新・遊歩道

日常の中で気づいたこと、感じたこと、心を打ったこと、旅の記録などを写真入りで書く日記です。

ミュンヘンのお菓子から

2012年11月27日 | 食・レシピ

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ミュンヘンで、お菓子のコーナーにハートを形どったかわいいお菓子を見つけました。ハートの上にプレッツェルとジョッキが乗っかっています。チョコレートでもなく、スポンジ台のケーキでもなく、重量感があり何となく不可思議なお菓子です。
お菓子の名前もわからなかったけど、ミュンヘンを象徴するデザインだったから買ってみました。日本でマジパンのお菓子などみたことがなかったけど、直感的にこれは「マジパン」だと思いました。

帰国したあと、裏のシールを見ると「 EDEL MARZIPAN 」の文字が書かれていてやっぱりマジパンです!
ドイツ語辞書で原材料の単語を引いてみると、アーモンドと砂糖と卵白が含まれていて、まぎれもなくマジパンでした!日本ではお菓子の飾りやシュトーレンに混ぜてあるのは知っていましたが、丸ごとマジパンにビックです。

 

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ミュンヘン&チューリッヒの旅・追加編

2012年11月26日 | ’12 ミュンヘン・チューリッヒの旅

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★ アルテ・ピナコテークで絶対に忘れてはならない画家の絵を落としていました。デューラーと並ぶ大切な画家、アルブレヒト・アルトドルファー『アレクサンドロス大王の戦い』です。

この画面にいったいどれくらいの兵士が描かれているのでしょうか。一人ひとりの表情は違い、まるで生きているかのように描かれています。その精密さ緻密さには気の遠くなるような画家の努力と才能が見えます。
紀元前4世紀のこのイッソスの戦いは、アレクサンダー側が3万人、ペルシャのダレイオス側が10万人。画家はその人数の多さを、うねるようにつながった軍隊の隊列で完璧に表現していると思います。
アレクサンダー大王は兵を縦横無尽に指揮してペルシャ軍に勝利し、その大王の象徴が右上の太陽です。

それまでのイッソスの戦いの絵は二人の主人公が主役でした。しかしこの絵では、二人の主人公は探さないとわからないくらい小さく描かれています。
地表を埋め尽くす軍隊は下半分に描かれています。上半分には、海と山と空の壮大なパノラマ、二人を象徴する太陽と月が描かれ、背景が風景画として大きな意味を持っているそうです。

アルトドルファーは西洋絵画で初めて風景がを描いた画家といわれています。それまで宗教画の背景にほんの少し描かれるだけだった風景を、人物は描かずに風景だけ描いたのです。今では当たり前にある風景画ですが、アルトドルファーが風景画の端緒を開いたとして高く評価されているようです。

ナポレオンはこの絵を浴室に飾っていたそうです。アレクサンダーの軍事的能力と密集歩兵隊を指揮するうまさ。古代のヒーローに学びたかったのかもしれません。

★ スイスの画家は日本ではあまりなじみがありませんが、スイスでは第一人者として彫刻家のジャコメッティと、画家のフェルディナント・ホドラーが挙げられています。
ホドラーの絵はチューリッヒ美術館にたくさん展示され、階段の踊り場には青いドレスの女性群像が展示されています。風景画はアルプスの空気の透明感がよく出ていて、左右対称、上下も対称のシンメトリーの構図が自然の静謐さを添えている感じです。

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彼は、30代の終わりまでは食べるために働かなくてはならないほど苦労しますが、後にはクリムトと並んでウィーン分離派の中心的存在にまでなります。

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ミュンヘン&チューリッヒの旅9日目

2012年11月24日 | ’12 ミュンヘン・チューリッヒの旅

 チューリッヒ空港で夕食をとる時間がなくそのまま搭乗。フランクフルト空港に到着してもその時間はなく、成田行きの搭乗ゲートに直行。トランジットに集まった日本人がたくさんソファーに腰かけています。帰り便ともなると、それぞれに旅の疲れと翌日からの「日常」に意気も低下気味。

 ANA20時45分発、日本では朝のラジオ体操があっているころです。これから11時間30分かけて成田に向かいます。

eチケット予約の時にシートマップで確認していたように、B777-300は快適な機内でした。

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 先ずシートピッチが86センチと7センチ余り長いし、背もたれを後ろに倒すのでなく、シートを前後にスライドさせるようになっているので、前席の椅子が圧迫してくることはありません。
 テーブルも広くなり、別にカップホルダーが付いているので、飲み物を頼んでも楽々です。
個人用シートモニターも液晶画面が広くタッチパネル式で、リモコンは前の席にはめ込まれています。トイレも車いす対応になっています。エコノミークラスでもかなり状態がよくなっています。

 乗り込んだとたんに二人とも眠り込んでいました。目を覚まして周りを見回すととても静かです。「いつになく遅い食事」と思っていたら、乗務員さんが「お休みだったからと、お声をかけませんでした」と遅い食事を運んでくれました。かなり深く眠っていたようです。
 皆さんはとっくにデザートまで済ませ、そのために静かだったのです。頼んだのは「若鶏の照り焼きとご飯」。ビールを軽くいただきましたが、熱いお茶がおいしかったです。

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来る時と違って、帰りは旅の疲れで自然に睡眠がとれ、あっという間に11時間過ぎました。

「朝ごはんです」と言われて注文したのが「鮭粥」。旅先での「粥」の文字は輝いて見えます。
日本食のイメージ自体が胃にも心にもやさしいのです。たった9日間しか日本を離れていないのに。

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16時半、成田に到着して手荷物を受け取る段階に来て、夫のスーツケースが届いていないことがわかりました。ANAのカウンターの話では、チューリッヒ空港は出ているとのこと。これが往きでなく帰りのトラブルでホントによかったと思いました。
スーツケースは3日遅れで無事家に届きました。遅れはしたものの、航空会社と路線が複雑に絡む中でよく管理されているものだと、半分は感心しました。これで我が家で荷物が遅れて届いたのが3件に増えてしまいましたが。

これで美術館巡りと街歩きの旅は終わりました。夫も私もミュンヘンは初めてでした。再び訪れることはないだろうし、中身の濃い旅になってよかったと話しています。しかし、帰ってから整理していると、下調べが不十分で見損なったところが何か所か出てきてとても残念です。

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ミュンヘン&チューリッヒの旅8日目

2012年11月24日 | ’12 ミュンヘン・チューリッヒの旅

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 朝7時半というのに、ホテルの向かいにある大学ではもう授業が始まっています。ガラス張りだからよく見えること見えること。最上階に歯科の治療用椅子が何台も見えたので、たぶん歯科大学?だと思いました。

 毎朝ベッドにチップを置くときに、感謝の気持ちに折り鶴を添えます。折り紙を忘れてきたので、なるべく日本の文字が書いてある用紙を使いました。メイドさんのドイツ語の「ダンケ シェーン」だけはわかり、気持ちは通じたようです。海外では、意外に折り鶴に興味を示してくれるので、いつの頃からか習慣になっています。パリでは「Merci」と書いたメモが置かれていたこともあり、やはりこちらも嬉しいです。

 この日が今度の旅行の最終日。チューリッヒ発が18:05だから、ゆっくり街歩きができます。列車で1時間かかるバーゼル行きを検討しましたが、最終日にあまり無理はしないことにして、結局街歩きになりました。

★ いつも起点にしている中央駅です。地上1階地下3階の複雑な駅の工事はまだ進行中。

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★ 中央駅から南東に向かうトラムで終点まで行くと、郊外になるので屋根の形も変わってきます。

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★ 11月、もうシーズンオフ。戸外の椅子にはひざ掛けが置かれています。お洒落なカフェではどの椅子にも真っ白なムートンを掛けているところもあります。

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★ トラムの番線を変えて、チューリッヒ湖右岸の終点までいきました。もうシーズンを終えてカバーがかけられたヨットを見るとちょっと切ない感じがしました。

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★ アルプスの山々がかすかに見えます。チューリッヒからアルプスまではまだまだ遠いようです。

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★ 終点には1軒しかないショップ兼カフェでひと休み。クリスマスを控えていろんな手作りチョコレートがありました。スイスのチョコはとろっとして、とてもおいしいです。

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★ 北西方面、リマト川の少し下流の方にも行ってみました。チューリッヒ湖から流れ出るたっぷりとした水量の川と岸辺の紅葉がよくマッチしています。

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★ ホテルで見つけた赤い実。何の木でしょうか?鳥ならずとも赤い実には心が動きます。
( 帰宅して調べたらなんとモミの木でした。子供の頃、庭にありましたが一度も見たことはなく、実がなることも知りませんでした。初めて見られてラッキー! )

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★ 出国手続きに時間がかかりそうだから、チューリッヒ空港には3時間前に行きました。「チェックイン 1」で搭乗手続きをします。
ここも自動チェックイン。ながーーーい予約番号の入力は苦手です。
手荷物のX線検査ではブーツを脱いで裸足歩行に。ボディチェックではまんべんなくタッチされ、無事出国手続きが終わると、やっと免税店の買い物時間です。
チューリッヒ空港からフランクフルトに飛び、そこでANAに乗り換えます。

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ミュンヘン&チューリッヒの旅7日目ー②

2012年11月23日 | ’12 ミュンヘン・チューリッヒの旅

旧市街の街歩きはこんな石畳の細い通りが楽しいのです。どんな細い通りにも人々の営みがあります。清潔な通りはちり一つ落ちていません。歴史と古い街並みの誇りがそうさせているのかもしれません。
迷路みたいな道を地図を頼りに歩くのもまた楽しいものです。NHK番組の「世界ふれあい街歩き」の気分で、ずいぶん歩き回りました。

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こちらはバーンホフ通りの街並みです。

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旧市街の丘を反対側に下りた所にチューリッヒ美術館があります。18世紀後半オープンの歴史ある美術館です。

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スイス出身の画家ホドラー、レンブラント、たくさんのムンクの絵、印象派等々、スイスの重要な美術品の宝庫です。
カラフルなジャコメッティの絵が一部屋もあり「???」でしたが、どうも彫刻のアルベルト・ジャコメッティではなく、従弟のオーギュスト・ジャコメッティのようでした。( 昨日のステンドグラスもオーギュストの方です)

部屋に入いるなりパッと透明な明るさが飛び込んできたのがセガンティーニの部屋。アルプスには行けなかったけど、真ん中にある椅子に腰かけてしばらくアルプスの雰囲気を味わいました。アルプスの空気はきっとこんなに澄み切っていることでしょう。
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この日は20時まで開館です。1階のカフェで休んでいたら、6時ごろになると続々と勤めを終えたらしき人たちが、端正な身なりで集まってきました。何の気取りもなく楽しみに来ているのがよく伝わってきました。上手に文化施設が利用されているようです。
地下のカギ付のロッカーにバッグ類を入れ、フロアにあるハンガーには自分で勝手にコートをかけるだけです。スイスの美術館はたぶん「性善説」。なんだか羨ましい気がしました。

美術館を出て、前からトラムに乗るとあっという間に中央駅に戻ってきました。朝、中央駅を出発して左回りにチューリッヒ湖岸を散策しながらリマト川を渡り、右岸の旧市街をまわり、中央駅の近くまで歩き回りました。ほとんど歩くか立つか腰かけるか・・・。
カフェの椅子に腰を下ろすとどっと疲れが・・・。疲れすぎて夕食も入りそうになかったけど、ビールを飲んだら途端に元気が出てきました。

中央駅の広いコンコースでは毎日催し物が行われていて昨日はコンサート。この日は、たぶん「自然栽培」の野菜と食品市のようでした。8時になり店じまいの寸前です。

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意外だったのは柿が売っていたことです。名前も「kaki」。誰が買うのだろうと見ていたら、若い男性が5個も買っていきました。日本の果物を買ってくれてありがとう!
それで思い出したのが、フィレンツェのミケランジェロ広場から下りてくるときに、庭に柿の木を発見してびっくりしたことです。どう見ても渋柿みたいだったけど。でも日本の庭先みたいで驚きました。
これって、日本でレモンやキーウィーを売っているのと同じことなんでしょうがね・・・。

この日は朝は冷え込んだけど快晴。半袖のインナー、カシミアの薄手のセーター、コート、アクリルのショール。手袋はなし。
ホテルを出た後は、ちょっと寒くて「しまった!」と思ったけど、時間が経つにつれて気温が上がり、13、4℃ぐらいで全く問題ありませんでした。

朝9時過ぎにホテルを出発して、帰り着いたのは夜の9時前。みっちり街歩きをして、「たっぷり」疲れました。
パックツアーだったら、移動時間のバスの中が休息時間ですが、個人旅行は「ゆったり」のように見えて意外に疲れます。

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ミュンヘン&チューリッヒの旅7日目-①

2012年11月22日 | ’12 ミュンヘン・チューリッヒの旅

チューリッヒの朝食は普通。それでもゆっくり朝食を取った後、市内地図を確認してスタートです。
ブランド店やお洒落なカフェや銀行が立ち並ぶバーンホフ通りを散策。ちょっと横道に入ると、もうすっかりクリスマスの装いです。

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リンデンホフの丘から見た対岸の旧市街区。ほんとは川はまっすぐですが、合成したら曲がってしまいました。

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ガイドブックにも載っている3階建てのおもちゃ屋さん。

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バーンホフ通りの行き止まりがチューリッヒ湖。ガイドブックには冬季でも遊覧船が出ていると書いてあるので予定に入れていました。でもお休みだったみたい。先週は雪が降ったらしいからその影響もあるのかしら?それでも湖畔はやはり美しいです。

ミュンヘンもチューリッヒも10℃~16°Cぐらいで天候に恵まれラッキーでした。コートのライナーもカシミアのショールも手袋も全く使いませんでした。ちょっと肌寒くても、歩けばちょうどいいし、室内は暖かすぎるくらいです。

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お昼は、絶対に食べようと思ったチーズフォンデュ。ガイドブックを片手にずいぶん探したスイス料理のお店「ル・デザレー」。これで93フランとはやはり高いと思いました。チーズの中の白ワインがちょっときつかった感じ。でも旧市街で食べたということで満足です。
お店の人にガイドブックを見せてそのお店が載っていることを示すと、トレイを腕に挟んで見入り、とても嬉しそうでした。

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すぐそばに、大聖堂がありました。11世紀から12世紀にかけて作られた2本の尖塔を持つユニークな建築です。中に入って静謐な空間に腰を下ろしていると、厳かにパイプオルガンが響き始めラッキーでした。美しいステンドグラスはジャコメッティ作。

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デジカメで動画を取ってみました・・・。

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ミュンヘン&チューリッヒ6日目ー②

2012年11月21日 | ’12 ミュンヘン・チューリッヒの旅

Photo_3念願のオスカー・ラインハルト・コレクションを見た後、ミュージアムバスに乗り、市内にある次の目的地「 ヴィンタートゥール美術館(クンストミュージアム)」に移動しました。

本当はオスカーラインハルト氏のもう一つのコレクションの美術館「オスカー・ラインハルト美術館」に行く予定だったのですが、ちょうど作品の入れ替え中でクローズしていました。とてもとても残念です。
ここにはスイス、ドイツ、オーストリアの画家の作品やドイツロマン主義の絵画7000点が所蔵されているということです。


★ ヴィンタートゥール美術館

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豊かな財力を誇る資産家たちがパトロンになり芸術の花を咲かせたというヴィンタートゥール。盛んに収集された個人コレクター所蔵品のほとんどが、1916年に開館したこの美術館に寄贈されたのです。スイスの画家ホドラーやパウル・クレーの作品もたくさんあります。

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★ 時計美術館

時計の国らしく1400年代からの精巧な時計があり、歯車が木でできているのもありました。

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★ ブリナー & ケルン美術館

狭い通りにあるこじんまりした美術館。ピーテル・ホッホやロイスダールなどドイツの17世紀の作品群。珍しかったのは、ミニアチュールのコレクションです。ミニアチュールとは王侯貴族が、肖像画などを身近に持って鑑賞できるように小さく描いたもので、金のフレームに入れたり、宝石をちりばめたりしたものです。芸術も愛情も身近に・・・という贅沢なものです。
観終って帰りかけた時に、受付の年配の女性の人が追いかけてきて、「ナイショ」のしぐさで唇に指を当てながら、画集と3冊のミニアチュールの本を美術館の袋に入れてプレゼントしてくれました。東洋からの珍客と思われたのかも。なんだかほのぼのと嬉しく感じました。

★ 旧市街地の鉄看板

ここにも鉄看板がありました。10年ほど前ローテンブルグで鉄看板を見て以来、その細工の細かさとデザイン、金色を施した透かし彫りにすっかり魅了されました。透かし看板ともいわれるそうです。ドイツに比べると、この地の鉄看板は少し簡素な気がしますが、やっぱり楽しいです。

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バラだけの花屋さんと右は海鮮サラダ。皿代わりのクレープがパン代わりになって、これだけでお腹いっぱいになりました。

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ここで感動したのは乳母車の多さと頑丈さ。戦車(?)みたいに重装備で、それも二人乗りが多いのです。日本では腰かけた状態が普通ですが、大体横たわった感じ。日本でだったら歩かせる年齢でもおとなしく乳母車に納まっています。日本のを普通車に例えるなら、こちらは大型トラック…という感じです。主婦の目線では、便利そうでかなり評価が高くなります。

それから、相当に大きくなっても口におしゃぶりが入っているのがちょっと異様でした。歯並び云々は関係ないということでしょう。
写真を撮りたかったけど、子供にカメラを向けるというのがちょっとはばかられました。

 

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ミュンヘン&チューリッヒの旅6日目ー ①

2012年11月19日 | ’12 ミュンヘン・チューリッヒの旅

チューリッヒ中央駅から北東の小さな街・ヴィンタートゥールまでIC特急で25分。今回の旅の決心をさせてくれた街です。
ヴィンタートゥールの歴史は古く13世紀から200年間はハプスブルグ家の拠点となり、19世紀初頭にはスイスの産業革命をけん引してきました。この時の資本家たちが中心となって数々の美術・芸術品を集めました。それらを収蔵する美術館が20もあり、それが現在街の財産となっています。
その中でもオスカー・ラインハルト氏のコレクションは実に見事です。彼は裕福な資産家の五男として生まれ、質の高い家庭環境の中で育ち若いころから美術品の収集を始めました。
その彼が生涯かけて集めたコレクションのなかから選りすぐったものだけを、「絵画と土地と建物」ごと、国に「改変」しないという条件付きで1958年に寄贈したのです。
「売らない、貸さない、足さない」という頑固なまでの運営方針を持っている美術館です。20世紀最高のコレクターと言われるラインハルト氏の見事なまでの人となりが示されています。彼の他のコレクションは、市街地に「ラインハルト美術館」として名を馳せているもう一つの美術館にもあります。

美術館は街の郊外の小高い丘にあります。森の小道を通っていくと、「オスカー・ラインハルト・コレクション “アム・レーマーホルツ” 」の落ち着いた館が見えてきます。まさに邸宅美術館です。
「邸宅美術館」はこじんまりしていて、絵の向こうには画家ばかりでなくいろいろなエピソードが潜んでいて、邸宅に住んだ人の息遣いが聞こえてくるような人の温度が感じられる美術館です。
ニューヨークのフリック・コレクション、ワシントンのフリップ・コレクション、パリのマルモッタン美術館など。絵画点数も限られていて、雰囲気まで丸ごとを楽しめる私の大好きな美術館です。

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ゴッホの「アルルの療養院の庭」です。画集でもほとんど見る機会がなかったこの絵は亡くなる1年前に描かれています。こんな明るく穏やかな時があったのだと思うとなぜかホッとします。
ラインハルト氏は、同じ時期に描かれたもう一枚の絵「アルルの療養院の病棟」の存在を知り、8年もかけて探し出し入手しました。もともとこの絵は1対だったそうで、この2枚の絵が実に31年ぶりに並んで展示されることになったそうです。

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ルノワールの孫ジャン・ルノワール氏も絶賛の「眠る浴女」。ルノワールは、絵は楽しく美しく愛らしくなければならないといっており、これは1890年代の傑作とされているそうです。
「モーディス・ティン」は1875年の絵で初期の頃の初々しい色遣いが好きです。

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コローの「読書する少女」。人物画は珍しいのですが、この全体の色遣いがとても心を惹きます。ゴヤ「三枚の鮭の切り身のある静物」。つい手が出そうなほどリアルで、高橋由一よりも70年も前の鮭です。由一は海外に出たことがないというから直接この絵を見たということはないでしょう。

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11部屋に200点の作品がゆったりと展示されています。クールベの「ハンモック」、モネ「セーヌ河の解氷」、ルノワール「グルニュイエール」、ブリューゲル等々、美術史に名を連ねる巨匠たちの傑作ぞろいです。
あまり知られていないのはこの美術館の運営方針のためでしょうか。これらの絵が観たかったら、この森の静かな雰囲気の中で、かつての住まいだった建物の中で観てほしいという、ラインハルト氏の切なる願いが込められているように思いました。

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私たちは、駅にあるインフォメイションセンターでミュージアムパス( 25スイスフラン )を買いました。20の美術館に入館可で美術館巡回バスに自由に乗れるので、この後3つの個性的な美術館をめぐりました。

入館者は少なく、もったいないと思いましたが、そんなことは全く気にかけない美術館のようです。それだけコレクションに誇りを持っているのでしょう。
手荷物はロッカーに、コートはフロアのハンガーにぶら下げて・・・。無くなるのでは・・・なんて心配は全くないようです。

館内のカフェでティータイム。ずしりと重たいケーキに、ランチの必要がなくなりました。ふつう「水」が出てくることはありませんが、ここのカフェで初めてお水のサービスがありました。そういえばウィーンのカフェでザッハトルテにお水が付いてきて、甘いのでお水で流し込んで・・・というような説明がありました。所変われば・・・面白い習慣です。
敷地内の紅葉が見事でした。ミュンヘンもチューリッヒも、日本みたいな裾模様の繊細な紅葉でなく、背の高い木々の「黄色の秋」というのが印象に残りました。

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ミュンヘン&チューリッヒの旅5日目

2012年11月17日 | ’12 ミュンヘン・チューリッヒの旅

ミュンヘン空港から、次の目的地チューリッヒに向かいます。ルフトハンザ航空 11時30分発 。ルフトハンザはセキュリティチェックが厳しいので早めに空港へ。

Img_0800ターミナル2 で手続きをしますが、e チケットとパスポートを準備しての自動チェックインなのです。ドイツ語表示なので職員のリードがないとちょっと大変。
案の定チェックは厳しく、ベルト、靴、身に着けているものはほとんど脱いでチェックされます。
ニコリともしないたくさんの係官の視線の中を、違法もしていないのにドキドキしながらも平静を装いながら進みます。
もちろん女性の係官ですが、頭からつま先まで360°ぐるっと、からだ中をくまなくさわってチェックされます。でもそこを通過すると、ルフトハンザはサービスがよくて、搭乗口の近くにはセルフサービスの飲み物が用意されています。

Img_08091時間ほどの搭乗時間です。

小型で4席並びのバスみたいなもので、サラリーマンらしき人たちでいっぱい。

私の席がダブルブッキングしていましたが、私たちを優先してくれて、あとは添乗員さんが都合をつけてくれたようです。


Img_0828_4チューリッヒ空港に降り立つとちょうどお昼時。スーツケースを持っていたので、手近にあったカフェで一息つきました。

チューリッヒは物価が高いとは聞いていましたが、このパンとコーヒー二人分で 15スイスフランも。日本では120円で買えるエビアンのボトルが、なんと 4スイスフランもするのです。びーっくり!( 1 スイスフラン=90円 )

食事に予想外にかかりそうで、あわてて両替を追加しました。

チューリッヒ中央駅にほど近い所にホテルを予約していました。空港から中央駅まで電車で12分(3.2スイスフラン)ですが、到着して駅構内を歩きまわるのも二度手間だし、高いけどタクシー(50スイスフラン)にしました。タクシーは安全で快適ということでした。
中央駅は地上・地下があり複雑で迷路みたいです。大工事が進行中で、正確な構内図もありません。とてもこんな構内でスーツケースを引っ張っては歩けないところでした。


Img_1060チューリッヒのホテルは料金の高いところから埋まり、ビジネス客で平日の方が取れにくいとのこと。それに世界の金持ちがスイスの銀行に、避暑に、と続々と集まってくるのでしょう。

設備の割には料金が高いのがチューリッヒのホテルです。予約の時に、ホテルからの返答に時間がかかりちょっと不安でした。朝食時の人数を見ていると、予約が取れてよかったとつくづく思ったほどです。
私たちが泊まったのはビジネスホテルで、ダークスーツのビジネスマンそれも明らかにバンカーらしき人が多く、商工業・金融業の盛んなスイス最大の都市からすれば当然かもしれません。


Img_1017_2ホテルでひと息つくと、トラムに乗って中央駅に行き情報を集めました。

トラムの切符は停留所でしか買えません。それもコインしか使えないので、いつもコインの枚数を気にしていました。
左が自動券売機。右下の英語表示のボタンを押して、30分券(2.6スイスフラン) か、1時間券(4.1スイスフラン) か、1日券かを決めて、指示に従ってコインを入れます。

切符には、乗車の有効時間が刻印されて出て来るので、その時間内だったら乗り換えが効きます。
私服の検察官に不正乗車が見つかれば、罰金80スイスフランだとか。


Img_1097_2切符には時間が刻印されているので行動の記録にもなるという利点があります。
メモ代わりになり、旅の記録にも役立ちます。4日間歩くことのほうが多かったので、トラムの乗車回数もこれだけで済みました。

情報センターでの情報集めは、市内地図、トラムの路線図、美術館、旧市街の情報など。これが大いに役立ちます。


Img_0836夕食は中央駅地下のフードコートのスタンドで。飛びつくほどのメニューはありません。日本の食事がいかにきめが細かいか、いかに舌が肥えているか、いかに食のセンスがあるかをつくづく感じました。
軽めでピリッと引き締まった味が欲しくて注文したのが、カレーライスみたいなもの。辛くて辛くて、さすがの私の口もホットホット。

今回の旅のメインエヴェント、ヴィンタートゥール行きの列車も確かめました。

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ミュンヘン&チューリッヒの旅4日目

2012年11月16日 | ’12 ミュンヘン・チューリッヒの旅

朝食のメニューが楽しみでゆっくり食事をとり、スタートもゆっくり。個人旅行ならではのペースで、もうツアーにはついていけない気がします。

カールスプラッツからトラムで5キロ、20分も行けば、今日の目的地ニンフェンブルグ城です。中央駅の北側を通るトラムの車窓からは、南側とはちょっと違う近代的なビルや整然と立ち並ぶ美しいアパート群が見えて、大都市ミュンヘンの顔が感じられました。BMWの巨大な会社も見えます。
乗り物に乗るのは目的地への移動でなく、私にとっては街並みを眺めイメージを膨らませてその国の生活を感じる大切な時間であり、まさに「トラム旅」です。

★ ニンフェンブルグ城

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この城はヴィッテルスバッハ家の夏の居城で、裏には運河、森、城館、レストランがあり、1日ではとてもとても回りきれないくらいです。17世紀から19世紀半ばまでバランスを考えて体系的に増改築が繰りかえされ、幅700メートルにもなるドイツ最大級のバロックの城となっています。

★ 本城

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2回に上がるとすぐにロココ様式の豪華な大広間があり、その華麗さに目を奪われます。白色と金色の柱や壁と見事なフレスコ画の天井。国を問わずヨーロッパではよく見かけるお城です。順路どおりに回りながら華やかな宮廷生活をしのびました。
窓から見える庭園には、運河や森や田舎風建物もあり、ヴェルサイユを小型にしたような感じで、「ぱくり・・・」と思ってしまいました。

ルートヴィッヒ1世が愛した36人の美人画ギャラリーも人気があります。肖像画がずら~りと壁4面を飾っています。「どれにしようかな」ときっと迷ったことでしょう。
その中の一人、踊り子ローラ・モンテスは政治にまで口を出すようになり、結局はスキャンダルまみれでルートヴィッヒ1世は退位に至りました。

★ 馬車博物館

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豪華な馬車がたくさん展示されています。ここにもおどろおどろしいデザインの馬車がたくさん並んでいます。他ではあまり見ないデザインに、これがドイツ風なのかと思ってしまいました。雪上を走る「そり」も工夫されています。

★ 庭園

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運河に沿って歩いて行くと小さな林があり、紅葉の中のレストランに入りました。パフェはここの名物のようで5種類のソースの中から選びます。巨大です!ゆっくりティータイムをするのも旅の醍醐味。これと紅茶で昼食代わりになりましたが、やっぱり甘すぎて口直しはミュンヘンビール。

まだまだ回りたかったのですが、薄暗くなりかけたので広大な庭園をトラムまで歩いて行くともう5時でした。

★ 夕食

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英語表示のあるメニューでしたが、何しろ量が多い!見ただけで食傷してしまいます。ここでもビールは頑固にヘレス。
ミュンヘンでは、レストランでもショップでもよく「sushi」が目につき人気があるようです。日本ではご飯は太ると言いますが、向こうではヘルシーなメニューのようです。

これでミュンヘンの街歩きは終わりです。あの朝食もあと1回です。

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ミュンヘン&チューリッヒの旅3日目

2012年11月15日 | ’12 ミュンヘン・チューリッヒの旅

★ 朝食
Img_0586このホテルの朝食は、口コミでも人気が高かっただけあり、毎朝が楽しみでした。「今日は何を食べようかしら?」と欲張りになり、つい食べ過ぎてしまい昼食時にもなかなかお腹がすきません。

街でもホテルでも、日本人を全く見かけなかったのですが、最後の日にJAL「ロマンティック街道の旅」の紙が貼られたバスが止まっていて懐かしく思いました。

ツアーは朝から大忙し、食事を終えて部屋に帰るときにはもう出発していました。

★ 今日は、ミュンヘンの歴史の街歩きです。

ミュンヘンはマリエン広場を中心として発達した街なので、そこへ向かいます。まず、カールス門をくぐって、歩行者天国のノイハウザー通りに出ます。
両側にはデパート、レストラン、カフェ、ブティックが並び、ミュンヘンきってのショッピングエリアです。

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ネオゴシック様式の新市庁舎。この85メートルの塔に仕掛け時計グロッケンシュピールがあります。11時と12時に10分間だけ等身大の人形が動きます。広場は人でいっぱい!
16世紀の大公の結婚式を再現したもので、馬上槍試合ではバイエルンの騎士が勝ち、その時に観客からどっと歓声が上がりました。そのあとは下段のビールの樽を作る職人たちのダンスが始まります。ストーリー性のある動きなので人気も高いのでしょう。なんとも幸せな仕掛け時計です。

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★ レジデンツ
バイエルン王家であるヴィッテルスバッハ家の本宮殿。14世紀に建設が始まり増改築が行われて華麗な宮廷になっています。かつての王宮内部がそのまま見られるようになっていて、見学順の矢印がうまく付けてあり見落とすことなく回れました。かなり広いので相当に疲れます。
右手がバイエルン州立歌劇場、左手が工事中のネットが張られたレジデンツ。

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 ● レジデンツ宝物館 

10世紀からの王家の宝物が集められています。

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 ● レジデンツ博物館 
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目の前にいきなりグロテスクなものが・・・。洞窟(グロット)です。金色の彫像のほかは全部貝殻でできています。「グロテスク」の語源でもあるそうな。そういえば、10年前に訪れた、ルートヴィッヒ2世が建てたノイシュバンシュタイン城にも室内に洞窟が作られていて、奇妙な違和感がありました。
お土産の顔写真に美青年ルートヴィッヒ2世をよく見かけ、人気が高いようです。でもドライバーさんは「クレイジー!」と言って、あまり評価していないようでした。こうして観光していると、近代都市の建設に力を注ぎ、芸術にを盛んにした点からいってもルートヴィッヒ1世の方が活躍したと思われます。

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★ ミュンヘンフィルハーモニー管弦楽団 ( ガスタイク文化センター )
マリエン広場で仕掛け時計が始まるのを待っている間に、夫がコンサートのチケットを入手してきました。19時開演。
ガイド本の情報が間違っていたので、トラムの路線を探すのにひと苦労。
コンサートの前に軽めの夕食。だんだんさっぱりしたものが恋しくなります。「寿司」の看板を見つけて入ってみたものの、内陸の土地で魚は大丈夫???と、結局はラーメンを注文しました。
テイクアウトもしていて、巻きずしを買いに来る青年や若い女性が印象的でした。ミュンヘンでは寿司が人気があるのが実感でき、日本の食文化の広がりを誇らしく思いました。店内でも「寿司」「味噌スープ」「ラーメン」が人気があり、上手にお箸も使っています。でも奇妙な味でラーメンとはいいがたいものでした。オーナーは日本人かと思いましたが、中国語を話していました。

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ホールは2387席で巨大です。ステージから緩やかに広がる放射状の客席はほとんど満席。観客はきれいなドレスや宝飾を競い合うというのではなく、心から音楽を愛し楽しむのがよーく伝わってきました。堅実なドイツの一面を見たような気がします。子供の頃からいつも音楽が傍にあったということでしょうか。若い人よりも年配の夫婦が多かったように思います。
ブラームスをこんなに大きい音で演奏するのかと思いましたが、ホールの違いもあるのかもしれません。日本では演奏中は照明を落としますが、ここはずっと同じ明るさ。暗めの方が雰囲気が出ますが。
指揮者は若いフィリップ・ジョーダン。帰国してから調べるとウィーンフィルでも指揮をとるほどの精鋭のようです。どうりでミュンヘン市民のハートをとらえるはずです。
私のほうは、一日中歩きづくめ、立ちづくめでぐったり疲れていました。残り5席の時にやっと入手した当日券。せっかくのチャンスなのに睡魔は意地悪です。きっと愚かな東洋人と思われたかも・・・。

クロークで一番最後だったせいか、トラムの乗り場に行ったときは数名しかいません。タクシーもそんなに通っていないし。
巨大な席を埋めた市民のはやわざに意表を突かれた思いでした。


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ミュンヘン&チューリッヒの旅 2日目ー②

2012年11月14日 | ’12 ミュンヘン・チューリッヒの旅

★ ノイエ・ピナコテーク

Img_0611アルテ・ピナコテークと公園を挟んで向かい合って建っています
ここもルートヴィッヒ1世により開設されたものですが、戦禍を受け建て直されてモダンな建物になっています。
ゴヤ、モネ、セザンヌ、ゴッホ、ルノワール、クールベ、ターナー、マティス、ピカソなどなじみのある19世紀の絵画や彫刻の豊富なコレクションがまばゆいほどです。広々として明るいので、ゆったりと鑑賞できます。
朝からずっと立ちっぱなしでくたくた・・・。カフェでひと休みです。

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★ モダン・ピナコテーク

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ここは、アルテ・ピナコテークと道路を挟んで向かい合っています。アルテの2倍はあるという広々した建物で、吹き抜けのロトンドを中心に展示室があります。
現代アートというと難解な感じがありますが、ここは建物ごと鑑賞する感じで、楽しくなる美術館でした。
最初に3館共通のチケットを買ってしまったので、6時までにアルテ、ノイエ、モダンと3つも回る羽目になり、いささかくたびれました。


★ 食事
レストランはドイツ語のみ。仕方がないからガイドブックの写真を指差して注文すると、すぐわかってくれました。
うどんみたいなものは「プファンクーヘンズッペ」で、甘くないクレープを細切りにしたものが入ったコンソメスープ。南ドイツの名物です。
ミュンヘンを訪れたら絶対に食べたかったのが白ソーセージ。「ヴァイスヴルスト」と注文すると、お湯の中に漬けた白ソーセージ2本と小粒の岩塩をふった固いプレッツェルがセットで出てきます。甘いマスタードがよく合っています。フォークとナイフを使って皮を剥きます。隣のテーブルの人がプレッツェルはスープに浸して食べるといいと教えてくれました。
ビールは淡くて軽い「ヘレス」。これがあまりにもおいしかったので、他の種類を試すことなくこればっかりでした。
ドイツの人は、「おつまみ」もなくビールをがぶがぶ飲んでいるのをテレビで見ましたが、このビールならと納得できました。
旅の最初からあまり体調がすぐれなかったのですが、この食事で見事に回復しました!

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ミュンヘン&チューリッヒの旅 2日目ー①

2012年11月13日 | ’12 ミュンヘン・チューリッヒの旅

★ トラム
Img_0709_2まず観光案内で最新情報をキャッチ。といっても仕事人は夫。市内地図と路線地図をゲットし、トラムの乗り方を確認します。切符売り場で「パートナー3日間乗車券」を購入。€23.7。
これ1枚で二人が、トラム、バス、地下鉄に 3日間自由に乗り降りできる有難い切符です。市内を縦横に走っているトラムは路線も本数も多く便利な市民の足です。





★ 停留所

Img_0593_3Hマークが停留所。最初にトラムに乗るときに刻印機を通すと有効な乗車券になり、3日間自由に乗り降りできます。乗り降りの時にチェックがないので、無断乗車も多いのでは・・・と勘ぐってしまいますが、不正乗車が見つかれば多額の罰金が待っているようです。
「進行方向に向かって右のドアから乗る」に慣れないと、うっかり逆に向かってしまいます。





★ アルテ・ピナコテーク

Img_0600この美術館が今回の目的のひとつです。

ルートヴィッヒ1世は皇太子時代にローマに旅してルネサンスの芸術に心を奪われ、以来ミュンヘンを芸術大国にしようと壮大なロマンを持ちます。19世紀初頭に「芸術は万民の物である」との熱い思いから、ヴィッテルスバッハ家が16世紀から集めた名画を陳列するために美術館が建設しました。

テレビBS番組での解説がとても印象的でした。国王ルートヴィッヒ1世が暗号「メバト」と呼んで、20年の歳月をかけて秘密裡にやっと手に入れたという1枚の絵。それが、取引の金貨が一晩かかっても数え切れなかったというラファエロ「テンピ家の聖母」です。このエピソードに誘われてやって来たようなものです。
絵画がよくわかる方ではありませんが、絵の背後に隠されたエピソードや歴史が面白いのです。


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デューラー「自画像」と「四人の使徒」。アルトドルファー「アレクサンドロス大王の戦い」。
ネーデルランド、ドイツ、イタリア、オランダ、フランドル、スペイン、フランス絵画と一枚一枚が抱きしめたくなるような名画ぞろいです。ドイツ語のキャプションなので、せめて名前だけでもと「解読」しながらだからとても疲れ、途中のソファーに腰を下ろしながら時間をかけて回りました。
終わってショップに立ち寄ると、日本語版の画集が売っていました。先にこれを買えばもっと楽しく観られたはずです。残念。







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ミュンヘン&チューリッヒの旅 1日目

2012年11月11日 | ’12 ミュンヘン・チューリッヒの旅

 今回の旅の始まりは、テレビ番組「欧州 美の浪漫紀行」からです。スイスの小さな街ヴィンタートゥールの「オスカー・ラインハルト・コレクション・アム・レーマーホルツ」と、南ドイツのミュンヘン「アルテ・ピナコテーク」を中心に歴史と美術の街歩きです。

 一番困ったのは旅のいでたち。ネットで調べても一番知りたい服装のことはなかなか見つかりません。現地の10日間の天気予報では、0℃前後の時もあれば、16度の時もあります。薄手のコートにするかオーバーコートにするかは重大な問題なのです。昨年の同時期のパリは暖かくて、コートなしでもOKの日があり、セーターなど無駄になったためしがあるのです。

 ということで、いざという時はライナーとフードで対応できる合物半コート。セーター数枚、カーデガン1枚、ロングブーツ、カシミヤのショール、長袖ヒートテックのインナー、スパッツ、手袋、スカートは無しでパンツのみ。じんわりと効くスチームタイプの温湿布。
過去に、室内外の温度差に汗をかいて体調を壊した経緯も考えて、薄手のセーター、綿のカットソー、半袖のヒートテックと綿の半袖インナー。薄手のアクリルショールも準備。スーツケースの重さは13キロ。

 朝の早い便で福岡から成田に飛び、ANA 12:50発 に搭乗。席を立ちやすいように、ネットで通路側席を予約していたので、機内の飲み物は何でも安心してOK。

 さきほど昼食を食べたのに、離陸するとまもなく食事が出ます。添乗員さんが二人の年齢を見てか、「和食がお勧めです」・・・。この2,3日体調がよくなかったのでさっぱり系はちょうど合っていました。

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 食事が終わると、時計はまだ3時なのに、窓を暗くして強制的に「夜」が作られます。地球の自転とは逆方向に飛ぶので、「夜」どころか朝日を受けて輝いている雪原に脳はなかなか反応できません。人間の体に、作られた「夜」を演出するのはなかなか大変です。眠るか、座席のテレビを見るか、スポットライトで読書をするかの12時間の飛行です。

 映画を2本見ながらみかんを食べていると、「温かいお茶でもお持ちしましょうか」と、添乗員さんの気配りに感激です。ペットボトルのお茶でなく、お湯で淹れたお茶にホッと一息。作られた「真夜中」に、紙コップでなくプラスチックのカップでおいしくいただきました。

 日本時間の夜9時ごろなのに、今度は強制的に「朝」が作られます。「お早ようございます。よくお眠りになれましたか」、と朝ごはんが出てきます。朝から今日は何回食事をしたのだろう・・・・。ミュンヘンに到着したら、現地時間の夕飯タイムもあります。

飛行中にブーツを脱いでしまうと、むくんだ足にはファスナーが閉まらず履けない恐れがあります。だからブーツはずーっと履いたまま。このブーツ、旅にはとても快適で愛用しています。

ミュンヘン空港からミュンヘンのホテルまでタクシーで 25分ほど。料金はバックミラーの左端に表示され €62.1。ユーロ以下の端数は切り上げるので €63 になり、それにチップを €2 プラスして €65 払いました。これがタクシーの普通の乗り方のようです。(  €1=¥107  )
電車も便利で安くで40分ほどで着くようですが、2個のスーツケースを転がして移動するのは大変に思いタクシーにしました。入口が3か所あり、初めて降り立つ駅にしては難儀だったと思います。

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 ANAのサイトでとったホテルは、清潔さも広さも対応も、口コミ以上に快適でした。駅まで歩いて7,8分。一番賑やかなカールスプラッツのトラムの駅までも12,3分。徒歩でアクセスがいいのは旅行者には一番嬉しいところです。

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いたるところに花がお洒落に飾られているので、つい評価も高くなります。

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