古稀の青春・喜寿傘寿の青春

「青春は人生のある時期でなく心の持ち方である。
信念とともに若く疑惑とともに老いる」を座右の銘に書き続けます。

続・郵政民営化

2005-07-31 | 経済と世相
 7月15日の参院郵政民営化特別委員会で、生田総裁が証言している。「中長期的に見たときは経営は次第に厳しくなってきまして安定的な発展は公社法の枠内では難しいと言わざるをえない」。
 郵政改革の問題点は、三方面から検討が必要と思います。
1.郵便事業は今後成り立つか?
 ケイタイやメールの普及で、手紙類の郵送量は極度に減少するのではないか?今
日、電報が緊急の意味で使われることは殆どない。慶弔電報が生き残っているだけ!
手紙も同じ道を歩むのではと思われます。
2.郵便貯金と簡保は大きくなりすぎたのでは?
 貯金と簡保で340兆円ぐらいになるらしい(個人金融資産総体で1400兆円という)。集めた金はどう運用されるか?近年まで大蔵省の資金運用部に寄託されていたが、現在は運用部寄託がなくなって、国債や特殊法人の財投債に回されている。国債にしろ財投債にしろ、国の機関が実際の運用をしていることになる。この金の使い方が非効率だから、郵便局を民営化して、金を政府機関でなく民間に回せと首相は言う。しかし、本当にそうしたら、国債を買ってもらえなくなる財務省は真っ青になる。
 また貯金・簡保側でも、資金の運用の専門家がいるわけではない。国債以外で運用せよと言われても、どうしたら良いか困惑してしまう。
 金額が大きすぎるから問題で、金額を減らそうという意見もある。確かに20年前まで郵便貯金の限度額は300万円までだった。それがバブルの時代に1000万円にしてしまった。ところが、今これを20年前の状態に戻そうとすると、取扱量が減ると言うことは取り扱い職員のリストラが必要ということ。簡単にいかない。
3.国営の金融機関は本当に必要でないのか?
 「資産の運用は自己責任!」などと言うが、金融知識をもたないお年寄や庶民が、安心してお金を預ける金融機関がなくなって良いのか?郵政公社は投資信託を販売すると発表したが、投資信託や変額年金など、要は販売側が儲かるように設計した商品で、儲かる商品はリスクが必ずつく。永年コツコツ貯めた金を、リスク商品に当ててしまってよいものか?
 簡保にしても、民間の保険に入りにくい人を救うという弱者救済の機能がある。経済の効率だけで、こうした機能を廃止して良いのか?(少なくとも小生は、土曜日に手数料なしに預金が下ろせる金融機関を残して欲しい)
 
 今回の郵政法案が、こうした問題を熟慮して提案されたものとは思えないのが残念

 堀内前自民党総務会長は、竹中大臣が説明に来た時「この法案にはビジョンが出ていない。民営化したらどうなるか、というのがない」といったら、竹中さんは「そうですね」。「そこが問題!」と指摘すると、「ビジョンをお決めになるのは、民営化後の経営者です」と平然としていた。(7/21週間文春)
 少なくとも現在の郵便局は国営事業なのだから、その事業をどうするかという知恵を出さず、民間に売り払ってしまうと言うのは、無責任!
 政府や議会の給料の高い人は、給料に相応しい知恵を出して欲しい。

郵政民営化

2005-07-31 | 経済と世相
 郵政法案が参議院で審議に入っています。
 自転車で走り回ると、5分以内の場所に、郵便局が三つある。10分以内なら、記憶の範囲では5箇所あるが、調べれば7~8箇所はあるだろう。郵政民営化で、過疎地の郵便局がなくなるとか、なくならないとか、国会に紙芝居まで登場して議論されているが、なくなるのは過疎地でなく、こういう都会の郵便局ではないのか?民営化されたら、これだけ沢山ある郵便局は当然合理化の対象になってリストラされる。特定局長会など、民営化に反対している人は、それが嫌だから、「過疎地が困る!」と反対する(実際は都会でのリストラが困る)。
 郵政官僚が反対するのは、民営化で「天下り先」がなくなるためだ。「簡易保険福祉事業団」、「郵政互助会」、「郵便貯金振興会」、「日本郵便逓送」(郵便の配送を行う。)など天下り用の組織がいくらでもある。これが民営化されると、合理化の対象になるのは明らか。

 ではお前は、民営化法案に賛成か?と言われると、それが困るんです。
 土曜日に預金を下ろそうとすると、メガバンクは手数料がかかる。郵便局は無料です。信金などは無料のところが多いが、旅行先などでお金を下ろしたいときは郵便局です。大体、金利が下がっているのに、手数料は据え置きですから、一回休日にお金を下ろすと一年分の金利が飛んでしまう。今、メガバンクより郵便局の方がはるかにサービスが良い。「銀行は本当に預金者に役に立っているか?」と、元東海銀行常務の水谷研治さんが、15日朝のNHKラジオで話していました。
 
 また、先日の国会中継で、江田五月さんが質問していた。「総理は民営化で、340兆円の郵貯・簡保の資金が民間で活用されるようになる」と言っているが、’97年から04年までの金融の流れを見てみると、郵便局から国へ流れる資金は相当にマイナスだが、民間の銀行から国への金の流れ(国債の購入など)は大幅な増加である(数字はメモしなかったので書きませんが?)。民営にしたからと言って国へ流れていた金が民間に流れる保証はない。
 竹中さんが答えていたが、論理的な説明になっていなかった。いずれにしても、小泉さんの郵政改革の論拠は、特殊法人などへ流れている郵貯の金を民間に回るようにすれば、資金が効率的に運用され、経済が活性化される、ということだった。
 江田さん同様私もこの点に関しては疑問である。ただ、外国の金融機関は、鵜の目鷹の目で狙っているようだから、「民間で資金を活用せよ」と言われても、そんなノウハウがなくて、困惑する郵貯の資金運用担当者に、彼らのファンドを売り込むのは、お茶の子さいさい。結果として、外国の民間に活用されることは大いにあり得る。

 民営化にも反対したいけど、「民営化反対」にも反対したい。一番願っているのは、民営化法案が参議院で否決され、小泉さんが、ヤケクソ解散をやってくれること。郵政民営化以外にも、内外に問題山積しているのですから、解散して民意を問うて欲しいと思います。残念ながら、そうなりそうもないですネ。

お役人のタカリ

2005-07-05 | 経済と世相
 喫茶店で週刊誌を眺めていたら、この6月で日本財団会長を辞した曽野綾子さんの
エッセイが目についた。「(海外)援助は、泥棒たちが途中で手を出さないような形
で、行われなくてはならない」とあった。そこで、昔のことを思い起こしました。
 10年も昔のことです。インドネシャのバリ島にマラソンを走りに行きました。帰
途、当時ジャカルタで関連会社の社長だった友人に遭いたいと、訪問しました。その
時、工場長から「このサンプル製品を本社の品証部に届けてくれませんか」と頼まれ
ました。お安い御用と受け取った。トランクに仕舞って置けば問題なかったのです
が、荷造りの終ったトランクをもう一度開けるのが面倒で、手提げバッグに入れたの
です。
 空港で税関に入って検査を受けました。手提げバックを開けた係官が「これは何だ
?」と製品を取り上げました。「シマッタ!」と思ったが仕方ない。「エンジン・
パーツだ」と言うと、驚くべきことが起きたのです。「オカネ、チョウダイ!」と、
日本語で言いました。ポケットの中の小銭を2~3百円つかんで渡そうとしたら
「ノー、パピエ、パピエ」と言う。「パピエって、ペーパー、つまり紙幣を寄越せと
いう意味だ。これはタカリだ!」と思ったが、ヤムナク、財布の中から1000取
り出して(現地通貨はすべて使っていましたので)渡したら、製品は返してくれまし
た。千円札を持っていたから良かった。持ってないと1万円召し上げられるところで
した。
 「驚くべき」というのは、この間のやり取り、大声でしたから、周辺の税関員に筒
抜けでしたが、誰も咎める人が居なかったことです。
 発展途上国というものは、仕方ないものだと、その時は思いました。

 ところが、「破綻国家の内幕」(東京新聞取材班、角川文庫)という本を読んでい
たら、「建設業保証会社をめぐる権益」という章がありました。要点はこうです。
【「建設業保証株式会社」という会社が、北海道、東日本、西日本と三社ある。何を
する会社かというと、官庁が建設業者に公共工事を発注する時、工事費の一部を前渡
します。受け取った業者が万一倒産すると、官庁は前払い金を回収出来なくなるので、
業者は、前払い金額の一定額(01年西日本で0.22%)を、保険として保証会社
に払い込む。もし倒産したら、保証会社が発注官庁に弁済する、という仕組みです。
 この会社、利益率がべらぼうに良い。経常利益率67.5%(東日本、99年度)
というから、天下のトヨタも顔色を失うほどの儲け振りです。
 勿論、この保証会社には、建設省事務次官等のエリート官僚が、社長などに天下り
している。どうして儲かるかと言うと、公共工事を発注する際、倒産しそうなところ
は最初から指名しないからです。(近年、若築建設などの倒産があったから絶無では
ないが)】
 しかし、おかしいと思いませんか?保険というものは、不慮の事故で損失を受けた
当事者が、当事者以外に損失金を補填してもらう仕組みです。この場合、当事者は官
庁です。倒産によって前払い金を回収できないとすると、官庁は損失を受ける(つま
り税金の損失が発生する)。そこで、保証会社が保証しますが、保証会社に積み立て
られた保証金は、建設業者が払い込んだ金で、その金額は業者の見積もりに入ってい
る。つまり、受け取った前払い金(税金)の一部です。従って保証会社に積み立てた
金は税金の一部です。
 総括すると、税金に発生した損失を税金で補填している。何も保険になっていない
じゃないですか。
 保険と思うのは、保証会社は実質は税金で運営する官庁であるのに、民間会社であ
るかのように思わせることから来る錯覚です。
 これは、公共工事への”タカリ”です。私が許せないと思うのは、エリート官僚
は、こんな理屈が分からない筈はないのに、堂々と、こういう会社に天下りしている
ことで、やっていることは、ジャカルタの税関の小役人と同じではないか、と思える
からです。役人のタカリは、発展途上国だけでない。


税調に思う

2005-07-04 | 経済と世相
先日、政府税調の答申なるものが発表され、TVでも新聞でも話題になった。皆様
ご承知のことですが、新聞で論じられていないことで、疑問に思うことがあります。

 1.増税する場合には、最低課税限度額の引き下げ(つまり所得控除額の引き下げ)
と税率のアップがあり、両者の組合せで、次のケースが考えられます。
①税率を据え置き、所得控除額を引き下げる。この場合、負担は低所得者に大きい。
②税率を引き上げ、所得控除額は据え置く。この場合、負担は高所得者に大きい。
③税率を引き上げ、所得控除額を引き下げる。この場合、負担は低所得者にも高所得
者にも大きい。
 今回の税調の見解は①の路線を取っています。しかし、何故②③を取らず①なのか
の説明がありません。
 2.「少子高齢化を乗り切るためには増税は避けられない」と述べていますが、
「増税すれば、少子高齢化を乗り切れるのか」の説明がありません。
 私は、「少子高齢化は増税では乗り切れない!」と考えています。年金制度の維持
が出来るかどうかは、働く人と年金で食べさせてもらう人の比率の問題で、現役世代
の比率が低くなれば、増税しようとしても、その増税に現役世代が耐えられなくな
る。だから、税制の問題ではない。
 現役世代が少なくなれば、高齢になっても現役に留まるしか方法はない(移民を導
入すれば別ですが)。
 人類はホモ・サピーエンスの発祥以来、子を産んで育て、死ぬ時は子に面倒を見て
もらってきた。子を育てないで、老後は子に面倒を見てもらうことが不可能なこと
は、老人の世話が家庭から社会になっても同じです。
 だから、なすべきことは、企業が定年後も従業員の雇用に責任を持つことや、高齢
者が働ける労働環境を整備することで、税制を変更して解決できる問題ではない。税
制で、解決できると言うなら、増税でどれだけ金が入り、年金でどれだけ金が出るか
を明らかにする必要がある。その点、何も示されていない。
 3.「財政が破綻しているから増税は避けられない」と税調はいいますが、「増税
すれば財政が良くなるのか?そもそも増税で、財政がどのようになるのかの説明がな
い。
 大雑把に言って、年間の国民所得は500兆、国の税収が42兆で、借金(公債発
行残高)が750兆にもなる。つまり、国民が一年の稼ぎを100%税金として納
め、それを国は一銭も使わなくて借金の返済に回して1年半かかる。100%税金は
無理だから10%にして考えたら、国は税収を1銭も使わずに、返済を続けて15年
かかる。この間、公務員には1銭も給料は払えない。こんなことが出来るわけがな
い。つまり、国の借金は返済できないのです(インフレにすれば別です)。増税で、
返済できる範囲を越えてしまっているのです。増税で借金を返さないのなら、財政を
どのようにしたいと考えて増税するのか?説明がないのです。
 私見ですが、国債は永久国債(元金は返さず利息だけ永久に払う)にするしか方法
がない。と思います。
それにしても、国債を発行し続けるわけには行かないのですが、そのためだけなら、
国の支出の合理化で乗り切れるのでは?と思います。いずれにしても、国の財政状態
がどうなるかの説明なく、増税だけを議論するのでは、論理的な議論が出来ません。
 そもそも、何故こんな借金を積み上げてしまったのか、原因の追求が全くなく、再
発防止策がまったくない。これは、太平洋戦争で、あれほどの惨害を国民に与えなが
ら、原因の探求も再発防止策も考えようとしないのと同じで、日本人は、税金も戦争
も、地震か台風のような自然災害と思っているのでしょうか?
 
 今回の税調の答申は全く論理性を欠き、これが学者の書いたレポートとは信じられ
ません。税調の会長は、以前、一橋大の学長だったそうですから、昔は立派な学者
だったと思うのですが・・
 一寸過激な送信になりました。


株主総会集中日

2005-07-04 | 経済と世相
 29日は株主総会のピーク、10時、D社の株主総会も始まりました。

 「ご質問の方は挙手をどうぞ」社長がこちらを向いたので即、挙手。番号、氏名の
後、発言。
 「JR西日本の事故があり、現場の安全管理の重要性が再認識されているが、臨時
社員の受け入れとその安全教育について聞きたい。
 近年、派遣社員やパートなど正社員以外の人たちが現場で作業することが多くな
り、作業不慣れによる労災事故が憂慮される。この観点から、直接作業の労働者のう
ち派遣社員の比率、パートなどの比率はどうなっているか?また、それらの人への安
全教育は、どのように実施されているか?」
「パートは8%、派遣社員は約16%になっており、作業に着く前には必ず安全教育
は実施、重量物のハンドリングは玉がけ作業の資格者以外にはやらせません」 労務
担当重役が回答した。
 
 なにしろ、過去最高の売上げと営業利益だから、文句をつける株主も居ない。他に
質問も出なくて、40分余で総会は終った。
 10分の休憩後、執行役員(7月1日からスタート)も出席し「株主懇談会」が始
まった。ケーキ・コーヒーのサービスがあり、会社の重点取り組み事項の説明後、株
主の質問、という段取りだった
 社長は、業績好調なので、話が止まらなくて、30分の予定が45分になる。目新し
いことが好きで、今、シャープ・D特殊鋼との共同開発で、「太陽光発電装置」の開
発に取り組んでいるという。
 受光面が太陽の方向を追随するようになっていて、この仕組みは、万博の名古屋市
「大地の塔」館に採用されていると宣伝していた。
 で、小生の質問1.「海外への工場展開に積極的だが、現時点で世界各地にどれだ
けの資産を所有し、収益状況はどうなっているか?」
 経営企画担当専務は「所有資産は北米27.14億円、欧州45.22億円、アジヤ
 75.27億円(うち中国12.65億円)です。収益状況は、北米・欧州はまだ
赤、アジヤは好調で4.9億円の黒字、しかしそのうち中国は、立ち上げたばかりで
1.7億円の赤です。」と言う。要するに、何十年も前から進出しているタイワン・
韓国等は利益を上げているが、近年になって進出決断したところは、まだこれから、
ということか。
(またUKに行くことになったYOSHIDAさんは、当分苦労することになりそう
だ。)
 質問2「生産設備の投資について、①設備投資のねらいを何処に置くのか?②設備
の革新を進めるため生産技術スタッフの増強を考えていないか?③設備投資金額の今
後数年の推移は?」と聞くと、技術担当専務が回答した。投資金額は単体で年30
億、連結で50億円程度という答えだったが、それ以外は具体的な回答にならなかっ
た。
 総括すれば、社長が「トラックの台数が11万から10万ぐらいに減ったが、中国
だけで40万台のトラック需要があるから、・・・」と述べていたように、世の中輸
出が出来る企業は、大好調でわが世の春だが、内需だけの企業は不況に苦しんでいる
のだろう。
 今年からの総会で内容が大きく変わったのは、連結決算中心の報告になったことです。

紫君子蘭

2005-07-01 | 旅行
尾張名古屋のNOZUEです。
>  朝のジョギングコース、名古屋城南の路傍に今年も花が咲きました。
> これって、アガパンサス、紫君子蘭でしたか?
>