新・遊歩道

日常の中で気づいたこと、感じたこと、心を打ったこと、旅の記録などを写真入りで書く日記です。

お湯割り

2007年09月30日 | 食・レシピ

070930oyuwari_001 今朝がたの冷え込みにハナミズキの葉も大分紅葉しました。精彩をなくしながらもまだ真っ白い夕顔が咲いています。

涼風が吹くと焼酎のお湯割がほしくなります。夫にはそのおいしさが未だに分からないらしく、これからの時期の食卓には2種類のアルコールが・・・となったりします。

お湯割りに目覚めたのは、鹿児島旅行のとき。姑と私の両親を連れての旅で、私は添乗員。知覧での食事で父がお湯割を注文しました。そのときにちょっと飲ませてもらったのがあまりにおいしくて、焼酎のおいしさに目覚めたまさに私のエポックメイキングでした。

070930oyuwari_011 お湯割りにちょうどいい肴が、常備菜に作った牛肉のしぐれ煮。作り方のコツをテレビで見ていたので、いつもよりたくさん新しょうがを使いました。

150g~200gの牛肉、こぶし大の新しょうがの千切り、40~50mlのしょうゆ、大さじ4~5の砂糖を弱火で20分ぐらい、時々かき混ぜながら汁気がなくなるまで煮ます。野菜感覚のたっぷりのしょうがもおいしく、いつもより極上のしぐれ煮が出来ました。肴にもいいけど、これなら白いご飯に乗っけて食べたほうがもっとおいしそうです。

07099tya_003 涼風は容赦なく食を求めさせ、グリルで気長に石焼芋を。まだまだサツマイモのおいしさがでていないのか、甘みが少なく食べ残してしまいました。捨てる気はしないし、こんなときはどんなにしてでも食べないと。

そこで作ったのがスィートポテト。すり鉢でつぶして卵黄と砂糖と牛乳を加えて形作り、卵黄をたっぷり塗って焼くだけ。あっという間にスィートポテトの出来上がりです。旅のガイドさんが言ったけど、芋、栗、カボチャは女の好物だとか・・・。

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秋の夜は

2007年09月24日 | 食・レシピ

先日テレビ番組で、あのトリュフが日本でも採れると聞いてびっくりびっくり!ホテルの庭でコックさんが見つけた映像が流れていました。フランスでは地中に生えたトリュフを豚が匂いを嗅いで見つける・・・というぐらいの知識しかなかった私です。

調べてみると、セイヨウショウロ属菌は日本にも存在し「攪乱地」に発生。ブナ科、カバノキ科、マツ科の樹木の下にできやいすとか。「攪乱地」とは造成される前に、一度掘り返され攪乱した土地のことです。人の手の入っていない山奥には発生しにくいそうです。ひょっとしたら、皆さんの庭や公園で見つけることも・・・!

070923wine_013 トリュフと聞いて、そういえば旅先で買ったトリュフ入りフォアグラの存在を忘れていました。我が家には似つかわしくない高価な珍味だったので、大切にしまいすぎていました。賞味期限を10日ほど過ぎていましたが、もちろんそんなことはお構いなし。

フォアグラのペーストの真ん中に、確かに親指の爪ほどのトリュフがまぎれもなく入っています。手を加えるよりも、ここは食パンにのせてオードブルに。以前ソテーにしようとして失敗した経験があります。

070923wine_011 日中の暑さに比べると夕方には涼風が出て、こんな夜はワインがほしくなる頃です。ということは今日はちょうどよかったワインにしましょう。

濃厚なフォアグラのマイルドな味。トリュフは感激するほどの量がないけど、食べたという履歴だけはつきます(^m^ )クスッ

070923wine_004もう一つ、おいしくて意外な味の簡単レシピがあり、酒の肴にもぴったりです。

冬瓜とベーコンの和え物。冬瓜といえば中華風あんかけのマンネリ化で、こんな作り方があるのに感激しました。

これは、冬瓜特有の臭みが消えて実に美味でした。(作り方は日経新聞より)

  • 冬瓜を短冊に切り、しばらく水にさらしておきます。
  • フライパンで乾煎りしたベーコンと水を切った冬瓜をまぜあわせます。
  • 先ほどのフライパンに大さじ2のポン酢を入れて温め、冬瓜の上からかけるだけ。
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印象派とエコール・ド・パリ展

2007年09月19日 | 美術館&博物館

Mitukosi_1 今日すばらしい展覧会に行ってきました。三越ギャラリーで開催の『印象派とエコール・ド・パリ展』です。

19世紀から20世紀後半までのフランス絵画の流れを、「印象派以前」「印象派とその後継者」「20世紀の多彩な表現者たち」「エコール・ド・パリ」と、75点を4章に分けて構成し、鑑賞者にとても分かりやすい作品解説がされていました。

ここで驚いたのが、今まであまり耳慣れなかった「吉野石膏コレクション」からの75点の優品だったことです。1988年から収集されたというフランス絵画のなかには、ルノワールの1874年の初期の作品『庭で犬を膝に抱いて読書する少女』や、ミロ美術館にさえ数少ないという初期のころの作品の『シウラナ村』が含まれており、それは近代美術史にとって大変重要な作品なのだそうです。

日本経済のバブル崩壊の影響も受けずに作品を購入し続けたということは、多くの企業が絵画収集から手を引いた中での明るい話題でした。

現在は山形美術館に寄託され、『吉野石膏コレクション特別室』に常設されているそうです。ルノワール10点、ピサロ6点、モネ7点、シスレー4点、マネ、ドガ、セザンヌ、ゴッホ、カサット各1点、コロー、ミレー、クールベ、ボナール、マティス、ピカソ、ブラック、ルソー、ブラマンク、ルオー、マルケ、ユトリロ、ローランサン、シャガール、ミロ、ビュッフェまで、フランス絵画の流れを概観できる内容になっているそうです。

ボストン美術館の『21世紀のモネ展』に出品したことからその名前が海外に広まり、国立新美術館の開館記念『モネ展』には3点も出品し、国内外からの出品要請も多いそうです。

山形美術館長の吉野石膏コレクションは、日本を代表するフランス絵画の宝庫の一つに成長してきたといえるだろう。そしてまだ成長し続けているコレクションなのである。』とすばらしい評価がなされていました。

07099tya_006_1 山の銘菓『薄氷』が手に入りました。北陸のお菓子には、長生殿や羽二重餅など心温まる和菓子があります。こんど富山の『薄氷』を手に入れました。

「薄氷」は2百数十年老舗の秘法を伝えているという、それだけでもなんとなく嬉しい和菓子です。薄い真煎餅に和三盆糖を使った口の中で静かにとけるお菓子です。切り方も、自然のうす氷が割れた形で、小島政次郎氏も「よくあんな辺ピなところに、あのようなしゃれた菓子があるんでしょうね。また、あの切り方がいい・・・。」と賛辞を与えています。

和三盆とくれば、ここはお抹茶でしょう。まだ昼間は暑いけど、夜は静かに秋が忍び寄っています。

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とにかく面白い!

2007年09月13日 | 本・新聞小説

070913book_009ヨーロッパを訪れると、どの美術館のどの部屋も、宗教と神話に題材をとった絵画であふれかえっています。が、キリスト教に馴染みのない日本人が好むのは印象派の作品だとか。多分にもれず、私も聖母子像以外は宗教画を一歩引いた感じでしか観られませんでした。

私の学生時代に、雑誌社が「もし無人島に行くとしたら何の本をもっていきますか?」というアンケートをとり、その一位がなんと聖書だったのです。遅れをとらじと、黒表紙の無味乾燥な分厚い聖書に何度か挑戦しましたが挫折ばかり。

確かに西洋の文学も音楽も美術も、聖書の知識なくしては理解できません。そんなときに、書店で目にした阿刀田高『旧約聖書を知っていますか』(新潮社)にすっかりはまってしまいました。

『アイヤーヨッ』の文章で始まり、アはアブラハム、イはイサク、ヤはヤコブ、ヨはヨセフとまず系図の覚え方に親しみがもてました。枝葉の部分は省略して、エッセンスの部分を書いた『阿刀田式古典ダイジェスト』版です。これに続いて、『新約聖書は知っていますか』(新潮社)まで一気に読めます。

これに続くのが中丸明『絵画で読む聖書』(新潮社)会話体の部分がなんと名古屋弁で書かれており、その面白さと親しみやすさと悪ふざけのところが、堅い聖書を私の目の高さまで引き下げてくれました。旧約の世界を創りだすための男女の人間的な行為と会話は、まさにお笑いの世界。ここまで表現に「冒険」していいものかと心配になるくらいです。真摯な信者は憤慨するでしょう。ところどころに挿入された絵の写真も分かりやすいです。

『西洋絵画の主題物語』美術出版社)は、カラー多色刷りの美しい美術書です。さすがにこちらはまじめな解説で、聖書の物語を手っ取り早く理解できる優れた本です。

聖書の多くの登場人物と旧・新の長い歴史に、一つ一つは覚えられませんが、絵画を観るときに、今までとは違った興味で楽しく観られることは確かです。

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ゲットな(?)一日

2007年09月08日 | 福岡市美術館

福岡市美術館で「第66回創元展」と「南方録と茶の心」を見てきました。妹と久しぶりの鑑賞です。

070907ohori_004創元展には、全国からの選抜作品と北部九州在住作家の大型の作品が220点あまり展示されていました。妹の知人の方も出展されていて、地元だけに知人縁戚の入場者でにぎわっていました。

ここで、なんとサプライズが!展覧会ではめったにないことですが、受付でくじ引きがあり水彩の色紙が当たってしまいました!およそ「当たり」には縁がなかっただけに、この幸運に感謝しています。写真が創元会会員松尾正勝氏のポルトガルの海岸を描いた水彩の色紙です。

南方録と茶の心」

Photo_5 『南方録』は千利休の茶法を門人の南坊宗啓が編纂したもので、茶書の中でもひじょうに貴重な書と位置づけられています。利休が亡くなり100年間その存在が知られていませんでした。17世紀末になって、福岡藩士の立花実山がその存在を知り、7冊の本として筆写しました。実山の写本を弟の寧拙がもう一度筆写して、2種類の『南方録』が今回同時公開されました。茶道にかかわる妹は知っていましたが、私は初耳。茶の湯の世界にとって、こんな重大な発見を福岡の武士がしていたということが私の大きな驚きでした。

実山は、詩、和歌、書画、学問にも優れ、多くの作品が展示されていました。まさに福岡の江戸文化を垣間見る思いでした。

Photo_6070907ohori_002 お昼は、京料理のお店でみやびなお膳をいただきました。ここでもゲット商品が!インターネット検索でクーポン券を持っていったので、なんと1500円のちりめん山椒をプレゼントしていただきました。2人ともそれぞれお土産を手になんともラッキーが重なった一日でした。

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座右?の書

2007年09月06日 | 本・新聞小説

070906kurume_012_1 私の座右ばかりでなく、前後左右に必要なのが、第一学習社の『グローバルワイド 最新世界史図表』です。

多色刷り300ページ。後半50ページには年表、系図、主要国元首表、人名・地名の各語対照表までついています。

高校教科書のコーナーにおいてあり、これで838円とは恐れ入る価格です。

本を読んでもテレビを観ても、その時代背景を知ると面白さがぐんと違ってきます。それまで持っていた知識と絡み合わせてイメージを膨らませ、自分の世界をつくる楽しみがあります。何よりも、歴史の真実を知りたい欲求を満足させてくれます。机の上とテレビの前に1冊ずつおいて大変重宝しています。

070906kurume_010_1例えば『北方民族の中国侵入』では、民族と征服王朝の表、金の二重統治の図、中国の隣接民族の文字、織り込みページには「12世紀の世界」の地図があり、その時代の世界との関連が分かります。写真も入るので世界遺産の旅にもなります。

限られた紙面に、歴史の流れを分かりやすく図式化、重要な用語の解説をしてぎゅっとまとめたエッセンス。一夜漬けでここだけ勉強しても点が取れそう?

自分の高校生の頃を考えてみれば、こんなに魅力的な教科書は存在しませんでした。白黒印刷の、いかにも暗い受験時代を思わせるものでした。こんなに楽しい資料があったら、とっつきにくかった世界史が、もう少しどうにかなったはず・・・。

最近、ももりさんやミーシャさんのブログを見るときに、さらにこの図表が活躍するようになりました。いまさら記憶できるわけではありませんが、持っている断片的な知識を整理したり、統一して理解するのに大変役にたっています。

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