最近は、CORONADOのPST太陽望遠鏡やブロッキングフィルターの修理ご依頼が多くなっておりますが、今日も届いたPSTを覗いてみると、画像のような状態で太陽がいくつも重なって見えています。これはチューニングによって一つだけになったり複数になったりしますが、こういう症状は使っていれば自然と分かる事なので、ほとんどのお客様がそうですが、「良く見えなくなった」という漠然とした表現で修理依頼されてきます。しかし、この画像の状態はブロッキングフィルターが原因で起こるのではなく、エタロンユニットによるものなので、こうなった原因の多くは本体にショックを与えた事によるものなので、もしこういう症状があった場合には、教えて欲しいものです。事前に分かっていたら修理費用がどの程度かもお知らせできますし、それによってはキャンセルされたいと言われる方がほとんどだと思います。よって当店へ送る必要も無くなるので余計な費用がかかりません。というより、それをその都度検品もしないといけないので、その労力もあります。
ブロッキングフィルターは、落下させたくらいで破損はしませんが、エタロンユニットは、衝撃にとても弱く、一度でも落下させると致命的な状態になるので、一度でも落とした経験があれば、それを伝えていただける事で双方に無駄な労力も費用も発生しません。
こちらのSolar Max II 60DSも修理依頼がありましたので当店でチェックしておりますが、ブロッキングフィルターは当然劣化しているので修理交換作業が必要ですが、問題は望遠鏡側にもあって、現在その原因を特定中です。本来ならダブルスタック仕様なので、問題なければ高いコントラストで彩層面を見る事ができるのですが、残念ながらシングルの状態よりも見えません。望遠鏡の方は、接眼部を分解した際にエタロンユニットが正しい位置になく、それが原因で彩層面がほとんど見えませんでした。またダブルスタックも個別に外して検品をしたところ、単体ではきちんと機能している事がわかりましたが、望遠鏡に取り付けて見ると、全く何も見えなくなります。これはダブルスタックのマッチングの悪さによるものです。しかしこれでは両者とも本来の性能を活かしきれないので、単独で使う事でそれぞれがシングル仕様として機能してくれます。
ただそうは言ってももったいないので、ダブルスタックの方を少し調整してみてマッチングできるかやってみようと思っています。
聞いた話では、施設に貸し出していたそうですが、そこで無茶な使い方をされてしまったのかもしれません。こういう事は良くある話で、私もホテルへモバイルポルタ仕様の望遠鏡を数年貸し出していましたが、そろそろ返してもらおうと思って話をしたら壊されていました。本来ならホテルに弁償を求めるところですが、これまでのおつきあいがあるのでそれはしていません。他の施設でも赤道儀などを無料で使わせていて、気がついたらあちらこちら壊されてしまっていて、使えないので倉庫に保管して放置していた。というのは聞きます。そういう機材は当店で引き取ったりしています。人様が善意で貸し出した機材は、無料でも有料でも借りた側は責任を持って保管して管理すべきものだと思いますが、それが特に公共の施設では適当に扱われているところが多いようです。とっても残念な事です。多分アマチュアの天文ファンは、地元の施設などに機材提供をしたりして星空観察に協力していると思いますが、機材をそのまま預けずにご自身で管理をするか、担当者と書面などで破損させた場合の弁済について取り決めしておくべきでしょう。
アストロカーのバッテリーが大分ヘタってきているようなので、そろそろ新しいのに交換しようと思っています。と言っても安くないので、悩みどころですが、必要なものなので経費で落とします。とにかく冬場はエンジンがかからずに、いつも充電器を使ってジャンプスタートでエンジンをかけます。その都度そんな事やってられないので、これを機に購入します。前回交換してからもう5年くらい経っているそうですので、前管理者の施設の館長さんも「そろそろ交換した方がいいよ!」と言っていましたので決断しました。