古稀の青春・喜寿傘寿の青春

「青春は人生のある時期でなく心の持ち方である。
信念とともに若く疑惑とともに老いる」を座右の銘に書き続けます。

2008年の私撰10大ニュース

2008-12-30 | 経済と世相
今年も後2日、「2008年の私撰10大ニュース」をまとめました。

こうして並べてみますと、今年はまさに大変の年でした。

1. 日本人4人、ノーベル章受賞。

良いニュースが他にないのでこれをトップ

2. 東証ダウ暴落。一時8000円割れ。

経営者・有識者の株価予測は14000円~21000円でした(1月3日日経)。どうしてこれが有識者なの?

3. ビッグスリー、米国政府にSOS(フォード、マツダ株売却など)。

トヨタも赤字決算予想。自動車産業に激震!

4.原油価格暴騰と暴落

通貨は今や原油本位制、100ドル原油は米ドルの信認低下を示すのでは?

投機資金が引っ込んだら、今度は暴落?機軸通貨に安定なし。

5.年金記録ますます迷宮入り 誰が責任取るの?

6.元厚生省次官夫妻殺害される。

 年金テロ?官僚がテロの対象になるのは初めて、とマスコミ騒ぐ。

「誰でもいいから殺したかった」とか「30年前のペットのあだ討ち」だとか、社会が劣化した証拠。

7.米国金融不安(リーマンブラザース破綻、バンカメのメルリンチ買収など)と株価暴落

 グリーンスパンFRB前議長は「100年に1回の大事件」と言う。水野和夫氏は(三菱東京UFJ)「16世紀以来の大変動」と言う。金融で米国がポシャッタことは、世界の米国覇権が終わったことを意味し、まさに100年に一度の歴史の大変動だと愚考します。

.(米国連銀ゼロ金利、円高 ドル88円台です。ガソリンが安くなった)

外人さんお任せの東京市場から、サブプライム・ショックで外人さんが逃げ出した?

8.福田首相辞任と麻生内閣発足

安倍、福田内閣が倒れたのは、小泉失政の後遺症。

9. 後期医療制度の混乱 官僚と政治家の劣化は目を覆うばかり。

10.ガソリン暫定税率の騒動

 油の値上がりが,インフレに火をつけそうですが政治家に打つ手なし、と思ったが、年末にはガソリンが下がりだした。

番外. 四川大地震 今世紀最大の地震災害になりそうです。中国の出来事ですから番外としました。


本来なら、次のような出来事。例年なら10大ニュース入り。今年は事件が多すぎました。

大分県教育委員会汚職

 教育者もモラル消失?

事故米騒動

 焼酎好き激怒。経営者のモラルの消失は、日教組が悪いの?中山さん。

自衛隊派遣は憲法違反の名高裁判決(4/17) 鈍感力の強い政治家には「馬の耳に念仏」

新テロ法、衆院で再可決(洋上給油)

 国民には、ガソリン値下げに抵抗しているのに、何故、外国には気前良く無料給油?

毒入りギョウザ事件

 食品は地産地消が原則、食品運搬距離の縮小策が必要では?

小麦価格、4月から30%アップ

 「食品は安い国から輸入するのが効率的」と言ってた人は誰?

イージス艦、漁船に衝突

 軍隊は、国民の命を守ることは出来ない?

日銀総裁空席に

 国民の目線に立った金融政策を打ち出せない総裁なら空席の方がマシ。

秋葉原無差別殺人 派遣の野放しが、こうした事件の背景?

岩手・宮城内陸地震 被災者の方々には言葉もありません。

公務員制度改革法可決 もしかしたら、官僚改革の第一歩になるかも?でも、採用を省別でなく、何故一括採用にしなかったのかな?

米政府・北朝鮮のテロ支援国家指定解除表明 日本は他国を当てにせず自力で拉致被害者救出策を講ずるべき。

366km泳いだ!

2008-12-29 | 水泳
28日はは市営プールの年内最終日でした。午後、プールに出かけ、平泳ぎ・背泳・バタ・クロールと4種類の泳ぎを各300m、計1200m泳いで上がりました。これで、今年は累計で366kmを泳いだことになります。

56歳の正月から1日1kmの泳ぎを続けて16年間です。総累計は5970kmを超えました。1月末には、6000kmに達すると思います。

10日ほど前、県体育館で泳いでいる仲間(皆、マスターズ大会の常連で、メダリスト揃いです)と忘年会をやった時、励ましなのか、冷やかしなのか分かりませんが、「この仲間で、日本記録を出すのは、NOZUEさんとNODAさんじゃないか」と囃されました。

話半分でも日本記録を出すとしたら、85歳の時ですから、後12年。それまで今の泳ぎを続けると、多分、1万Km泳ぐでしょう。


最近思うのですが、「努力する」のが大事ではない。本当に大事なことは、「努力し続ける」こと。

 1週間、泳ぎはお休みです。来年もまた、マイペースで泳ぎますか!

「甘苦上海」

2008-12-28 | 読書
「甘苦上海」という小説が日経に連載されています。我が家では、日経は取っていませんので、図書館に行った都度読むようにしているのです。筆者は高樹のぶ子。雑誌の読み方と同じように、連載小説も、好みの作家の作品は、読むことにしています。

(恋愛小説の書き手としての高樹さんを、私は評価しているのです。)

 27日は、愛知県図書館の年内最終日ですので、自転車を10分余転がして、出かけました。雑誌を見た後、日経の小説をまとめて読んだわけです。

 ところが、この小説、ネットで掲載されているのですね。新聞にその案内があることに気付き,早速帰宅後、見てみました。

http://bizex.goo.ne.jp/special/shanghai/map/index.html

 新聞の直近一週間分が読めるようになっていました(それ以前の分は有料配信のようです)。途中から読む人のため、登場人物の紹介もあります。また「甘苦上海の風景」をクリックすると、小説の舞台となっている上海の写真と解説を見ることができます。

「執筆にあたって」という筆者の言葉には、次の記述がありました。

「上海は、1980年代のニューヨークみたいだ。今のニューヨークもロンドンも眠っているけど、上海は24時間目覚めている」

 小説をこんな形のメデイアに載せることもできる時代になったのか!と感じさせられました。

小説自体は、それぞれの好みですから、読むと良いとは言いませんが、一度このサイトにアクセスして、「甘苦上海の風景」をご覧になることは、おすすめできます。

こんなメデイアも出現したのかな、と思われることでしょう。



消費税引き上げ論の裏側

2008-12-27 | 経済と世相
 以下、小生の推理する消費税引き上げ論の裏側です。

なぜ消費税のアップに熱心なのか?経団連には前述の「あわよくば減税?」があります。

お役所には?

官僚は自分の権限を減らされるのが嫌いです。権限とは何か?というと、人事権とお金の配分権です。

 役人は社会保障費が増えること自体が困るのでなく、社会保障費が増えるために、自分たちの配分できる予算額が減るのが困るのです。

だから、消費税を上げてくれと言う。年金に回すためと言うが、お金に色は付いていないから、年金に使ったか、他に使ったかは、実際は分からないのです。

 たとえば、今、社会保障に年間20兆円を使っているとする。そして消費税のアップで5兆円税収入が増えたとする。年間25兆円を社会保障に使うのなら、増税分を年金に使ったといえるが、役人は、22兆円使ってそのうちの5兆円が消費税増税分だと言っておいて、自分たちの配分できる税金が3兆円増えたと満足するシナリオになりそうです。

 (人事権についてもそうです。公務員制度改革で、人事権を内閣府に一元化されたら、自分たちの人事権がなくなるので猛反対。

骨抜きにされそうなのに、麻生さんはやる気なし。

へそを曲げた渡辺前行革担当相は、「衆院解散」の野党決議に与党議員でただ一人賛成した。気持ちは分かりますね。)

消費税の引き上げ

2008-12-26 | 経済と世相
 「消費税の引き上げ」は、経済情勢の好転を前提として、11年度に行うと、与党の協議で決まったそうです。麻生総理が記者会見で、3年後の消費税率の引き上げを発表したので、そう決めないと、総理の面子に関わるのだろう。でも、そんなこと今決めたって意味ないと思います。3年後、麻生さんが総理である確率は極めて低い。自民党が政権の座にあるかどうかも疑わしい。

 それは別として、消費税のアップには、二つ大きな問題がある、と私は考えるのです。

 一つは、消費税を引き上げて本当に、財政は改善されるか?
もう一つは、年金制度との関連です。

 前者につては、実例がある。97年、消費税率は3%から5%に引き上げられた。ところが、97年度で約30兆円だった財政赤字は、98~99年と増加を続け、40兆円を越えてしまったのである。

『税収が増えれば、政府はその分使ってしまうのだ。その後、税収が減れば財政は悪化する。日本の財政はこれを繰り返してきた。だから、増税で財政赤字を削減することは期待できない。』(文芸春秋新年号、原田 泰氏)

 後者について。

 『しばしば政府は「将来の高齢化社会の深刻化に備えて、いまから消費税を上げておく必要がある」というレトリックを使うが、・・・確かに団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になる15年後には、医療費などの負担増に対応して消費税を上げる必要があるだろうと、私も考える。しかし、それならば15年後に増税すればいいだけの話で、今から増税すべき必要はどこにもない。』



 『基礎年金は、すべて税金で賄うべきだ』という。そして『その財源として消費税を当てるべきだ』と言う。 経団連や同友会、連合、そして民主党も「全額税による最低保障年金」を唱えている。

 しかし、消費税を年金財源とする前に、整理しておかねばならない問題がある。

文芸春秋新年号で権丈慶大教授が寄稿しています。その要点は、

 『従来、年金未納者には年金支給はしない仕組みになっている。今後もそうなら、未納者は消費税の負担だけして年金を貰えない。未納者も貰えるということにすると、現在年収1千万円以上の人のうち11%が未納者だという(国民年金)。そういう人にも年金支給することに国民は納得するか。

 次に、年金受給世代は、すでに保険料を完納していたのが、今後は消費税で新たに負担を求められることになる。

 更に、サラリーマンの負担が確実に増える。従来、事業主が負担していた保険料の分が、今度は消費税に置き換えるからです。だから、雇用税という形で企業増税をしないと、企業に対する大幅な減税になってしまう(内閣府試算で3.7兆円)。』
 『そして、現行の制度では、経済的弱者には、保険料免除のしくみがある。今後は、そういった低所得者も消費税増税の税負担を強いられる。

 基礎年金を全額消費税にするもっと大きな問題点は、医療や介護に回すべき財源まで年金に回すことになってしまいかねないことだ。 

 消費税を議論する前に、現在の税収の中で、社会保障に回す比率を高めること。日本のGDPに占める租税社会保障の割合は、OECD30カ国中26位だという。(日本より下は、韓国、トルコ、メキシコ)。ちなみに米国は25位です。』

 いずれも最もな問題点です。「年金の財源が必要だから、消費税引き上げは止むを得ない」という議論には、注意が必要です。(続く)

第四四半期の私撰10大ニュース(速報版)

2008-12-22 | 経済と世相
第四四半期の10大ニュースです。

 12月はまだ10日ほど残っていますが。余りの大ニュース続きなので、第四四半期の私撰10大ニュース(速報版)をまとめてみました。

この3ヶ月、3年分ぐらいの事件続きです。以下のリストを見て、本当に大変(大変化)な時代が来たと愚考しています。

1. 日本人4人ノーベル章受賞。

良いニュースが他にないのでこれをトップに。

2. 米国連銀0金利、円高 ドル88円台です。ガソリンが安くなった

3. 東証ダウ一時8000円割れ。

 経営者・有識者の株価予測は14000円~21000円でした(1月3日日経)。どうしてこれが有識者なの?

4. 年金改ざん続々。

これはもう国家の行った詐欺ですね。

5. 米国、北のテロ指定国家解除。

「テロ」の定義をブッシュさんに聞いてみたい。

6. ビッグスリー、米国政府にSOS。フォード、マツダ株売却など。

奢れるものは久しからず。

7. 空自トップ解任。

この程度の人物がどうして幕僚長になれるの?こっちが問題じゃない?

8. 元厚生省次官夫妻殺害される。

「誰でもいいから殺したかった」とか「30年前のペットのあだ討ち」だとか、社会が劣化した証拠。

9. 定額給付金騒ぎ。

総選挙目当てのばら撒きが、総選挙がなくなって、何のためか分からなくなったお粗末。

10. 解散総選挙先送り。

 勝てる当てがないなら、三分の二ある今のまま任期いっぱい行こう。



あまりに色々な出来事が多くて、以下は10大ニュースからはじき出されました。

11. 台風、日本本土に上陸せず。

これも温暖化の所為?代わりに株価暴落の台風。

12. 日銀またも利下げ。

何か効果あるの?日銀も何かやっとるということにしたいだけ?

13. Qちゃん現役引退。

本当にお疲れ様でした。

14. 三浦容疑者自殺。

自殺したってことは、やっぱり有罪?



追伸:以下大ニュースなれど、海外事件ですので番外とさせていただきます。

15. オバマ氏、次期大統領に当選。

16. インドで同時テロ。北朝鮮がテロの非難声明を出したとのこと。どうなってるの?

17. バンコク空港閉鎖。

カラオケと首相官邸

2008-12-21 | 経済と世相
 今日は変わった話題をお伝えします。
ご覧になった方もみえると思いますが、先日のNHKの「経済羅針盤」です。
ご覧ならなかった方のために。

マイクのメーカーの社長のインタヴューが放映されていました。

 カラオケのマイクって電波でなく、赤外線を利用しているそうです。
 赤外線は、壁の外に漏れない。従って、カラオケボックスの外に騒音がもれないのだそうです。
 外に漏れないから、盗聴を避けたい場合に使うと良いということで、首相官邸の会議室のマイクは、カラオケで開発された赤外線マイクを使っていると言うのです。

競泳選手の肩幅

2008-12-20 | 水泳
 柴田亜衣選手が引退を宣言したそうです。ご承知と思いますが、アテネ・オリンピックの800m自由形の金メダリスト。

Qちゃんの引退同様、寂しさを感じますが、どんな名選手にも引退の時は来ます。

 彼女は、オリンピック競泳の自由形で、金メダルを獲得した最初の日本人女性(現時点では唯一の)です。

 そこで、オリンピックの競泳で、日本人は今までいくつ金を獲得したか?という話題です。

バタフライ 1

背泳ぎ   2

自由形   4

平泳    14

だそうです(リレイは除いています)。

 平泳ぎの14個のうち、北島康介選手が一人で4個獲得しました。日本人は平泳ぎが向いているのでしょうか。

 このテーマについて、竹内久美子さんが、先日、雑誌で「日本人は肩幅が狭い。肩幅が狭い方が、水泳の時の抵抗は小さくなる」と述べていました。

 本当に、日本人は骨格からして肩幅が狭いのかどうか、よく分かりませんが、平泳ぎという泳ぎは、水の抵抗の最も大きい泳ぎだと思います。いかに水の抵抗を小さくするか、フォームに繊細なテクニクが要求されます。ですから、日本人が得意とするのかも。

 肩幅と言えば、バタフライの強い選手というのは、肩が盛り上がっているような体型の人が多い。肩幅の広くない日本人には苦手の種目かもしれません。

 その日本人で唯一の金メダリスト、ご存知ですか?

ミュンヘン・オリンピック(72年)の女子100mバタフライで、当時の世界新記録(1分3秒3)で優勝した青木まゆみ選手です。

 彼女のあだなは、「女金時」または「女金太郎」でした。体型が想像されますね。

ウィルスって何もの?

2008-12-19 | 読書
インフルエンザが流行り始めていますが、ウィルスってどういうものでしょうか?

福岡伸一さんの週刊文春12月11号への寄稿を紹介しましょう。

(雑誌は原則として購入せず、図書館で見ています。目次で、注目している筆者の文章を探し、読む。自分で購入すると後で保管場所に困ります。図書館に行けばバックナンバーを総て揃えて保管してくれています。)

 【第一の問いは、ウィルスは生物か無生物かである。・・・
ウィルスは、DNAあるいはRNA、つまり遺伝子を持っている。それがたんぱく質の殻で囲まれてできている。電子顕微鏡でしかその姿を見ることができないが・・・私たちがよく知っている生命体にはとても見えない。これが空気中を漂って、私たちの喉や鼻の粘膜に接着すると殻の一部が開き、DNAだけを注入する奴もいる。これまた機械そのもの。細胞はハイジャックされ、ウィルスDNAが複製され、ウィルスの殻が多数作り出される。ウィルス粒子が再構成され、細胞を突き破って一斉に飛び出し、次のターゲットを探す。

 だから生物を「遺伝子を持ち、自己複製するもの」と定義すると、ウィルスはまごうことなく生命体ということになる。

 第二の問い。ウィルスはどこから来たか。最小の自己複製単位であり、構造もシンプルだ。だから一見、ウィルスは生命の出発点。生命の初源形態のように思える。それがだんだん進化して複雑化していったと。否。ウィルスの遺伝子を詳しく調べてみると、それはいずれも私たちの遺伝子の一部に似ていることがわかってきた。つまりウィルスはかつて私たちのゲノムの一部だったのだ。私たちのゲノムは常に複製され、あるいは転写(DNAからRNAができること)されている。この過程で、たまたまはずみで細胞外に飛び出してしまった断片があった。それは流れ流れる旅路についた。多くのものは分解されて絶えたが、わずかなものだけは他の細胞に付着して複製できるチャンスがあれば増え、少しずつ変化し、殻で身を守るようになった。そして彼らは探し続けたのだ。かつて自分が属していたものを。

 彼らは確かにそこへ帰り着いた。しかし彼ら放蕩息子たちは、あまりにも変わり果てていたため、もはやすんなり受け入れてもらえなかった。むしろ私たちの免疫系は彼らをよそ者扱いして排除しようとする。彼らは必死に自らを増やし、自らをアッピールする。喉の痛みや鼻水や咳は、そんな小競り合いの結果である。

 ウィルスはとても不完全な存在なのだ。それ自体では、増えることもできないし、呼吸も、循環も。代謝もない。だからもし生物を、エネルギーや物質の交換が絶え間なく起こる「動的平衡」にあるものと定義すれば、ウィルスは生物とはいえない。

 ウィルス。この極微小の存在にしばし思いを馳せるだけで、生物学上の諸難問を一挙におさらいすることができる。風邪を引くのも悪いことばかりじゃない。】

 不幸にしてインフルエンザにかかりましたら、そのチャンスに、現代生物学を勉強してくださいと筆者は言っていますが・・・

総理大臣の読書

2008-12-10 | 経済と世相
内閣の支持率が急落していると、マスコミが報じています。 

作家の林眞理子さんが、週刊文春の11月20日号に書いていました。

【オバマさんの勝利宣言の演説はすばらしかった。言葉ひとつひとつが、後に教科書に載りそうな深い意味と重みがある。

 言ってもせんないことであるが、哲学を持っている人と持っていない人との違いであろうか。

 この前まで読書週間であったのではっきり言わせてもらうが、哲学を持てるか持てないかはただひとつ、本を読んでいるかどうかにかかっている。一国の首相が漫画が大好きと公言し、・・・嗜好品としての漫画以外にも、主食の本をたっぷり読んでのお言葉ならともかく、あの方、本当に本を読んでなさそうだものな。

 歴代の総理大臣では、大平正芳さんが大変な読書家として有名だったようだ。・・・「うー」とか「あー」といった口下手の印象が強いが、お話になることはちゃんとそれなりの重みがあったと記憶している。

 それが今じゃ、アキバの漫画好き自慢である。あちらの新大統領と比べて、やり切れない淋しい気持ちになったのは私だけではあるまい。】

 以上は、真理子さんの意見ですが、小生はこう思います。

 何故、首相は本を読まないといけないか?首相に限らず、たとえば企業の社長・会長も組織の長たるべき人は是非本を読んで欲しいのです。

 以下、小生の独断と偏見の読書論。

 人間が、物事を理解できるのは、過去の体験を自己の脳に記憶として持っているからです。つまり、人は何か問題に直面したとき、どう理解してどう解決すべきかを、直面した問題に似た体験が記憶の保管庫にないか、検索するのです。記憶があれば、その記憶を組み合わせて、どうすれば良いかを決める。まったく記憶がなければ、どうしたら良いかは分からない。事態の理解もできない。どんな優秀な人でも、まったく体験していないことは理解できないのです。

組織のトップになる人は、いろいろな問題に意思決定を求められ、その意思決定に関連する記憶をできるだけ沢山持っていることが望まれます。ところが、一人の人の体験には限りがあります。その限界を超えさせてくれるのが読書です。読書で読み取る内容が、疑似体験として、脳に記憶されるのです。

 読書をしない人間は、する人間に比べ、この疑似体験の記憶量が圧倒的に少ない。麻生首相はマンガが大好きだそうです。マンガがいけないというのではありませんが、マンガだけしか読まないとしたら、困ったものです。マンガを読むことと、文字を読んで頭に入れることとは、脳に要求される作業量がまったく違います。脳がどれだけ記憶するかは、脳の作業量に比例するのです。

 それにしても、読書量を心配しないといけないような総理大臣が、出現するとは思いもよりませんでした。血は、能力を保証するものではない、ということでしょうか。