おやじねこのテレスコ日記

ー八ヶ岳の登山口に住んでいる、テレスコ工作工房の店長のおやじねこが日々の出来事などをタイムリーに伝えています

肉眼彗星になるかも「ZTF彗星」は簡単に撮れます

2023-01-20 09:17:40 | Astro Photography


昨夜は、話題のZTF彗星をアストロカー搭載の20cmクーデ式屈折望遠鏡で撮影しました。画像は、当店オリジナルの「お気軽撮影ズームアイピース」にPowerShot G9Xのコンデジ一発ショットで撮りました。露出30秒です。20cmクーデは焦点距離1800mm F9なので、それをさらにアイピースで拡大して撮影しています。ですから、見た感じでは天文台の大型望遠鏡で撮ったイメージに近いかもしれません。そんなイメージが簡単に撮れます。特別なテクニックなどは不要です。一般的には100mm以上の望遠レンズとカメラで狙うのが天文ファン以外では普通だと思いますが、仮に望遠鏡を使っても400mmや600mmくらいでは大きくは写りません。ただ、彗星の尾が既に長くなっており、このイメージでは視野の外にはみ出しています。本来ならもう少し露出をかけて撮ればいいのですが、残念ながら20cmクーデ式は撮影用には作られていないので、簡易的な極軸合わせでは、30秒露出がいいところです。



こちらは、PENTAX XW20mmに当店のXW撮影アダプターとの組み合わせでG9Xで撮っています。コリメート撮影では彗星の撮影で問題となるのは、ライブ画面では星がほとんど写らないので、ピントが合わせられません。構図も彗星が見えていないので決まりません。ピントは先に明るい星で合わせておいてから自動導入でZTF彗星を入れてシャッターを押すだけです。ずれていたら適当に動かして撮影して確認して、という繰り返しになります。

先のズームアイピースを使ってZTF彗星を撮る場合には、特別大きな天体望遠鏡が無くても写せますが、大事なのは赤道儀での追尾が必要だという事です。CelestronのStarSense Exploreでも彗星は導入できますが、それでは撮影ができません。

ZTF彗星は、今月末くらいに肉眼彗星になりそうですが、昨日の段階では双眼鏡でも見えていたので、今後10日間の間にもしかしたら大化けするかもしれません。今日は新月ですが、それ以降月明かりの影響が出てくるので、撮影するなら、月が大きくなる前の上弦から数日以内が良さそうです。



撮影ついでに電視観望もやってみましたが、SVBONYの60mmガイドスコープとZWOカメラで撮るとこんな感じに写ります。ただ気温がマイナス10度だった事もあり、ASIAIRの温度が低すぎて線状のノイズが多数発生してしまいました。次回は温めるなどして撮影しようと思っています。しかしわずか60mmでもこれだけ写るのですから驚きです。これを170インチスクリーンに投影したら大好評でしょう。60mmの240mmほどのガイドスコープでもこれだけ写るので、写真レンズとかで撮るよりは迫力があります。赤道儀さえ持っていれば、ASIカメラとガイドスコープでこんなイメージが簡単に撮れます。

ところで、ZTF彗星をどうやって見つけるかですが、双眼鏡で探すにしても指標となる星などが必要ですが、天文ファンでなければ探すのも大変です。そこで簡単に見つかる方法として、まず50mmほどのレンズで右端にアークトゥールスを入れて30秒ほどでシャッターを切ります。ISO感度は1600くらいか空が暗いなら3200でもいいでしょう。撮ったイメージを見れば左端に緑色のZTF彗星が写ります。それで次はこの彗星を中央に来るように構図を決めて再びシャッターを切ります。中央付近に来たら次にレンズを望遠に変えてシャッターを切ります。そうすれば立派な尾を引いたZTF彗星が写ります。



ズームレンズで80-200とかならこんな構図でアークトゥールスの頭部近くを入れてシャッターを切れば端にZTF彗星が写るので、位置が分かったら構図を決めて200mmにして撮ればいいでしょう。これから月末にかけて北斗七星や北極星に近づいてくるので、益々探しやすくなるはずです。

20cmクーデにXW40mmを付けてZTF彗星を見ましたが、思ったより大きく見えて迫力がありました、シュミカセとかなら同様なイメージで見られると思います。

昨日の撮影で大体のZTF彗星の位置と見えかたが分かったので、今夜も晴れたら次はポラリエU+PCBU-EQのセットを使って捉えたいと思います。望遠鏡はVixen FL55SSにEOS M6で撮るので、迫力あるイメージになるでしょう。写真用望遠レンズしか持っていない方は、カメラをAPS-Cかフォーサイズを使って撮れば300mm相当の望遠レンズになるので立派な尾を引いたZTF彗星が撮れます。大事なのはできるだけ空が暗い星空が綺麗に見える場所で撮る事です。彗星の本体は明るいのでいいですが、尾を撮るには、空の暗い環境が必要です。

ZTF彗星は今後4等台の肉眼彗星に大化けするかもしれませんので、これから10日間くらいが勝負の時です。何れにせよしばらくはZTF彗星から目が離せません。また撮影ができたらその都度結果をお知らせします。

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