新・遊歩道

日常の中で気づいたこと、感じたこと、心を打ったこと、旅の記録などを写真入りで書く日記です。

渋皮煮 & マロングラッセ

2008年10月22日 | 食・レシピ

Kuri_003 また渋皮煮の季節がやってきました。

ブログを始めて5回目の渋 皮煮のアップ。毎年同じ時期、同じテーマではマンネリ化も否めませんが、置かれた状況も思いも毎年違ってきます。

前日に鬼皮をむき、翌日に3時間の連続調理時間が必要なので、確実に時間が取れ、食事の準備の合間を見計らってからでないと渋皮煮をスタートできません。

Kuri_001_610数年前にゲ ットした鬼皮むき専用の「栗くり坊主」が大健闘!刃にギザギザの切り込みが入っていて、がっしりと鬼皮をつかみます。それを繊維に沿って下に引っ張るだけ。

この新兵器の登場はまさに「改革」に値します。それまでは怪我をしながらの包丁さばきでした。今では、鬼皮むきはすっかり夫のレパートリー。ほとんど剥き損じはなく、渋皮を美しく羽織った剥き栗が誕生しました。

1キロずつを別々の鍋で同時進行で作りました。いつも2キロを一つの鍋で作るのですが、今回はちょっと丁寧に作ってみました。1キロ単位で作る方が煮崩れがありません。

  1. Maron_006 栗1キロにつき、タンサン小さじ1を入れて一晩置きます。
  2. 翌朝水を変えて、またタンサン小さじ1入れて30ほどゆでます。
  3. お湯を捨て、ぬるま湯の中で渋皮の筋を取り除き、今度は水だけで30分ゆでます。これをもう1回繰り返します。
  4. お湯を捨て、栗にひたひたの水と砂糖400gを入れてアクを取りながら50分ほど煮ます。
  5. 醤油大さじ1を入れて5分煮て火を止めます。
  6. ここで終わりにすると渋皮煮の出来上がりで、瓶に入れて冷蔵庫で保存します。マロングラッセにするためには、鍋ごとひと晩置きます。
  7. 次の日今度は汁だけを火にかけ、少し煮詰まったら栗を入れ30分ほど煮ます。ここでもうひと晩置きます。
  8. 次の日、鍋ごとことことこと・・・。煮汁がとろっとしてきたら、仕上げにブランデーを50ccほど入れ火を止めて出上がり!
  9. 瓶詰めにして、冷蔵庫で保存します。3泊4日・・・、マロングラッセの出来上がりです。

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0810_006今年のキンモクセイはびっくりするほどびっしりと花をつけ、強い香りを放ちました。この香りにひかれてか庭に1本は植えている家が多いようです。

香りの期間は意外に短く、しばらくすると木の下は黄色いじゅうたんになっていました。これから本格的な秋に向かいます。

やはりこれも異常気象のせいでしょうか、夏に地植えのホンコンカポックに鈴なりの実がふさふさと実っているのを、数か所で見かけました。赤に近いだいだい色。ちょうど南天の実が下に向かって垂れ下がっているような具合です。ホンコンカポックはグリーンのインテリアとして普及していたので、実がなるという事実を知りませんでした。驚きでもありショックでもありました。日本はやはり亜熱帯化に向かっているのかしら・・・?

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金沢へ

2008年10月07日 | 国内旅行記

難波のOCATの近くに宿を取ったので、翌日は関西空港まで50分足らずで到着。前回来たときは団体ツアー客でごった返していた空港も、サーチャージの高騰や不況のせいか人が少なくなった…というのが実感でした。そんな状況だから、これから米国に赴任する息子とも難なく会えて無事見送ることができました。

Kanazawa_029Kanazawa_050_2そのあとはJRで大阪から金沢へ。降り立った金沢の駅はすっかり様変わりし、それでも城下町らしい落ち着きは残っていました。

加賀百万石の栄華を今に伝える兼六園と金沢城址。途中の茶店でお抹茶をのんだり、噴水のそばで治部そばを食べたり、利家とまつを偲びながらゆっくり散策しました。

Kanazawa_059そこで思ったのが、この清らかな豊かな水はいったいどこから・・・?小高い丘だから水源はありません。茶店で尋ねると、なんと10キロも離れた犀川の上流から用水路を通って園内に運び、池泉や渓流や滝を作ったのだとか。土地の高低差を利用した噴水には驚かされました。百万石の殿さまは、なんと壮大な計画をしたのでしょう!

前日、園内に1本だけあるサンザシの実が、この冷え込みで真っ赤に色づいたとのニュースを目にしていました。散策の終わりになってやっと発見。初めて見る2センチぐらいの姫リンゴのような形の実でした。

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兼六園に隣接して石川県立美術館があります。リニューアルオープンを記念して、「国宝 土佐日記の世界」が公開されていました。

展示の『土佐日記』は、紀貫之の自筆原本を藤原定家が書写したもので、貫之の自筆本の内容を伝えるものでは現存する最古のものだとか。土佐日記を収めた蒔絵箱は、和歌を極めたからこそできる意匠で、依頼主の藩主の精神性の高さがしのばれました。両方とも国宝です。

「寸松庵色紙」伝紀貫之筆もあり、仮名をする人には垂涎の書でしょう。流れるような筆の貫之と老熟した書風の定家。当時の読み書きのできる人の知的水準の高さを思い知らされました。

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Kanazawa_016知人から情報を得ていた加賀料理大名茶屋」はホテルのすぐそばにあり、夕食には念願の会席料理を食べました。地酒「菊姫」は、冷酒でとても美味しいものでした。やはりお米がいいからでしょう。

加賀料理は決して高級料理というわけではなく、地元の食材をおいしく食べるために工夫されてきた郷土料理のようです。ただ、出される器が九谷焼、創作陶器、蒔絵を施した漆器などで、惜しげもなく使われている所がさすが「加賀料理」なんだと思いました。

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Hotel_2金沢駅前のインターネットで取ったホテルで、ツインの部屋が全部詰まっているということで、なんとジュニアスイートに格上げされました!50平米ほどのゆったりした部屋は、もちろん満足度120%!何ともラッキーな旅を演出してくれました

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「コロー」展 ― 神戸市立博物館

2008年10月05日 | 美術館&博物館

Kanazawa_003_2関西空港に行く用事ができて好機到来、今開催の「コロー」展を見ることができました。日曜美術館でも解説していたコローの銀灰色のあの「モルトフォンテーヌの想い出」をぜひ見たいと思っていました。

神戸市立博物館は、正面にドリス式の円柱が建つ昭和初期の名建築で、天井は低く部屋も狭いけれど、落ち着いて鑑賞できる美術館です。

19世紀半ばに活躍したコローは、風景を描くことに一生をささげた画家。かたや印象派が台頭する時期でもあります。コローは柔らかい北フランスの光になじむような独自の銀灰色の表現を生み出し、その霧に煙るような抒情的な雰囲気はコローのイメージになっています。

Kanazawa_0046章にわかれた展示構成はとてもわかりやすく、流れに沿ってコローの画家人生を追いかけているような感じでした。写真は≪モルトフォンテーヌの想い出≫。ほかに≪青い服の婦人≫≪真珠の女≫などコローの油彩78点と、コローの絵と対比して展示されたモネやシスレー、シニャックなど22点があります。展示数100点は絵画鑑賞にちょうどいい数だと思います。

本や画像で見ていた絵と目の当たりに見る絵とがこんなにも印象が違うものかと驚きました。今回のコローの絵で特にその感を強くしました。自然や風景をいとおしみ、それを両手ですくい上げて画面に描いたような描き方です。自然に対する画家の愛情と敬意が伝わってくる細かいタッチと柔らかい色で、やはり本物は素晴らしいと実感しました。

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Photo_2Kanazawa_008美術館を出たのがちょうど夕食時。三宮のアーケードを歩きながら目に入ったのが「神戸ミュンヘン大使館」のちょっと風格ある建物。黒ビールが頭をよぎりさっそく入りました。

このビルの地下で、ドイツビールと同じ製法で地ビールを作っているというサッポロビールのお店でした。お勧めの麦芽100%の「神戸大使館ビール」は濃い色のほんとうにおいしいビールでした。黒ビールもしかり!料理のメニューもおいしく、料金もリーズナブルでベストチョイスの夕食でした。(後日パソコンで検索したら、おいしくて結構有名なお店でした。ラッキー!)

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Nintoku_3福岡を11時に飛び立った飛行機には、何と懐かしいプロペラが付いていました。まだ今でもあるんですね~。快晴の空をゆっくり飛ぶプロペラ機は、まるで遊覧飛行のように地上がはっきりと手に取るように分かりました。仁徳天皇陵が、今まで見た航空写真のどんなものより素晴らしくはっきりと確認できたのは、この時間のこのプロペラ機のおかげでした。

写真は「巨大古墳見てある記」よりお借りしましたが、眼の奥にある古墳は、驚きも合わせて一番美しい記憶です。仁徳天皇陵の下にちょうど衛星みたいにくっついている古墳があり、それは仁徳天皇の子、履中天皇の陵だとか。

飛行機を降りて気がついた時には、二人とも携帯の電池マークがSOS!あわててショップに飛び込んで充電しました。家できちんと充電してきたはずなのに、なぜなのか未だに「?」です。100円で通話約20分の充電に10分かかります。3時間後には更にもう一度充電するはめになりました。以後ご用心、ご用心!

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