新・遊歩道

日常の中で気づいたこと、感じたこと、心を打ったこと、旅の記録などを写真入りで書く日記です。

九州発 “ 第9初めて物語”

2005年12月27日 | 音楽

  Beetoon3 年末恒例の「第9」は今では季語の感さえありますが、これは日本特有のものだと聞いた事があります。

太平洋戦争の戦況が激しくなっていく中、東京音楽学校(現東京芸大)で、昭和18年12月出陣学徒壮行の音楽会で「第9」の4楽章を演奏し、戦後戦死した友の鎮魂の音楽会を再び12月に行ったのがそもそもの始まりだとか。

KBCテレビ製作の「九州物語」で第9の始まりに関する面白い放映がありました。

①久留米説(12月18日放送)

大正3年、日本は第一次大戦に参戦、俘虜のドイツ兵を日本各地の収容所に送り、地元「久留米俘虜収容所」にも焼く1300人が収容されました。大正8年12月3日、久留米高等女学校でドイツ不慮との交歓会が行われ、その時ドイツ不慮によるオーケストラが演奏したのが「第9」の3,4楽章だったそうです。演奏会でバイオリンを弾いたベルリン出身のエルンスト・クルーゲの日誌や写真などが、遺族から久留米市に寄贈され、近年演奏会の詳しいことがわかってきたとか。収容所は比較的自由が尊重されていたそうですが、その中でオーケストラカが結成されるとはさすが音楽の国ドイツです。

②福岡説 ―12月25日放送

九大医学部教授・榊保三郎氏の努力による九大フィルと、「歓喜の歌」の初演についての目新しい内容でした。

大正13年1月26日、「摂政宮殿下御成婚奉祝音楽会」で、榊氏の指揮のもと、ベートーベンの第9の四楽章に奉祝歌の歌詞を当てはめて二百人が大合唱。第四楽章に関しては九大フィルが全国初演だったということです。

これは年末の公演というわけではないけれど、第9の合唱が国内で初めて行われたという事実に価値があるのだと思います。

年末の第9公演に関しては、郷土愛も絡んで処々方々いろいろな説がありますが、どれが事始かを云々するよりも、大正時代にクラシックへの憧れと情熱と理解への努力があったことが素晴らしいことだと思います。

明治40年ころは、ベートーベンをビート・ホーフェンと表現していたようですよ。

コメント (7)

バロック・ロココの巨匠展

2005年12月10日 | 美術館&博物館

rois   福岡県立美術館「バロック・ロココの巨匠―天才たちの競演―展」が開催されています。

この2つの様式は、17~18世紀に起こったもので印象派ほどはもてはやされない傾向がありますが、私は好きです。

写真はオランダの画家、ロイスダールの『小川のほとりの農家』です。画面は暗いがよく見ると、繊細なタッチ、構図のうまさがぐっと心をつかみます。隣に並んだ絵と比べると、素人目にもその優れていることが分かります。ロイスダールファンは結構多いようです。

ロココとバロックについて簡単に調べ、要約してみました。

「バロック様式もまたイタリアから始り、『歪んだ真珠』の意味を持ち、ルネサンス時代に尊重された調和や均衡は消し去られた。バロック絵画の主な表現法は、運動感、装飾性、強いコントラストなどが挙げられ、観る人の感覚に強く訴え、絵の中に引き入れようとする特徴を持っているということである。

 ロココは、ルイ14世の死後、市民階級が台頭して政治的にも安定した時期に、それまでのような真面目な美術への反動として起こった様式で、少し軽薄で、美しく、優しく、享楽的で貴族趣味の強い表現法である。」

コメント (8)

ヴェネツィア合奏団

2005年12月06日 | 音楽

music 福岡シンフォニーホールでクラウディオ・シモーネ指揮のコンサートがありました。

同団の設立者であり、指揮者であり、音楽学者でもあるシモーネ率いるヴェネツィア合奏団《イ・ソリスティ・ヴェネティ》は、世界的にも有名で、ザルツブルグ音楽祭には毎年招聘されているとか。

端正な顔立ち、優しい表情、親しみやすい人柄で、観客を引き込む魅力は演奏にも表れていました。

バイオリン、ビオラ、チェロ、コントラバス、チェンバロで演奏されるヴィヴァルディの「四季」は澄み切った音で、特にピアニッシモの美しさが印象に残りました。

「春」の明るさ、「夏」のけだるさ、「秋」の躍動感、「冬」の静けさと、聴いていて分かりやすく、クラシック音楽を聴くには「四季」から・・・と、よく耳にする由縁はここにあるのかも知れません。シモーネによれば、ティエポロ、ヴェロネーゼ、カナレットなどの画家の作品や建築に親しみ、深く吸収して、ヴィヴァルディと同時代の人を知り、楽器の音色を、彼らの魅惑的な世界に近づける努力が大事だとか。

絵と音楽は、やはり密接な関係があるようです。私には、一足早い素敵なクリスマスコンサートでした。

コメント (6)

花かご

2005年12月05日 | くらし

紅葉したハナミズキの葉が木枯らしですっかり落ちてしまい、さすが12月です。

この一年間、覚えておきたいことも忘れたいことも、それぞれいろいろあると思いますが、とにかく季語としての忘年会とおしゃべり会を、我が家で行いました。気の置けない仲間との集いは、なかなか魅力的なものです。

前菜からデザートまでを、2日がかりの手料理で頑張り、自己満足し、友達にも喜んでもらいました。

hana2 そのときに頂いたのがこの花かごです。手土産どころでなく、両腕に抱えての腕土産(?)で、恐縮したものの、花をもらうのはやっぱり嬉しくて、心が弾んでしまいました。

切花ではなく、根つきの花がそれぞれポットに入っていて、籠の中でアレンジしてあります。手入れさえよければ、ずーっともつことでしょう。

今夜はいい気分で眠れそうです。

コメント (3)