古稀の青春・喜寿傘寿の青春

「青春は人生のある時期でなく心の持ち方である。
信念とともに若く疑惑とともに老いる」を座右の銘に書き続けます。

日本人の発想

2004-04-29 | 経済と世相
尾張名古屋のNOZUEです。
 参議院の審議で、人質事件の被害者を「反日的分子」と非難した議員がいるそう
だ。どうしてこうした発想が出てくるのか?と考えていたら、そのヒントになりそう
な文章を、週刊文春4月29日号で見た。高島俊男氏(「漢字と日本人」の著者)の
寄稿である。内容を紹介すると、
【日本人にとっては、組織の中での役割がすなわち自分なのである。
 日本語には一人称や二人称が数多くあるが、その大部分は役割名称である。母親が
子供に「お母さんはね・・・」と言い、教員が児童に「先生はね。・・・」と言うの
は、自分の社会的役割を自分と同一化して言っているのであり、子供もまた、役割が
すなわちその人であることをたえず教えられながら育つ。】
【名刺はその人の役割を確認するために日本人にとって重要なものである。
 ひとたび安定した役割をあたえられると、日本人は俄然その有能を発揮する。仕事
に創意工夫を加え、精緻化する。】
【「ハイお爺さんは山で芝刈りですよ」とお役目をきめられると、毎日嬉々として山
へ行って良質の柴を集めてくる。
 それが、「ハイ今日からは川で洗濯だよ」などとしょっちゅう役目が変わったので
は、お爺さんはやる気をなくしてしまう。まして、
「ハイお爺さんはリストラです。退職金あげるからどこへでも行っていいよ」などと
言われちゃたいへんだ。役割がすなわち自分なんですからね。いくらお金をもらっ
たって、自己を喪失したお爺さんはよくて鬱病、悪くすると首をつってしまうかもし
れない。】
 つまり、集団の中の役割があって、初めてどう行動したら良いかが分かる。これが
うまく行く時は集団主義での成果が上がる。ところが悪くすると、役割がない純粋の
個人としては、ものが考えられない。自分が、考えられないだけでなく、集団の考え
と無関係な発想をする人を、異端者として排除する。
 日本という集団が国会で「自衛隊を派遣する」と決めたのに、「自衛隊派遣は間違
いだ」などと公言し、勝手にイラクなどへ出かける輩は、まさに「反日的分子」とい
うわけ。さらに、この「分子」という言葉自体、独立した個人を認めていない表現で
ある。
 話は別だが、年間3万人を越す自殺者が出るということも、経済的苦境もさること
ながら、この集団での役割喪失に耐えられない人が多いのでは?

 戦後の教育で、個人の尊重を教えられたましが、日本人は「個人の意味」が、いま
だに理解できないのではないでしょうか。

クローンドリー

2004-04-28 | 読書
【クローンで思い出すのは、ドリー。世界初の体細胞クローンヒツジです。
 あのドリーが、昨年2月、安楽死という結果に終ったことをご存じですか?
 その事実を知ったとき、「やはりそうなってしまったか。体細胞を使うと、テロメ
アの問題があるからなあ」と私は頷いた。
ドリーは、6歳のメスの乳腺の体細胞から採った核を元につくられたクローン(おっ
ぱいと言えば、なんと言ってもアメリカのカントリー歌手、ドリー・バートンととい
うことでドリーなのです)。
 染色体の末端にはテロメアとと呼ばれる部分があり、そこでは人間の場合、TTA
GGGという塩基配列が1000~2000回繰り返されています。
 体細胞の場合、この繰り返しが、細胞分裂の際にDNAが複製されるたびに少しず
つ脱落し、短くなる。
 テロメアとは時間とともに切り取られていく1000枚、2000枚綴りの食券か、バスの
回数券のようなものなのです。(さらに言えば、テロメアは本来、DNAの本体が複
製のたびに短くならなくて済むよう、身代わりとして存在している)。
 ともかく、ドリーはテロメアのうえでは、生れた時点で既に6歳とカウントされて
いた。
 彼女は1996年7月生れ、結局、6歳で死んだわけですが、実際には12歳だっ
たということができるでしょう。ヒツジの平均寿命もそのくらいです。・・・・
 しかし何と言っても凄いのは、ガン細胞。
 テロメラーゼという酵素を持っていて、何とテロメアの補充をする。ガン細胞が生
き続けるのはこのためです。
 テロメラーゼこそ不老不死の薬かも?】
 追伸:3月5日のTK-ML8979の再録
【退職してから、もう7年半ですから、現役時代の身体はすっかり入れ替わったこと
になります。
 でも、どうせ入れ替わるのなら、若い細胞に入れ替わると良いのですが、老人の細
胞は老いた細胞に代わるようです。どういうメカニズムなのでしょう。
 分子生物学の教科書をひもとくと、「テロメヤ」なる言葉が出てきました。染色体
の末端部分にある、短い塩基配列の繰り返し。このテロメヤは細胞分裂を繰り返すた
びに短くなる。ある限度以下に短くなると、もう細胞分裂をしないのだそうで、これ
が老化と関係するのでは?と言われていますが、正確なことはまだわかりません。】

続・年金改革

2004-04-27 | マラソン
尾張名古屋のNOZUEです。
 年金にはもう一つ、大きな問題があります。少子化が続くことにより、現役世代が
年金を負担しきれなくなる?という不安です。
 根本的にいうと、これには年金支給開始年齢を引きあげるしか方法はないと考えま
す。その際、官僚が恣意的に引きあげるのでなく、年金を貰う人数は負担する人口の
例えば、4分の一以下にするように、国勢調査の結果に基づき自動的に定める。
 「少子化」問題は、日本人が、子どもを少なくするというライフスタイルを選択し
た結果です。子が少なくなれば、老後は自分で頑張るしかない。子を産まず育てず老後
を見てくれというのは虫が良すぎる。そもそも、人類が子どもを育て、歳をとったら
子に面倒を見てもらうということは、太古の昔からやっていたことです。その子を産
まなければ、老後は自分で面倒を見るしかないでしょう。
 政府がやるべきことは、出生率を上げることでなく(政府が子を産むことを強制で
きない)、現行の60歳定年から年金受給開始年齢までの雇用を確保する政策なので
す。(最近政府は若い人の雇用も確保できないようだ。)

 今回の政府案は、物価上昇率1%、賃金上昇率2.3%、運用利回り3.2%という
架空の数字で現行制度のまま収入と支出の数字合わせをしただけ。(保険料の引き上
げ幅と年金の引き下げ額に合う様、数字を操作しただけなのでは?)
 一方、民社党の対案は、賦課方式の基礎年金と積み立てによる年金を区分したのは
良いのですが、
、積み立て方式の保険料に対応する所得の把握に触れていないし、少子化に対応する
方式を入れないと、消費税を引き上げても、将来的には永続出来ないでしょう。

 いずれにしても、小泉さんはもう少しマジメに年金問題をやって欲しい。マジメに
やらなくても、選挙に勝てると思っているのでしょうか?


年金改革

2004-04-26 | 経済と世相
 数週間前見ていた番組(朝日テレビ系)で、小泉首相が田原総一郎氏と年金法案の
対談。「年金制度は一元化が望ましい」と語った。この発言が問題になった。
 野党が「総理が一元化が望ましいと言っているのに、年金法案に一元化の一も出て
こない!」「どうしてこれが抜本的改正なんだ」と審議拒否騒ぎになったことは、皆
さんご存知のとおりです。
 小泉さんは苦し紛れに「一元化は将来の姿、やろうとしても20年、30年先のこ
とだ。だから、今回の法案を可決した後、十分議論すれば良い」と言う。
 「どうして、20年もかかるというの?」もし20年かかると言うなら、なぜ20
年かかるのか?説明が必要だと思うんですが、・・・と言うわけで、この問題を愚考
しました。

 最初に、一元化は何故望ましいのか?国民年金、厚生年金、共済年金、議員年金な
どの現行制度を統合して同じ制度にしようというのが一元化ですが、どうして統合化
して同じ制度にする必要があるか?
 年金が積み立て方式なら、年金制度が複数あって内容に差があっても良いのです。
 なぜなら、自分たちの積み立てたお金を自分たちに配分するわけですから、多く積
み立てれば多くもらえる。何の不思議もない。
 ところが、賦課方式(積立でなく、現役世代の払う金つまり税金を、その時代の老
齢者に払う方式)だと、自分の積み立てた分でないお金を貰う。その時、職業によっ
て貰う金額が違うというのは大変に不公平である。
 で、日本の制度はどちらか?というと、当初は積立方式ということで始まったが、
いつの間にか税金からの給付、つまり賦課方式の分が増えてしまった。つまり、建前
は積み立てだが、実質は賦課方式。
 税金で給付するのに、職業により、厚生年金(民間サラリーマン)、共済年金(公
務員)などに分かれて支給額が異なってくる。これは大問題なのに、「改正するのに
20年、30年かかる」と言われて黙っているのはおかしい。もっと国民は声を挙げ
るべきです。
 ところが、一元化しようとすると、解決しなくてはいけない問題がある。例えば、
厚生年金では、払込金を本人と雇い主が折半しているので、国民年金も同額払い込も
うとすると、被雇用者の倍の金額を払うことになり、負担出来ないということになる
(問題A)。もう一つ、現行では国民年金は月額¥13300。これを厚生年金と同
様、所得に応じた金額にしようとすると、サラリーマンの場合、所得が分かっている
が、自営業の場合、所得が把握できない。年金は税務署でなく、社会保険庁が集めて
います(問題B)。
 問題Aを解決するシステムを考えると、やはり、賦課方式による年金と積立方式に
よる年金と、きちんと区別した2階建てにして、賦課方式の部分は全国民同じ、積立
方式は積み立て額は所得に応じて異なり、支給額は積み立て額に基づく支給(税金は
投入しない)にすべきだと考えます。
 問題Bを解決するためには、社会保険庁が集金するのでなく、税務署が集めること
にすれば良い。
 これが出来ないのは、そうすると、社会保険庁の職員1万数千人が失業するからで
す。でも、年金は国民の生活を守るためのもので、役人の生活を守るためのものでは
ない。元長官が汚職をするような役所は潰してしまった方が良い。
 もともと、国民にとっては年金保険料は税金みたいなものです。この際、年金税と
改名して税金にしたほうが良いのでは。そうすれば、国務大臣が21年も納めないな
どということはなくなる。
 こうした改革が出来ないのは、税金は財務省、年金は厚生労働省と管轄が分かれ、
官僚は自分の管轄内でしかものを考えないからです。
 そこに、政治家の出番があるのに、小泉さんは「20年かかる」と構造改革の意欲
は全くない。(続く)

為替介入の問題点

2004-04-22 | 経済と世相
 以下は週刊朝日4月15日号に載った堺屋太一さんの文章です。
【4月7日、財務省は3月末の外貨準備高が8266億ドルになった、と発表した。
1年前より3300億ドルの爆発的な増加である。
 急増の主たる理由は、政府・日銀の行った為替介入だ。2003年度の円売りドル
買いは30兆円にも達する。3年前の小渕・森内閣当時とは、ケタ違いといえるほど
巨額だ。
 それに伴う損失は大きく、既に8兆円を超えている。1年間の消費税の税収は約9
兆5000億円、その9割近い金額が、外国為替特別会計の評価損になっている。
 為替介入の意思決定は主として政府、つまり財務省の財務官ら少数が行っている。
彼らはどういう理論的根拠か説明もせず、円の対ドル相場を円安ドル高に保つべき
だ、と考えた。そしてそれを、政府の、というよりも自分達の権威と権力でできると
信じた。これまで何度も為替介入をしても結局は効果がなかった前例があるにもかか
わらずだ。・・・
 それでも関係閣僚の目配りが利いていた時代には、介入額は抑制され効果的な時期
と手法を考える努力はした。ところが小泉内閣は思考停止状態だから、官僚達はやり
たい放題、確たる根拠もなく無制限に為替相場を楽しみ出した。
 金額に歯止めがなくなると、頭脳は止まる。ただただ力ずくで円を売り、ドルを
買った。一時、円が110円まで下がると、押し下げ効果を狙ってさらに円売りをし
たが、そのかいもなく相場は逆転し、すぐ105円前後になった。それが急に3月下
旬には介入をやめた。8兆円もの損失を残して。
 銀行であれ商社であれ、これほどの損を出せば担当者はクビどころでは済まない。
だが、官僚は誰一人クビにも戒告にもならない。・・・
 官僚の損しだい放題体質はこれに限らない。年金基金や雇用保険は、大赤字の保養
施設や劇場を造って消費税収入と同じほどの累積損を出している。ここでも責任を
取った官僚はいない。】
 この文章が示す問題点、即ち、政府が為替介入することの問題点を考えて見ます
(順不同)と、
1.損失のツケは、最終的に国民に回される?
2.一時的であれ、円安誘導することは、輸出企業に補助金を出すことに等しいので
は?
3.ドル買いで得たドルで、政府は米国財務省証券を買っている。この米国債は利子
が得られるメリットはあるが、自由に売れない?(売りに回ると、米国政府からク
レーム?)
4.政府は円安で、景気の下支えができると考えているようだが、本当に景気に好影
響するのか?
5.ドル買い資金の円が世界中に流れていくが、将来、これらの言わば自由円を、日
本政府がコントロール出来なくなるのでは?
 これ以外にも問題はあるかもしれませんが、政府・日銀が何の説明もなく、為替介
入したり、止めたりしていることこそが、一番大きな問題ではないでしょうか。

追伸:22日、中日新聞ファインダーで「政府・日銀は今回の介入で得たドル資金で
米国債を購入し、米国のイラク戦争の戦費を調達した。これが介入の真の目的だ」と
の記事がありました。
 最初から、その目的でやったかどうかは断言出来かねますが、結果を言えばその通
りだと思います。


NGOの意義

2004-04-21 | 経済と世相
 政府がいつも正しいことをやっている、と考えてはいけないのではないか?20
日、21日の朝日の記事からあらためて考えました。

 21日の朝日(県内版)で、小野真理子さん(セイブ・イラクチルドレン・名古屋
代表)がこう語っています。
【高遠さんのストリートチルドレンへの支援はほかの人では代え難いものです。その
活動が日本への信頼をどれほど高めたか、それは計り知れません。パウエル国務長官
も高遠さんらの活動が尊いと言っていることからも明らかです。イラクから、自衛隊
を除くすべての日本人が引き揚げると、国民に必要な情報も入らなくなりますが、そ
れでもいいのでしょうか。】
 政府といっても、実際は閣僚と高級官僚、所詮、人間です。人間のやることには必
ずミスがあるもの、政府の決定したことも誤っている場合があるでしょう。だから、
政府が手をぬいている仕事を民間のNGOがやるということは、野球で譬えれば、政
府が抜かれたボールを拾うプレイです。
 もし、自衛隊以外の日本人がイラクに行っていなければ、日本人はアメリカの繰り
人形と世界に思われます。高遠さんらの活動は、日本人に、自分の意思で、損得をは
なれて不幸な人々を助けようとする人たちがいることを世界に知らしめた。
 ここの、パウエル長官云々は4月20日の朝日の記事です。
【米国務省のホームページには、パウエル国務長官のインタヴューが載っている。
 TBS記者の質問に15日、答えたインタヴューで長官は「彼らのような市民や、
危険を承知でイラクに派遣された兵士がいることを、日本の人々はとても誇りに思う
べきだ」と語り、「私たちは『あなたは危険を冒した、あなたのせいだ』とは言えな
い。彼らを安全に取り戻すためにできる、あらゆることをする義務がある」と続け
た。】
 長官も、NGOの意義が分かっています。 
【NGOやボランテイアの力が必要な地域は大なり小なり危険、紛争地域です。中立
の立場で機動的でノウハウを知っている人が国家では出来ない活動をしている。この
ままでは、世界の大半の地域での支援活動はできなくなる。国家の意向に沿わない活
動は認めないという発想だとしたら、大変おそろしいことですね。】小野さんのご意
見をかみしめるべきです。

 これに比べ、小泉首相の発言。【16日、解放直後の3人について記者団に「イラ
クに残りたいという人もいるようだが」と問われ、「多くの政府の人たちが自分たち
の救出に寝食を忘れて努力してくれているのに、なおかつそういうこと言うんですか
ねえ。自覚というものを持っていただきたいですね」と答えた。】
 NGOの意義について、自覚して欲しいのは小泉さんの方です。
【日本は紳士的でイラクで橋や病院の建設など、非軍事の面で大いに貢献してきまし
た。よく働く機械と性能の良い車のイメージ。昨年2月に訪れたイラクでは、子ども
たちは『ヤバニ、ヤバニ』と言って後ろから追いかけてきました。でも、11月の時
には、爆竹を投げられました。アメリカへの信頼ばかり気にした自衛隊派遣は、アラ
ブ社会での日本への信頼を一気に地に落としかねない暴挙です。】(小野さん)


ペニスの仮説

2004-04-17 | 読書
 変わった研究を紹介します。例の竹内久美子さんが、週刊文春4月15日号に書いています(こういう楽しい記事が読めなくなりますから「出版さし止めは無効」という東京高裁の判決を私は支持します)。
 鳥のペニスについての研究です。
【魚類、両棲類のオスにはペニスがありません。爬虫類には大部分の種にあるもの
の、ムカシトカゲのような原始的な種にはない・・・。
 ということはつまり、ペニスは爬虫類の進化の過程で出来てきた―――そう考えら
れるのです。
 その、ペニスのある爬虫類から鳥類と哺乳類が進化したが、鳥では普通ペニスがな
い。
 鳥では、何らかの理由によって失われる方向に進化した。
 その理由とは?・・・その前に。ペニスを失っていない鳥も結構あります。・・・
ハクチョウ、ガン、カモ、アヒル、ガチョウ、オシドリなどの水鳥が挙げられます。
 もし、ペニスがないとどうなるか。他の鳥と同様、オスとメスが總排泄腔を単に
くっつけるという方法で交尾するとどういうことになるか。
 精子が水に流されてしまう。・・ペニスを失うわけにはいかなかったのかもしれま
せん。
 では(水鳥以外の)鳥は普通、なぜペニスをなくしてしまったのでしょう?
 ペニスがあると飛ぶのに邪魔?・・飛行機が車輪を引っ込めるようにペニスも引っ
込めればいいはず・・・(以下、竹内流の仮説になります)
 実をいうと鳥の交尾の際、ペニスありとなしでは決定的に違う点があるのです。
 交尾時間。
 ペニスありで30秒ぐらいなのに対し、ペニスなしでは1~2秒。結局、鳥は素早
く交尾するために、ペニスをなくしたのではないか、・・・
 実をいうと、鳥の体の最大の特徴をペニスを失ったこととするなら、行動の最大の
特徴は浮気の激しさなのです。・・・オスの目が届かないことをことを確認するや彼
女は近くの下生えに飛んでいった。待ち構えていたもう一羽のオスと交尾するため
だ。そしてすぐさま飛んで引き返し、何事もなかったかのようにピョンピョン跳び、
元のオスに合流した。
 即ち、浮気の交尾を素早く済ますため、鳥はペニスをなくしたのではないか?】

 これも、竹内女史の受け売りですが、哺乳類の中で、ペニスに骨がないのは人間だ
けだという。
 一説によれば、神様がアダムの骨を一本抜いてイブを創った時、抜いた骨はペニス
の骨だったという。
 真偽の程は定かでないが、事実とすれば、神様は罪なことをしたものである。
 以上、忙しい皆様のお時間を、役に立たないお話に費やして、ゴメンナサイ。





人質報道に思う

2004-04-16 | 経済と世相
 昨夜、阪神対広島を衛星TVで見ていました(阪神が最下位、広島がトップになる
なんて10日前想像もできませんでした)。9時前です。ニュースが入って、人質解
放。続いて家族の歓声など映像が次々と入りました。以下は、このニュースを見ながら
思ったことです。

 外務大臣は、このニュースを私より何分早く知ったのだろうか?おそらく1時間と
は違うまい。4~5日前の「24時間以内に解放する」の声明があった時は、深夜3
時。この時間だと、目覚めて深夜放送を聞いていた私の方が、外務大臣より早く知っ
たのでは?
 考えてみると、これはたいへんな時代だ!昔は、情報はエライ人の所にしか入らな
かった。その情報に基づく判断、指示が我々のところに来るが、元の情報は良く分か
らない。分からないから批判もでない。ところが今は、皆に情報が伝わってしまうか
ら、「エライ人の判断で大丈夫?」。「エライ人って本当にえらいの?」ということ
になる。(外務大臣もたいへんだ。)
 これが情報技術の進歩した社会なんだろう。

 私事だが、毎日メールを送信する時、情報技術の進歩に感嘆している。
 TK-MLへのメールを作成して、送受信のボタンをクリックすると、送信後、受信
メールのダウンロードが始まる。見ると、受信メールの最後に、たった今送信した私
のメールが、TK-MLのナンバーと広告が付されて到着しているというケースが、
2回に一回以上発生するのだ。なんと言う早さ!
 2月末にKDDIの「光+電話」に加入したのですが、「光」の威力ですね。それ
まではBフレッツのマンションタイプの契約をしていたのです。これはマンシヨンの
エレベーターホールにある中継器までは光ファイバーで来ていたのですが、中継器か
ら自宅まではメタル線でした。今度は自宅玄関まで光です。それに、電話も光のネッ
トに乗せますので、全国一律3分8円です(大体、北海道でも九州でも時間は1秒も違
わないのですから、遠距離と市内で料金が違うことがおかしい)。これは助かりま
す。
 これで料金は¥4550/月、これに3分8円の電話代が足されるだけです。
 平成11年10月のTK-ML905で、インターネットの料金引き下げをしない
と、日本はIT時代に立ち遅れると述べましたが、4年半でこれほど劇的に料金が下
がるとは思いませんでした。「失われた10年」という言葉がありますが、経済成長
とお役所の構造改革は、確かに「失われた10年」ですが、それ以外は、凄い変化が
今の社会に起きていると思うのです。


いわさきちひろ

2004-04-13 | 美術館と美術展
 4月13日、「いわさきちひろ展」を見に行きました。没後30年記念と銘打っていま
したから、彼女が死んでからもう30年が過ぎたのですね。松坂屋美術館は、10時の
開店早々入場券窓口は長蛇の列が出来ていました。今日が最終日での賑わいらしいの
ですが、殆ど女性ばかり。
 大正7年生れ、本名知弘(ちひろ)。画家としてデビューした時の作品から、晩年
の作品まで約140点展示されていましたが、一番印象に残ったのは「戦火のなかの
こどもたち」という絵本の中の『焔のなかの母と子』という作品でした。
 空襲の体験、ベトナム戦争の報道、それに『さとうきび畑』の歌との出逢いから生れた作品ということでしたが、母と子の視線に作者の思いが込められてい
るのを感じました。
 ちひろの作品はどんなものは、興味をもたれましたら、以下のホームページをご覧
ください。
  http://www.chihiro.jp/top.html
及び
  http://www.matsuzakaya.co.jp/museum/iwasaki/index.shtml

 話は別ですが、昨夜、TV番組”たけしのTvタックル”見ていたら、日本人人質
問題について、某評論家が”なんと愚かなことをしたのだろう!”という趣旨の発言

していました。イラクが危険な地だということは分かりきってる。自己責任で行動し
なさい。自衛隊派遣は(派遣には私も反対だったが)実際に派遣してしまった以上、
3人の人質問題と秤量できる問題でない!次元の違う問題だ!”というのです。

 まことにご尤もなご意見です。こういう理性的(リコウ)な判断基準からすれば、
彼らの行動は、理性を欠いた(早く言うとバカな)行動です。
 しかし、理性的な行動からは、もはやこの世を変える力は生れない!
 世の中を変えるのは、リコウでなくバカではないか?と思った次第です。ここでい
うリコウとは、自分の利害得失を判断基準にする人、バカとは自己の利害得失が分か
らない人の意味です。

 平和を願って絵をかき続けたちひろの、絵を見ながら思ったことです。




光より早い!

2004-04-12 | 読書
 『光速より早い光』という奇妙な題の本を読みました。光の速度が一定(真空中で
秒速30万m)というのはアインシュタインの相対性理論の基礎になっている話で、
その光速を超える光が存在するなんていうのは、「とんでも本」?でも、NHK出版
が、出たら目な本を出している筈ないと、大枚¥2300+税を払って購入したしだ
いです。
 著者は、JOAO MAGUEIJO。1967年生れの理論物理学者、ロンドン
大学インペリアル・カレッジ教授。プリンストン大学客員研究員。といういことです。
 一通り通読しましたが、まだピンとこない点が多いのですが、著者の主張は、簡単
にいうとこういうことです。
 光速cが一定というのは、現在の光速は一定という意味で、宇宙が誕生したいわゆる
ビッグバンの時(具体的にはビッグバンから1秒以内の時間)には光速は、今のcよ
りずっと早かった。と仮定すると、宇宙生成に関する諸現象を旨く説明できるという
のです(どう説明できるかは長くなるので割愛)。
 著者はこの”光速変動理論“(Varying Speed of Ligh
t)、略してVSLと呼ぶ理論誕生の経緯を、詳細に述べています。世の中には、随
分変わったことを研究している人がいるものですね。

 この話を読んで、理論の正しさを保証するものは何かを、あらためて考えてみまし
た。言うまでもなく、科学においては、実験結果が理論どおりになっているか?で、
理論の正しさを検証します。しかしその場合、その実験結果を裏付ける理論がただ一
つだということは、必ずしも言えないのでは?
 天動説と地動説、ガリレオの”それでも地球は動いている“の言葉は有名ですが、
現在の宇宙に関する知識から言うと、もちろん、地球は動いていますが、太陽だって
動いている。だから、地球を停止させて(原点を地球に置いた座標系で)他の惑星と
太陽を動かす方程式を作れないわけではない。
 しかしその場合、太陽を原点とする方程式より、かなり複雑な式になるだろう。し
てみると、理論の正しさを裏付けるのは、実験結果だけでなく、理論のシンプルさでは
ないでしょうか?ことに、実験に現在の技術水準からして限界がある場合、更に、実
験が不可能な場合、ある事象を説明する理論の正しさは、いかにシンプルな理論で、
その事象を説明できるか、ではないでしょうか?
 最近、特に思うのは、経済現象を説明する理論は、いかにシンプルに(いかに少ない
仮定で、いかに単純なプロセスで)説明が可能であるかだと思うのです。
 放送大学の新学期、”宇宙とその歴史”(杉本大一郎教授)を選択しました。宇宙
理論の歴史から、宇宙解明理論のシンプリシテイを味わいたいと思うからです。