古稀の青春・喜寿傘寿の青春

「青春は人生のある時期でなく心の持ち方である。
信念とともに若く疑惑とともに老いる」を座右の銘に書き続けます。

2014第3四半期私撰10大ニュース

2014-09-30 | 経済と世相
 もうあすは10月ですね。
7~9月を振り返り、私撰で4半期ニュースをまとめてみました(順不同)。
1. 集団的自衛権の閣議決定
安倍さんは「戦争の出来る国にしたいらしい。
2. 広島で土砂災害
何処にいてもいつ災害に遭うかわかりませんね。
3. 神戸で小1女児殺害事件
あまりにかわいそうで、言葉もありません。
4. スコットランドで独立の国民投票
海外ニュースですが、沖縄もやるのじゃないのと思って取り上げました。
5. 御嶽山噴火 予知連絡会の責任は重い。
9月初旬から御嶽山の地震計がたびたび反応していた。東北大震災以来、20山ほどの山でマグマの活動が盛んになっていたことなどがあり、レベル1(注意せずに登山できる)をそのままにした責任は重い。
6. STAP細胞問題で、笹井副センター長自殺。
どうなってんんか。
7. 7月14日、最高裁、沖縄密約非公開の判決
最高裁は「情報公開の重要性」がわかっていないのか。
8.GDP成長率失速4~6 月期の実質 GDP
成長率は前期比▲1.8%(年率▲7.1%)へ下方修正された。消費税アップはどうなる?
9李香蘭、山口洋子、土井たかこさん 時代を画した女性が世を去った。
10.原子力規制委員会は川内原発審査を合格に。
国土が住めなくなるリスクを冒しても原発を動かしたい人がいる。
番外:昭和天皇実録公表


駅ちかウオーキング

2014-09-29 | 旅行
 9月27日、駅ちかウオーキングに出掛けました。9時家を出て、9時半、地下鉄いりなか駅。1番出口を出ると、飯田街道。右手の信号を右に回り八事日赤病院に向かう道、しゃれたつくりの家々が立ち並びます。今日の目玉は、名大キャンパスと東山一万歩コースです。中京テレビ前を通り、高峰町の交差点を左折して名大南に出ました。豊田講堂の右手に名大博物館。
http://www.num.nagoya-u.ac.jp/outline/index.html
名大北の信号を右に「2008ノーベル賞展示室がありました。
http://www.sci.nagoya-u.ac.jp/nobel2008
「2008年には、名古屋大学関係者である、益川敏英先生、小林誠先生が物理学賞を、下村脩先生が化学賞を受賞されました。これを記念し、2011年6月、ES館2階にノーベル賞展示室をリニューアルオープンすることにしました。3先生の研究が如何に育まれ、どんな成果に至ったか、広く皆さんに知って頂くと共に、後進の学生が、我らの素晴らしい先輩の偉業に触れ、後に続くことを願って、名古屋大学博物館のサテライトとして、この展示室を開設することにしました。」とのこと。
名古屋大学の歴史の年表があり、歴代の学長の写真、自分の入学したときは、勝沼先生だった、など思いながら展示を見ていく。増川・小林先生のノーベル賞受賞論文「CP対称性の破れ」が展示され「ご自由にご覧ください」とあったが、ご自由に見ても、何が書かれているのか、ちんぷんかんぷんである。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%8F%E6%9E%97%E3%83%BB%E7%9B%8A%E5%B7%9D%E7%90%86%E8%AB%96

「物理学科へ行っていたら多少はわかるだろうが」、たぶん、工学部よりも理学部に行った方が、自分にあっていたのではないかな、などと、60年以上前のコース選択のことを思い起こす。
 名大キャンパスを北へ抜けて出た広い坂道を右折、東山に向かう。東山植物園の脇から一万歩コースの道に入る。
植物園、動物園の東側を歩いて、バス通りに出ると、左に自動車学校、右に星ヶ丘テラスの店店が並んでいた。
地下鉄皮脂が丘5番出口でゴール。12時でした。行程6.5㎞でそれほど長い距離ではなかったが、アップ・ダウンが多いので「剣客向きコースだな」と感じました。穏やかなウオーキング日和でした。





シニアクラブのウオーキング

2014-09-27 | 旅行

26日は、住宅のシニアクラブのウオーキングに出掛けました。9時半出発、城北橋バス停から3区、志賀公園前のバス停で降りると、総勢11人(男4、女7)が揃った。志賀公園までは、歩きでもバスでもいいですよ、ということにしてあったのです。今回は近場ばかりを訪ねるので、参加者は少ないかな、とおもっていたが、意外に大勢参加してくれた。
 志賀公園は、織田信長の家臣・平手政秀の屋敷跡に造られた公園で、公園中央に平田邸の記念碑がある。
政秀は、信長の護り役であったが、信長が若いころ素行が悪いのをいさめて自刃したと伝えられる。

いかにも年代を経た木々が立ち並び、近隣の人々の格好の散策場所になっている。
公園を一回りして北口から西へ。西武医療セナー(昔は城北病院といい、もう少し東にあった)、ずいぶん立派な病院になっている。北へ向かい、又穂住宅を過ぎると用水の流れ、散歩道がある。伊奴神社に来る。673年、天武天皇の御世に創建されたというから、1300年余を経た神社だ。安産の神様として知られる。聞くところでは、犬はお産が軽いそうだ。そこで犬をご神体とするこの社が昔から安産の神様として信仰を集めている。

次は、神社前の道を西へ名岐国道に。信号を渡り、庚申塚におまいりする。
る。稲生原古戦場の跡、織田信長が弟の信行と戦をしたが、戦死者を葬った場所です。
境内に台湾フー

庚申塚の北には白山神社がある。信長の家臣・佐久間大学が稲生原合戦で立てこもった名塚城の跡です。神社あの建物の屋上にいろいろな動物の像が並んでいる。

ここまで1時間、少休憩。
「蚊に食われた」とHさん。「名古屋の蚊なら、デング熱の心配はない」といったが、立ち上がり最終目的地の、庄内緑地公園に向かい、庄内川の橋を渡った。
 入り口近くに酔芙蓉が咲いていた。酔芙蓉をバックに記念写真。酔芙蓉は、朝、白い花を咲かせる。日中になるとピンクになり、夜になると紅くなり翌日には花を落とし、また別の白い花を咲かせる。11時過ぎだったので、まだ白い花が多い。その後、グリーンセンターにはいると、バード・カービング(鳥の彫刻)の会の作品展をやっていた。一つの作品に1年も1年半もかけて作るのだという。

 公園で昼食。広場で幼児たちが遊んでいた。
「子供はみんなかわいいね」と、Kさん。
「それにしても神戸の小1の女の子はかわいそうだ」と、Iさん。
散策した後、1時、地下鉄で帰ることにする。
帰るころには、酔芙蓉が淡いピンクに』なっていました。
 お天気に恵まれ、楽しいウオーキングでした。


アベノミクス批判

2014-09-25 | 読書
  かねてから経済学の泰斗と尊敬している伊東光晴京大名誉教授の新刊がでました。『アベノミクス批判」(岩波書店、2014年7月)です。
 第1章は「日銀の量的・質的緩和は景気浮揚につながらない」と、岩田理論を批判する。
 【不確かな理論に基づく政策の登場は、レーガノミックスとおなじである。レーガノミクスは、税率が下がれば税収が増えるという。そのための理論がラッファーカーブであり、税率ゼロなら税収はゼロ、税率100%なら、誰も働かないので税収ゼロ、その間に山形のカーブがあり、この最高点より現在の税率は右にあるとした。ラッファーカーブは実証されていないし、現在の税率の位置も実証されていなかった。アベノミクスも、実証に欠け無理論であると述べる。
 第2章「安倍・黒田氏は何もしていない」は、雑誌世界(2013年8月号所収)は、雑誌に載った時に紹介しています。http://blog.goo.ne.jp/snozue/d/20131228
第3章は第2の矢「国土強靭化」への批判です。
この政策は、自民党の支持基盤である利権集団への空手形であり、予想される南海トラフ巨大地震に伴う津波対策は、どのようなものなら実現可能かを論じています。
 この津波対策は10年間200兆円の対策費を投ずるという。しかし、財源を検討すると、年20兆円の公共投資は不可能です。 静岡から九州まではあまりにも長い。できるのはところどころであり、駒切れの堤防では、大津波を防ぐことはできない。著者の提案は、
 日本の現在の建築基準と建築技術で作るなら4階建ての鉄筋コンクリートの建物は大津波に耐えられる。海岸線沿いの土地に4階建ての公共住宅を建てる。の建物は海に近い所で働く人が住めるようにする。屋上は津波から身を護る避難所にする。堤防は巨額の費用をかけても家賃を産まない。すべてが連携しないと役立たずだが、こうした住宅は一つだけでも役立つ。
 第4章は「人口減少化の経済」。
 阿部所掌の第3の矢、成長戦略は、人口減少と言う日本経済の与件変化を考慮していないと批判する。
 当局は何を目的にして経済成長にこだわるのか。それは、経済生著王による税収の増加である。
 経済学者・ハロッドは、自然成長率という概念を提起する。自然成長率は人口の増加率と技術革新(労働者数辺り生産額の増加)によって決定される適正な経済成長率である。現実の成長率は、長期にわたって自然成長率を超えることはできない。と述べる
 日本の生産年齢人口のピークは、1995年で、2010年までの15年間に7%減少した。「この先は年1%ずつ生産年齢人口は減少する」と藻谷氏は言う。技術革新を年1%と仮定すると、自然成長率はゼロである。
 こうした日本経済の与件の変化に対応できる具体的なプランが第3の矢「日本産業再興プyンにはみられないと批判する。
 では、どうすればよいか?60年代の日本の高度成長は、高い経済成長の持続と分配の改善を推し進めた。現在、成長と分配の不平等が同時進行している。社会主義を標榜している中国の現状をみれば明らかであろう。格差拡大はあまりにも大きい。90年代以降、日本経済の分配関係が悪化し続けている。加えて財政赤字は先進国中最悪である。
 今必要なことは、第3の矢が志向する成長願望でなく、成熟社会に見合った施策であり、人口減少社会に軟着陸するための叡智である。少なくとも経済成長したとき、財政が黒字になる構造改革と、若年者に悲惨な生活を強いる派遣労働を禁止し、福祉社会を志向することである。
第5章で、日本の財政を分析し、第6章で安倍政権の三つの政策、原発輸出、労働政策、TPPを批判する。
そして、最終章で著者は、安倍首相が重点をおいているのは、経済政策ではなく、戦後“政治”の改変であると危惧している。
読み終わって感じたことは、問題は個々の政策ではなく、それらの政策の背後にある哲学が、安倍首相と伊東教授とは全く違うというとです。アベノミクス批判は、哲学からはじめなくてはならない。

竹中平蔵さんの経済学

2014-09-23 | 読書
『市場と権力』(佐々木実著、講談社、2013年4月刊)を読みました。
竹中平蔵氏の伝記です。著者は日経新聞記者を経たノンフィクシヨンライター。
 【宇沢弘文なる経済学の泰斗がいます。40年以上前彼はこう綴っている
まずは、本の終章から。
「1966年、アメリカの上院外交委員会によって開かれた公聴会、ベトナム問題、について、フルブライト委員長から批判的な質問がなされたのに対し、当時、国防長官であったマクナマラ氏が次のように証言したのである。まず、ベトナム戦争で投下された爆弾の量、枯葉作戦によって廃地化された土地の面積、死傷した共産側の人数など、豊富な統計データを掲げて、ベトナム戦争の経過を説明した。そして、これだけ大規模な戦争を遂行しながら、増税を行うことなく、インフレもおこさないできた。それは、国防省のマネジメントの改革などを通じて、もっとも効率的な、経済的な手段によってベトナム戦争を行ってきたからである。そのような功績を果たして自分がここで批判され、非難されるのは全く心外である、と言う意味の証言である。私はいまなおこのときのマクナマラ氏の自信にみちた姿をまざまざと思いだす。と同時に、マクナマラ証言によって、言葉に言い尽くせない衝撃を受けたことを覚えている。マクナマラ氏は経済学者ではないが、その主張するところはまさに近代経済学の基本的な考え方と通じるものがあったからである(「混迷する近代経済学の課題」)。
これを書いた経済学者、宇沢弘文はかつてアメリカ経済学界をけん引する経済学者だった。シカゴ大学教授として学会の注目を集める論文を次々発表し「新古典派経済学」と称される経済学の世界的リーダーとなっていた。彼が主宰するセミナーには、ジョセフ・スチグリッツや、ジョージ・アカロフなど、後にノーベル経済学賞を受賞する気鋭の若手研究者たちが蝟集していた。
 マクナマラ国防長官の発言に「言葉に言い尽くせない衝撃を受けた」というのは誇張でなかった。マクナマラが証言した1966年にシカゴ大学を去る決意を固めているからだ。ポール・サミエルソンは、飛ぶ鳥を落とす勢いの宇沢が突然日本へ帰国してしまったことを「国際的名声の頂点において名誉ある地位を放棄した」と評したという。
宇沢はこの短い論考の中で、自分を含めた世界の経済学者たちが信奉してきたものに疑いの目を向けている。「価値判断」をめぐる問題に彼はこだわった。
経済学は、ある目的を達成するために「どのような手段を用いたらよいか」を扱うけれども、「どのような目的を選択すべきか」を扱う学問ではない。目的をきめるのは、「価値判断」である。
 竹中氏の経済学は、自らあるいは自らのグループの効率を追求する経済学だ、と著者はいいたいようだ。
この本の中で、次のエピソードが紹介されている。
 90年代前半、アメリカと日本を股にかけて生活していた4年間、竹中は住民税を支払っていなかった。
 地方自治体は市民税や都道府県税といった地方税を、1月1日時点で住民登録している住民から徴収する。従って、1月1日時点でどこにも住民登録されていなければ、住民税は支払わなくて済む。
 竹中はここに目をつけ、住民登録を抹消しては再登録する操作を繰り返した。1月1日時点で住民登録が抹消されていれば、住民税を払わなくて済むからである。

以下、『週刊朝日』(2000年5月26日号)の対談、作家の林真理子に勧めている。
竹中 私は、作家の方こそ、海外で過ごすべきだとおもいますよ。税金が減りますよ。
林 どうしてですか。
竹中 地方税を支払わなくていいんです。地方税は台帳課税方式で、1月1日時点で住民台帳に載っている人がそこの場所で払う。もちろん海外に生活の基盤があることが前提ですが、1月1日にどこの住民台帳にも乗っていなければ、払う必要ありません。
地方税の未払いは個人の問題だが、こうした姿勢は自民党の政治家としても貫かれる。
 りそな銀行破綻劇のしられざる結末の最たるものといえば、自民党への融資だろう。
りそな銀行の自民党に対する融資額は、破綻前の2002年末は約5億円にすぎなかった。ところが、破綻して政府から2兆円の公的資金を受けたあと、りそな銀行は自民党への融資を増やして、2005年末には約54億円に達した。わずか3年間で10倍以上に増えている。
 こうした話題が次々登場する本でした。

偽薬効果

2014-09-20 | 経済と世相

『アベノミクスの終焉』(服部茂幸著、2014年8月、岩波新書)なる本を読みました。「偽薬効果」という面白い言葉がありましたので、紹介します。
 【えらい医者が良く効く薬だと偽って、薬でないものを患者に与えても、患者がよく効く薬だと信じていると、本当に病気が治ることがある。そこまでいかなくても、症状が改善することがある。これが偽薬効果である。
 証券市場や為替市場における偽薬効果はもう少し複雑で、ケインズがそれを美人投票に例えたことは良く知られている。ケインズのいう美人投票では、得票の多かった女性を選んだ投票者には賞品が与えられる。賞品がほしい投票者は、自分の好みではなく、みんなの好みに従って投票をしなければならない。しかし、他の人々も同じことを考えているかもしれない。その場合、みんなの好みではなく、「みんなの好みだとみんなが考えているもの」に従って投票しなければならない。
 株式や外貨の投機によって利益を得ようと考える投資家たちも、アベノミクスに本当に効果があるのかどうかではなく、他の人々がアベノミクスに対して、どのように考え、行動するかを考えて、投資するかどうかを決める。
 アベノミクスそれ自体に効果がなくとも、投資家たちが(間違って)効果があると思い込めば株価上昇と円安が生ずる。本当は効果がないとみんなが知っていても、自分以外の人々が効果があると信じているとみんなが誤解していれば、株価上昇と円安がが生じる。】

 昨日、東証株価が今年の最高値を更新したそうです。材料は、円安で1ドル108円をつけたこと。
これは「偽薬効果」だと私は考えました。
「円安になれば日本の企業は利益が上がる」と、投資家が誤解したのか、あるいは、他の投資家は誤解するだろうと考えた投資家が先回りして日本株を買ったと思うのです(東証の株価を決めるのは、外人投資家です)。
でも、 円安で日本企業が利益を上げられる段階は過ぎたとおもうのです。
円安になれが、材料費が上がりコストアップで、逆に利益が圧縮されます。
円安で販売数量が増えれば利益が上がりますが、最近の統計は、円安にもかかわらず、輸出数量は増えないことを示しています。
 日本にとっては、今や円安より、円高がのぞましいのですが、いったん、円安になったら円高に変える手段はありません。
日本経済は受難の時代になると、愚考します。
cf:
http://blog.goo.ne.jp/snozue/d/20140328


エピジェネテイクス

2014-09-02 | 読書
 『エピジェネテイクス』という言葉をご存じですか。
1944年の冬、オランダは記録的な寒さに見舞われた。時は第二次世界大戦末期、ドイツ軍による食糧封鎖が重なった。その結果、オランダ西部の住民は、1日あたり1000kカロリーしか摂取できないという飢餓常態に陥り、2万人以上がなくなった。
『ローマの休日』のオードリー・ヘップバーンもこの飢餓を経験し、ほんとうのところはわからないが、彼女がきゃしゃな体系で健康に恵まれなかったのは、この飢餓の影響と考える人もいる。
 その飢餓のさなかに妊娠している女性もたくさんいた。赤ちゃんがお母さんのおなかの中にいる期間はおよそ9か月、胎生前期、胎生中期、胎生後期に分けることができる。体制後期に飢餓を経験した赤ちゃんの出生時の体重は極度に低かった。そして十分に栄養が摂れるようになってからも、小さく病弱な子が多かった。
 それに対して、胎生前期に飢餓を経験した赤ちゃんは、中期・後期に成長が追いつき、おおむね正常な体重で生まれた。しかし、気がから半世紀経ち詳細な疫学的解析が行われ、驚くべきことがわかった。胎生前期に飢餓を経験した人は、高血圧、心筋梗塞、2型糖尿病などといった生活習慣病の羅漢率が高かった。更に統合失調症などにかかる率も高い。
 どう考えても不思議だ。生まれる前に置かれた環境が60年も経ってから健康に影響するという。パーカーという英国の疫学者が、(戦時下でなく)平時であっても、胎児期の環境がのちの健康状態に影響すると報告した。
 パーカーは、生まれた時の体重と、半世紀たち中年になってからの疾患との関係につき疫学調査を行った。その結果、生まれた時の体重が低いほど、高血圧や糖尿病といった生活習慣病のリスクが高いというのだ。
 この現象は、胎児期に十分な栄養がなかった場合、できるだけ栄養を摂り込むように「適応」してしまったからと、解釈される。
 これらの現象を理解するには、何らかの形で、何十年にも及ぶ「記憶」が体に刻み込まれていたと考えるしかない。そのような長期間にわたって細胞の中に安定的に維持されるものとは何か。
 遺伝?受精後の環境により決定されるものだから、遺伝ではない。
 DNAの突然変異?栄養状態が悪いからと言って、DNAに突然変異が起きることはあり得ない。
 遺伝でも、DNAの突然変異でもなく、細胞における何かが書き換えられ長期間にわたって維持されるメカニズムがある。それがエピジェネテイクスである。
つまり、DNAの塩基配列の変化を伴わない上書き情報が存在し、それをエピジェネテイクスというのである。
 では、そのメカニズムはどんな仕組みでしょうか。一つは、ある遺伝子のDNAが高度にメチル化されると、その遺伝子の発現が不活性化され、その遺伝子がコードするタンパクが作られなくなる、というメカニズムのである。
 もう一つは、ヒストンの修飾。DNAの二本鎖は単独で折りたたまれて染色体を形作っているのではない。ヒストンというタンパクに巻き付いて折りたたまれている。総延長1.8mにも及ぶdNAの二本鎖が、わずか5マイクロメータ程度の直径しかない核の中にもつれず収納されるのは、ヒストンという「糸車」に巻き付いて、コンパクトに折りたたまれているからだ。ヒストンの役割は、単にDNAを折りたたむだけではなく、いろいろな酵素によって化学修飾を受けることで、転写を調節する。ある修飾を受けると転写が活性化され、別の修飾をうけると転写を抑制する。「エピ」は、「上書き」を意味し、「ジェネテイクス」は「遺伝」の意味です。
端的に言えば、「エピジェネテイクスとは、DNAメチル化とヒストン修飾による遺伝子発現制御機構」といえる。これは、動物だけでなく植物にもある。
 動物と植物のもっとも大きな以外は、自分で動き回るか、同じ場所にじっとしているか、で環境ストレスが与えられたとき、動物なら移動してかわすこともできる。植物はそうはいかない。自分では動けない植物にとって、エピジェネテイクスは、みずからを護るために利用する生き残り戦略の一つです。
実際、植物はエピジェネテイクスを味方につけ、遺伝子発現の状態を変えることで、塩濃度、草食動物による摂食、温度、低栄養状態、紫外線、冠水といった様々なストレスに耐えている。
セイヨウタンポポに、低栄養状態、塩濃度をじょうしょうさせるなどの刺激を与えるとDNAのメチル化状態に変化が生じる。おのタンポポの次の世代を、それらの刺激なしで育てても、親の世代で生じたDNAメチル化と同じ変化が認められたという報告がある。
 前世紀の終わりに、ヒトゲノムが解明されれば、われわれの体についてすべてのことがわかるのではないかと期待されていた。そして2000年6月、ヒトゲノムの解読が華々しく発表。
ゲノムの下書き版(ドラフトとも呼ばれる)は2000年に完成した。このアナウンスは2000年6月26日、ビル・クリントン米国大統領とトニー・ブレア英国首相によってなされた。これは予定より2年早い完成であった。完全・高品質なゲノムの完成に向けて作業が継続されて、2003年4月14日には完成版が公開された。そこにはヒトの全遺伝子の99%の配列が99.99%の正確さで含まれるとされている。
しかし、生命現象を理解するにはゲノム情報だけでは不十分であることも分かってきた。
「エピジェネテイクス」が解明されないと、身体のしくみは理解できないとぴうことになってきたというのです。
自然科学は、ある事柄がわかると、まだわかっていないことがいっぱいあるのだとわかるもののようです。ゲノムの解明は、ますます身体の不思議を増やしたようです。


名城公園プール

2014-09-01 | 水泳
前便の補足です。31日名城公園プールで泳いできました。
このプールは、25m屋外プールで、毎年7月20日から8月31日(水曜休み)まで開業しています。
1000円で11枚つづりの回数券(料金シニア)が買えますので、毎年11回泳ぐのです。
このプールで泳ぐ目的は、毎年9月に水泳大会で20mバタフライに出場するのですが、
さすがに200mは練習していないと泳げない。ところがバタフライは普通のぷールでは、逆方向に泳いでくる人に」腕があたってしまうので練習できないのです。
そこで、天気の悪い日に、この名城プールにくれば、特に雨降りが是口です。時には誰も来なくて一人借り切りで泳げることもあります。
ひと夏に10日ぐらいはお天気の悪い日がありますから、毎年回数券を買い求めてここで練習しています。
 昨年は、雨の日が多くて練習不足、本番の200mでは、180mで失速し、失敗しました。
 今夏は前半暑い日ばかりですが、後半は台風の余波でお天気のすっきりしない日が多かった。
今夏の最初は9日。プールに入り泳ぎ始めて愕然としました。バタフライが全然泳げない!
通常、身体を使って覚えたことは忘れません。たとえば、本で学習したり、授業で聞いたことは忘れることがおおいのですが、
自転車の乗り方など、一度覚えたら忘れません。それなのにバタフライの泳ぎ方を忘れてしまったみたい。
バタ200mなんてとんでもない。25mも泳げない。いったいどうしたのだろう。
ここに至って、半年前の転倒事故のためだと、認めざるを得ません。脳あら手足に至る神経回路が壊れた!
 ためしに、両脚の間にプウブイを挟んで泳げば、バタも泳げるのです。腰が沈んでいると思わざるをえません。
脚の蹴る力がない。キックが弱いので沈んでしまうのです。
くりかえし、キックを練習するしかない。と、以後名城プールに行くたびキックの練習をやることにしました。
キックの練習なら腕を回さないので腕が他の人い当る心配はありません。以後10日名城プールで練習しました。
屋外プールで泳いだので、顔は日焼けで真っ黒です。31日は今夏の最終日なので、泳ぎました。
脚はドルフィンキック、両手は平泳ぎで練習するのですが、この泳ぎ方なら、25m楽に往復できるようになりました。
1時間、今年最後の名城プールを楽しみました。