新・遊歩道

日常の中で気づいたこと、感じたこと、心を打ったこと、旅の記録などを写真入りで書く日記です。

安宅コレクション

2008年01月21日 | 福岡市美術館

Atakaこのパンフレットは、福岡市美術館で今開催中の「安宅コレクション」展のものです。中国・朝鮮陶磁のコレクションとして世界的にも比類のないコレクションは、安宅産業の取締役会長を務めた安宅英一氏によるものです。

安宅産業は昭和52年に経営破綻に陥りましたが、幸いにも主力銀行であった住友グループによって大阪市に寄贈され、散逸を防ぐことができました。大阪市は昭和57年に大阪市立東洋陶磁美術館を新に設立し、コレクションを保存展示してきました。

この展覧会の副題は「美の求道者・安宅英一の眼」です。恵まれた資金、優れた鑑識眼、収集意欲、国内外に持つ恵まれた人脈によってコレクションは作り上げられました。音楽分野に対しても保護と育成に貢献し、氏の芸術に対する深い理解と信念に敬服します。

  

Photo_2Photo_4写真は国宝《飛青磁花生》元時代のものです。  細い首、ゆったりと膨らんだ胴。文句のつけようがない均整の取れた完璧なまでの形の美しさです。中国の青磁には、高麗青磁とは違った透明感がありました。

右の汝窯《水仙盆》は、昨年の台湾故宮博物館のリニューアルオープン記念にただひとつ東洋陶磁美術館から出品されていたものです。世界中から集まった汝窯の名品の中でも引けをとらない美しさでした。1年ぶりに再会したような懐かしさを覚えました。

Photoもう一つの国宝《油滴天目》南宋建窯は、黒釉の中の鉄の微粒子が偶然に定着して現れたという現象で、みなのため息のもとでした。背伸びして上から覗いたり、横から見たり。

油滴天目中最高のものとされ、関白秀次から西本願寺、三井家、酒井家に移り、名品は数奇な運命をたどるものだと思いました。

展示品の一つひとつに、入手した時のエピソードが関係者によって書かれており、それがまたユニークで、鑑賞者のイメージを膨らませました。

国宝2点、重要文化財12点をはじめとして約200点が展示されています。私みたいな陶磁器に疎いものにも感動する作品が多く、日本でこれだけの名品が収集されたことに驚きと感動を覚えました。

安宅産業が破綻した折に、これらの価値ある作品が散逸しなかったこと、させなかったことの素晴らしさに改めて感銘を受けました。日本人の良識、日本の国益・・・。とてもいい展覧会でした。2月17日まで開催されています。

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噂の『堂島ロール』

2008年01月19日 | 食・レシピ

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お土産に、九州では絶対に手に入らない大阪モン シュシュの堂島ロールをもらいました。息子が出張のついでに持ってきてくれたものです。今回も神戸のお菓子かなと思っていたら、なんとわざわざ大阪に回って買ってきたようです。

テレビでも新聞でも話題になった堂島ロール。昨秋日経新聞にも大きく取り上げられていました。宅配便がないので、九州では絶対に手に入らない代物にみな感激です。行列のできるケーキ屋さんに、寒い中を30分も並び、家に来た時はくしゃみが出ていました。ごくろうさま!

以前、大阪地下街のショーウィンドーで、大きなショートケーキがまさに「突き刺さった」ようなパフェを見てびっくり仰天。そのインパクトの強さに大阪のケーキにあまり期待はしていませんでした。

ところが、堂島ロールは、スポンジが渦巻状ではなく軽く一巻き。中には生クリームだけがたっぷり詰まってシンプルそのもの。私の嬉しい「期待はずれ」に、見ただけで美味しいことが伝わってきました。

フォークで口に入れたとたんに一瞬の沈黙。卵風味の生地、生クリームのブレンド具合、舌にしっくり馴染んだ食感、ベストな甘さ、フォークを入れたときの柔らかさ・・・、どれをとっても満点なのです。080115_021 全くいやみのない美味しさなのです。今までで一番美味しいロールケーキでした。

これがうわさの堂島ロール!賞味期限は当日限りということで、5人で2本をあっさり食べてしまいましたが、全く胃がもたれませんでした。

専用保冷バッグもまたおしゃれでした。1本、3本、9本用があるようです。

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モイカ

2008年01月17日 | 食・レシピ

080115_012 釣りをするとは聞いたこともなかったムコ殿が、イカ釣りに行ってモイカを釣った、と冷凍にして持ってきてくれました。「えっ?イカって素人にも釣れるの?」というのが私の声なき感想であり疑問でした。

重さ1キロ、ラップにくるんであったので全長はわからないけど、6,70センチはあると思います。

釣りの名人に誘われて海に出たとのこと。こんな釣りの技を隠していたのかな・・・と思いきや、私が行っても釣れるとのことでした。でもポイントを探すのが大変でしょうね。

モイカとは聞きなれない名前だったので早速検索。あおりイカといい、九州ではモイカや水イカというそうです。冷蔵庫で解凍一日。皮をはいで、めったに使わない刺身包丁を取り出して四苦八苦。全く生臭さがないのでキッチンも快適!新鮮とはこういうことか・・・。

刺身は肉厚でもっちりして甘みがあります。高級なイカをこんなにたくさん食べたのは初めて。広い鰭と人差し指くらいの太さの足は塩焼きにしました。焼いても硬くならないのが身上でしょうか。とっておきのトカイワインとビールで乾杯。

トカイの貴腐ワインはワインの福袋に入っていたもので、ワインの王様と称されており、琥珀色が美しいワインです。みんなが集まった時にととって置きましたが、デザートワインだけあってさすがに料理とはミスマッチ。ここはやはり甕仕込み焼酎のお湯割りがべストでした。

貴腐とは「高貴なる腐敗」で、偶然のカビの菌によって果皮が溶かされ、中の水分が蒸発するので果実の糖質が凝縮され、すばらしい甘さのワインができるのだとか。アイスワインと似ています。

旅先のハンガリーの民族レストランで、「貴腐ワイン」の名に惹かれて飲んだらやたらに甘く、やはり「デザートワイン」。少量飲めばそれでOK。それでも手に入りにくい貴腐ワインが福袋から出てきた時は、「さすが福袋だ!」と感激しました。

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Happy birthday to ふたり

2008年01月15日 | 食・レシピ

Img_2634_2080115_0011月は、私と今里帰り中の娘の誕生月です。娘の誕生日に合わせて2人まとめての誕生祝を してもらいました。

お気に入りのフランス料理店、ヌーベル文雅です。百道浜にある、ほどよくカジュアル、ほどよく上品がモットーのお店です。広いガラス窓から射す陽光に雰囲気も明るく、接客もハナマル。

毎回最初に出てくるエルメスの美しい皿がお気に入り。色鮮やかさにちょっとリッチな気分が味わえます。旬の野菜を取り入れて、素材の味を生かし、盛り付けも芸術品。端っこにお箸がちょこんと。気取らない心配りが見られます。

080115_009バースデイのお祝いだから、2人には特別に別皿のデザートが。最後には記念写真を撮ってくれて、それに食事券6000円分をプレゼントしてもらいました!なんともラッキーな誕生パーティーでした。(年齢を聞かない心遣いがナイス(^m^ )クスッ)

ここのカレーは絶品で、帰りに缶詰を買って帰りました。それにお気に入りのハーブティ「ジェノバ」もお持ち帰り。

ただこのコース料理は、私にはちょっと多すぎ。ランチの軽めのコースで充分です。お昼にちょっとリッチにランチタイムという時に使うと、割安で味と雰囲気が楽しめると思います。

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ひよこ豆のカレー

2008年01月11日 | 食・レシピ

080111_005_3名前からしてかわいいひよこ豆。繊維もビタミンB1も豊富。エジプト豆とかガルバンソとか呼ばれていますが、やはりひよこ豆がいちばんふさわしい感じがします。サラダに使うばかりでなく、我が家ではカレーに大豆やレンズ豆、ひよこ豆を入れます。

写真は一晩水につけておいたひよこ豆を30分ほどゆでたものです。甘くてほくほくした食感は、ひき肉と相性がよくてカレーライスにぴったり。

ただ健康食品の感があるひよこ豆も、100gあたり374キロカロリーもあるのです。

080111_008_3 合いびき肉300g、ひよこ豆200g、玉ねぎ2個、人参、にんにく、ベイリーフで煮込みました。今回は市販のカレールーを使用。家族の評では、やはりカレー粉を使ったほうが美味しいとのことでした。

ゆり根がまだ店頭に出ていたので、カボチャと煮物にしました。

右端にちらりと見えるのは、オリジナル黒糖梅酒。My酒なんです。もう残りもわずか・・・。早く梅の季節にならないかな~。

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湯布院・山荘無量塔(さんそうむらた)のオリジナルピクルスをいただきました。にんにく、かぶ、サツマイモなど和風のテイスト。さすがにおしゃれです。

                     

                                                                                                                

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謹賀新年

2008年01月01日 | 食・レシピ

080101_004_2 明けましておめでとうございます。

拙いブログですが、いつも温かいコメントやご指導、楽しいコメントやアドバイスをいただいてとても嬉しく思っています。今年もよろしくお願いします。

31日は、今年こそは早めにお節料理を仕上げようと思っていたのが、日が暮れて、夜が更けて、ついに年を越すまで戦いました。なんだか今年一年もこんな風かなとちょっと不安・・・。

というのは、夕方になって「あっ、お屠蘇を買い忘れた・・・」。さらに9時半になって「しまった!注文ミスで、お鏡餅が届いてない・・・。」と、夜のスーパーにひた走り。最後まで、走る~♪走る~♪のちょっと間抜けな締めくくり。でも怪我の巧妙は、意外なところに。でっかい鏡餅がなんと半額になっていたのです!

後始末が面倒ということで、ここ2回ほど三段重からプレートの盛り付けに変えていました。でも、やっぱり保存容器がいるし、それならとお重も出さざるを得なくなりました。

じっくりコトコトのお野菜のお煮〆。ユリ根とくわいは欠かせません。黒豆は30日に5時かけて踊らせないように煮ました。丹波小田垣商店の大粒の黒豆でふんわりもっちりです。渋皮煮と梅の甘露煮は季節の手作り品。数の子も12時間かけてきれいに塩抜きができました。

今年は娘が出産に向けて里帰りをしているので、久しぶりに賑やかな元旦となりました。

“12月31日分のブログ”

071229resipi_006暮にいつもいただく手打ちそば。今年も宅配便が届きました。いつの間にか我が家の年末の主役の一つになっています。

箱を開けると見事なまでに太さのそろった美しいそばが、白い粉に包まれて、まさに職人の技です。

メディアの世界で活躍されたのを知っているだけに、そばにはその方の人生観がこめられているようで、1本1本がとても貴重に思われます。

山形のそば粉に福岡の平尾台で栽培されたそば粉が混じっているそうです。ゆで時間は60~70秒。そばは本当に繊細な食べ物です。

手作りのつゆがまた美味しくて、お店で食べるつゆよりマイルドで、うまみが凝縮されていました。薬味用の丸いからし大根も添えられ、作り主の心意気と極上の味を堪能してほしいという心遣いをとても嬉しく思いました。

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