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高麗橋桜花店主 徒然日記ー料理人はどこまでできるのか ー

「高麗橋桜花」店主森田龍彦の思ったことを綴る日記のようなものですので個人的感想にとどまるということご了承下さいね。

茨木訪問記

2006-01-26 | オススメなお店

 今週の日曜日に私が参加させて頂いている、大阪府有機農業研究会の20周年のパーティーが行われます。私は料理部門に参加してまして、この日は2品ほど料理を作ることになっています。一品目は平飼いの卵を作った出汁巻きで、もちろん出汁も天然の昆布とかつお節かたとりますよ。2品目は、野菜の焚き合わせで、大根・蕪・金時人参・冬瓜・さつま芋・小芋をそれぞれ違った味付けにして仕上げようと思っています。

 先週、その打ち合わせのために料理班が茨木に集合。その時に訪れた茨木にある素敵なお店を2件、紹介したいと思います。

 まず一軒目は、フレンチレストランの「ジャマン」です。ランチは\2350、\3700、\5800コースの3種。\2350が、前菜に魚、肉から1皿を、\3700が前菜、魚1料理はおまかせで、、肉料理は4種類ほどからチョイスでき、それにパンにお茶、デザート(こちらも4種類くらいからのチョイス)がついてます。

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ルネッサンストマトのファルシ、カレー風味を添えて    

 トマトの中をくり抜いて、サーモンなどを詰めていました。

盛り付けがすごく可愛いです。ただ、少しトマトが立派過ぎて、今イチ料理のバランスが良くないように思えました。

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 オーマール海老のフラン(フランス風茶碗蒸)の上に、人参のポタージュ、生クリームを泡立ててカプチーノ仕立てになってます。  

 フランとポタージュの組み合わせがとても良かったです。上のこの泡がのっているとほんのり嬉しくなるのは、なぜだろうか。

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北海道産子牛肉 アーモンド風味 トリュフソース

 お肉の味は普通でした。ただ、マデラソースの酸味と甘みのバランスがとても良かった。食べた時にはあまり思わなかったのですが、後から気付いたこのバランスの凄さ。とても勉強になりました。

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モンブランとバニラアイスの組み合わせ。

2階にあるサロンからのチョイスです。なかなか美味なケーキでした。添えているアイスが、選択したケーキによって変えられている心配りが嬉しいですね。 

  

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 そして、もう一軒が豆腐屋の「茨豆」さん。

良質の国産大豆と島根県で無農薬栽培された菜種の一番絞りの極上油をふんだんに使用。  

特に薄揚げは秀逸ですよ。サクサクの薄揚げで、軽く塩を振って食べたのですが、とても美味しかったです。ここの薄揚げ食べると、他のが食べたくなくなります。

  はじめて、茨木の町を訪問したのでが、とても嬉しい発見や出会いに恵まれました。

 特に「茨豆」のご主人との会話が印象的でした。風味ー風に味なんかないけど、揚げている途中に油から出して空気に触れさしてあげる。それだけで、仕上がりの味が全然変わってくる。 昔は、今みたいに化学的ではなかったけど、料理に色気がありました。  

    

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コンセプトは地産地消

2005-12-29 | オススメなお店

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  クリスマスに風邪をひどくしてしまい、なかなかブログを更新することが出来ませんでした健康の幸せ、美味しく食事を取ることの幸せ,食を生み出すことのできる充実感を改め感じさせてくれる風邪でした。

  手前味噌になってしまいますが、あまから手帳の一月号(P132)に私が料理監修を務めている「ささゆりの里」の記事が掲載されました。

 やはり自分が手がけている料理が紹介されるのは素直に嬉しく思いますし、励みにもなります。

 画像のお料理は冬の献立になります。樫田付近で獲れたしし肉の鍋や田辺大根の風呂吹き田楽や天王寺蕪などのこだわり野菜の炭火焼は、ほんとうに体が温まるし、この時季ならではの美味しいさ。

こだわりの野菜を届けてくれる生産者さんやいつも現場を支えてくれているスタッフの皆さんにはほんとうに感謝の気持ちでいっぱいになります。

 これからも頑張って、このようなこどわりのある【食】を、少しでも多くの方に知ってもらえたらと思います。

 

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メリークリスマスとフレンチのクリスマスディナー

2005-12-24 | オススメなお店

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粒貝のココット焼き メルバトーストを添えて

粒貝のコリコリ感と香草のソースがとてもいい感じ。グラタン仕立てになってます。

051223_1704 フォアグラのテリーヌ マーブル仕立て

フルーツチャツネとハーブのサラダ添え

とにかく、混合スパイスでマリネされたフォアグラとチャツネの甘酸っぱさが最高に美味しい一皿です。

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魚料理

五香粉香りをまとったスズキのポワレ

ハチミツとオレンジ風味のソース・ブールブラン

ブールブランは煮詰めた白ワインとフォン(魚などの出汁)にたっぷりのバターを加えたソース。そのソースに更にハチミツとオレンジの甘み、酸味が加わってとてもさわやかなソースになってます。

051223_1705 肉料理

和牛サーロインのステーキ ソース・クロゼイユルージュ

霜降りの和牛肉にウォン・ド・ボーベースの赤すぐりの酸味がとてもいい感じです。良くあるステーキソースよりもあっさりとお肉を食べることが出来るソースですね。また、ミミョネッ(ト黒胡椒の荒引)が食感も風味も良いアクセントになっています。

051223_1713 デセール

聖夜のクリスマスツリー 平和を祈って  苺とサブレのハーモニー

やっぱり最後はたっぷりのデザートですね。苺のサンタもかわいいし、グラス(アイス)やサクサクのサブレに濃厚なクリーム。まさに別腹ですね。

 このほかにも、コンソメで作られたフラン(洋風茶碗蒸し) 蛤のカプチーノ仕立てと魚料理と肉料理の間にお口直しの洋ナシとシャンパンのシャーベットも用意してます。

 この料理はキッチンスタッフとして働かしてもらっている「ラ・ロッシェル OSAKA」のクリスマスの特別ディナーです。ラ・ロッシェル OSAKAは料理の鉄人‐坂井 宏之氏プロデュースのお店で、お手ごろな価格でより身近にフランス料理を楽しむことができるお店です。

 今まで和食がほとんどだったので、いろいろと勉強したくてキッチンスタッフとして働かせてもらうようになりました。毎日、初めての経験や目からうろこの体験の連続ですが、とても充実していて楽しく働けています。

 特別コースは仕込みなどがとても大変ですが、料理を考えてくれたシェフ達の思いを大切にしたいですし、とても勉強・刺激になるし、やはりお客様も喜んでいただけることがとても楽しいです。

 皆さんが楽しいクリスマスを過ごされることを祈っております。

                                        

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大阪最高峰フレンチを食す

2005-12-16 | オススメなお店

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前回に続いて、レストラン「さくら」のシェフ、ドミニク・コルビさんのお話。
コルビさんとの短いながらも充実したお話を聞かせて頂いた後、初めてシェフの作った料理を食べることに。今回は、事前にシェフが用意してくれたランチのフルコースをご馳走になりました。
 コースが始まる前にアミューズ的な料理としてフォアグラとプルーンのテリーヌが出されました。なかなか美味しいと思えるテリーヌを食べることがないのですが、フォアグラの丁寧に下処理されており、プルーンとの相性もバッチリ。
 前菜の甲殻類のムースのなめらかで柔らかな食感。本当に噛むことなく、舌でとろけます。なにせ、作った半日しか形がもたないように出来ている程、柔らかいのです。
 スープは、本当にクリアーで日本料理でもおせちと時くらいしか見なくなったちょろぎが入っていたのでびっくりしました。シェフが言うにはフランスではよく使われている食材だとか。酢の物であまり美味しくないものばかりだったの、この使い方は勉強になりました。
 ポワソン(魚料理)が特に印象的で、今回は甘鯛と真鯛が使われていたのだけれど、身がほろほろと崩れる手前まで加熱してある。低温で長い時間使っての加熱調理だそうです。低温での加熱はよほど素材が良くないと魚の臭みが出るし、あまり時間も長すぎるとパサパサになってしまう。今までにない感覚の魚の料理でした。また、その料理のソースがとても不思議で、食べてる時は特に印象的でもないのになぜかその感覚がわすれられない。濃厚なうまみでも、刺激的なハーブでもないのに。
 ヴィアンド(肉料理)は子羊のコンフィがとても優しい味だった。ちなみにコンフィはその食材を岩塩・ハーブなどでマリネして、油脂(オリーブオイルやラード)につけて、低温(70から80度)で長時間(食材にもよりますが、骨付きの鶏もも肉で4時間ほど)かけて加熱します。その後一旦、冷ましてソテーします。そうすることで中がジューシーで柔らかいのに、外側がパリッと仕上がるし、中までしっかり味も入ります。手間がかかる分、やっぱり美味しく仕上がります。
 デセール(デザート)はサクサクのマカロンがとても美味。また、リキュールでマリネした蕗の使い方がとても変わっていて面白い感じに仕上がっていました。
 本当は画像も写したかったのですが、やっぱりそれはできませんでした。
 料理を食べる前にコルビシェフが言っていた「食材の味を活かす。日本料理とフレンチは似ている」とおっしゃったことが体感できました。今回の料理を食べていて、実は割烹きがわの上野修三先生の料理を食べているのと同じ感覚になっていました。出しやソースだけを口に入れるとそれほど旨みが濃いわけではないのに、メインの食材にはしっかり旨みが凝縮されていて、しかも出しやソースもいくらでも口に入れたくなる。そんな不思議な感覚におちいります。そして、次の日にも同じ料理が食べたくなる。 ホント凄い料理です。
 料理人の表現方法はいろいろです。私が最近目指しているのは、食材からの旨みをどうすれば一番引き出せて美味しい状態で料理できるかです。できれば、足し算のような料理ではなくて、シンプルだけどその野菜・食材の本来の味を活かしきれる料理を作りたい。そういう意味でも、上野先生やドミニク・コルビシェフのように、自分が大切に思っていることを体感させてくれる偉大な料理人の方々と、このように交流を持てることを改めて感謝した一日でした。ほんとうにありがとうございました。

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大阪最高峰のフレンチから学ぶ

2005-12-11 | オススメなお店
 なかなかフランスのバリバリのシェフが日本に滞在し、料理を作るお店はありません。まして、大阪になると悲しいかな東京の有名店の支店はありますが、グランシェフが頻繁にいることは滅多にありません。
 そんな中でホテルニューオオタニオオサカのメインダイニングである「さくら」には、フランスでも老舗としての存在感充分のラ・トゥールダルジャンの副料理長を務めた、ドミニク・コルビ氏が料理長としておられます。
 コルビさんとはある料理人の集まりで出会い、今回は幸運にもお会いできることになりました。その中で少しお時間を頂き、コルビさんに食材に対する考え方や食育のことについて聞くことができました。
 まず、料理について。コルビさん曰く、「日本料理とフランス料理は似ている。それは、食材の持ち味を最大限に活かそうとするから。」 
 日本料理はお出汁や食感を大切にし、フランス料理はうまみたっぷりのソースを使い、野菜もくたくたになるほど加熱して甘味を引き出すことが多く、それぞれのプロセスは異なるものの、ともに素材の味を最大限に引き出すために行われている。そして、意外なことにコルビさんが料理フェアーでとある京都の有名な和食の方とコラボレーションされた時も一皿に2人の料理を盛り込んでも何の違和感もなく、すごく美味しい料理になったとおっしゃっていました。^
 それでは、食材の良さを活かすために優先することは何ですか、と訪ねてみました。これに対して一つの料理例を挙げて答えてくださいました。コルビさんが浪速野菜の石川小芋をデセールしたことがあり、この時は小芋のねっとりした食感を生活かし、尚且つ食べ終えた後に小芋の風味が口に広がるよう、食材の味を引き出せるように心がけたそうです。
 さらにフランスでの食育についてのお話も聞けました。
 今の日本と同じようにフランスでもファーストフードが広まり、子供達の味覚にも大きな影響を与えたそうです。それを危惧したフランスのグランシェフ達の呼びかけで、10月の食育週間が始まったそうです。うまみの濃い・科学的な味に慣れてしまった子供達の舌が、本来の素材の味を感じなくなってしまう前に、しっかりと食材の味を感じてもらう。
 例えば、ずっとハンバーガーみたいな味の濃いものを食べ続けると、大根などの繊細な野菜の味に反応できなくなり、美味しいと思えなくなる。それどころかまずく感じる。だから、食べない。消費されないので、せっかくの生産者が廃れていくという悪循環になってしまう。ちゃんと、子供達の繊細な味覚を守るために、フランス全土のシェフが協力する。この動きを少しでも日本でも広めることが、コルビさんの願いの一つだそうです。
 とても偉大なシェフからとても貴重な話が聞けて、私は凄く感激したし、自分が目指す方向性に少し自信が持てました。この会話の後に実際にシェフのお料理をご馳走になったのですが、とても衝撃的でした。
 そのときの話は後日に。

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