おやじねこのテレスコ日記

ー八ヶ岳の登山口に住んでいる、テレスコ工作工房の店長のおやじねこが日々の出来事などをタイムリーに伝えています

肉眼彗星になるかも「ZTF彗星」は簡単に撮れます

2023-01-20 09:17:40 | Astro Photography


昨夜は、話題のZTF彗星をアストロカー搭載の20cmクーデ式屈折望遠鏡で撮影しました。画像は、当店オリジナルの「お気軽撮影ズームアイピース」にPowerShot G9Xのコンデジ一発ショットで撮りました。露出30秒です。20cmクーデは焦点距離1800mm F9なので、それをさらにアイピースで拡大して撮影しています。ですから、見た感じでは天文台の大型望遠鏡で撮ったイメージに近いかもしれません。そんなイメージが簡単に撮れます。特別なテクニックなどは不要です。一般的には100mm以上の望遠レンズとカメラで狙うのが天文ファン以外では普通だと思いますが、仮に望遠鏡を使っても400mmや600mmくらいでは大きくは写りません。ただ、彗星の尾が既に長くなっており、このイメージでは視野の外にはみ出しています。本来ならもう少し露出をかけて撮ればいいのですが、残念ながら20cmクーデ式は撮影用には作られていないので、簡易的な極軸合わせでは、30秒露出がいいところです。



こちらは、PENTAX XW20mmに当店のXW撮影アダプターとの組み合わせでG9Xで撮っています。コリメート撮影では彗星の撮影で問題となるのは、ライブ画面では星がほとんど写らないので、ピントが合わせられません。構図も彗星が見えていないので決まりません。ピントは先に明るい星で合わせておいてから自動導入でZTF彗星を入れてシャッターを押すだけです。ずれていたら適当に動かして撮影して確認して、という繰り返しになります。

先のズームアイピースを使ってZTF彗星を撮る場合には、特別大きな天体望遠鏡が無くても写せますが、大事なのは赤道儀での追尾が必要だという事です。CelestronのStarSense Exploreでも彗星は導入できますが、それでは撮影ができません。

ZTF彗星は、今月末くらいに肉眼彗星になりそうですが、昨日の段階では双眼鏡でも見えていたので、今後10日間の間にもしかしたら大化けするかもしれません。今日は新月ですが、それ以降月明かりの影響が出てくるので、撮影するなら、月が大きくなる前の上弦から数日以内が良さそうです。



撮影ついでに電視観望もやってみましたが、SVBONYの60mmガイドスコープとZWOカメラで撮るとこんな感じに写ります。ただ気温がマイナス10度だった事もあり、ASIAIRの温度が低すぎて線状のノイズが多数発生してしまいました。次回は温めるなどして撮影しようと思っています。しかしわずか60mmでもこれだけ写るのですから驚きです。これを170インチスクリーンに投影したら大好評でしょう。60mmの240mmほどのガイドスコープでもこれだけ写るので、写真レンズとかで撮るよりは迫力があります。赤道儀さえ持っていれば、ASIカメラとガイドスコープでこんなイメージが簡単に撮れます。

ところで、ZTF彗星をどうやって見つけるかですが、双眼鏡で探すにしても指標となる星などが必要ですが、天文ファンでなければ探すのも大変です。そこで簡単に見つかる方法として、まず50mmほどのレンズで右端にアークトゥールスを入れて30秒ほどでシャッターを切ります。ISO感度は1600くらいか空が暗いなら3200でもいいでしょう。撮ったイメージを見れば左端に緑色のZTF彗星が写ります。それで次はこの彗星を中央に来るように構図を決めて再びシャッターを切ります。中央付近に来たら次にレンズを望遠に変えてシャッターを切ります。そうすれば立派な尾を引いたZTF彗星が写ります。



ズームレンズで80-200とかならこんな構図でアークトゥールスの頭部近くを入れてシャッターを切れば端にZTF彗星が写るので、位置が分かったら構図を決めて200mmにして撮ればいいでしょう。これから月末にかけて北斗七星や北極星に近づいてくるので、益々探しやすくなるはずです。

20cmクーデにXW40mmを付けてZTF彗星を見ましたが、思ったより大きく見えて迫力がありました、シュミカセとかなら同様なイメージで見られると思います。

昨日の撮影で大体のZTF彗星の位置と見えかたが分かったので、今夜も晴れたら次はポラリエU+PCBU-EQのセットを使って捉えたいと思います。望遠鏡はVixen FL55SSにEOS M6で撮るので、迫力あるイメージになるでしょう。写真用望遠レンズしか持っていない方は、カメラをAPS-Cかフォーサイズを使って撮れば300mm相当の望遠レンズになるので立派な尾を引いたZTF彗星が撮れます。大事なのはできるだけ空が暗い星空が綺麗に見える場所で撮る事です。彗星の本体は明るいのでいいですが、尾を撮るには、空の暗い環境が必要です。

ZTF彗星は今後4等台の肉眼彗星に大化けするかもしれませんので、これから10日間くらいが勝負の時です。何れにせよしばらくはZTF彗星から目が離せません。また撮影ができたらその都度結果をお知らせします。

松本市の天文施設を見てきました

2023-01-18 18:11:57 | ブログ


松本市教育センターの担当の方からCORONADOのSolar Maxに関するメンテナンスのお問い合わせがありましたが、どんな状態なのかメールからでは分からないので、たまたま岐阜県まで出かけていて帰りに松本を通ることから施設に立ち寄って望遠鏡などを見せてもらいました。施設は松本市の中心から少し離れているので足が無いと行くのがちょっと面倒な場所にありますが、松本ICからそれほど遠くなかったので割とたやすく行けました。



施設には、天文台とプラネタリウムがありますが、天文台には三鷹光器のGN-30赤道儀に主砲30cmカセグレン天体望遠鏡が搭載しています。年代的には30年以上は経過した機材だと思いますが、未だに現役で活躍しているそうです。当店にもGN-22赤道儀がありますが、大きさが全く違っており、GN-30は設置型なので移動は当然できません。コントロールは、マニュアルで行うだけのハンドボックスが付いており、自動導入機能は無いようです。しかし街中なので月や惑星か著名な天体くらいしか見られないので、それで十分なんでしょう。



突然の訪問だったので、問い合わせをされた担当者はいなかったですが、他の少し分かっている担当者が色々と説明してくれました。接眼部は昔のままでツァイスサイズのアイピースでタカハシ製品をメインで使っているようでした。2インチはMeadeのSP55mmが1本あるだけで、他にはOr-40mmなどがありました。アイピースの品揃えからして月や惑星はツァイスサイズで見せていると思うので、一般の人たちには暗い中でアイピースを探すところからして大変なので、できる事ならせめてアメリカンサイズが使えるようにした方が良さそうです。私のアストロカーもツァイスサイズから2インチ仕様に変えて格段に見やすくなりました。私がアストロカーの外にいてもアイピースが大きいので簡単に見つけて覗けるようになっています。またクーデ式なので、接眼部の場所が変わらないので、その都度覗く場所を教えなくてもいいです。何れにせよ、予算が通せるならアメリカンサイズが使えるように改良した方がいいでしょう。



肝心なSolar Maxですが、ちょっと拍子抜けしたのはガイドスコープのFC100のキャップに付けてあるのは40mmのエタロンフィルターでした。てっきり60mmくらいは付いていると思ったのですが、望遠鏡とのバランスが良くありません。これでもフィルター自体に問題がなければ機能はします。どうやら話を聞いた限りでは、担当者がSolar Maxは元より望遠鏡にもそれほど詳しいわけでは無さそうです。問い合わせの内容は太陽像にピントが合わないとの事でしたが、たまたま運良く太陽が雲間から出てきたので覗いてみたところ、何だかそのイメージがフィルターの問題だけでは無さそうでした。



それで気になったので、対物キャップを外して対物レンズを見てみたらこの状態でした。つまり曇っていました。結露とかではなく、タカハシの旧タイプのフローライト鏡では良くあるコーティングから来る曇り症状でした。これではまともに太陽面が見えるはずもありません。もうこうなったら完全に修理できるところは無いので、太陽望遠鏡として使うのは諦めて同クラスのアクロマートでいいので、それに変えるべきとアドバイスしてきました。



プラネタリウムも見せてもらいましたが、施設がOPENして3世代目のプラネだそうです。このプラネには億単位の費用がかかったそうですが、それに比べて天文台には設置当初からあまり費用はかけていないのが、ちょっと残念です。太陽を見せるならせめてSM90くらいを装備していたらもっと活用できたと思います。それに接眼部なども改良しても100万もかければシステムアップできたでしょう。こういうのは行政では思いつかないので、民間が関与していかないと上手くできません。



ブロッキングフィルターは、メンテナンスすれば引き続き使えるので、後は取り付ける望遠鏡とSolar Maxの90を導入できれば立派な太陽望遠鏡として復活するでしょう。ただ施設の担当者がどの程度それを必要としているのかが分からないので、お手伝いのしようもありません。仮に担当者がそれを望んでいても、肝心なその予算が下りるかどうかですが、今はどこでも天文教育関連には予算を出せない施設が多いようなので修理費用だけなら何とかできても、新たな機材の導入には踏み切れないでしょう。



旧タイプのコニカミノルタのMS-10ですが、私も昔にMS-20を操作していました。またこの施設には必要に応じて行く事があるかもしれませんが、可能であれば、アストロカーの太陽望遠鏡を見て欲しいものです。本来見えるHα太陽面がどういう見えかたをするものかを理解されていないと、その機材を生かしきれません。現在は、三鷹が望遠鏡のメンテナンスされているようなので、費用は余計にかかりますが、そこを通して太陽望遠鏡関連のメンテ導入の依頼をされた方がいいかもしれません。ただ、単にブロッキングフィルターの修理でも当店にダイレクトに依頼されれば3万円ほどで済みますが、大手企業を通せばその数倍は最低でもかかるでしょう。私が個人所有しているGOTOのアストロカーですが、単に最新のPCでコントロールするシステムに改造するだけで当方がスマホでコントロールできるシステムに改造した費用の10倍かかっているようです。その費用の内訳や事情については私個人では知り得ないので、それが良いか悪いかについては簡単には語れません。

SIGMA 105mm F1.4の作例続き

2023-01-17 11:09:05 | ブログ


昨夜は良く晴れていたので、先日のリベンジで撮影をしました。SIGMA 105mm F1.4 DG HSMでの撮影です。カメラは愛用のEOS R(HKIR改造)で上下2枚モザイクです。露出は30秒です。F2.8まで絞って使っています。ISO 3200です。大きな処理はしていません。先日のは空が相当明るかったですが、昨夜はスケートセンターの明かりも無く時間も遅かったので大分マシになりました。



おおいぬ座がちょうどいい構図に収まります。そもそものF値が明るいのでポータブル赤道儀を使わなくても簡単な星座くらいは撮れますが、倍率が高いので追尾は必要です。追尾はいつものポラリエU+PCBU-EQ2セットです。極軸望遠鏡は装備していますが、この程度の露出なら無くても問題ありません。微動雲台も使っていますが、それも不要です。三脚にポラリエを乗せてカメラを乗せて撮るだけですが、レンズが重たいので全体のバランスを得る為にもポラリエ雲台ベースは必要です。極軸に自由雲台を取り付けた状態ではかなり苦しい構図となるので、雲台ベースは使った方がいいでしょう。



八ヶ岳をお試しで撮りましたが、星もブレずに山もブレずに撮るには、露出を4秒くらいで追尾を1/2で行えばこんな感じに撮れます。春の4月のプレアデスと金星のツーショットを八ヶ岳を入れて撮りたいですが、西側がやや明るいので追尾云々を考えずとも露出がかけられません。今やっている人が多い「合成星景色写真」なら撮れるとは思いますが、やはりワンショットで撮るのが正道でしょう。

今晩も場所を変えてこのこのレンズを使ってみようと思っています。今日明日も天気が良さそうです。

ピラーの錆落とし . . .Star Sence Explore LT70AZ

2023-01-16 16:54:18 | ブログ


タカハシピラーの再塗装の前処理としてサンドブラスターで錆落としをしています。実際には塗料も落としていますが、ここまで綺麗に落とさなくても錆さえ落ちていれば塗装できます。 ブラストメディアの粒が大きいので、割とスムーズに塗料が落ちます。液状の塗料剥離剤もありますが、表面が荒くて穴も開いているので綺麗に落とすのは結構時間がかかります。何れにせよ、新たな塗料が来ないと塗装もできないので、それまでには綺麗に落として塗装に備えたいと思います。



アストロカーで使っている170インチの電動スクリーンを去年走行中に落下させてケーブルを切断してしまったので、今日になってようやく外れた電線をはんだ付けして直しました。結果元どおりに動作してくれるようになったので、また春から使えるようになります。できればスクリーンを常時取り付けた状態で固定しておきたいのですが、雨にあたると故障の原因になるので、それをどうするかで悩んでいます。またスクリーンの部品がプラスチック製なので、それは使えないので、新たな固定部品を作ってからでないと危なくて走れません。雨に対しては何らかのカバーを作って、それで保護しようと考えています。

スクリーンは電動である必要は無いのですが、収納する事などを考えて電動にしました。しかし今後の展開では他のスクリーンに変えるかもしれません。それより心配なのは、開閉式のドームですが、春以降に保護を目的に塗装しようかと考えています。ドームの材質はFRPだと思うので、それがどれだけ紫外線に耐えられるか分からないので、その影響を少しでも軽減させるために紫外線に強い塗料などを探して対処しようと思っています。元の施設では、屋内ので車庫があったので、その心配もありませんでした。



ところで、今在庫品となっている人気のセレストロン「StarSence Explore LT 70AZ」を格安で処分販売しています。この機種は元々代理店でしか販売していないものですが、スマホでGOTOができる機種では最安値です。この価格は当店d毛ですので、在庫のあるうちにご注文ください。

今日も朝からすごく暖かい日でしたが、予定では明後日上高地へ入ろうかと計画していましたが、雪崩の危険性が高いので、見送ろうと思っています。今日も上高地付近では雨も降ったそうで、その後雪に変わっているので、余計に心配です。硬い雪面に雨が降ってそこに水分の多い雪が降ると表層雪崩となる事があるので、今回は見送る方が良さそうです。

暖かいので塗装作業をやっていました

2023-01-15 17:50:29 | ブログ


昨日と今日は暖かかったので、たまっていた塗装作業を一気にやりました。その一つがポラリエU雲台ベースですが、やはり暖かい方が塗装しやすいです。気温が低いとゆっくり塗装しないと塗料がダレてしまう事があるので、慎重に作業をします。基本土日はやらないようにはしていますが、大きな音を立てるような事は無いので、土日でもやる事はあります。うちは塗装業者では無いので、一日中塗装作業をしている事は無くて、一回の作業が2時間ほどで終わるので、周囲から苦情が来る事もありません。あくまでものづくりの一環として塗装作業をしているので、周囲では何をやっているのかさえ知られていません。

塗装した後は焼き釜でしっかり塗料を固着させて仕上げます。塗装加工はとても面倒ですが、自分の好きなカラーに仕上げられる上に既製品のカラーに合わせて部品を仕上げられるので、これだけは外せません。



同じく昨日と今日にかけて塗装仕上げしているのは、ご依頼があるNJPハーフピラーです。本来なら一度の塗装作業で終わるのですが、まだこれでも下塗りの段階です。仕上げは、来週くらいに調色してもらっているカラーが仕上がってくるので、最後はそれで仕上げて完成させます。旧タカハシのライトグリーンカラーは既にあるのですが、色合いがどうしても古くなったカラーに合わないので、もう少しライトグリーンを色褪せた感じで仕上げたかったので、その感じのサンプルから調色し直してもらっています。タカハシのピラー脚の再塗装のご依頼もあるので、自分のものと合わせて3本のピラーを新たに来るカラーで仕上げます。その前に錆び取りをする必要があるので、ちょっと粗めのブラスターメディアを取り寄せました。



少しお待たせしている当店オリジナルのポラリエU雲台ベースは、今日仕上がりましたので、明日お待ちの方々へ発送致します。丁度次の新月期からお使いいただけます。

今週は、お待たせしている製作品などが少し片付いたら上高地へ入ろうと思っています。もちろん日中の事ですが、スノーシューなどは持っていないので、ワークマンで買った長靴にスパッツで行きます。行路は大正池ー田代池ー河童橋ー大正池という感じで3時間ほどかけて行くつもりです。去年も2度冬の間に入りましたが、3月に入った時に撮影した画像は厚生社恒星閣の「Astronomy Space Testカレンダー」の2月に載っています。そのカレンダーはビクセンカレンダーとセットにしてお安くしているのでぜひお買い上げください。

ところで、PSTの修理対応した方からメールが届きましたが、とても良く見えるようになって喜んでくれたようです。普通は商品を送っても滅多に感想などは言ってこないものですが、特にPSTを修理した方からはかなり高い確率でメールがきます。それだけ修理した後のイメージが素晴らしかったのだと思います。それまで全く使えなかったPSTがわずかな費用で新品以上に良く見えるようになるのですから、修理しない選択肢はないでしょう。もしお持ちでしばらく覗いていなかった方はぜひ一度見て劣化等の症状があるなら当店へご相談ください。

バッテリーの交換

2023-01-14 17:07:25 | 宇宙観測車アストロカー


昨日注文したアストロカーのバッテリーですが、今日佐川の営業所に届いたので引き取りに行ってきて早速交換しました。全く同じタイプのバッテリーだったので、簡単に交換ができました。交換前に電圧を測ってみたら、12.9Vでした。交換前のバッテリーは、12.1Vだったので流石にエンジンはかかりません。素人判断で12Vあれば大丈夫だと考えていたら、実際には12.6V以上無いと十分ではないそうです。わずかの違いですが、それが大きく影響するようです。交換後にエンジンを始動したら一発で始動しました。これでしばらくは安心です。春までにアストロカーのプロモーションビデオを制作したいので、夜間にどうしても動かす必要があるので、そこでエンジンがかからないと話になりません。



もう一箇所バッテリーを交換しないといけない所がありますが、インバーターの電源ともなっているこのバッテリーです。当然ながら譲り受けた時には既に劣化しているから使えないと説明を受けていましたが、これも近々交換します。バッテリーサイズは今回交換したものより小さいのですが、実売価格はこちらが高いです。理由は分かりませんが、販売数量の問題かその構造によるものかもしれません。ただこのバッテリーをインバーターで消費した場合、どこでチャージするのかが分かりません。もしかしたら車両側から充電されるよになっているのかもしれませんが、近いうちにアストロカーを運用していた施設の館長さんに聞いてみようと思っています。



SVBONYのこの70mmED鏡筒ですが、展示しようと思っていましたが、その予定が無くなったので店頭でお安く販売しています。写真性能は使った事が無いので分かりませんが、別売りのレデューサーフラットナーを併用すれば、星雲星団の写真用として役立つと思います。惑星は難しいですが月面用でも活かせるでしょう。細かい構造はタカハシの写真用鏡筒に近いものがあり、フードの伸縮機能や1:10マイクロフォーカサー、接眼部の2インチー31.7mm仕様など至れり尽くせりの仕様です。ビクセンの写真鏡筒でもマイクロフォーカサーは別売りでフードも伸縮しないので、ハードの作りは本当に良くできています。海外製品は光学性能はまだまだかもしれませんが、こういったメカニカルなデザインは本当に良く作られています。こういう部分は日本のメーカーにも参考にして欲しいものです。ただ中華製の望遠鏡は、徐々にその性能が日本製に近づいてきているか一部製品はそれを超えているので、トータルで日本製品を超えるのはそれほど遠い先の事ではないでしょう。

今さらながら、SIGMA 105mm F1.4 DG HSM

2023-01-13 16:37:32 | ブログ


もう発売されて4年以上にもなりますが、ようやく今頃になってシグマの「105mm F1.4 DG HSM」を注文して昨日届きました。16万円もする高価なレンズですが、出た頃はとても欲しかったのですが、いつのまにか忘れてしまって今頃になって急にこのレンズで撮りたいイメージがあったので、注文した次第です。届いてびっくりなのは元箱が大きくて、まるでデジタル一眼の元箱でした。隣のは同じArtシリーズの24mm F1.4の元箱ですが、明らかに違います。



レンズを箱から取り出してまたビックリの大きさですが、ある程度の大きさは以前にCP+の会場で見ているので分かっていましたが、しばらくぶりで現物を見ると、やはり大きいです。重量も1.6kgあるそうなので、フルサイズ機とセットにすると2kgを軽く超えてしまいます。レンズは大きく見えますが、フードが大きいので余計に大きく見えます。サンニッパとかもフードが大きいのですが、外すとそれほどでもありません。



EOS Rに取り付けてみましたが、カメラとレンズのバランスが悪いです。幸いにもレンズ本体に三脚ベースが付いているので、それを利用して三脚などに取り付けすれば、それほど気にならないでしょう。このArtシリーズで135mmもありますが、それはちょっと長すぎるので最初から興味はありませんでした。105mmという焦点距離が丁度良かったのと、F1.4という明るさが魅力でした。



それで昨夜早速ファーストライトにトライしましたが、午後7時過ぎだった事と近くのスケートセンターの照明が悪さして30秒露出で真っ白でした。しかし最初のフィルター無しのイメージには驚きました。液晶画面ではほとんど星が見えず、M42や三つ星などの明るい星しか見えていません。拡大するとようやく星が写っているのがわかります。イメージ的にはほとんど「ミニシュミットカメラ」という感じの写り方です。



中央部分だけ拡大してみましたが、とてもシャープなイメージです。ピントがとてもシビアなので、画面を拡大してしっかりピントを合わせないとせっかくのシャープさが損なわれます。できれば空の真っ暗なところで使ってみたいレンズです。明るいレンズは、どうしても空の明るさも同時に拾ってしまうので、RASAなどと同じく使いこなすには撮影環境も大切です。



このレンズは、多くのユーザーが星野撮影だけに使っていますが、可能であれば風景が入った撮影に利用したいと思っています。ただ105mmという望遠ですので、ポータブル赤道儀で追尾撮影をすれば必然的に風景がぶれてしまうので、それをブレさせない程度の露出で撮れればこのレンズの良さを活かせるかもしれませんが、色々と条件をクリアーしないと難しいかもしれません。

今日は午後からとても暖かくて屋外の作業がはかどりましたが、明日はもっと暖かいようなので、塗装作業を少しやろうと思っています。他にもピラー脚のサビ取りなどもやる予定です。寒い時の塗装作業はつらいものがあるので、明日と明後日の暖かい時にできる事をやりたいと思っています。アストロカーのバッテリーを2本注文しましたが、意外に安くて良かったです。これが良かったらもう2本注文してインバーター用の電源にします。これまで不要だと考えていたインバーターですが、キャンピングカー仕様にすると途端にAC電源が必要になるので、処分せずにそのまま使う事にしました。

CORONADO製品の修理依頼をされる方々へ

2023-01-12 16:34:45 | Hα太陽望遠鏡関係


最近は、CORONADOのPST太陽望遠鏡やブロッキングフィルターの修理ご依頼が多くなっておりますが、今日も届いたPSTを覗いてみると、画像のような状態で太陽がいくつも重なって見えています。これはチューニングによって一つだけになったり複数になったりしますが、こういう症状は使っていれば自然と分かる事なので、ほとんどのお客様がそうですが、「良く見えなくなった」という漠然とした表現で修理依頼されてきます。しかし、この画像の状態はブロッキングフィルターが原因で起こるのではなく、エタロンユニットによるものなので、こうなった原因の多くは本体にショックを与えた事によるものなので、もしこういう症状があった場合には、教えて欲しいものです。事前に分かっていたら修理費用がどの程度かもお知らせできますし、それによってはキャンセルされたいと言われる方がほとんどだと思います。よって当店へ送る必要も無くなるので余計な費用がかかりません。というより、それをその都度検品もしないといけないので、その労力もあります。

ブロッキングフィルターは、落下させたくらいで破損はしませんが、エタロンユニットは、衝撃にとても弱く、一度でも落下させると致命的な状態になるので、一度でも落とした経験があれば、それを伝えていただける事で双方に無駄な労力も費用も発生しません。



こちらのSolar Max II 60DSも修理依頼がありましたので当店でチェックしておりますが、ブロッキングフィルターは当然劣化しているので修理交換作業が必要ですが、問題は望遠鏡側にもあって、現在その原因を特定中です。本来ならダブルスタック仕様なので、問題なければ高いコントラストで彩層面を見る事ができるのですが、残念ながらシングルの状態よりも見えません。望遠鏡の方は、接眼部を分解した際にエタロンユニットが正しい位置になく、それが原因で彩層面がほとんど見えませんでした。またダブルスタックも個別に外して検品をしたところ、単体ではきちんと機能している事がわかりましたが、望遠鏡に取り付けて見ると、全く何も見えなくなります。これはダブルスタックのマッチングの悪さによるものです。しかしこれでは両者とも本来の性能を活かしきれないので、単独で使う事でそれぞれがシングル仕様として機能してくれます。

ただそうは言ってももったいないので、ダブルスタックの方を少し調整してみてマッチングできるかやってみようと思っています。

聞いた話では、施設に貸し出していたそうですが、そこで無茶な使い方をされてしまったのかもしれません。こういう事は良くある話で、私もホテルへモバイルポルタ仕様の望遠鏡を数年貸し出していましたが、そろそろ返してもらおうと思って話をしたら壊されていました。本来ならホテルに弁償を求めるところですが、これまでのおつきあいがあるのでそれはしていません。他の施設でも赤道儀などを無料で使わせていて、気がついたらあちらこちら壊されてしまっていて、使えないので倉庫に保管して放置していた。というのは聞きます。そういう機材は当店で引き取ったりしています。人様が善意で貸し出した機材は、無料でも有料でも借りた側は責任を持って保管して管理すべきものだと思いますが、それが特に公共の施設では適当に扱われているところが多いようです。とっても残念な事です。多分アマチュアの天文ファンは、地元の施設などに機材提供をしたりして星空観察に協力していると思いますが、機材をそのまま預けずにご自身で管理をするか、担当者と書面などで破損させた場合の弁済について取り決めしておくべきでしょう。



アストロカーのバッテリーが大分ヘタってきているようなので、そろそろ新しいのに交換しようと思っています。と言っても安くないので、悩みどころですが、必要なものなので経費で落とします。とにかく冬場はエンジンがかからずに、いつも充電器を使ってジャンプスタートでエンジンをかけます。その都度そんな事やってられないので、これを機に購入します。前回交換してからもう5年くらい経っているそうですので、前管理者の施設の館長さんも「そろそろ交換した方がいいよ!」と言っていましたので決断しました。

今日の太陽も素晴らしいものでした

2023-01-09 17:20:34 | Hα太陽望遠鏡関係


GOTOの20cmED屈折望遠鏡で撮った今日の太陽面です。カメラは、EOS M6ですが、PENTAX XW40mmアイピースに取り付けてコリメート式で撮っています。普通にはXWアイピースとカメラは取り付かないですが、当店で製作しているXW30/40用M42アダプターを使えば割と簡単に月や星雲星団の撮影ができます。20cmクーデ式は、焦点距離が1800mmもあるので、太陽が18mmの大きさでCCD面に投影されますが、XW40mmアイピースを使うので拡大されて若干CCDからはみ出してしまいます。ですから、画像は上下に2枚の画像をモザイク合成して一枚の写真にしています。

今日の太陽面は、周囲の至る所にプロミネンスが出現してとても活発でした。こんな時の太陽面は見ていても撮影しても面白いです。これがまさにHα太陽望遠鏡の醍醐味です。まだしばらくは活動期が続くので、目が離せません。ここんところ毎日朝は太陽を見て仕事を始めます。



20cmクーデ式にBF30を取り付けて2インチ仕様にしていますが、ZWOのカメラを取り付ける時には31.7mmに落としてカメラを取り付けています。タブレットPCでカメラをコントロールしていますが、モニターでも既にこんなイメージが見られます。Solar Max90の最高の組み合わせでダブルスタックにしているので、去年の星フェスでも太陽望遠鏡を会場に持ち込んでいた方からもその見え方には驚かれていたようです。多分アマチュアが持っている太陽望遠鏡では最高ランクの見え味だと考えています。



このライブ動画を少しだけ処理すると、こんな画像になります。ASIAIRを使うとこんな事もできるので、これが無いと今は何もできません。スターウォッチングでもASIAIRを使った電視観望を主体としているので、これ無しではお客さんを楽しませる事は考えられません。



最近は、太陽望遠鏡関連のご相談がとても多くなりました。その相談の多くは他店で購入されたPSTや他の商品ですが、今日も電話があり、先日修理完了してご返送した2台のPSTが驚くほど良く見えるようになった事をとても喜んでおられました。これだけ見えるようになるならもっと早く相談しておけばよかったと失った時間を悔やまれておられました。今日も1台のPSTの修理が完了しました。

当店では太陽望遠鏡の修理メンテはしますが、使っていない、使わない機材も当店でお引き取りします。ブロッキングフィルターが劣化している太陽望遠鏡を望遠鏡販売店へ持ち込んでも普通には買ってくれません。そういう場合は当店へご相談ください。

ポラリエ雲台ベースは、JAXAの関連企業で作られています

2023-01-08 17:15:10 | ブログ


当店オリジナルのポラリエ雲台ベースPCB-EQとPCBU-EQは、当店で作っているというより、JAXAの仕事もされている精密加工を得意とする工場で作られています。この企業では天体望遠鏡の赤道儀にも使われているハーモニックドライブなども作っており、公的な機関や大手企業の精密加工品も作っています。そんな企業が当店のポラリエ雲台ベースを作っているなど考えられないですが、たまたまその企業の代表者が私が小海町で細々と部品作りやイベントをやっている事を知ってお会いしてから当店のものづくりを応援してくれています。普通ならこんな小さな仕事は受けてくれない企業ですが、何故か当店の部品作りを助けてくれています。塗装組み立ては当店でやっていますが、機械加工は全てその企業がやってくれています。

これまで相当数の部品を作ってもらいましたが、一つとしてミス加工など無くて常に高い精度で機械加工をしてくれるので、組み立ての際にも全く問題がありません。この企業の代表の方は星フェスにも毎年参加してくれてスポンサーにもなってくれています。もう長いお付き合いですが、これからも大切にしたい取引先です。



ところで最近中古で手に入れた三脚があるのですが、手にとってみたらとっても素晴らしい製品で一発で気に入りました。Verbonのマーク7 Miniですが、Markー7を半分以下のサイズにしたものですが、重量が2.2kgもあります。Mark-7を昔に海外へ持って行って使っていた事もあるお気に入りの三脚ですが、それのミニサイズがあるとは最近まで知りませんでした。この三脚についている自由雲台がさらに素晴らしく、クランプを締めるだけでボール部分とパノラマ回転部分の両方が固定されるので、とても便利です。しかもしっかり固定できるので、どんな角度でも動いたりしません。



この三脚の使い方としては、ポータブル赤道儀用でローアングルでの撮影に使ったりしようと考えています。望遠鏡が乗っていますが、実際の使用ではカメラを乗せて星空撮影に使う予定です。脚を開けばローアングルからの撮影ができるので、際立った構図で撮りたい時には役立ちそうです。三脚としても非常に頑丈なのでどんな構図でもしっかりカメラを保持してくれそうです。



今年は、初心に帰ってもう一度自分が本当に使いたい機材をコツコツと作ってみようと思っています。もちろん売る事など全く考えずにとことん使いやすいものを作ってみたいものです。

昨日の事ですが、初めてZoomによるFace to Faceでお話をしました。天リフの山口代表からお話ししたいとの事で星フェスについて初めてZoomでお話ししました。とっても便利で驚きましたが、こんなに気軽に相手の顔を見て話ができるなら、今後も積極的に利用したいと思いました。お話は今後の星フェスについてのことでしたが、可能であれば継続して開催すべきとのご意見で協力も惜しまないとの有難いお話でした。今は他からもそういう意見が多くいただいておりますので、町内外でサポートしてくれる方々がいてくれるなら、開催へ向けて一歩でも二歩でも踏み出していきたいと考えています。