(写真はネットより)
ホルンの形をしながらホルンではなく、トランペットと同じ様に右指で動かすので、トランペット奏者が吹きます。郵便ラッパののどかな、心温まる音色でした。

アンコール曲として、モーツァルト(鈴木優人編曲)/フィガロの誕生日。これはモーツァルトの誕生日を意識して、最初からプログラムに組み込まれていた曲でした。
「フィガロの結婚」メドレーで、途中にハピーバースデーのメロディを組み込んでモーツァルトへの畏敬を表した楽しい曲でした。

『知的好奇心を刺激するカジュアル体験』とうたっているだけに、音楽愛、演奏者愛、聴衆者愛に溢れた鈴木さんの人柄に、満員の会場に拍手が鳴り止みませんでした。
登場されたときにメガネがなかったので、指揮者が代わったのかと早とちりするところでした。

暖かさも戻った土曜の午後に文句無しのひとときでした。




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二つの「第九」

2023年12月28日 | 音楽
今年の聴き納めは「第九」。コロナが沈静化して久しぶりというのに、更にラッキーなのはベートーベンの第9+ドヴォルザークの第9とW第9なのです。
ウクライナ国立フィルハーモニー交響楽団、指揮はミコラ・ジャジューラ。
ドヴォルザークの第9は「新世界より」。
第2楽章の美しいメロディーの向こうに、戦火と瓦礫が頭をよぎり胸が熱くなりました。熱演には平和への熱望が見えます。
たった1度だけ鳴るシンバルの小さな音も聞き逃しませんでした。40分間。

休憩を挟んでのベートーベン第9「歓喜の歌」は70分の長丁場。

演奏者も疲れを知らず、平和への願いをこめて大熱演。
合唱団も素晴らしかった。九響メンバーを中心に作られた大合唱団の迫力は、楽団とソリストと一体化して圧巻の歓喜の歌になりました。

「第9」は男性客が多く、終了してからの力強い拍手とスタンデングオベイションと歓声が鳴り止まず、素晴らしい終わり方でした。この夜のことは忘れないと思います。

来年、又、第9が聴けるかなぁ・・・。

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コロナ陽性8日目。太田弦&亀井聖矢のチケット😊 

2023年12月15日 | 音楽
ブロ友さんの美味しそうなロールキャベツの煮込みを見て「明日はこれ作ろう!」と決めていました。
冷凍庫の奥薗さんの「万能塩蒸しキャベツ」を使います。
キャベツ1玉を買うと、どうしても残りが野菜庫に転がります。それがストレスでしたが、奥薗さんのレシピでキャベツのロスがなくなり、また応用が効いてとても重宝するレシピになりました。ちなみに私はキャベツは半分にして、大きい葉のまま塩蒸しにしています。


    
ミンチ肉を包むとき、キャベツが柔らかくなっているので、葉が破れていてもうまく繕いながら巻けます。蒸すときにオリーブオイルを少なめにすると、料理中の手の汚れが減ります。
小さめの鍋にきっちり並べ、落し蓋で固定すれば煮崩れを起こしません。
ミニトマトを足せば明るい雰囲気になり、孤食の慰めにしましたΣ(×_×;)!

昨日チケット速報のメールが届きました。来年度から、新進気鋭の指揮者29歳の太田弦さんが九響の首席指揮者に決まり、特別公演『太田弦と亀井聖矢 若き才能の共鳴』のWEB先行発売のおしらせです。
今日10時にスタンバイしてても九響会員が優先され、目指す席は対象外で、同じS席でも人気の落ちる席しか取れませんでした。しかし亀井さんのあの魔法のような手の動きがしっかり見える席です。
2枚確定した後に気づいた「ペア券」の割引、もうあとの祭りですが。



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鬼も笑えない···来年のチケット

2023年12月02日 | 音楽
高校生の頃、5月の中間テストが終わり、帰りにはお店でイチゴを買って帰るのがルーティンでした。解放されて、ほっとひと息のイチゴは爽やかな5月にぴったりでした。
それがいつの頃からか、イチゴの出荷が早まりクリスマス前に出回るようになりました。

私の頭の中では、いまだにイチゴは爽やかな5月のフルーツですが、寒空の店頭でイチゴと目があって買って帰りました。

5月のコンサートのチケットを無事入手しました。半年先の来年の事なのに、鬼も笑えないほどの熱量を感じる争奪戦でした。
パソコンの前にスタンバイして、WEB予約開始の10時ピッタリにスタート。条件のいい席を予定していたのに、アクセスが多いのか画面が動きません。
9分後に取れたのがまあまあ・・・の席。同じ料金でもステージの見え方に差が出るのは仕方ないことです。

30分後にサイトに戻って確かめると、何と3階のC席ぐらいしか残っておらず、私はラッキーなほうでした。

一般予約開始は12月1日なのに、サイトで調べると2日にはもう受け付け終了の文字が出ていました。

鼻の先に美味しい「人参」をぶら下げておくと、心に張りが出ます。今、チケットを4回分取っています。楽しみ!



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九響のライブ配信

2023年11月10日 | 音楽
昨日の夕方のこと。「私、7時からコンサートだから」「えっ、今から出かけるの?」「そう……。二階に行くだけだけどね」

九響の定期演奏会が、初めてインターネットで有料ライブ配信を行いました。

帰りの遅くなるコンサートは、かなりのストレスがかかる年齢になりました。だからオンライン配信があると知ってすぐにチケットを購入。
ライブの空気感と演奏者の熱、生の音には叶いませんが、それでも十分に楽しめます。
現地と時間を共有していることが大切なのです。
ピアノが牛田智大、指揮がポリャンスキー。
プログラムもラフマニノフの「パガニーニの主題による狂詩曲」「交響曲第2」。
牛田さんのピアノが素晴らしかった!ショパンコンクールでは思いがけない結果でしたが、静かな性格で静かに受け止め、前向きにしっかり精進を図ったと実感しました。難度の高いラフマニノフのピアノ曲に聴衆も歓声と拍手、私もパソコンの前で拍手!

中休みの時間には楽団員によるトーク番組。配信もメリットがあります。これからはコンサートの配信もありかなと思っています。

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ラフマニノフと松茸

2023年11月04日 | 音楽
世の中は3連休とか。365連休の我が身には、その中の一日が今日のコンサート。妹と一緒に行ってきました。

飯森範親指揮、ピアノ横山幸雄、九州交響楽団。
華麗なるロマン派からショパン:ピアノ協奏曲第1、グリーク:ピアノ協奏曲、チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1、ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2という協奏曲4曲の豪華さでした。

1粒で2度美味しいのがグリコなら、それを上回る4度も豪華な美味しさに会場は大盛り上りでした。
横山さんが30数年前にショパンコンクールで4位入賞し、その頃からのファンでしょうか白髪の紳士が多く、力強い拍手に演奏者は嬉しい手応えだったことでしょう。

ショパンの美しさに涙し、グリークのカデンツァに大きく心を揺さぶられ、チャイコフスキーにロシアの大地を感じ、ラフマニノフの迫力に圧倒されました。いつものコンサートより長い3時間15分でした。

4つ目のラフマニノフの圧巻の演奏が終わるやいなや、まず男性陣が立ち上がって拍手喝采。それが連鎖し満場のスタンディング・オベイションになりました。私の語彙ではその素晴らしさが表現できず、とにかく「もう一度聞きたい」と満場の喝采がそれを表しています。 
客席の感動を最高に表せて、ステージと客席が一体化した瞬間でした。この感覚は体験しないとわかりません。

アンコール曲は「アベマリア、バッハ=グノーの主題による即興」。清らかな美しい曲で熱した心をクールダウン。

横山さんのコンサートは毎回テーマがあり、前回はオールショパン、前前回はベートーベンも入った4大ピアノ協奏曲で、やはり毎回3時間の演奏でした。

会場に向かう道筋に、天神のビル群に不似合いな野菜屋さんがあります。そこで毎年松茸をゲットしますが、今年も運良く手に入れました。

カナダ産ですが、腐っても松茸!妹の分まで2パック買いお土産にしました。

文化の日は感動の一日になりました。特にラフマニノフがよかった~!
今日の収穫はラフマニノフと松茸!いい日になりました!


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『極限まで研ぎ澄まされた藤田真央の美しい世界』

2023年10月19日 | 音楽
2019年チャイコフスキー国際コンクールでいきなり第2位と鮮烈な脚光を浴びて登場したのが藤田真央さん。YouTubeのヴェルビエ音楽祭での演奏を聴いて以来、絶対に生で聴こうとチャンスを待っていました。
それが今日18日、アクロスシンフォニーホールでの演奏でした。

ショパンのポロネーズ第1の繊細な弾き初めから涙が出そうでした。美しい!ただただ美しい!
天上界のような研ぎ澄まされた音色。今、生で聴けることの喜び。手首と指の曲線的な滑らかな動きから紡ぎだされるpppもfffも自然体なのです。
チラシの『音楽の様式美や想像力が極限まで研ぎ澄まされた藤田真央の美しい世界をお楽しみください』が全てを語っています。
今年聴いたコンサートとリサイタルはどれも素晴らしいものでしたが、今日の音色は特別にず~~~っと残り続けると思います。

真央さんはヨーロッパでの演奏が多いということもありベルリンに居を移され、日本で聴く機会が少ない中、今日は本当にラッキーでした。
これからの演奏会を調べたら、来年の半ばまでに欧、米、中国、韓国、国内と58のコンサートとリサイタルが確定していました。
世界のマエストロからの信頼も厚く、共演の楽団員からも愛されているのがわかる真央さん。数少ない日本人のカーネギー・ホールでのソロ・リサイタルも輝かしいデビューでした。

次は楽団との共演でピアノコンチェルトをぜひ聴きたいと思います。
私には、10月18日は「真央記念日」。今日の感覚を大切な小箱に残したいと思います。

アンコールはチャイコフスキーの「遠い昔」。初めて耳にする曲でしたが、穏やかで柔らかく心が澄み渡るメロディーでした。これを今、ハマスが、エタニヤフさんが、プーチンさんが聴いたら爆音が止まるかも・・・。



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