新・遊歩道

日常の中で気づいたこと、感じたこと、心を打ったこと、旅の記録などを写真入りで書く日記です。

オープン!九州国立博物館

2005年11月21日 | 本・新聞小説

九州国立博物館が、国内4番目の国立博物館として太宰府に誕生しました。「日本文化の形成をアジア史的観点から捉える」というコンセプトで、開館記念特別展『美の国日本』が開かれています。kyukokuhaku

福岡市博物館がすでに存在し、国立博物館の設立には賛否両論かまびすしかったけど、いざオープンしてみると、特別展の内容は予想をはるかに越えて、国宝、重文クラスがずらりとそろい、素晴らしく見ごたえのあるものでした。

日本と中国からの3個の金印、慶州国立博物館からの金冠、正倉院御物、永徳の「洛中洛外図屏風」、大和文華館からの「松浦図屏風」、唐獅子図屏風、伝橘夫人念持仏および厨子・・・等々120点あまり。とてもとても3時間では見きれるものではありませんでした。

中国、韓国からの貴重な出品も数多くあり、文化的な交流はギクシャクしてないことが読み取れ嬉しく思いました。

この中で『井真成墓誌』がとても気になりました。墓誌は昨年秋に発見されたものだそうです

キャプションによると、井真成は阿倍仲麻呂、吉備真備らとともに遣唐使として渡唐、そのあと請われるままに唐に残り、明晰な頭脳で玄宗皇帝のもとで活躍。位階も高く、日本に帰ることなく17年間の唐滞在中に36歳でなくなったとか。

それが以前に読んだ辻原登「翔べ麒麟」kirin (上・下)を彷彿させるものだったので心が騒いでしまいました。芥川賞受賞作家の本ということもあって、読みごたえがあります。

遣唐使として唐にわたりながらも、望郷の念を抱えて大唐帝国の高官として力を振るった若き留学生たち。帰国して豊富な知識で活躍した人たち。鑑真など唐の知識人を連れ帰った人たちなど、当時の国際人の活躍に思いを馳せ、異国の地にロマンを求めて、今また読み直しているところです。

井真成に関するTV放映の情報が入りました。

12月11日(日)NHK 新シルクロード第10集

12月12日(月)TBS NEWS23』

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カスタードプリン

2005年11月11日 | 食・レシピ

卵は、原則として毎日一人1個ずつ摂るようにしていますが、気候の変化や外出が続いたりすると、卵と牛乳が大量に余ります。

そんなときは仕方がないから、大たいはカスタードプリンになります。

卵6個、 砂糖は控えめに120~140g、 牛乳800ccで、050820_002 写真の分だけできます。

キャラメルシロップは、砂糖60gと水大匙3をレンジで5~6分。レンジから目を離さないようにして、色がつき始めたら手速く取り出して、大匙3の水を入れてかき混ぜます。

この方法は、鍋を使うより簡単にきれいにできます。何回か作って自分のレンジのクセをつかんだら、ほとんど失敗はしません。

最後の水を多めにして、パンナコッタなどにかけるソースもつくれます。

こんなに大量にできると、二人では多過ぎます。最後は冷蔵庫の中でプリンが干からびて凹状態になり、やっぱり口に入ることなく寂しい結末になることもあります。

何でもほどほどが一番いいようです。

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iPod nanoのプレゼント

2005年11月07日 | 音楽

子供たちから年齢に不相応なプレゼントを受けました。ipod 4 ×9 ×0.6の薄型のiPodです。

iPodやiTunesは、最近とみに耳にするようになっていましたが、私とはほど遠い若者の世界のものだと思っていました。

2年前からMDウォークマンを使い始め、やっと慣れてきたし、それで十分事足りていました。

子供のころには手廻しの蓄音機がありました。それからプレーヤーやラジカセへ。レコードからテープへ。更にCDからMDへ。そして今度1000曲も入るiPod nanoへ。世の中こんなに目まぐるしく変わっていいのでしょうか?ケニア環境副大臣・モータイさんの「もったいない」が聞こえてきそうです。

が、使い心地はなかなかのもの。音もクリアで何しろ軽いのです。今モーツァルトのK299が軽快に流れています。

パソコンのiTunesに音楽を集め、それをiPodに転送し、再生はホイール部分を軽くなぞるだけ・・・?それだけではありませんが、オールカラーの分かりやすい解説の本まで付けてくれたので、多分大丈夫だと思います。

ここは素直に子供たちに感謝したいと思います。若返ることも宣言して!

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フィルハルモニア・アンサンブル・ウィーン

2005年11月04日 | 音楽

ween 旅行前に、友人からコンサートのチケット2枚が舞い込んできました。

なんと『ウィーンフィル首席奏者たちによるピアノ五重奏』と願ってもないコンサートです。芸術の秋の「音部門」の嬉しいスタートになり、夫といそいそと出かけました。

演目も一部はマーラー、ベートーベン。二部はシュトラウスとシュトラウスⅡのポルカやワルツでおなじみの親しみのある曲でした。

ピアニストはウィーン在住の日本人、ヒロコ・サガート。コントラバス奏者がミラン・サガート氏だからキットご夫婦だったのでしょうか。

フルオーケストラと違ってアットホームで、ちょっとリラックスして聴けて、室内楽はなかなかいいと思います。

会場も広からず狭からずのいい感じでしたが、コンサートの最中にコントラバスではない音が・・・。「ん?あれは地下からの通奏低音・・・?」。とっさに演奏者に申し訳ないと思ってしまいました。そういえばこの真下に地下鉄が走っていました。ウィーンウィルのメンバーともなれば、こういう会場で演奏することはあまりないと思います。

ウィーンの人はなかなか大らかなのか、そんなことには気にも留めずに、時にはひょうきんな仕草でバイオリンを弾いたり、表情で合図したりと、観客に楽しむ機会を与えてくれました。きっと音楽を愛する人を愛してくれたのでしょう!ウィーンの風を有難うございました!

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アムステルダム国立美術館展

2005年11月02日 | 美術館&博物館

今度の旅行の目的は、この美術館賞と熊野古道で、兵庫県立美術館には初日に行きました。

アムステルダム国立博物館の大規模な改修にあわせて計画されたというこの展覧会は、世界を巡りますが、日本では神戸のみの開催です。

オランダ17世紀絵画の名品と工芸作品93点を8つのテーマに分けて分かりやすく展示してありました。

フェルメールの「恋文」は、過去国内の展覧会で見たフェルメールの絵では8枚目koibumiになります。

画面の両端を大きく切り取った部分に手前の部屋を描き、真ん中の3分の1のスペースに開いたドアから奥の部屋を覗く感じで描かれています。

左上から差し込んだ光で、二人の表情と「恋文」の物語の一コマがいっそう際立って見えます。

手紙と背景の絵の海に浮かぶ船がこの絵の謎解きだとか。当時は場面の面白さだけでなく、隠された道徳的なメッセージの意味を解くのも、絵を鑑賞する楽しみだったそうです。

orannda

レンブラントの「青年期の自画像」は最も早く描かれた自画像のひとつで、顔面を覆う明暗には、光と影の描写に対する関心がすでに見えています。

髪の毛を絵筆で引っかいた表現には、思わず手で触りたくなるほどのリアルさがありました。

常設展示室では、金山平三、小磯良平、劉生、ロダン・・・など国内外の絵と彫刻が展示され、兵庫県立美術館の収蔵品の秀逸さと多さに驚きました。

おすすめは、1Fのカフェ・フォルテシモのフルーツカレーで880円。この値段でこの美味しさ!口コミ情報に感謝しています。

三日目は、051027_029 和歌山から、橋本、極楽寺経由で急勾配を一気に高野山へ。標高1000m。木々も空気もさながら霊場にふさわしい厳かさの中で、雨傘をさしての観光になりました。が、高野山には雨のうっとうしさを打ち消す神秘さがありました。

参道のはっとするほどの紅葉に、みんな息を呑み写真の撮りまくり!

世界遺産への年来の希望が叶えられたし、生マグロに舌鼓をうち、よくしゃべり、よく笑った気のおけない仲間との旅でした。

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熊野古道へ

2005年11月01日 | 国内旅行記

平成16年に世界遺産に登録される前から、熊野古道の名が取りざたされるようになり、霊場の香強いこの地をあこがれの思いで見ていました。それが、気の合った仲間と、関西旅行に組み入れることでめでたく実現しました。

熊野古道とは、簡単に言えば熊野三山(熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社・那智山青岸渡寺)に参詣するための参道だと理解しています。地図を見ても、一月以上かけないと、とてもとても全部のコースは歩ききれないと思います。

051027_008 私たちは、勝浦に宿をとり、翌朝那智駅前から那智大社に向かってスタートしました。

計画の全行程7.4kを歩くか、途中までバスで行くか迷っているうちに、やってきたバスに飛び乗ったために、半行程を歩き損ねてしまいました。

しかしメインの大門坂からは、予約していたガイドさんと一緒にほとんど階段状の道を「古道」を実感しながら歩きました。頼りは大腿四頭筋だけ!みんな頑張りました。

051027_012 神々が宿る荘厳な山。千年杉、中が空洞になった老木、どれだけの人力を必要としたのだろうと思われる石畳の道と階段。参詣した当時の人の心に思いを馳せながら上りました。

那智大社、青岸渡寺は、神仏混交で並んで建っており、参拝の仕方をその都度変えるのに戸惑いがち・・・。なるほど日本人はおおらかなんですね~。

那智の滝を木の間隠れに見ながら、展望所に下り立ちました。原生林を突っ切って流れ落ちる滝には、御神体としての神聖さと厳かさがありました。051027_018

自然と人との深い関わりのなかで形成された文化的景観を、現在まで大切に伝えてきた日本人の心に改めて感銘を受け、誇りにも思いました。この世界的な遺産は、将来へと護り伝えていくべきだと思いを新たにしました。

勝浦は温泉と漁業の町で、生マグロの水揚げは日本一とか。マグロ定食が1050円。驚くほど格安で美味しくて、みな満足でした。

         

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