新・遊歩道

日常の中で気づいたこと、感じたこと、心を打ったこと、旅の記録などを写真入りで書く日記です。

カボス到来

2009年10月22日 | 食・レシピ

Kabosu_003  2年前に同じツアーでご一緒したOさんから、庭で収穫したという箱いっぱいのカボスが今年も届きました。時折メールの交換はありますが、こうして心に止めてもらいカボスの秋を香りごと送っていただいて感謝しています。

 8日間の旅でしたが、特に異国の地にあっては旅は道ずれ、お互いに小さな心遣い小さな親切が、旅行中の心地よさと人のつながりになっています。

 Kinmokusei_008 例によって、作ったのはカボスマーマレードとかカボスぽん酢です。マーマレードのほうは、技や器用さはいらないけど表面の皮を薄くこそぎ取ったり、袋の中心部を切り取ったりと結構手間がかかります。小さいカボスで作ったほうが苦みがマイルドです。

Umemiso_006  カボスぽん酢。これは市販のものより絶対においしいです。横半分に切ってギュッと手搾り。同量の市販の「かけ醤油」を混ぜるだけの簡単仕様。「かけ醤油」を使うことがポイントです。普通の醤油より塩分が少ないだけに味がやさしくなります。冷蔵庫の中なら長く保存できます。我が家ではヘルシーなドレッシングとして、また鍋の季節には必需品として大活躍です。

 ドレッシングといえば梅の季節に作った「梅味噌」。これは絶品です。青梅と砂糖と味噌を同量ずつ交互に重ねておくだけで、2ヶ月もすればとろとろのドレシング状態になります。これが生野菜にぴったり!出来上がったら、やはり冷蔵庫で保存すると長く持ちます。市販のもは塩分の味と量が気になりますが、この手作りで当分の間は乗り切れそうです。

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楽しい和菓子

2009年10月16日 | 食・レシピ

 最近の老舗の和菓子には、目で楽しむ和菓子や意表を突く創作和菓子がよく見られます。食べるほうのお客はもちろん楽しみですが、あれはきっと菓子職人の夢を形に表したものだとつくづく感心します。

10_005  昨日もらった「夢たまご」もそうです。見た途端に、何の変哲もないたまごに「ゆでたまご?」。でもあまりにも芸がないし「だったら温泉卵???」

 たまごの上部にシールが貼ってあり、それをはがすと5,6ミリの小さな機械的な穴が・・・。中をのぞくとやっぱり白身が見えて・・・。食べ方がわからないまま、殻ごと横に切ってみるとやっぱりゆでたまご?

 でもひと匙口に入れた途端にそれがお菓子であることがわかりました。白い部分は白身を使った硬い淡雪で、黄色い部分は黄身を使った餡。きっと2材料の濃度の特徴を生かして、こんなに完璧な卵を再現したのでしょう。材料の注入が小さな穴というのが、かえって想像をふくらませるお菓子です。意匠の楽しさ>味という、まさに夢を形にした和菓子でした。( 後でネットで調べると、お店は十花堂。食べ方は丁寧に殻をむいてから切るようです。)

10_001  京都清閑院の「花つぼみ」も然り。包装を解くと、花柚子が丸ごところんと出てきます。柚子の中身をくりぬいて蜜で煮て、その中に白い柔らかめの羊羹が入っています。丸ごと全部が食べられるのがなんとも嬉しいのです。

 この店は、季節の果物や野菜をテーマにした和菓子が多く、「期間限定」という消費者の弱みを突いているところも人気の秘密かもしれません。

和菓子と緑茶。古来受け継がれてきたこの組み合わせはヘルシーだし、誇れる日本の味だと思います。

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『 カチリ 石英の音 秋 』

2009年10月13日 | 本・新聞小説

Tokyoubijyutu_002  秋の深ーい空の海を眺めながら、いつもこの『 カチリ  石英の音  秋 』という、たった3行の詩を思い出します。

 井上靖の小説「あすなろ物語」「しろばんば」「夏草冬涛」「北の海」と続けて読んだときに、この中のどこかに確かに出てきた詩だと確信しています。

 これらの本は、幼少から旧制中学、高校時代の私的小説ですが、この詩は多分井上氏自身の作品ではなく、交友の多かった中学時代の親友の詩だったという記憶があります。

 これほど端的に、秋の澄んだ空を軽快な響きで詠んだ詩はないと思い、何十年も心の中に宿っているフレイズなのです。

 カチリという響きも、透明な石英も、秋を表現するにはぴったりです。秋になると、吸い込まれそうなどこまでも青い空を見上げながら、石英の音が耳の奥で鳴るのを楽しんでいます。

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丸ごと栗!

2009年10月09日 | 食・レシピ

Kuriman_006_4 「奥八女を訪ねて」というバスツアーに参加した夫が、帰りに持ち帰ったのが、道端で売っていたとい手作りの栗饅頭と草もち!

 老舗のおしゃれな和菓子もいいのですが、その地のおばさん達が経験を生かして作ったこの手のお餅や饅頭は、利益を度外視したとてもおいしいものが多いのです。

 ご多分にもれず、中の栗は100%丸ごと栗。粗く潰してあり、その歯ごたえも自然に計算されたように気取ってなくて、「お~ぉっ!」と感嘆詞が出てきました。外側は上新粉を蒸して搗いたもののようで、真似して作れそうです。

Sibukawa_006  我が家でもやっと渋皮煮を作りました。ここ数年、栗2キロの鬼皮剥きは夫の仕事になりました。涼しい風が吹き始めてやっと作ろうかな・・・という気が起こり、季節の仕事に取りかかったというわけです。

 上にある黄色い飴は、ゴーヤの砂糖漬けを作った時に鍋底に残った汁を成形したもの。ゴーヤ飴???です。あまーい中にかすかな苦み、なかなかいけます。

 ゴーヤの砂糖漬けといえば、コメントしていただいたtoposさんのアドバイスで、最後にきな粉をまぶしました。これはなかなかのヒット商品です。苦みも薄れ「♪~止められない、止まらない~♪」になります。

 八女といえば、八女茶と筑紫磐井ぐらいかなと思っていたら、なんと宮内庁管轄の御墓所があったのです。

 歴史に押し流された南朝方の懐良親王の甥・良成親王が、天嶮要害の地である矢部の大杣に在所されたということです。親王はこの地で再興の願いもむなしく15歳で亡くなられ、ここにそのお墓があるということです。九州南朝文書の「五条家文書」17巻、「八幡大菩薩旗」一幅が残されているそうです。

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