新・遊歩道

日常の中で気づいたこと、感じたこと、心を打ったこと、旅の記録などを写真入りで書く日記です。

「第12回 世界の帆船模型展」ー福岡市美術館

2010年03月31日 | 乗り物

Hansen_009_2Hansen_010_3 夫宛ての「世界の帆船模型展」案内のハガキをポストに見つけた私が、まず心を躍らせました。塩野七生氏の本で必ず取り上げられた帆船です。ヴェネチアのガレー船に対してジェノバの大型帆船は挿絵ではよく見ましたが、この模型がまじかに見られるとなると胸が躍ります。さっそく出かけました。 福岡市美術館、4月4日まで。

大砲、砲門、ガラス窓のついた舷窓、ロープ、ボートのオール、鋲・・・など細かいキットが本物のように備えてあります。○○分の1という、小さくても本物そっくりというところに見る者の夢が膨らみます。組み立てるときは、外板を水に漬けて曲げ、乾かし、一日に一枚ぐらいの速度で張り合わせてゆくという根気と、手仕事の細かさに心から敬意を表しました。

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「艫の飾りの豪華さはさながら動く宮殿のようですね。」といったら、製作者の方が説明されたことには、「船底の曲がり具合にちょうどぴったり合った木を探し、かき集めて、相当な時間とお金をかけてつくったそうです。まさに宮殿です。」船を作るための木を切りまくったので、イギリスは一事は山が裸同然になったとも。

面白いのは、左舷に突き出たかわいい樽に「???」。説明を聞くと、それはトイレ。実物は直径約80センチの樽で、一人がしゃがむのにちょうどいいサイズ。底に長方形の穴があり、そこから海に・・・という具合でまさに「海洗トイレ?」です。

左上は17世紀、ブランデンブルグ「ベルリン」。 右はオランダ、17世紀「フリースランド」。  下段左は骨組みの造船段階の模型。その右の赤い十字の帆船は、コロンブスが初めて大西洋横断航海をした「サンタマリア」です。眺めている少年の顔がいいです。きっと夢がいっぱいだったことでしょう。

Hansen_002 左は新日本丸です。現在も商船大学などの練習船として活躍中。旧日本丸は横浜の港に保存されており、中に入って見ると、冒険でもするかのようにわくわくして見たのを覚えています。

2月にアメリカで最先端技術のロケットを見てきたばかりだから、この人の温もりが感じられる帆船がとても新鮮に見えました。宇宙へ飛び出すことが人類の進歩のように思われますが、この布を張った船が世界を駆け巡る能力をもっていた時代があったからこそ、今のロケットにまで行き着いたのです。人類の歩みは面白いし、興味が尽きません。説明もついて、とても楽しい展覧会でした。

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ちょっと寒い春の庭

2010年03月30日 | ガーデニング

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年々手抜きになっていく庭。春なのに、冷たい風が身にしみます。

スナップエンドウがやっと実を付け始めました。収穫が先か、ゴーヤ優先のために根こそぎ引き抜かれる運命が先に来るのか・・・。

ところで、スナップエンドウ?スナックエンドウ?   耳にするのはまちまちですが、調べてみると農水省は「スナップエンドウ」に統一したとか。英語では「snap pea」「sugar snap pea」だそうですから。 ビールのつまみにも合うし、私としてはつい「スナックエンドウ」と言ってしまいます・・・。

この3カ月生ごみを埋めてせっせと土壌づくりに励んでいますが、気温が上がらなくてなかなか分解しません。段ボールコンポストも夏から半年かけて作りました。今年もゴーヤを植える予定で、ネットだけは早めに購入しています。

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クリスマスローズ

2010年03月26日 | ガーデニング

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久しぶりに帰ってきた庭には、例年になくクリスマスローズが咲き誇っていました。白、クリーム、ピンク、赤。

一緒に植えていると、色の区別がつかなくなるほど影響しあう気がします。真夏には、ちょうどゴーヤの内側になるように工夫しているので、直射日光を浴びずにすみ、それが花にとっていい環境なのかなと思っています。

花の向こうの春菊。間引くのがもったいなくて出来る限り成長させました。今でもかなりの収穫があります。あとはスナップエンドウ。今白い花盛りですが、4月半ばにはゴーヤのために土壌を整えなくてはなりません。実の収穫を見る前に引き抜いてしまうことになるでしょう・・・。

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米国の旅⑨ ゴルフの殿堂へ

2010年03月26日 | '10 ワシントン、フロリダの旅

America_493_2  オーガスティン最後の日は、遠回りして高級住宅地を見てから World Golf Villageに向かいました。World  Golf Hall of Fame、「世界ゴルフの殿堂」を見学するためです。

Augustane5 殿堂は、世界中のゴルフ組織が協力して設立したものです。ゴルフ界に大きな貢献があった人や顕著な活躍をしたプレーヤーを称える殿堂は、ゴルファーにとっては最高の名誉です。日本からも青木功選手、樋口久子選手、岡本綾子選手が殿堂入を果たして、そのレリーフや個人のロッカーには思い出の品が納められています。

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Villageは、大きな池の周りに、ゴルフ場、殿堂、ホテル、ショップ、、レストランなどがありますが、人出でも少なく不況の様を見た思いです。ワシントンの飛行場でちょうどウッズの記者会見のテレビが放映されていました。ゴルフ界も早く元気になるといいのですが。

日本に帰ったときに、日経新聞「私の履歴書」はちょうど青木功氏が執筆していて、この「堂入り」のところでした。

America_323フロリダのナンバープレートも、いろんなデザインのものが走っていて面白いのですが、何しろスピードがありすぎてなかなか写真が撮れません。イルカやロケットのも見ました。日本もこれくらいデザインがあると楽しいですが。

バスは少ないのですが、スクールバスだけはたくさん走っていました。道路はスクールバス優先だとか。

America_489 大西洋です。はるかかなたにヨーロッパがあるはずです。砂がきめが細かくてサラサラしていました。ちょうどゴールドコーストの砂に似ていて、あそこほど砂浜の手入れが行き届いていたら、きっと「鳴き砂」になることでしょう。

珍しい体験や心にの残る思い出を胸に11日間の旅が終わりました。フロリダに移ってからは、休暇をとった息子がずっと案内してくれ楽しく過ごすことができました。彼のチョイスに感謝しつつ、シカゴで乗り換えて成田に向かいました。

息子の家の玄関を出るときに「心残りはない?」と聞かれて、「あのスパで一日ゆっくりできなかったことがちょっと心残りかな・・・。」

もう一度米国を訪れボストンを回りたい・・・と心の奥で願い、「See you again.」のagainに希望をつなぎました。

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米国の旅⑧  セント・オーガスティン

2010年03月22日 | '10 ワシントン、フロリダの旅

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2日目は、朝から夕方まで歴史地区の街歩きです。写真は19世紀、大富豪フラグラーが建てたホテル。現在はフラグラー大学になっています。ロビーの豪華さは宮殿そのもの、その華麗さに息をのみます。写真は2階の旧大広間。なんと今では学生食堂で、椅子、テーブル、ステンドグラスがすべてティファニー製とか・・・。世界一贅沢な大学かもしれません。このようなところで、山盛りのポテトチップスをバリバリと食べ、コーラを飲むのです・・・。

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①まるで満開の桜のようですが、名前は不明。②やはりフラグラーが建てたもう一つのホテルが今はライトナー博物館になっていて、明治時代の日本のマッチのラベルのコレクションがありました。③スペイン風の庭。④木造の建物は、1750年ごろ建てられた最古の教室。⑤名前の刻みこまれた煉瓦の歩道が印象的でした。⑥難攻不略といわれているサンマルコス砦、ここオーガスティンの始まりです。真ん中に広場があり、周りに古いチャペル、兵士の宿泊所などがあり、小型の大砲もたくさんありました。なかなか興をそそる砦で、見る価値が十分にあります。

America_485_2一日中歩き回った私たちは、部屋にこもりっきりでパソコンとにらめっこをしていた息子と夕食だけは一緒にしました。休暇がとれたといえども、どこまでも仕事が追いかけてくるのは日本人の特徴でしょうか。

昨日はパエリア、今日はジャンバラヤ。やはりお米の料理にすぐ目がいきます。

ブルーのマルガリータが、ここでもおいしかったです。

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米国の旅⑦ セント・オーガスティンのB&B

2010年03月21日 | '10 ワシントン、フロリダの旅

オーランドから200キロの北に位置するセント・オーガスティン。ずいぶん以前にここを訪れたことがある夫の希望と、アメリカには珍しいヨーロッパ的な町の名前に惹かれてここを選びました。2泊3日の小旅行です。

セント・オーガスティンは1513年にスペイン王室の命を受けたポンセ・デ・レオンが降り立ったことから始まります。1565年にはスペイン艦隊が砦を築き、フランスの襲来を駆逐したり、英国の統治になったり、再度スペイン統治に。そして南北戦争にかかわったという変遷を経ています。だから今でも古い町並みとスペインの香りが残り、何となく「小京都風」の小じんまりした雰囲気がただよっています。アメリカにこのようなところが存在することが新鮮でした。

この歴史地区には、家族的なB&B(Bed&Breakfast)がぴったりということで、Carriage  Wayを息子が予約していました。B&Bの部屋数はおおむね5~10。自分の大切な家に来客を迎え、誠意をもって厚くもてなす・・・それがこの地区のB&Bの特徴のようです。幼い子供はお断り、2連泊以上、キャンセル条件は厳しいという割には、宿の予約がいっぱいのようです。アメリカの初期を思わせる家の造りも大変気にいりました。

Img_1097_2Img_1049America_331朝食は、焼きたてのパン、手作りキッシュ、手作りジャムなどの温かいもてなしで、お昼には手作りのケーキやクッキーが用意され、散策の合間に食べに戻ったりワインを飲んだりと、さりげない心配りが心地よく感じられました。2LDKのコテージタイプで、家のキーを渡され、3日間の我が家になりました。素敵なアンティークの調度品、ジャクージつきの3つの風呂がリッチな気分にさせてくれました。

Augustane4_4 セント・オーガスティンは小さな町なので地図を見ながらぶらぶら歩きが楽しめます。

中心部は歴史地区。アメリカ最古の堅固な砦、シティーゲート、スペイン植民地時代の家並み、セント・ジョージ通り・・・、歴史が静かに匂う町です。

Oldest Schoolのように、1700年代の半ばに建てられた最古の学校はその質素さが印象的でした。

フラグラー大学は、19世紀に大富豪がお金にあかせて作ったホテルを大学に改装したもの。館内ツアーがあるので、見逃さないようにしました。

ライトナー博物館も、フラグラーが作ったものを、シカゴの億万長者ライトナー氏が買い取って博物館にしたもの。芸術品から石器までバラエティに富んだコレクションです。

観光用のトラムや馬車がのんびり走っていますが、歩いたほうがだんぜん楽しく、観光写真の背景にはぴったりです。午後大まかな下調べをして、見学は翌日に回しました。

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夕食は、スペイン料理のレストラン、コロンビアへ。雰囲気もよくかなり知られているお店です。パエリア、シーフードの文字に心が躍ります。ハンバーガーばかりが目につくアメリカでほっと一息。サングリアのフルーティな香りもおいしかったけど、塩をなめながらのマルガリータは最高!

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米国の旅⑥  ケネディ宇宙センター

2010年03月20日 | '10 ワシントン、フロリダの旅

人類が初めて宇宙に飛び出してから半世紀。科学の進歩の象徴として世界中の注目を集めてきた宇宙センター。アポロを月まで送ったサターンV型ロケットやスペースシャトルの打ち上げ基地があります。最初から旅のスケジュールに入れていました。

オーランドから80キロほど。例によって道路の路肩は芝生で手入れされて美しく、ゆるぎない車社会を目の当たりにします。

センターの敷地は広大すぎて、専用バスを使ったオプショナル・ツアーが効率的です。LC39発射台とサターンVセンター見学が入って3時間余の行程。料金は38ドル、事前にネット予約をしてくれたのですんなり入れました。

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左はロケット組み立て工場。その巨大さにはびっくりします。何しろロケットを立てて組み立てるのですから。右がLC39発射台。ギリギリのところまで近づいてれますが、すぐ傍までというわけにはいきません。今でも使われている発射台です。発射台に続く道路はロケットを運ぶためのもので、舗装でなく砂利を敷き詰めたものでした。

敷地内は生物保護区域になっていて、細い川には小型ワニや珍しい鳥がいて、バスの中でガイドさんが大声を出して教えてくれます。野生動物と最新鋭技術が調和を図っています。

サターンVセンターはツアーのハイライト。Vサターンの実物の迫力には感動しました。ロケット打ち上げの映像が再現され、発射時にはその衝撃までも体験できます。

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アイマックス・シアターでは、5階建てという巨大なスクリーンで映画が上映されます。月面着陸の様子が3Dでリアルに描き出されます。ハリウッド映画も然りですが、今やアメリカのお手のものです。

ワシントンの航空宇宙博物館でも、ディズニーワールドエプコットでも、そしてケネディ宇宙基地でも、見たり聞いたり疑似体験したりと、同類のものだったので、あとで思い出すときにかなり混同してしまいました。

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米国の旅⑤ ディズニー・ワールド・・・エプコット

2010年03月16日 | '10 ワシントン、フロリダの旅

Mikky2_2 オーランドから30キロのところにWDW、ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートがあります。ぜひ行きたいところではないけど、話の種にということで行きました。

山手線内の1.5倍の広さに4つのテーマパークがあります。1週間では消化しきれないほど内容が豊富。一日ひとつのテーマパークが妥当とことで選択に迷います。近未来の世界を体験できるフューチャーワールドと世界の文化を体験できるワールドショケースをもつ「エプコット」を選びました。1日チケット79ドルは高すぎ・・・。

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America_223_4 人気のあるアトラクションは90分、60分待ち。ここで「知っ得」なのがファストパス。各アトラクション入口にあるファストパス発券機に自分の入場券を挿入すると、予定入場時間が刻印されたパスが発行され、その時間に行けばほとんど待たずに入場出来ます。ソリアンとミッションスペースとテストトラックのパスを入手、それでも5時間後・・・。でもその5時間が有効に使えます。

ソリアン」は、座席が12mも上昇し、目の前に広がる巨大なスクリーンにはカリフォルニアやヨセミテの雄大な自然や、美しい夜景が映し出されれ、その上空をまさに飛ぶ・・・という体験です。感嘆のどよめきが聞こえます。今日はここだけでいいから何度も体験したい・・・、そんなアトラクションでした。

ミッションスペース」は、火星への宇宙飛行体験。宇宙船に乗り込み大気圏脱出にかかる“G”に耐えながら、英語で与えられた「指令」に合わせてボタンで任務遂行・・・。とても私には不可能なことです。人気のアトラクションでした。

テストトラック」は、GM提供の新車開発の走行をイメージした、ディズニーの中で最速、最長のアトラクッションです。実際に傾斜50度を走ったり、零下の世界、霧の中、急カーブをはしったり・・・となかなか楽しませてくれました。

ミクロ・オーディエンス」は、3Dメガネをかけて見る体験ムービー。ハプニングで何万というネズミが画面から逃げ出し私の足にぶつかり、その感触に思わずキャーッ!。もちろん映像の世界の中ですが、そんな皮膚までを刺激するリアル体験でした。

どれも各分野をリードする企業の最先端技術を使ったものです。ちょうど万博やアジア博の超豪華版といった感じでした。

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ショーケース・プラザ」には、ラグーンをとり囲んでメキシコ館、ノルウェー館、中国館、ドイツ館、アメリカ館、日本館、モロッコ館、フランス館、イギリス館、カナダ館があります。各パビリオンは丁寧に造られ、各国料理、ショッピング、ライブエンターテインメントが楽しめます。イタリア館で昼食。パビリオンは外側から見るだけでも充分楽しめます。いきなり宮島の赤い鳥居が見えてきたときはびっくり!

暗くなり、少し寒さが出てきたラグーンのそばに陣取り、最後の花火ショーまで見ました。15年前のカリフォルニアのディズニーランドよりは、ずっと見ごたえ手ごたえがあり、大人でも十分に楽しめるディズニーでした。「話の種」でよかったのが、どうやら種から芽が出たようで、入場料は取り戻したというところです。

Nabe_007 帰りにモールに寄りました。ずっと欲しかったル・クルーゼの鍋。ほかにストーンウェアも買ったのでかなり値引いてくれました。日本なら3万円代が1万円代で買えるのです。日本では手に入らない価格が、欲しさに拍車をかけました。4.3キロ26センチの鍋は、帰国時のスーツケースの詰め込みにかなり苦労しました。

一度はキッチンに置きたかった鍋。蓋はフライパンにもなり毎日使っています。片手鍋のはずが両手を使って料理をしています。この重さ、いつまで使いこなせるでしょうか???

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米国の旅④ フロリダ

2010年03月13日 | '10 ワシントン、フロリダの旅

4日目はフロリダのオーランドへ向かうためダレス空港へ。心配していたスーツケースの23キロに数百gを残して係員の「パーフェクト!」の声が。件のレトルトカレーは、国内移動での食品はノーチェックだから安心してフロリダに向かいました。

オーランドは、世界最大のアミューズメント・リゾートディズニー・ワールドを控えています。各地から人が集まるその空港で無事に息子と会えるかしらと心配していましたが、米国の空港はおおむね日本ほど混雑はなくすんなり会うことができました。

オーランド空港はさすがにおとぎの国を思わせるような設えがそこここにあって明るい雰囲気です。ワシントンとは10度は違う温度差。オーバーコートを脱いで、ジャケットも不要なくらい。重宝したロングブーツを低めのヒールに履き替えて、今日から身軽ないでたちになりました。

Img_0867Img_0828Img_1020 アメリカの家庭を初めて内側から見ました。主婦は内外を問わず、日常の生活がどんなふうに営まれるかにとても興味と好奇心があります。生活スタイルは日本と似ているようなものの、天井が高くてセントラルヒーティングで、部屋ごとの調節はありません。真夜中の無人のリビングも暖房が効いています。ベッドルームごとにバス、トイレ、洗面台があり、さすがに個人を優先する国だと実感。このスペースがあったら、日本だったらもう一部屋…と思ってしまいます。

驚いたのは、ごみ処理。生ゴミも、紙屑も、ペットボトルも瓶も、とにかく何でもゴミ袋に入れてドアの前に置きます。排水口に残ったごみは、ディスポーザーのスイッチを押せば、粉々になって下水に流れます。管理の人がごみ袋の収集に来て、そのあとでどういう処理が行われるかは定かではありませんが、日本の主婦からすれば、恐ろしいくらい節約心とエコの心がなく不安になってしまいます。本人も日本ではごみの分別をしていたので、最初は戸惑ったようです。サラリーマン川柳に『節約と 人には言わず エコと言う』というのがありましたが、この素晴らしい見栄っ張りこそエコの真髄でしょう。

公共の道路も敷地内も道路も土が見えずすべて芝生仕様で、環境抜群清潔さ抜群ですが、夜間のスプリンクラーの分担代が水道代より高くつくということです。敷地内にはスパがあり、トレーニング器械、プール、バーべキュー施設、飲み物コーナーや巨大なテレビの休息室があり、24時間自由に使えるということで、丸一日ここでのびりできなかったのが心残りです。 

America_216America_212Img_0803 夜にNBAのバスケット観戦をしました。オーランド・マジック VS ダラス・マベリックス。アメリカはオリンピック開催中にも関わらず放送しているのはNBCくらいで、日本ほど大騒ぎはしていません。むしろ野球とバスケットの放送番組が多かったのが印象的です。

バスケットはくわしくはありませんが、テレビの映像で見るNBAの試合を目の当たりにするとその雰囲気にのまれてしまいます。歌手による国歌斉唱、チアガールやきびきびした動作が美しい海兵隊の閲兵式、チームのマスコット人形がリモコン操作で会場を飛んで回ります。ホームでは、相手チームのフリースローともなれば、2本の風船をたたいてブーイングを起こして妨害します。これも行事のうち、陰湿さはなく楽しいです。やはり国民をあげてのお祭り…という感じでした。

試合が終わり、少し離れた駐車場に向かう時に貨物列車が通っていました。車に乗って走り出していてもまだ列車が続いています。息子が言うにはオレンジを運ぶ貨物で長さが1キロ近くあるのでは・・・。一体機関車を何台使っているのでしょう。踏切は当分下りたままなので迂回して帰りました。全体を見まわしたら壮観でしょう。そんな長ーーーい貨物列車を真昼の明るいところで見たかったものです。

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米国の旅③ フィリップス・コレクション

2010年03月07日 | '10 ワシントン、フロリダの旅

アメリカの首都、同時に国際政治の中心地ワシントン。毎日テレビで目にする特派員報告の背景は今白一色。その北西部にあるフィリップス・コレクションがこの日の目的地です。地下鉄で5つ目ぐらいなのに、ここはイギリスを思わせる建物が立ち並んでいます。

America_173 鉄鋼業で財をなしたフィリップス家が、芸術を愛する心と家族の深い絆を形にした美術館です。“家庭的な雰囲気の美術館”をモットーに、かつて住んだ邸宅がそのまま美術館になっており、優雅な屋敷に招かれたような気分でソファーにくつろいで鑑賞できる贅沢な空間です。別館は親交のあった日本人、郷夫妻の寄付になるということを初めて知りました。

この美術館はかつて講談社が出した「La muse 世界の美術館」全50冊に入っているのでどうしても訪れたかったところです。19世紀の元気のいいアメリカの富豪がこぞって西洋の絵を買い求めたので、かなりの印象派の絵がアメリカにあり、ここもその一つです。

America_126America_132America_152_3America_161 2時間あれば鑑賞できます。ニューヨークにあるフリック・コレクションもそうでしたが、邸宅に飾られる美術品の数はちょうどよくて、邸宅の調度品や雰囲気と相まって「観たー!」という実感と充実感があります。

America_176 地下鉄で、国会議事堂とワシントン記念館を結ぶ美しい地区モールへ。ここにはアメリカの誇りともいえる美術・博物館がひしめいていいます。選んだのは東洋美術の宝庫といわれているフリーア美術館。快慶、宗達などはあったものの観客も少なく低調気味・・・。でもここで重大な見落としをしていたのです。必見の「孔雀の間」。

入り口のポスターを見ていながら、午後の集中力が欠けていたのと、日本美術とは離れて奥まっていたのと、次の航空博物館のことが頭にあったからです。今回の最大のミスでした。もう再び訪れる事はないと思うと悔しさが募ります。

America_190 次は宇宙博物館。国立とあって、この一帯は入館無料。きっちり5時閉館だからゆっくりは観れません。

初期の宇宙服は意外にシンプルでこれでいいのかと不安になったり、平日なのに家族で楽しんでいいるさまが印象的でした。

自然史博物館で恐竜の骨も観たかったけど、スミソニアンの文化機関を見るのには1週間はかかるとか・・・。アメリカらしいユニークなミュージアムが多過ぎて選択に迷いましいた。

夕食は中華街のレストランで。ここには必ずチャーハンがあるので、お米が恋しくなるとしぜん「中華」の選択になります。そういえばブリュッセルでもそうでしたが、帰国すれば、なぜ中華なんか・・・、もっと他のを食べればよかった・・・と悔みます。お店の中はアメリカ人でごった返していました。割安だし、おいしいから中華は今やアメリカ人の国民食?と思うほどです。

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もうひとつ見るべきところを思いだして、夜8時だというのにタクシーを飛ばして見に行きました。それは★★★★★のウィラード・コンチネンタルホテルにあるという日米修好条約批准のときの銅版画です。

安政7年ポーハタン号に乗船して派遣された遣米使節団で、護衛船「咸臨丸」も同行しました。そのときの正使新見豊前守に夫が関係があるということで、夫は必見のようでした。銅版画そのものは展示されていませんでしいたが、アメリカ史を見続けてきた老舗ホテルとしての歴史の展示室があり、その壁に写しこまれていました。

当時の新聞でも大きく報道されて、ホテルのワンフロアーを借り切ったり、厨房を借りて使節団の胃袋を賄うべく日本料理をしたとか。幕末という特異な時代の中で、世界に飛躍しようとした日本の姿を垣間見る思いでした。

ニューヨークと違いワシントンの人は総じて親切でした。地下鉄を出て地図を上下に動かしながら場所を確認していると、親切に声をかけてアドバイスしてもらったことが何度かありました。パリの16区でも同じような親切を受けたことがあります。その場所や、心のゆとりもあるのでしょうが、無関心と心にかけてくれる事の違いの大きさ。人柄やその土地の格が表れる気がします。

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米国の旅② ナショナルギャラリー

2010年03月03日 | '10 ワシントン、フロリダの旅

America_033朝のホテルから見た景色はヨーロッパ風で、アメリカにいることを忘れてしまいそう。

ワシントンの地下鉄は最も安全な乗り物と聞いていたので、ダウンタウンのギャラリープレイス駅の近くにホテルをとりました。路線図の分かりやすさは東京の地下鉄とは雲泥の差で、滞在中の移動はすべて地下鉄ですみました。

駅に向かう途中に「中華粥」の文字を見つけて早速朝食を。台湾の雑然とした街の食堂を思い起こすような食堂で、ドアを押すのにちょっと勇気がいったものの味は抜群。丁寧にとったスープの牛肉粥なのに5.5ドルの低価格。ワシントンにはそぐわないような店の設えなのに、頑固なまでに腕にこだわるコックさんの心意気に拍手です。アメリカ人にもかなり定着しているのは、味と低価格のせいでしょう。

America_037ずっと行きたかったワシントン国立絵画館。緑豊かな公園地帯に建つ新旧2つの白大理石の建物です。歴史の浅いこのアメリカで、メロン財閥の巨大な富がコレクションし、美術館を作り、それを国に寄贈した・・・。さながらに“アメリカン・ドリーム”の典型です。欧米各地の質の高い名作がそろっており、印象派・後期印象派の作品はオルセー美術館にも劣りません。

東館西館の展示をすべて鑑賞すると3日はかかるといわれていますが、予定は一日。西館の真ん中にはヨーロッパ風のロトンダ(円形の大広間)、左右には二つの中庭がありのんびりと読書をしている人もいました。何しろここは入場無料。宝の山が見放題なんです。ヨーロッパの美術館のように観光客でごったがえする風でもなく、まさに贅沢な空間でした。

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なんとなんとここではフラッシュ禁止の写真撮影はOK!振り向くと夫が係官の人から撮り方のアドバイスを受けていました。ビックリビックリ!なんとまあアメリカは、おおらかというのかアバウトというのか・・・。

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東館と西館の間には、地下にコンコース「動く歩道」があります。ここにはカフェとミュージアムショップがあり、ここで休憩。一人前のシーフードサラダの量に悩まされます。

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ラファエロ、ボッティチェリ、フィリッポ・リッピ、ブリューゲル、ゴヤ、グレコ、ムリーリョ、アングル、ドガ、モネ、ルソー、セザンヌ、モディリアニ・・・。5時に係官が帰り始める時間まで立ち去りがたい気持ちで粘りました。アメリカ合衆国が誇る美の宝庫!来てよかった!

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