古稀の青春・喜寿傘寿の青春

「青春は人生のある時期でなく心の持ち方である。
信念とともに若く疑惑とともに老いる」を座右の銘に書き続けます。

内税方式への切り替え

2004-03-29 | 経済と世相
 プールの帰りによく寄る食堂があります。ランチが¥480で、税込み¥504で
した。和食で、6種類のお菜がついて¥480ですから、抜群に値打ちです。
 今日のプール帰りに寄ると、これが¥530になっていた。政府が、4月から外税
方式でなく内税表示を義務付けたための値段改定です。でも、単に税額表示の変更な
ら¥504、端数を切り上げても¥510です。それが¥530、便乗値上げ?とい
うと、中小企業には気の毒です。やっていけないので、いずれ値上げしたかった。政
府が値札を変えよというから、この際値上げしたということなんでしょう。店も申し
訳ないと思ったらしく、刺身の切り身が少し大きくなった。
 ところでこの問題について、28日の中日朝刊に、超有名な経済学者の大先生の論
文が載りました。【なぜ、内税に変えるのか。ある人は、将来の消費税引き上げの布
石だから反対だという。
 ちょっと待ってほしい。外税と内税でどこが違うのだろうか。外税なら消費税額が
すぐわかるから、引き上げにくい、いわゆる痛税感がはっきりした方がいいというこ
とのようだ。ならばそういう方にたずねたい。ではあなたは、交通料金や酒税やタバ
コは内税であっていいのですか。・・これらも外税にすべきではありませんか。】
【欧州では、消費税はすべて内税になっている。なぜなら、消費者保護法で、消費者
が価格比較によって選択できないのは、消費者に不利益を与えるという発想からであ
る。
・・・内税がいいか悪いかではなく、間接税に移行する時代の流れが誤っているのか
どうかである。】
【今回の年金をめぐっての争いを解決するためには、国民年金の国庫負担を1/3か
ら1/2に引き上げ、これが年約1%の消費税に当たることから、保険料引き上げよ
りよいことではないだろうか。】
 大先生の主張は、『内税は消費税額がわかりにくいなどという低次元な議論をする
な、世の趨勢は間接税の時代で、年金制度の維持のために増税が必要。消費税の引き
上げは不可避であるであることを国民に納得させる議論こそ必要だ』ということらし
い。
 こちらこそ、一寸待ってほしい。やっぱり、消費税を上げる準備で、今回、内税方
式に
するわけですね。消費税引き上げをやるのには、別に外税でも内税でもいいんじゃあ
りません?
 私が不愉快に思っているのは、こういうことです。日本の財政が、大ピンチ。年金
問題がなくても、大増税が必要な状態にある。だから、いずれにせよ、大増税はやら
ざるを得ない。しかし、誰がそんな財政状態にしたのか?(少なくとも私はそんな借
金をしてくれと政府に頼んだ覚えはない)責任者を処分せよというのではなく(本当
はそうして欲しいけど)原因を調べて再発防止策を講ずるべきでないか。それをせず
に、消費税がいくらかなるべく分かりにくくして、消費税アップの準備しようなん
て、まったく国民を馬鹿にした話です。皆さんは、そう思いませんか?

銀行問題のダブルスタンダード

2004-03-28 | 読書
読書感想の最終版、( )内は小生の感想です。

【足利銀行に対しては、旧都銀とはいわば180度異なる処理をすることが決まっ
た。地銀や第二地銀は、一時国有化路線でいきますよ、というに等しい。大手銀行に
は適用されなかった竹中流のハードランデイング路線は、相手が地銀であればどんど
ん適用するということであろう。
 これは明らかに、ダブルスタンダードであった。】
(りそなと足利銀行への政府の対応は、完全にダブルスタンダードです。メガバンク
の破綻は、海外に影響大で米国からクレームがつく?足銀はその影響が栃木県に留ま
る?だからダブルスタンダードになった、と考えるのは小生の僻みでしょうか)
【大手銀行の処理が甘いということは、りそな銀行の実質国有化が決まった昨年5月
の連休明けの時点で、外国人投資家にとってはすでに了解事項になっていた。だから
こそ、東京株式市場では金融株や低位大型株に対する外国人買いが入っていた。りそ
な処理と、外国人の買いが連動していたことはいうまでもないことなのだ。
 公的資金を注入する、という政府の”セーフテイネット”が働いているからこそ、
金融のシステミック・リスクが回避されたという理屈はわかる。だが無原則な公的資
金注入は、国民の血税をドブに捨てるだけである。決済機能が麻痺して企業の連鎖倒
産が起きるというのであれば、決済機能だけを切り離して維持する算段を練ったほう
がまだましであろう。】
 
【日本政府は、国民の経済的苦境を省みることなく、おかしな大手銀行救済策を繰り
返している。大手銀行には仕事がない(TK―ML9088)にもかかわらず、公的
資金を注入するから日本経済は安心だ、という。これは、戦時中の”大本営発表”の
ように聞こえなくもない。】
(大本営発表は、善意に考えれば、国民に心配を懸けない為に行った。銀行問題も国
民に心配させないように、実態を知らせない?)
最後に著者は、イラク問題についても、以下のように疑問を呈しています。
【アジヤという地域で、日本は経済的リーダーシップを発揮できるポジシヨンにい
る。
世界にとって日本は、「国権の発動としての武力行使を行う権利」を放棄している貴
重な国でもある。その憲法は、唯一の核被爆国だからこそ勝ち得たものである。この
輝かしい希少価値を、日本は失おうとしているのではないだろうか。】
 以上、書名に相応しくない真面目な本でした。
 

為替介入の問題点

2004-03-27 | 読書
 同書からの引用、著者は為替介入の行方を憂いています。(( )内は小生の感想で
す。)

【「1940年体制」は依然として、そっくり温存されている。この戦時統制システ
ムが残っているかぎり、日本は官僚が支配する”覆面社会主義国家”をやめることが
できない。世界の常識からいえば恥ずべき行為である為替介入を平然と行っているの
も、ここに病根がある。
 ふつう政府・日銀が為替介入を行うとき、円売りによって市場にばらまいた円を、
新たに国債を発行することで、”回収”する。・・
 ところが、85年のプラザ合意後、円売り介入で政府・日銀は何をためらったの
か、市場に投入した円を回収することをしなかった。これが”不胎化”の介入・・・
これこそが、その後のバブル経済を招いた大きな要因である。
 昨年から今年にかけて、政府・日銀はかつてない規模の円売り介入を行っている
が、これも”不胎化”の介入である。為替市場には、回収されない円がだぶついてい
る。これが、バブル経済再来の論拠であろう。
 たしかに、市場には円があふれている。
 だが、”プラザ合意”後の資本市場はきわめて閉鎖的で、閉じた世界だったという
ことを忘れてはならない。逆に、いまの市場は規制緩和がすすみ、開放的になってい
る。・・・ばらまかれた円は、、日本国内というコップに留まることなく、重力を
失って漂うだけだ。
 円に対する需要といえば、ドル安を嫌う逃避通貨であることと、海外の機関投資家
が日本株式などのマネーゲームに興ずること以外に、たいした使い道はない、海外の
投資家にとって、円はもはや魅力のある通貨ではなくなっている。・・・
 残念ながら、バブル経済はやって来ない、・・・垂れ流している為替介入資金の円
によって、将来さらに新しい問題がもたらされる危険性を警告しておきたい。円暴落
による悪性インフレの発生だ。
私達は、安い海外製品に囲まれているからこそ、デフレの中でなんとか生活を維持
している。ところが、輸入物価の上昇で、身の回りにあったはずの、頼みの綱だった
海外の安い製品が値上がりしていく。すると、景気はいっそう低迷するにもかかわら
ず、インフレがやってくる。これが悪性インフレ・・】
(今、世界経済の大問題は、実物資産の裏づけのないドルが溢れていること、そのドル
を買い支えることは、円も実物資産の裏付けなく溢れていくことを意味し、そうした
円は日本政府のコントロール不可になるのでは?ある日突然円が投売りされたら?)
【アメリカ帝国は、いずれ経済の理屈によって倒れていくことになるであろう。
 日本とアメリカのいずれが先に倒れるかという点では、私はアメリカ経済の崩壊の
方が早いとみている。・・・もちろん、そのときは日本経済も共倒れである。】

 独断と偏見のメールが長くなってすみません。次回で終わります。(続く)



国民経済を前提にしない経済学

2004-03-27 | 読書
 私が日頃思っているのは、グローバル化した経済環境では、今までの経済学はすべ
て見直すべきだということです。この本の著者も、そのことを明確に主張していま
す。
【経済学の理論は、国民経済というものを前提にして成り立っている。
 国民経済とは、日本経済やアメリカ経済、ドイツ経済という国境によって閉じられ
た経済である。
 ところが、いまの経済環境は国境が低くなり、ボーダーレスになっている。ボー
ダーレス経済というよりは、グローバル経済といったほうが正しい。為替が自由化さ
れ、資本の国際移動が頻繁に行われるようになると、国民経済という視点では捉えら
れない現象も起ってくる。
 いままで国民経済という単位でくくられていた市場が、その軛から解き放たれたと
同時に、世界の資本市場が市場リスクによってネットワーク化されてしまったという
ことだ。】そうした観点から・・
 米国経済については
【・・・ドル安になれば(米)国内の輸出産業が元気になって輸出が増え、経常収支
が均衡していくという為替の自働調節メカニズムが働くと一部のエコノミストはい
う。・・・これは古臭い教科書のような議論である。
 ドル安で元気になる主要な輸出産業は、すでにアメリカ国内にはない。主要な輸出
産業はとうの昔に多国籍企業になって、アメリカ本土から姿を消している。・・・
 したがって、残念なことだが、経常収支が均衡へと向かう自動調節メカニズムは、
いまのアメリカ経済では働きそうにない。
 アメリカは、イラク復興事業を取り仕切って、各国からまたもやカネを引きずり出
そうと画策している。アメリカという国は、自国経済のためならどのような手を使う
かわからないところがある。
 ・・・これはいよいよアメリカ帝国の終わりの始まりが始まった・・・】
 中国経済は
【人民元の通貨価値が本当に安いというに足る、純粋に経済的な合理性があるのか、
定かではないのだ。中国の国民経済を考えた場合、そこにはたいへんな数の貧しい国
民がいるため、公正に見て元が安すぎるという評価は下せないのである。】
 日本経済のデフレについて
【マクロの視点で土地問題を考えると、日本の地価下落はこれからなお深刻になる可
能性がある。
 ひとつには総人口が2007年から減っていくという事実である。実需を支える日
本人が減っていく。これが大きい。】
 ひとつは【スクラップ&ビルドで、より有利な地域、国々へと飛び立っていくとい
うトレンドが本格化しつつある。コストの高い土地はどんどん捨てられる流れになっ
ているのである。
 もうひとつは、海外から流れ込む安い製品が、海外の土地と日本の土地との価格差
を埋める働きを持つという点だ。経済学ではこれを「要素価格均等化定理」と呼んで
いる。
 GDPデフレーターの推移を見てもわかるとおり、デフレはいよいよ厳しくなって
いるのである。】(続)
訂正:前便(TK―ML9088)でビジネス者はビジネス社のミスでした。

銀行が株を売る時

2004-03-26 | 読書
 友人からメールが入り、『金融資産がねらわれている』(高橋乗宣著、ビジネス者)
が面白いよ、という。題名が、センセーシヨナルでどうかなと思ったが、著者は雑誌
などでユニークな論陣を張っているエコノミストなので、買って読んでみました。
 述べていることの殆どは同感できる内容でした。ただ、理屈抜きで結論だけを並べ
たようなところに不満がありますが、大衆向けの本ですからそうなってしまうので
しょう。
 書名の意味は「デフレを解消し、政府の財政を立て直すため、政府も大銀行も、14
00兆円といわれる国民の金融資産に目をつけている」という意味です。以下、興味
を引く論述を下記します。
【 】内は同書の引用、( )内は小生の感想ないし注書きです。

【個人の大半はいま、預金はほとんど普通預金で持っている。定期性預金はペイオフ
が解禁されているから不安である。・・・ペイオフの対象にならない普通預金に大勢
はシフトしている。

 政府による預金封鎖はいまのところ考えられないが、愛国税ぐらいはやりかねな
い。愛国税とは、要するに金融資産に直接課税する税金だ。
・・・ゼロ金利下であり、運用も難しいため、小金を持っている国民のほとんどが、
現金を普通預金に眠らせている。政治家もそうだが、このカネを何とか動かしたいと
思っている官僚は少なくない。・・・愛国税を創設して、国民の金融資産1400兆
円に網をかけようというのである。
 ・・・愛国税導入の効果はマイナス金利と同じであり、デフレ脱却にもつながる。
 しかし、これはたいへんな政治決断になる。・・・私は、愛国税より先に、「銀行
による株式や信託商品販売の”ワナ”」に注意をしなければならないと思う・・・】
 【・・・普通預金が動かない・・・大手銀行はほんらい、これ(預金)を動かさな
いことには利益が上がらない。銀行の一番の収益源は金融仲介業務であるから、金を
貸し出して、金利収入を得なければならない。企業間や個人の決済で上がる手数料な
どは、収益源としてはたかがしれている。・・・】
 【周知のとおり、大手銀行はこのデフレの不況下で、貸出先を見つけることができ
ない。かってのお得意先だった大企業は、社債を発行するなどして、証券市場で資金
調達を行っている。彼らに、調達コストの高い銀行で資金を借りたいというニーズは
少ない。銀行は収益源がなくなって、いまたいへんに困っているのである。
 すでに保険の銀行窓口販売など、いろいろな自由化がすすめられている。そして、
とうとう株式や信託商品の窓販にたどりついた。】
【・・・株式市場では、企業の年金解消売りが続いている。企業が従業員の責務とし
て運用してきた年金を解消するという行為も、どこか筋を間違えているニュアンスが
ある。・・・】
【銀行が株式や投資信託の販売を行うメリットはどこにあるのだろうか。・・・
 銀行は・・持ち合い株式を売っているにもかかわらず、顧客にはいかがですかと勧
めることになる。
 株式市場の自由化は、自分ひとりでは抱え込めないので、より多くの個人投資家
に”リスクの肩代わり”をさせる、という側面もあるのである。
 こうした窓口販売の強化によって、”安全確実”と思い込んでいた小金持ちの金融
資産が、よくわからないうちに”リスク資産”に置き換えられていくことにもなりか
ねない。】
(従来、銀行が株式販売を禁じられていたのは、それなりの理由がある。先般、足銀
は増資株を取引先に売りつけたが、これが銀行の破綻で¥0になった。こうしたこと
が今度は銀行の預金者との間におきないか?)(続)


情報公開の意義

2004-03-24 | 経済と世相
  22日の中日新聞一面トップに、吃驚するような記事が出ました(ところが他紙に
は全く出てないようです)。『ロッキード事件 最高裁、重要文書廃棄か』という見
出しで、
【・・「ロッキード事件」の捜査の過程で出された最高裁長官の「宣明書」など、同
事件関連の司法行政文書を最高裁が廃棄した可能性の高いことが分かった。文書管理
や廃棄の記録は残っていない。最高裁は2001年まで文書取り扱い要領を定めてお
らず、歴史的価値の高い資料をぞんざいに扱っていたことになる。】
 記事の要点は・・・社会福祉法人職員のMさんはロッキード捜査の際、米国側証人
の起訴猶予を当時の検事総長が確約した「不起訴宣明」を裏付ける最高裁長官の「宣
明書」が出された経緯を調査。2001年5月、最高裁の情報公開制度を利用して
①1976年7月に行われた2回の裁判官会議の記録や資料
②最高裁刑事局の職員らが渡米して、米国の判事と面会した時の報告書や持参した文

などの開示を求めた。
【このうち、裁判官会議の記録は一部開示されたが、最高裁と米側判事との交渉の記
録や、法務・検察当局、東京地裁とのやりとりの記録については「文書不存在」を理
由に不開示とされた。
 03年1月には最高裁長官の宣明書や英訳の写し、検事総長の「不起訴宣明」、米
側判事の「裁定」の全文などを追加して開示を求めたところ開示されなかった。
 最高裁は情報公開を始めた01年まで文書取り扱い要領を設けず、文書の保存や廃
棄が各部署の判断で行われていたことも判明。廃棄の記録も残っていなかった。
・・・「不存在」とされた文書は既に廃棄された可能性が高い。最高裁長官が検察側
の司法取引を裏付けた異例の「宣明書」など、歴史的に重要な資料がいつ、誰の手
で、どのように処分されたかは分からないという。
 歴史的価値の高い行政文書は国立公文書館などで保存されることになっているが裁
判所が保管する文書については、こうしたルールが定められていない。・・・】
 大谷最高裁秘書課長の話として
【(「宣明書」などは)調査をしたが存在しなかった。・・・一般論で言えば、保存
の必要性がなくなった文書を廃棄することは、特に問題とは思われない】
 こういう歴史的文書を廃棄して「問題とは思わない」という役人の神経が、私には
分かりません。
 日本の官僚は情報公開の意義が全く分かっていない。主権は国民にあり、政治や司
法の行った事柄や判断を、一定の時間を経た後、国民に見て頂くという観念がない。
国民を、エリート(官僚)の保護が必要な愚民だと、みなしているからでしょうか。
 いずれにしても、この話、他紙の報道もなくTVも伝えない(最高裁がこわい?)
のは真に不思議です。

42.195kmを走る

2004-03-24 | マラソン
 3月21日は昨年に続き、東京荒川市民マラソン大会(第7
回)に出場しました。
 早朝、大井町のホテルを出て、京浜東北線の赤羽駅に着いたのは6時40分。ここで
トイレに立ち寄る。昨年はここのトイレで、水を流すボタンが見つからなくてウロウ
ロしたが、扉を開けるレバーと連動して、水が流れる仕掛けは、他のトイレでは見て
いない。
 ホームに上がると、埼京線の電車がもう来ていた。二つ目の浮間舟渡駅で、下りる。
改札口は超満員、押し出されるように出て、ランナー送迎バスに乗る。7時には会場
(板橋レクスタンド前)に着いた。
 受付を済ませ、貰ったプログラムを見ると、全国47都道府県からランナーが参加し
て、フル出場者は17307名(5Km、3Km等含めると、18959名)である。
更衣室で着替えをして、8時過ぎ受付前でKさんと会う。彼は今日は出場しないのだ
が、埼玉南走友会から多数出場するので応援とのこと。
 9時スタートなので、10分前にスタート地点に行くが、ゼッケン番号順に並ぶこ
とになっている。自分のゼッケン(10185)の場所はスタート線より相当後であ
る。
 あまり後ろ過ぎて、9時のスタートのピストルが聞こえない。周りが歩き出し、時
計は9時を過ぎているので、「どうやらスタートしたらしい」。スタート地点に来た
ら9時12分、そこから自分のストップウオッチを押した。先頭はもう4Km近いだ
ろう。(靴に取り付けたランナーズチップで、個人別正味タイムは計測されるので、ス
タートの遅れは気にしない)

 今日は、素晴らしい青空、風もない。スタート前「気温は7.5度」の放送があっ
た。
 コースは、荒川沿いに東京湾をめざし21.1Km走り折り返す。4Km地点から
略2.5Kmおきに15箇所給水場がある。暑くなりそうだからこまめに水を取ろ
う。
 走り出したが、最初の5Kmぐらいは、前のランナーに足がぶつかりそうで、この
上なく走りにくい。でも、10Kmは63分で通過(自分の時計)。体調は順調だか
らこのペースでいくか、と走り続ける。10数人が川原に並んでタチションの風景も
見る。「良くぞ男に生れける」とでも思っているのだろうか、所々で地元の人たちが太
鼓の演出で応援してくれる。小学生が「頑張って!」とハイタッチ。
 新荒川大橋、鹿浜橋、江北橋、西新井橋、千住新橋、堀切橋、四つ木橋、木根川
橋、平井大橋と橋をくぐる。、小松川橋を過ぎて「河口から5Km」の標識を見る。
20Kmも2時間6分、10Km63分だ。それから荒川大橋を過ぎて折り返し。28
Kmでトイレ休憩。30Kmも10Km63分のペース。これなら4時間半で行ける
かな?ところが32Km地点で左足の膝ががくんと来た。「膝が笑う」という現象で
す。膝頭に力が入らない。走る時には体重の3倍の衝撃が足にあります。30Km走
るうちに仮に歩幅1mだとすると3万回の衝撃がある。十分練習を積んで足を鍛えて
ないと、膝がこの衝撃に耐えられなくなって起る現象です。立ち止まって屈伸運動。
しばらく歩いてまた走り始めると、なんとか走れそう。腕をなるべく大きく振り、足
は地面を蹴る走りでなく、右左交互に地面に置く感じで走る。スピードはがくんと落
ちたが止むを得ない。この辺りからアンパンやバナナなどが給水場に並ぶ。喉が渇いて
いたので、貰ったオレンジの旨かったこと。35Kmでシャーベットのサービス。これ
も旨い。

 ゴールで、見守っていたKさんが「NOZUEさあん」と応援してくれた。フィ
ニッシュで時計をみると、4時間48分だった。公式タイムは5時間になる。
 昨年は、手術の後で絶不調、5時間20分(これが口惜しくて今年再挑戦した)。
もう5時間切れないかな?と思っていたが、まだ切れると自信を取り戻した。
 
 Kさんと、上野で食事をしようと帰り始めたら、リタイヤ者の収容バスが来た。下
りてくる人を見ると、気の毒なほど脚を引きずる人ばかり。制限時間が7時間あるの
で、6Km/時で行けば完走できる。速歩ぐらいの速度で良いと、初心者は思いがち
だが、歩くのと違い、走るのは脚を痛めるのだ。
 上野駅のRETORRO KANでビールで乾杯。食事を共にした後、再会を約し
てKさんと別れた。
 余分な話だが、浮間舟渡から上野駅まで¥210.上野から大井町までキップを買う
と¥210.つまり合計で¥420だが、朝、通して買ったキップは¥450だっ
た。JRの料金は随分大雑把だ。
 ホテルに戻り、部屋の鏡を見たら、黒人が映っている?よーく日焼けしたなあ、と
自分でも可笑しくなり吹出した。展望風呂に行く。体重は57.6Kg(前日59.6k
g)、湯につかり一日の疲れを取る。名古屋には22日、帰宅しました。

真紀子さんの娘

2004-03-23 | マラソン
 血圧の薬を貰おうと、夕方ホームドクターへ行くと、待合室に、今話題の週刊文春3
月25日号が置いてあった。「真紀子さんの娘の記事ってどんなの?」と手にとっ
て、パラパレと目を通した。
 「大騒ぎするほどの記事じゃない」というのが私の印象。要点だけ述べると「真紀
子さんの娘が昨年2月職場結婚した。旦那がアメリカ転勤で娘もついて行ったが、こ
のほど離婚して帰国していた」というだけの記事で、付随して、真紀子さんはこの結
婚に「家柄が違う」と大反対していたと述べている。
 要するに、真紀子女帝の我侭が、娘の結婚もぶち壊したとは言っていないが、そうで
はないかと推察させようという内容です。
 ”個人のプライバシーの報道”と、東京地裁が販売さし止め仮処分をしたそうで
す。確かに書かれていることは、真紀子さんではなく、真紀子さんの娘の話で、公人
ではない。だから、プライバシーの報道に当たるという地裁の裁判官の判断は分かる
(文春側は、多分、内容は娘の記事でも、真紀子代議士と言う公人の性格を裏付ける
記事だと主張するでしょうが)が、それを以って雑誌をまるごと販売停止と言うのは
疑問です。
 週刊誌の常ですが、時折目からウロコの良い記事もあります(特に文春は)が、毒
にも薬にもならない下らん記事もあります。今回の記事は、その毒にも薬にもならん
例でしょう。
 この程度の内容の記事をデカデカと報道する出版社も問題だけど、この程度の記事
一つで、雑誌をまるごと販売さし止め(他に良い記事があるのに)という裁判官の判
断もおかしい、と私は思います。
 逆用すれば、権力者の気にいらない雑誌を、気に入らない記事でなく、他のどうで
も良い記事に難癖をつけて、販売停止が可能になるということになります。

イラク戦争の動機

2004-03-18 | 経済と世相
 イラク戦争開始から間もなく一年です。何故、アメリカはイラクを軍事攻撃したか

かねがね疑問に思っていました。巷間いわれたのは、イラクは世界第二の産油国、石
油の利権だという説です。しかし石油だけなら、アメリカは自国でも産出するので、
戦争の危険までおかしてイラクを攻撃するかな?というのが私の疑問でした。ところ
が・・・
 高橋乗宣著「金融資産がねらわれている」(ビジュネス社刊)という本に、明快な
回答を見ました。
『アメリカは、国際決済通貨としてのドルの地位を守りたかった』というのです。
 アメリカは、いわゆる双子の赤字で、どれだけ赤字が出ても、輪転機をまわしてド
ルを印刷すれば、やっていける。国際決済通貨を発行できる特権があるからです。こ
の特権が失われると、アメリカは、ただちに一流国の地位を失うことになるでしょ
う。以下、同書から関連部分を紹介します。

【じつは、イラク軍事攻撃とアメリカの通貨政策が結びついていたのではないか、と
いう見方が広がりつつある。
 イラク攻撃の狙いは当初、世界第二の産油国であるイラクの石油利権ではないかと
言われた。しかし、石油の産出国である当のアメリカが、イラクの油田欲しさに軍事
攻撃をしかけるのは、納得のいかない話だった。
 ただ、イラクの油田を押えるということは、戦略的にもう一つの側面があるのだ。
フランスやロシヤによるイラクの油田開発を阻止するという目的である。つまり、フ
ランスやロシヤが始めようとしていた、ユーロ建てやルーブル建てによる原油取引を
阻止するために、アメリカが軍事侵攻を開始したのではないかということだ。石油取
引の決済通貨が問題だったというのである。
 いま世界の原油取引はすべてドル建てで行われている。石油は世界最大のエネル
ギー資源であり、その取引高は年間でおよそ7億5750万バレル(02年)ドル、
1バレル28ドルとして換算すると、決済資金は年間で212億1000万ドルに上
ることになる。
 ここにもし、ユーロ決済、ルーブル決済の原油が現れ、ドル決済の牙城が崩された
としたらどうなるか。国際決済通貨としてのドルの地位が、揺らいでくるのである。
それは”蟻の一穴”であり、ドルという”巨大なダム”は一気に決壊する可能性さえ
ある。・・・・
 ドルが一手に原油の決済資金を担っている意味は小さくない。そうした決済資金と
して通用するからこそ、強いドル、有事のドルがある。ルーブルはともかく、原油取
引にユーロが侵食してくることは、アメリカにとって大きな脅威であった・・・】


Qちゃん残念!

2004-03-15 | マラソン
 15日、4時ごろ外出から帰り、「今日は銭湯の”敬老の日”だ」と、近くの銭湯に出かけました。露天風呂に体を伸ばしていたら、「NOZUEさん、Qちゃん選ばれなかったヨ」と隣に入ってきたのは、同じ住宅のSさんだ。「やっぱり!」。「まア、Qちゃんも歳だからネ。選ばれたのは20代。Qちゃんもう31だから」、「外国人は30過ぎてもバリバリ走る選手がいるが、日本人では少ない!結婚とか色々あるから無理じゃない。それとも民族的な体質の差があるのかね」とSさんは言う。民族の体質はどうか分からないが、ひとしきり風呂場談義が花盛りでした。
 帰ってきてメール見たら、MORITAさまのメール「NOZUEさんどう思う
?」。・・・

 今回の選考基準は「四つの大会の上位入賞選手から、オリンピックに入賞が期待できる選手を選ぶ」
 この選考基準、実は曖昧で、次の二通りの解釈が可能です。
A:四つの大会の上位入賞選手から(4大会での走りの内容から判断し)オリンピックに入賞が期待できる選手を選ぶ。
B:四つの大会の上位入賞選手から(4大会だけでなく今までの実績を考慮し)オリンピックに入賞が期待できる選手を選ぶ。
 常識的に考えれば、Aの解釈です。しかし、陸連としては、本命の選手が4大会で不調の場合を考え、Bの解釈の可能なように、わざと曖昧な表現をとったのだと思います。
 Aの解釈でいけば、当然、今までの実績に関係なく4大会の内容から判断するのですから、Qちゃんは選ばれません。一方、Bの解釈によれば、東京大会で日本人トップに入り、今までの実績は抜群ですから、Qちゃんは当然選ばれます。
 選考委員会でもめたのは、A,Bどちらの考え方で選ぶか、だったと思います。
 スポーツは、ルールを明確にすることで成り立つものと、私は考えます。自然な解釈をすればAがルールです。ですから、私は、Qちゃんを選ばなかった陸連の判断を支持します。
 たとえ、Qちゃんを選ばないことでオリンピックのメダルを逸したとしても、ルールどおりにやることがスポーツなんです。
 マラソンは本当に走ってみないと分からない。毎年強風に悩まされ、記録の出にくいとされる名古屋女子マラソン、昨日は殆ど風がありませんでした。ノーマークだった土佐選手が(といってもQちゃんがオリンピックを決めた4年前の名古屋でQちゃんに次ぐ2位でしたが)、4大会での最高記録をだしたんですから。
 毎年、いちばん記録の出やすい大阪で、異常な低温で記録がさえなかった。大阪大会の記録を見て「Qちゃんは名古屋に出る必要はない」と判断した小出監督の判断も、まさかの結果を生みました。
 それにしても、昨日の名古屋マラソンは、マラソン史上に残る大会になった。ビデオにとった土佐選手の激走を、これから、再度見てみます。